raging inferno

7

 次の日に目を覚ますと、葵依のベッドの中にどういうわけか大きな物体がいる。
「……お前、何でこっちに入ってんだよ……」
 葵依が寝ていたベッドに隣の部屋で寝ているはずの蓮がいて寝ている。
 黒い大きな豹のようなモノがいる感覚になってしまい、身動きが取れない。
 横になっているのに、蓮に抱き寄せられているから抜け出せない。
「……しかも目覚め悪いのかよ」
 もぞもぞと動いていると、一瞬だけ目を覚ました蓮だが、葵依を睨み付けてから葵依を抱き寄せて、また眠りについてしまった。
 時間を見るとまだ朝の五時だ。
 当然人が起きている時間よりは、早いとは思う。
 けれど離してくれないとトイレにもいけない。
「おい、蓮。トイレに行くから離せ」
 葵依は蓮をどう呼んだものか考えた末に、思い出した蓮の名前を呼び捨てにして呼んだ。
 すると蓮はすっと目を開けた後に、一言言った。
「寝室に繋がっているところのトイレを使え」
 どうやら部屋を出るなということらしいが、自分が止まった部屋にはそんな部屋はなかったと思い、部屋を見回すと部屋の様子が寝たときと違っていた。
「はあ? 何これ」
 取りあえず離して貰ったので起き上がり、ベッドから立つ。
 気になることだらけであるがトイレにまず駆け込んだ。
 言われた通りに寝室に備え付けのバスルームも付いてて、主寝室らしかった。
「……寝てる間に運ばれたのか、俺……」
 まさか気付かないうちに部屋を移動させられていたなんて、いくら疲れていたとはいえあり得ないことである。
 さっきも寝ていて気付いてなかったことから、どうも葵依は蓮の気配を感じないらしい。
「何だあいつ、忍者か何かかよ」
 トイレを済ませてからふっと風呂にも入りたくなったので、そのまま風呂に入った。使って良いかどうかは聞かなかったけれど、どうせトイレを使ったのだから一緒だと判断した。
 スイートのシャワールームだから洗い場も広いし、備え付けのソープも種類があって豪華だなと思いながら使っていると、シャワールーム兼バスルームのスペースに蓮が入ってきた。
 どうやらトイレから戻ってこない葵依を心配したらしいが、暢気に葵依がシャワーを浴びているのを見てホッとしたように息を吐いている。
「悪いな、使ってるよ」
 一応断っておこうと透明なシャワールームのドアを開けてから言うと、そこに蓮も入ってくる。
「ちょっと……俺が出てからに……」
 まだ泡が付いている身体をシャワーで流していたら、その中に入ってきた蓮がそのまま葵依の身体を手で撫で回し始めた。
「お前、何して……ちょっと……」
 透明なガラスに押しつけられてしまい、葵依は手で押さえながら振り返ると、真剣な蓮がペニスを勃起させてそれを葵依の尻の割れ目に押しつけている。
「……え? なに朝勃ちしてんのを押しつけて……」
 そう思ったのも束の間、蓮は横にあったバスルーム内のケースから持ってきたらしい小さな入れモノを開けて、中身を葵依の尻と自分のペニスにぶちまけている。
「ひやっ! お前、マジで……何なんだ……ああっ!」
 何してんだと振り返ろうとすると、蓮が葵依のアナルの中に勃起したペニスを突き挿入てくる。
「ぁ……っは、はぁっ……も、無理……抜い、て……くれ……っ」
大きな圧迫感があるものが挿入り込んでくるから、葵依は息を吐いてそれを逃がそうとするも、それは結果的にペニスの挿入を助けていることになって、蓮のペニスはズルズルと挿入り込んでしまう。
「……おまえ……ぃ、いい加減に……っ、っひ!? ぅう……っぁ、ぁ、や、やめ……っ」
 一昨日になるが、一回は散々した後だから葵依のアナルはその蓮の形を覚えていて、すぐに内壁がそれを受け入れていくのが分かった。
「ああっ! やっ、あっはああぁっ……」
 奥までペニスが挿入り込んでしまい、ぴったりと内壁が蓮のペニスを銜え込んでいる。
 忘れたわけじゃない。あの初めてでありながら、それでもそこで気持ちよくなれたことは事実で、葵依は今でも身体がゾクゾクとしているのが分かった。
「ひあっ……はぁっはぁっはぁっ……ああっ……」
 無言で蓮は葵依の中に挿入り込み、そして深く突き挿入れた状態で息を吐いた。
「……お前の中、やっぱり最高だ……俺のに馴染んでいる」
 そう満足そうに言われて腰を動かし始める。
 性急な行動に葵依は文句を言いたかったけれど、それを言ったところで蓮がやめてくれるとは思えなかった。
「やっ! あっ、ああんっ、あんっ……ああっ、はぁ……っ、あん、ああぁ、んあぁ」
自然と嬌声が漏れるのは、息をそういう風にしろとあの夜に習ったからだ。
