raging inferno
19
壮比の屋敷を出てから、少し離れたところに立っている蓮の自宅に向かった。
屋敷は景色を優先したらしく、住宅から少し離れているけれど、立派な家だ。
蓮がちゃんと稼いだもので建てたらしく、広めに作ったのは将来を考えてのことだった。けれど、蓮は言う。
「この家を出るとき、まさか一緒に住む相手を連れて帰るとは思いもしなかったな」
蓮がそう言って部屋に入る。その蓮の家の近くには部下の比嘉の家や共同で住めるような家がある。
葵依が蓮の家に引っ越してくるにしても、葵依の荷物は段ボール一個の洋服だけだ。他は燃えてしまったから、貴重品のみ東京の貸金庫に預けているけれど、まだ様子を見たいので東京にはいかない。
だから何もかもを蓮に頼るしかなく、蓮はそれを喜んで葵依の必要最低限の日用品を揃えてくれた。
荷物は玄関先に届いていたのでそれら運び、蓮の指示で置き場所を確認していく。
玄関から少し複雑に壁があり、複雑な廊下になっているのは、襲撃された時のためらしい。リビングは一面にガラス窓であるが、その向こうは崖だ。
庭も広いけれど、海まで見えて綺麗である。
「うわ、すごい……」
開く窓は二箇所しかないが、他のガラス窓は防弾ガラスで海からの狙撃を一応は対策をしている。
もちろん沖縄で高嶺会の会長屋敷が建ち並ぶところに奇襲をかけようなどという輩はいないので過剰な対策であるが仕方ない。
この小さな村程度の集落は、渡真利の関係者ばかりで、他の真栄城や古我知家はまた別の所にあるそうだ。
なので街並みを歩いていても外部者が入ることはないというから、葵依はちょっと気分は楽だった。
服などはまだ夏用しか揃っていないが、季節ごとに買い込んでいくことになっているので、クローゼットはガラッとしている。
蓮の服はスーツが沢山並んでいて、普段着も少しだけあるが、基本はスラックスとワイシャツで過ごしているらしい。
それに着替えた蓮はまずは夕食を用意してくれた。
葵依はその間、一緒に台所に立って簡単な野菜の炒め物をする。
肉はいいものを用意して貰ったので、葵依はそれが楽しみで焼いている間もうろうろしていた。
それらを食卓に並べて、二人で黙々と食べた。
葵依はステーキが美味しかったので満足していたし、蓮はやっと穏やかな時間が訪れてホッとしているようだった。
リビングでくつろいだり、風呂に入ったりと動き回っていたけれど、バスローブ姿で蓮が風呂から上がってくると、葵依はそんな蓮に欲情をした。
「ちょっと、いい?」
そう言って返答も聞かずに、葵依は蓮を押し倒してからその身体に触れた。
蓮の身体には、あちこちと傷があるけれど、新しい傷が脇腹と二の腕にある。
「当たったのか……これ」
葵依が覚えている限りで、蓮が怪我をした記憶はない。
風呂に入った姿も見ているから、こんな生々しく縫った後が付いている傷に気付かないわけもない。
「ああ、乱射されたからな。むしろお前に一発だけ入った分くらいだろう、まともに撃ったのは」
蓮がそう言う。
俐皇としても真面目に狙ってここだというところで葵依に邪魔をされてしまい、さらにはそれが葵依の腹に入るとは思わなかったと言っていたので、本当に葵依を殺す気はなかったからこそ、そんな葵依を庇った蓮を狙ったらしい。
「ああ、全部ちゃんとくっ付いている……よかった」
葵依はそう言って蓮の傷に唇でキスをした。
それは大事なものにするキスのようで、蓮は心地よかった。
しかも今は葵依の方が積極的である。これを止める気は一切なく、葵依の好きにさせた。
葵依は蓮の身体をしっかりと上からしたまで、様々な場所を撫でてキスをしていく。
そして蓮のペニスまで辿り着いてきて、それを手に取り、先を口に含んでいる。
「んふ……んっ」
先だけを舐めて次第にそれを口の中に含んでいく。
フェラチオをしてくる葵依の頭を蓮は撫でてやり、首筋までまるでネコを撫でるように撫でている。
「んふ……ん、んっんふ」
葵依は夢中で蓮のペニスを舐め、ペニスを勃起させるように舌で舐めている。
その姿は、蓮にとっては十分煽られるもので、たとえフェラチオが下手でも十分、蓮には性欲を煽られる。
散々舐めて勃起をさせたところで、葵依はそれを口から出す。
