switch101-9 かみなり
「雷は、天使ミカエルが、罪を犯した人間を討つ為に放っている」
俺が何気なく呟いた言葉で、鬼柳が不思議そうな顔で俺を覗き込んだ。
「クリスチャンだっけ?」
鬼柳が言って、首筋にキスを落とす。
「ん、違うけど…何かで読んだ」
俺はそう呟いて、何でこんな事思い出したんだろうと思った。
外は春の嵐で、雨と風、そして雷の音しか聴こえない。
部屋の中は、俺と鬼柳の甘い声しか聴こえない。
「何? これを罪だと思う訳?」
鬼柳が、首筋にキスマークを残して、舌で舐めとっていく。
「んん…あ…そう、じゃないけど…」
何だろう? 何でそんな事思ったんだろう?
てか、考えさせろ!
執拗に攻めてくる鬼柳に、俺はその意味を考える事が出来なかった。
結局、何だったんだ…俺…。