 その方が楽だったし、気持ちよくなれた。
 屈辱は一切感じなかったけれど、ただ恥ずかしいだけだ。
「あ! ああん、……あっ、あぁん……っああっ! あふ、ぅ……っ」
腰をしっかりと手で捕まれて、強引に引き寄せられて叩き付けられる。そんな乱暴なセックスだったけれど、それを葵依は乱暴だとは思わなかった。
「んあぅ……! んああんっああっ……んぁ、ぁふっ……ん、やらっ……! ぁ、や、やめ、あんっ!」
 蓮が最初からこういう感じだったのもあるが、映画やドラマのセックスが本気のセックスではないことくらい知っているから、本気でセックスをしたらこうなるのは仕方ないと思えたのだ。
 まして今も合意じゃない、無理矢理であるけれど、それに抵抗するだけ無駄な気がしたのだ。
 だって今は逃げようと思えば逃げられるからだ。
 蹴り上げて殴り倒してもいい。それで部屋から逃げられる。
 けれど、逃げたとしてもどうしようもない。結局顔を合わせることになるのだから、怒りで無駄な行動をしたくはない。
 精々アナルを貸して、扱いて精液を吐き出して貰えばそれですぐに終わる。
 そう計算した上で、葵依も朝勃ちしているのもあり、一緒に抜けば冷静になれると思ったのもある。
「ああ……っああっああっ……ああ……あああ……、ああうっ、ああ……ああっ……」
 抵抗しない葵依にそれ以上の乱暴はしない蓮はただアナルでペニスを扱いてくる。
 それはだんだんと高速になり、バスルーム内にパンパンと皮膚がぶつかり合う音がなり、ローションらしいモノをかけたアナルからはジュボジュボッと淫らな水音が鳴り始める。
「ああ……っ、らめっ…ああっ! んっ……あ、ああ……っああ……!」
葵依の嬌声も上がり始めて、蓮は何度も葵依を突き上げた。
「ああっ、あ……っ、も……あっ、あっんああ!あっ……ああー……っやあ……っ、あああっ!だめ、だめ……!」
先に葵依の方が快楽を得て、絶頂をしてしまったのだが、絶頂をして精液を吐き出している葵依を蓮は抱え上げ、向かい合わせにすると、ガラスに葵依を押しつけて持ち上げたままで行為を続ける。
「あぁ……っ!やだ……ああっ!あ!ぁあ―――ああ……っ、ああぁ……っあ……っ、んんっ」
持ち上げられて不安定になったから、葵依は蓮にしがみつくように蓮の首に手を回し、そのお陰でしっかりと二人が繋がったままでセックスが続く。
「んぁああっ! あぁんっあんんーっ! あん! はぁああん……っ」
強く上から落とされるように体重で蓮のペニスに乗るような形になっているから、抜く時しか上げられたら即落とされて、ペニスが一番深いところまで突き挿入れられる。
 その衝撃が溜まらなく気持ちが良くて、葵依は喘いだ。
「んっあぁあーっ、ちんぽっだめっ……あ゛ひっ、んっあ゛っあんっあんっあんっ」
無理矢理でも蓮にだけは許せる行為がセックスで、それがどうして蓮ならいいのかは葵依にも分からない。
 けれど殴り倒して離れることもできるのに、蓮にはここまで許してやろうという気が生まれるのか。
 どうしてほぼ初対面でセックスも無理矢理だったのに、平然と受け入れられるのか、葵依にすら分からなかった。
「あ゛っあ゛あああっ! あ゛ひっ、そこっ、らめっ、あ゛ああっ、だめっそこばっかゴリゴリしないれぇっ……! あ゛ーっ、あ゛ーっ、んっあああぁっ……!」
 ただ男同士のセックスに葵依が抵抗なく、それを受け入れられるのは元々葵依が異性に対していい気を持っていないことも関係しているのだろう。
 もし誰かとセックスをするまで発展したとして、きっと異性では上手くいかない。だから葵依は異性の経験すらないまま生きている。
 けれど性欲がないわけじゃないので、相手がいるならしてみたいとは思ってた。
 幸い蓮が相手で、酷いことはされていないから気を許しているだけだ。
「いい、あぁっ、もっと……もっとそこ……っ、あぁあっぁあああっ!!」
 だんだんとまたアナルで快楽を得られるようになってきて、葵依は自分もこの状況を楽しむことにした。
「あ、あ、あぁあ、あ、あ……いぃっ!あ……!ぅああ!あぁ――!! あ!あ……!ああー……っ!」
ただ突き上げられて引き抜かれるだけの行為で、葵依は快楽を得ていく。
 たった二回目のセックスなのに、完全に蓮によって骨抜きにされた。
 気持ちが良くてもっとして欲しくて、葵依はただ嬌声を上げる。
「あああああっふぁ……あああっああああんっ!ああっ! あっ!ああぁっ……!!」
「……っ!」
 蓮が腰を振りながら大きく息を詰めた時、葵依の中に熱い液体がぶちまけられた。
「はあぁあんっ! いい……っ、ああ……! 気持ちがいい――……っ……!」