「大きくなった……ふっ……はやく、これが欲しい……」
葵依がそう言う。
けれど今度は蓮が葵依を押し倒し、葵依の身体を蓮が舐め回す。
二週間くらい動けなかった身体は一部の筋力が落ちているのが分かる。
人間、筋力はすぐ落ちるせいで、葵依の身体も最初の頃からすれば変化をしている。
それらを撫でていき、更に葵依が傷を負った痕まで辿り着く。
そこを撫でてやり、舐めてやり、蓮は聞いた。
「もう痛くないか?」
そういう蓮に葵依は笑う。
「まだちょっと引き攣ってる。リハビリしてないから仕方ないって」
術後寝たきりが続いたせいで、葵依はその分引っ張られた皮が伸びてないのだという。
「大丈夫、また運動し始めたら違和感も消えるって」
医者にそう言われたと葵依が言うと、蓮はそこを舐めて愛おしそうにする。
その傷はずっと残ってしまうだろうけれど、それは葵依が命がけで蓮を守った証拠である。それを見るたびに蓮はこの愛しく、強くて格好が良い男が、全身全霊で蓮を守ってくれた事実を何度も思い出すのだ。
蓮はそこを通り過ぎて、葵依のペニスを扱き始め、そしてアナルにローションを付けた指を入れる。
「あぁあん……ああ……はぁっ……ぁっ、ん、んっ……あっあっ……や、はぁっ、んっ」
中を指で広げられて葵依は息を吐きながら声を漏らす。
蓮によって中を擦られるだけで、葵依はどうしてもそこが気持ちよくなってしまう。
普段はそんなことを考えたこともなかったのにだ。
「ひっ……っ、んっ、そこ、はぁっ、だめっひああっ、あっあんっ、だめっだめ……っ、あっああぁあ……っ」
奧を抉られるようにされ、葵依は身体を反らす。
「ああっ、んっ、あっ、あっ、ふあっ、あんっ……はぁっ、んっああぁっ」
ペニスを扱かれながら、中を抉られると、どうしても腰が自然と動き始める。
こうされることが気持ちが良いと感じるようになったのは、蓮とセックスをしてからだ。そしてそれに抵抗感は一切なかった。
女性を抱けない葵依には、やっと納得がいくような結果だ。
この男に抱かれるために、自分は生きてきたのだと思えたのだ。
「ひあっあっ……あ、ああんっあああんっあんっ……っんっ……っあっあうっ」
散々中を弄られるけれど、それは葵依を抱いてから一ヶ月も経っているから、仕方がないことだ。慣れていたそこもすっかり最初の頃のようになっていて、慣らしてやらないと怪我をする。
蓮は怪我をさせたいわけじゃないから、丁寧に中を広げた。
「ふあっ……あっいっああっ……だめっ……あんっんんっ……らめっあああっ! あ゛っあ゛っあっひぃっあっあんっあああっ……!」
弄られてそれだけで葵依は絶頂をさせられる。
「可愛くイッて、葵依……好きだ」
蓮がそう言うので葵依は絶頂感を味わいながら夢見心地で言う。
「俺も……好きだ……」
こうやって身体を許せるほどに、蓮を信頼していたし、この男に惚れている。
葵依がそう告げると、蓮はしっかりと葵依を抱きしめて、勃起して硬くなっているペニスを挿入させた。
「あぁっ……あああっあっあっあんっ」
押し挿入ってきた蓮のペニスに葵依は、満たされたような気分になる。
「葵依……大丈夫か……」
「あ゛あっ……大丈夫、だから……気にしないで……たくさんして……ひっああぁっはぁっあっあ゛っあ゛っあひっあぁっ、あんっあんっ」
葵依が遠慮をしなくていいと言うと、蓮はそこから全速力になる。
葵依は性欲が抑えきれない気持ちであるが、それ以上に蓮も同じ気持ちを抑えきれない。
けれど葵依が病み上がりであるから気にしているけれど、葵依はもっとと強請る。
「あぁっひっあ゛っあ゛っあぁあっあんっあっ……あんっ……あぁんあ゛あっ、もっと、もっとちょうだい……っあっんあひっあっはぁっあっあっああぁんっ……あんっあんっあんっ」
「……はっ、葵依……中が凄い……」
「いいっ……、あつくて、硬い、んぁっ……きもちぃ……あっ、あぁんっ!」
獣のように求め合って、二人はただ抱き合う。
もう恋人であるし、親公認でもあるから、誰に気兼ねをすることもない。
一般の人とかヤクザとか、そういう関係はもう二人は超えてしまっている。
「あーっ、あぁっあっあっあんっ、おくっ……ごりごりしちゃっ……はぁっ、いぁあんっ」
