shortshort 26

誰かが見ている

 陸がそのことに気付いたのはその人と視線があったことだった。
 あれは夏前の少し暑い日。
 陸は明紘という恋人と青姦をしていた時、気持ち良くて喘いでいるところで目の前の草むらに人がいることに気付いたのだ。
「あぁあっ……はぁっはぁっ……らめっ……あっぁんっあっあぁっ……んんっ、らめぇっあっあんっあああ?」
 喘いだ時に目の前に他人の瞳が見えたら悲鳴を上げてしまうところだったのだが、それを感じている声だと思われて明紘に更に奥を突き上げられた。
「まって……ひあぁああーっ……! あひっ……あ゛っあぁあっ……はぁっいいぁっ……ああっ……」
人が見ていると明紘に伝えようとするのだが、その草むらからすっと手が伸びてきて陸の乳首を指で摘まんできたのだ。
「あ゛ああぁんっ! あぁっ、あっあんっあんっいいっいいっ! はぁっあんっあぁああんっ……」
 大胆な痴漢、覗き見をしていたのが男だと分かったのは、大きな硬い指だったからだ。
 その指は指先だけで器用に陸の乳首を弄り、その弄り方はいやらしくそのせいで陸はとんでもなくセックス中に快楽が倍になるくらいに感じた。
「ん――っ! あ゛あああぁっあひっあひぃっ! あっあんっあんっあぁあんっ!!」
「は……陸、すごいよ。今日は……とても締め付けてくる……」
 明紘は陸が覗きをしている男に乳首を弄られているのには気付いていなくて、必死に腰を振って自分のその技術で陸が気持ち良くなっているのだと勘違いをしていた。
何度も覗きに乳首を弄られているからと言おうとするのだが、そのたびに覗きの男が乳首を捏ねて引っ張ってくるから嬌声しか陸の口から漏れない。
「はぁああ……らめぇ……ぁんっあぁっ……ひあああぁんっ! やぁっもっやらっあっあんっらめっはぁあっ」
セックスでここまで気持ち良くなったことがなかったから、陸はこのまま耐えるしかなかった。
「ふぁああっ……らめっあーっ……あふっあっんんっ……はぁんっ!」
乳首が異様に気持ちがいいと思っていることを悟られないように、明紘のペニスで気持ち良くなっていることにして、陸は嬌声を上げ続けた。
「あああっやっ、あっあんっあんっあんっあひっあっあんっ、んっふああっいいっ、あぁんっんっあっあっあっあんっ」
この青姦をしている場所は海の近くの森だ。
 人は来たとしても青姦をしているくらいで、夏くらいしか人はいない。海が近いので風もあり虫が出ないから人気の青姦スポットで人は結構あちこちで青姦をしているから声を上げても誰も怪しまない。
 周りに家もないので車できて駐車場で盛っている人だっているような場所だ。
 だから覗きも凄く多い。
 覗きをされているだけなら気にしないけれど、まさかその覗きが手を出してくるとは想像だにしてなかったのだ。
「あっいっちゃうっ、あんっあひっあ゛っいっああっあっやっ、やめっぁっはぁっ、あぁ……」
乳首でイカされると言えないからただイクとだけ言うと、明紘もそれに合わせるように腰を振った。
それに合わせて覗きの男の手も乳首を捻って引っ張って指で引っ掻いてきた。
「ひああっ! んっあっはぁっあぁっ、んっ、あ゛ひっあひっあんっあんっあんっふ、ぅ……ん、ん、んっんっああああああっ!!」
「あ、あ、出る出るっ!!」
 とうとう陸は覗きの男の手で絶頂へと導かれてしまった。
 それと同時に明紘が射精をした。
 コンドームを付けているから中出しはされなかったけれど、その時ほど陸は中に精液が欲しいと思ったことはなかった。
(ああ……どうしよう……あのいやらしい指、あれでおま○こ抉じ開けられたい)