 それが気持ちが良いほど感じて、葵依はそのまままた絶頂をする。
 蓮の腹によって擦り上げられた葵依のペニスから精液が吐き出されて、勢いよく半透明の液体が二人の腹を汚す。
 それがシャワーに流れて消えていくと、やっと蓮が葵依を床に下ろしてくれた。
 やっと蓮のペニスが葵依のアナルから抜けると、どっぷりとアナルから蓮の吐き出した精液が溢れて漏れ出た。
「……も、中出し……すんなよ……」
 尻から沢山漏れる精液を必死に掻き出そうとしている葵依を見て、蓮がそのアナルに指を突き挿入てくる。
「ん゛あっ……あっ、あっ、指、待って、ん゛っぁああっあ゛あん゛っあああっ、指、入ってああああっ」
 まだ快楽が残っているからこそ、指でも中を抉られたら、葵依はどうしても嬌声が上がってしまう。
「だめっそこに……ゆびっらめっ……ああんっひあっあ゛っんぁっ……指、だめえぇっ……あ゛っんぁっあっああっ」
 いいところを擦り上げられて、葵依は足をガクガクと震わせているけれど、その蓮の指にすら葵依は感じてしまい、どうしようもなく乱れる。
「あ゛ああ~~っ……ん゛ひっ、いっい゛っんぁあっ、あっあ゛っあっなかっ、だめっだめっ、あぁあんっああんっ……ひっんっんあああぁっ」
どうしよもなく高められて、葵依は蓮の指でまた絶頂に導かれる。
「ひああっ……ん゛っひっいっ……んっああぁっん゛ぁあああ゛あぁっ、らめっ、いっいくっ、いっ……!」
 蓮の指で絶頂をさせられてしまった葵依は、ぐったりと倒れそうになるのを蓮に支えられて、ふらついたままでまた蓮のペニスがアナルに挿入り込んでくるのに気付いた。
「ん゛ひっ……はいって、んっ大きいちんぽが……なかっはいっちゃ……あ゛っん゛っあああっ……抜っ……ぬいて、あ゛っ、ううっ、ん゛っあ゛うっ……んっああっ……はっ、はっ」
奥まで挿入り込んできて、また馴染んでくる蓮のペニスだけれど、それはさらに奥まで挿入り込んでくる。
「あっ、あっ……、ひっあ゛っ、あああぁぁっあ゛ひっ、深い……ああっ大きいっ、なにこれっ……、あっ、あっ、ふかいっああんっそこまでらめぇっ……、あっ、あ゛ああっああんっあああっ!」
頭の中が真っ白になるくらいの強さで奧を攻められ続け、葵依は嬌声を上げて自らも腰を振り始めた。
「あ゛ああんっああっ!! ああああっあっぁっあっ、いいっ、おちんぽっきもちいいよぉっ……、あああぁん……はぁんっ……あっあっあひぃっ! あっあぁっ、あひぃっ……、らめっ、ああああーっ……」
この気持ちよさを知っているから、腰は止まらないし、蓮ならもういいやと言う気になって、全部を蓮に任せてしまう。
 こんなことでもないと、きっとセックスなんて一生しないで終わっていたかもしれないのだ。
 なら、もうどうでもいい。
 この男と一生を過ごすわけでもない。
 この奇妙な事件が終わったら、それで一生会わないような関係だ。
 ならもう楽しんだ方が気持ちが楽だった。
「やっ、あぁっそんっ……はぁっ、ああんっ! んっあぅっ……やっあぁっあぁっ、らめっ、んんっ、ひぁんっ……! あっ……あぁっあっ……ちんぽっでっぐりぐりって、あっやっ、あはぁんっ……」
 蓮はただ無言で犯してくるけれど、その蓮のペニスがガチガチに硬いことだけで、蓮も感じているのだと葵依には分かって、何だか安心した。
 こんな格闘技しか取り柄のない男に欲情する男なんてそうそういるわけもないのだ。
「あぁああんっ、もっやらぁっ、いっちゃう、おちんぽっやらっいくっやらっあああんっあああんっあああんっ!」
 葵依が絶頂をするのと同時に、また蓮も葵依の中で精液を吐き出してくる。
「も、……また、なかっいくっいっちゃうっあっあっあっあ゛あ゛ひっあ゛っまって、らめっあ゛っあ゛っはぁああ……ぁん、も、らめ……あっあっやぁっらめっあぁん」
 とうとう葵依は今度は精液を吐き出さないで、ドライオーガズムで絶頂をしてしまった。
 それは快楽が長く続く絶頂の仕方で、相当慣れていないとできないことであるが、相性がいいとここまで簡単に覚えられる絶頂の仕方らしい。
 ガクガクと身体を震わせて絶頂をする葵依に、蓮はまたペニスを勃起させてくる。
「も、やら……も、むり……」
 さすがにここまでやられたら溜まらないと葵依が悲鳴を上げるけれど、蓮はそのまま葵依を続けざまに犯してきてしまった。
 結局バスルームで一時間以上も二人はセックスをしてしまい、気付いたらベッドの上でも普通にセックスを繰り返して、気付いたら二時間はしっかり抱き合っている羽目になってしまったのだった。

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