内壁を抉られて、更に奥まで届いた蓮のペニスが突き上げてくるのに、葵依は嬌声を上げて悶える。
「あっ、ひっふぁっ、い゛ぃっ……あっぁんっあひゃああっ! らめぇっ……あっあんっ、あんっそこっ……んっ」
やっぱり蓮とのセックスを葵依は気持ちがいいと感じて、もっとと蓮に強請る。
蓮は執拗に葵依の良いところを擦り上げて、強く葵依を突き上げる。
「あっ、ちくびいいっ……ひあっあっあんっなめちゃっやらぁっんっ」
葵依の乳首にも蓮は噛みつくように吸い上げて、舌で嬲ってくる。
「ああぁんっ! んゃあぁっ、あっやあっ、あんっ、あぁっあぁっひっぃいっ……もっやらぁっ……ちくびっ、……あっはぁっあっあっ!」
乳首と奧を同時にされると、葵依はどうしようもなく絶頂をしそうになる。
「あっひぁっ……っもっいっちゃう、あっあぁんっ、せーえき、あっちょうらいって、ぁっ……ああぁあっ、ふあっぁっ! あんっ! あんっ!」
奧に欲しいと葵依が強請り、蓮も我慢が出来ずに葵依の中に精液を吐き出してくる。
「あっ、あっきたっああんっ! あんっ、やっ、あぁっ……、いぁっ、ふぅっ」
一緒に絶頂をし、葵依も精液を吐き出したけれど、蓮は休まずにまだ腰を振っている。
蓮のペニスは精液を吐き出しても尚勃起しており、硬さは少し落ちてもまだ内壁をこじ開けられる力を持っている。
「やぁっあっあんっあんっ、らめっらめぇっ……あっあっ、やあああっ! いってるからっ、あんっあっあんっ!」
また葵依は一から追い上げられるけれど、快楽はすぐに葵依に襲いかかってくる。
「あぁっ、ああっ、いいっ、ああんっいいっ……あっあふぅっあっあっあっ、ああっ、はげしっ、はぁっ、あうっ、ひぃぁっ」
気持ちが良くて葵依は喘ぎ、そして腰を一緒に振る。
葵依のアナルからは吐き出された精液が掻き出されていて、淫らな水音が鳴り始める。それすらも二人を煽るには十分で、二人はただ激しく絡み合った。
「ひあっあっあっあんっうあっああああっあ゛あああっ……いいっ、ん゛ああっ、蓮のおち○ぽ大きいのっ気持ちいいっあっひっい゛っいっ……っ」
気持ちよすぎて嬌声が上がってしまうのを止められず、葵依はただただ喘いだ。
「葵依……はっ……気持ちいいか?」
「あ゛ああっいいっあぁんっ……蓮の大きいおち○ぽ、すきっあああんっ……あんあんあんあんっあひっい゛っあっあ゛っあああっ」
「これ以外で感じるのは駄目だぞ……これだけで感じるんだ」
「あっ……うん、うん、蓮、すきっはぁん、んっ、んっあぁんっ! んぁあっ……んっ、おくっいいっ、あっあぁんぁんっああぁーっ! あっあぁっ……ぁんっ」
「俺も、葵依が好きだ……」
「やああぁーっ、んっ、いいぃっ、もっ、いっちゃうっ、いくっ! あっあぁあんっ!」
葵依はまた絶頂に導かれて、蓮もまた中出しをして一緒に絶頂をした。
見つめ合ってキスをして、そしてまだその時間は続く。
「はぁっ……はぁっあぁーっ……ふあっ、すごいっ……あぁっ、あ゛、あーっ……はあぁっ……んっ、あっ、あっ……ああぁっ、いい、きもちい……っ、はぁあああ……!」
中を抉られ続けて、葵依は既に快楽に追い立てられて嬌声を上げ、それに煽られた蓮は腰を振り葵依に快楽をどんどん与えていく。
「あああっ、そこ、そこっ……いい、ああっ……んあああっ! んはぁっ、あああ、あふ、んんっいい……いいっ、ああ、あぁっ……」
既に葵依はドライで達するようになり、突き上げられるだけで何度も脳天を突き抜けるような絶頂感を味わった。
「ああぁんっ! ひぃいい……っ!!ああああああぁ!! あっ……ぁあーーっ!」
「葵依、気持ちがいいか……どこがいい?」
「あっ、あっあああぁ! ああぅ!あ……っ、あぁんっあ、おま○こが気持ちがいい……っあっあ……あ、あっ……あぁあっ! あっ、あ……き、きもちい……っああっ、お、おま○こがぁ……っおま○このなか、弄られると……っ、ああ! そこ、そこぉ……っ、いい……おま○こきもちいい……っ」
「中にまた出してやるからなっ葵依っ」
「あああぁーっ! あああ!! ひあああぁっ! ふっん、あっああっ、また、いっちゃう、んっはぁんっなか、だしてっ蓮のせいえきちょうらいっひぁああっ!あーっ、いくっ、いっ、んっあっああああぁんっ!」
