Switch101
33
白鷲
イメージで言えば、恭は黒豹。
エドワードさんは、虎。
ヘンリーさんは、白鷲だ。
俺は…例えて貰うと。
「そうだな、透耶は怯えた子猫」
らしい。
何だよそれ。
「綾乃は気が強い猫だな」
「なんで、綾乃ちゃんが普通の猫で、俺が子猫なわけ?」
その違いは何なんだ?
すると恭はニヤリとして言った。
「最初からずっとそうだと思ったから」
「はい?」
なんだよそれ?
「だって、ずっとそう見えた。何かに怯えてるんだ。で、小さくて可愛いから子猫」
「何かって、それって鬼柳さんに怯えてたんだけど」
俺がそういうと、恭は首を振って言った。
「俺には怖がってたけど、怯えてたのは別のモノ。たぶん、呪いの事じゃないか?」
恭にそう言われて俺はふっと考えてしまう。
そう、恭に好きだと言われて、優しくされて、俺の気持ちがどんどん恭の方へ向き出した時、俺はずっとそれを恐れていた。
好きになってはダメ。
思ってはダメと思い続けながらも、一緒に行動し、矛盾した自分にも怯えていた。
なにより自分の気持ちに怯えていた。
「そうかもしれない」
俺はそう答えた。
全てはそこにあったから。
でも恭は笑って、俺の頭を梳いてくれる。
「今は、子猫だけどな」
「やっぱり子猫なんだ」
「いや、ネコというとなんだか、まんまな気がしてな」
恭が吃りながらそう言ったので、俺はさっぱり意味が解らない。
「なんでまんまなの?」
そう聞き返しても、恭は答えてくれない。
それどころか、さっき終わったばかりだってのに、もう酷い。
「だ、ダメ!」
「いいじゃん、もうちょっとだけ」
そう言われて恭に迫られると、俺も断わりきれなかったりする。
この数日後。
白鷲こと、ヘンリーさんから、ネコの意味を聞いた。
もちろん、激怒したかったけど、もう脱力するしかないよね。
そのまんまなんだもん。
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