 そんなことを思うくらいに覗きの男の指は素敵だったのだ。
 明紘はそんな風に感じていた陸に満足したのか、機嫌良くその日は別れられた。
 しかし陸はそれでは満足できなかった。
(あの指が欲しい……もっと僕の体中を触って欲しい……)
 そんな願望が浮かんでしまい、陸はその週、悶々とした気分で学業に励むことになった。
 一人でオナニーをしても満足しなかったし、明紘にしてもらっても満足はできなかった。
 あれじゃないから満足出来ないと気付いていても、あれを求めることもできない。
 あの覗きの男が何者なのかも分からないし、あそこに行っても出会えるわけでもないのだ。
 あれは偶然あの場所に二人いて気紛れで覗きの男が手を出してきただけのことだ。きっと覗きとしてはルール違反なことだったろうから二度と手を出してくれないかもしれない。
 それでも陸はまたあの場所に行きたいと明紘に頼んでいた。
「青姦が気に入ったの?」
 明紘は意外そうに言ってきたけれど、それに陸は頷いた。
「だって……何か新鮮だったから」
 陸は顔を赤らめてそう言うけれど、あの覗きの男のことを考えるだけで今でも射精が出来そうなくらいに興奮している。
そんな欲情している陸に明紘も気分がよかったのだろう。
 その日の週末前にまた海の近くへと連れて行ってくれた。
人が少ない時間を選んだので、遠くで声が聞こえる程度であるが、覗きの男が前に出た場所を覚えていたので陸はそこへと明紘を連れていった。
 幸い明紘はそこを覚えてなかったので、木や草がいい感じに周りから隠してくれる場所だなと思ったようで早速セックスに勤しんでくれた。
「あぁっあっあっやっ、やぁ……っ、ぁん、ぁ、ふぅ……っん……っ、はふ……っは、ぁあん……っ」
陸は事前に準備してきたアナルを晒して明紘のペニスを受け入れた。
「あぁ、あぁ、あぁ、はっ、はぁっ……ああ……っ」
この場所にいるだけで興奮の度合いは違ったけれど、それでも物足りなさは消えなかった。
 しかし草陰を見ているとそこにいつの間にか人の瞳が見えたのだ。
「ひぁ……っ! あんっ! あっ、あぁあ――……っ!」
覗きの男がきたのだ。
 それだけで陸は一回絶頂をしてしまった。
「陸、イッちゃったね……でもまだまだだよ」
「あぅっ、ぁっあっあっあっ」
明紘は青姦ですぐに絶頂してしまった陸のことを青姦で興奮しているからだと思ってくれているようだった。
 それは好都合で、陸は木に両手を付いていたが、右手だけにして少し草むらに胸を近づけるようにした。
 ちょうど陸の体で隠れて草むらから何か出てきても、夜目が利かないから明紘も気付かない。
 すると覗きの男は大胆にも草むらから少し這い出てきて、唇で陸の乳首を吸い始めたのだ。
「あああっ! あぁん……っ! あっあ、あぁああっ! あああっ! はぁっ、はぁっ、は、ああああぁあん……っ!」
(やばい、乳首気持ち良すぎる……舌使いやばいっ!!)
 陸は嬌声を大きく上げた。
 男の舌はザラつきは強く、唇で乳首を吸う力はさらに強かった。
「あぁああっ! あっあ、はふっ……ん、はぁあんん! んあ……っ、ああ……っら、めぇああ……っ!」
 乳首を乱暴に舐めて吸って歯で噛んでと好き勝手にしてくる男の頭を陸は左手でしっかりと支えた。
 暗闇で見えないから大胆になっているけれど、男も遠慮なく陸の乳首をしっかりと吸い、片方の指では空いている乳首を指で捏ねて引っ張ってくるのだ。
「あふぁっ、はあっ、あっはぁっんあっあぁんっあひっあっらめ、んっああっ」
(乳首気持ち良すぎる……舌が凄い……やっぱり指も凄い、テクニシャン過ぎる!!)