獣のように乱れて二人は絶頂を迎える。
「あぁーっせいえききたっ……ふあっ、んっんっ、やぁっあっはぁあっあっあっ……また、あぁあっ……いっちゃ、いっちゃうっ……あっあぁっ」
葵依が連続で絶頂をし、精液を吐き出すと、あまりに感じすぎたせいで断続的に精液が何度も吐き出されている。
そんな状態でも、蓮はそんな葵依に煽られて、セックスを終える気がなかった。
葵依も蓮を求めて腕を伸ばして言うのだ。
「もっと、ちょうだい……蓮を感じさせて」
「もちろん、望むままに」
汗まみれで抱き合っていることで葵依はやっと自分の心が落ち着いていることを知った。それを分かっている蓮は、葵依が求めるがままに快楽を与えてくれた。
穏やかな日々が葵依の中に訪れたのは、沖縄に来て一週間後だ。
やっと道場に案内され、身体を動かし始めたら、日常に戻った気になれた。
蓮の部下を相手に練習に励み、葵依はそこで部下たちに榧流を教える師範代になった。
もちろんそれは元々の榧流本家の道場を引き継いだ関たちを怒らせたけれど、奥義の継承を目的とした行動だと言うと、渋々葵依の行動を認めてくれた。
現在の榧流本家では奥義継承者は見つからない、だから葵依がこうやって違う場所で継承者を探す気になってくれたことは、関にとってはいいことだった。
それまでの葵依は、奥義継承をさせることすら嫌がっている様子だったから、それから考えたらまだ候補者を探してくれるなら、容認するしかない。
ただ葵依もまた師範代であり、厳しくまた強い。もし継承者が見つからずに終わったとしても探さずに埋もれさせるよりはまだ未来がある。
なので、葵依は当面の目的をやってくる挑戦者から、奥義継承者を見つけることにした。
それは蓮にとっても榧流を取得できる機会であり、さらには部下の戦力向上が見込める一石二鳥どころか三鳥以上で、もし奥義継承者が見つかったら、それはそれで育て甲斐があることになる。
そういうわけで、葵依は道場の師範代として君臨し、部下からは慕われていく。
最初こそ葵依の強さを知らない者が圧倒的な力で負け、葵依を慕っていく様子はある意味面白い。
そうして葵依は蓮から道場の師範代として給料を貰い、部下の戦力底上げに貢献している。
それは壮比も狙ってはいたけれど、部下がそこまで強くなるとは思っていなかったようで、一ヶ月もして成果が出たことに驚いていた。
「拾ってやったと思ったら、思った以上に役に立つとは。これはこれで想像外でよいことだ」
思った以上の葵依のできに、同じ細胞を持つ橙李と日向の子供が楽しみになってきたと言うほどだ。
葵依の生活はそこで地に足が付いた形になり、蓮は時々九州などへ飛んでいるけれど、葵依は沖縄で待つ生活になった。
もうあの時ほどの危険はないと蓮が言うので、葵依の護衛は必要ではないことと、まだ九十九関係でどうなるか分からないので、連れて歩けないのが本音だ。
不気味な事件が終わり、葵依の未来が南の地で始まる。
そんな時に、蓮が葵依の横に立ってくれる。
近くの海を散歩して、夕方はいつも沈む夕日を見る。
「思った以上に楽しいな」
沖縄の生活を葵依は楽しみ、蓮はそれにホッとしたように笑う。
「意外に馴染むのが早かったな」
「まあ、道場と扱き甲斐のある生徒がいるから、やる気もあるしね」
まだまだ不安なこともあるけれど、葵依はこの地で蓮の隣に骨を埋める。
長く彷徨っていた藤宮の地も、地元に戻ってきてこの地に帰る。
両親の墓も、東京ではなく沖縄に移そうと橙李とも話し合っている。
この地で、この男の隣で似た景色を見ながら、この地に眠る。
それが葵依の細やかな願いであり、それは蓮の願いと同じだ。
「これから、ずっと宜しく」
葵依がそう言って蓮の手を取ると、蓮はその手の甲にキスをしてから言う。
「こちらこそ、よろしくだ」
同性同士なので結婚式はしないけれど、その代わりに葵依の指には蓮から貰った結婚指輪がしてある。
蓮もまた同じものをしていて、二人はそれを付けることでパートナーになった。
夕日に指輪が光る中で、二人は誰も気にせずにキスをした。
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