Switch101
6
ポラロイドカメラ
鬼柳は沢山のカメラを持っている。
報道用なのが沢山ある中にポラロイドカメラがあった。
「何で?」
俺がそれを持って聞くと、鬼柳もそれが出てくるとは思わなかったらしく、懐かしそうに見ていた。
「もう無くなったと思ってたが、やっぱりそこら辺にあったか」
「珍しいよね。こういうのも使うの?」
「いや、使わないんだが。これは、貰ったんだ」
「貰ったの? 使わないのに?」
「うん、押し付けられたが正しいか。人物撮ってる奴が、試し撮りするのに使ってたんだが、それで風景を俺が撮ったもんだから、縁起でもねえとかで押し付けられた」
「はあ?」
意味がわかりませーん。
「んー、なんか、これは人物だけ撮ると決めてたらしい。残る訳じゃねえのに、一枚でも他を撮ると、価値が落ちるとか言ってた。縁起担ぎだとか」
よく解らないが、左足から動くと決めた人が、右足から動いて、今日は縁起が悪いとか思うのと左程変わらない考えらしい。
大体、鬼柳の友達もおかしいぞ?
それだけで、カメラをくれてやるとは。
そう考え込んでいたら、フラッシュが焚かれた。
「え? 何?」
鬼柳を見ると、出てきた写真を取り出している。
「あ、フィルム入ってた。古いからどうだろう?」
などと言っている。
撮る前に一言言え!
引っ越しの後片付けも忘れて、鬼柳は写真の画像が出てくるのを待っている。
阿呆だ…。
「恭、ポラロイドはどうする?」
「ん、透耶にやるよ。後でフィルム買ってやるから、何か撮ってみれば?」
意図も簡単に言い放つ。
簡単に言うなあ。
しかも、どうするは、何処に仕舞うかって事なんだけど…。
んで、出来上がった写真を見てにやけている鬼柳。
絶対馬鹿だ。
でも、初めて貰ったカメラ。
さて、何を撮ろうかなあ?
俺は少しワクワクしていた。
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