クリティアス大陸記
プロローグ
世界は三度滅んだ。
クリティアス大陸史には、そう記されている。
失われた世界では、大きな戦争の後、大陸が移動し、今まであった大陸は全て沈んでしまったという。
僅かに生き残った人間は新しい大陸を目指し、北の広大な大陸を発見した。
やがて昔と同じように人間がその大陸に国を作った。それは一つの国だった。
エデン、そう名付けられた国は段々と分裂を始め、全部で八つになった。
北のシャマイン国、シェハキム国。
東にラキア国。中央にエデン国、マテイ国。
西にゼブル国。
南にアラボト国、南東にマコノム国。
そして国ではない場所、大陸の中央には魔物や妖精が住む魔法の森ソロモン。
北の外海に果ての島との別名を持つ預言者の島。
その国々は戦争を繰り返し、領土を奪い合った。
そして幾度も繰り返される戦争で、最初の国が滅んだのが十一年前。
強大な大国へ進化を遂げて帝国と名乗ったアラボトとは異なり、戦闘の度に領土を奪われながらも、他の国の領土を奪い合う事はしなかったエデン国。その対照的な国の戦争である。
剣を持った戦いよりは魔法での戦いだったこの戦争は、アラボト帝国の方に勝利の女神が微笑んだ。
アラボト帝国の他の国への見せしめの為にエデンの国民を皆殺しにした。
エデン国はソロモンの森と隣接しており、常に精霊、妖精たちを大切に扱ってきた国民である。しかし、近年君臨した愚王マイヤール・アウシュバール・レイドリルファスが妖精王との唯一の聖誓であるソロモンの森に手を出さないという公約を破ってしまったため、妖精の加護を受けられなくなってしまったのだ。
滅びるのは愚王のせいとはいえ、エデン国民の中には妖精を純粋に愛す人間も存在した。その為、妖精王は怒りと悲しみを込め、ある行動でそれを示したのである。
一夜にしてエデン国の首都から腐敗した森を広がさせ、何人足りとも踏み入る事が出来ない土地にしてしまったのだ。
それが現在のファンゴルンの森である。
エデン国の国土の半分は、砂漠と化しニ度と人間が住む事が出来ない不毛の地となってしまったのである。それは四カ国が隣接する戦場となり、その後もその地の領土を巡り戦争が続いていったのである。
戦争は更に飛び火し、他の国も他国に対して侵略戦争を始めたのだった。
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