「やっあっあっああっあひっあひっやっああぁっもっらめっ……ああっあああんっ! あ゛あ゛ああっ! い゛っ……あっ、ああっ」
男の指や舌使いにすっかり高揚した陸はただ嬌声では嘘を吐く。
「あ゛っあんっきもちい、あんっああ、おちんぽでゴリゴリ気持ちいいっあっひあぁんっ」
確かにペニスも気持ちがいいけれど、それ以上に男にされていることを明紘が知らないということもスリル満点で気持ちよさに拍車をかけていた。
 男もそれが分かっているようで、執拗に陸の乳首を攻め続けている。
「あっいいっ……きもちっいいのっひっあっあっあ゛あああっあひっい゛いっあっあっあっあんっ!」
「陸、イクよイクっ!」
「あひっらめっあ゛っあんっあんっあんっあっひっあああんっあ゛っひっらめぇっ……あっあんあんあんあんあんっ!」
乳首責めはそれこそ強烈になり、陸は乳首だけでイカされそうだった。
「あんっあんっあんっ! あ゛ひっんっあぁああーっああぁっ……、んっあっあっ、あうっ……」
 すぐに明紘が絶頂をしてしまうけれど、陸もそれに合わせて絶頂はできた。
 しかしそこで行為は終わらなかったのである。
 男が乳首を舐めることをやめず、陸が絶頂して明紘がペニスを抜いたのに、まだ執拗に乳首を責めてくるのだ。
「あ゛ひっあひっんっあっあんっんっやぁっんっあ゛はっうあっんんっ好き、指も舌もきもちい、ふぁっ……ひぁっあっあ゛っいいっ……もっともっとほしいっあぁんっ」
そう陸が突然嬌声を上げたので明紘もやっと異変に気付いた。
「陸? どうしたんだ? 陸?」
「あぁあんっ! もだめっあっああっ、ああっ、らめっはぁんっ……あっ乳首いいっあぁんっおま○こもしてほしいっいいっああんっ」
 そう陸が叫んだ時、草むらから男が這い出てきたのだ。
 さすがに姿がしっかりと見えないけれど、暗闇から大きな男が出てきたら普通に誰でも驚くし、逃げるだろう。
「ひあああああ!!」
 明紘は人影を見た瞬間、とても驚き、あまりのことに陸を置いて駐車場に走っていってしまったのだ。
けれど陸はそんなことはお構いなしに男をしっかりと受け入れた。
男は陸を引き寄せると、陸の乳首を後ろから弄りながら凶悪なペニスを尻の間に擦り付けている。
「いいっきもちっ……いいっあああんっらめっおちんぽ挿入れちゃうの……ああんっいいっ……あっあっああっあっあっああっんっあっおちんぽほしい……大きくて凶悪なおちんぽ……僕の中にちょうらいっ!!」
男のペニスは黒々と見え、さらには太くて長く、凶悪なくらいに反り上がっていた。
 それは唯一見える街灯の光が何かに反社して映し出されていて、それに陸は惚れ惚れとしたように自ら尻を差し出していた。
 もちろん男も出てきた以上、やる気はあったようで遠慮なく陸のアナルにペニスを突き挿れてきたのだった。
「あ゛あっいいっ、あ゛あっ、らめっ、おま○こゴリゴリきたっああっ……ひっあっ、あんあんあっおまんこ……ああっ……らめっゴリゴリしちゃっ……ああんっおちんぽっおおきいいっああんっ……ああんっ」
とてつもない太くて長いペニスが陸の中を抉じ上げて挿入ってきて、陸はあまりの圧迫感に息を呑んだが、それでも気持ちよさが勝ってしまい、嬌声を上げていた。
「ああ、いいっ……きもちいいっおちんぽ……ああっ……いいっ気持ちいいっ……ああんっああっあああんっ」
 一気に突き上げられてしまい、陸は軽く絶頂をしていた。
 それがドライオーガズムであったせいで、陸は長い快楽の絶頂感を浴びながら、男に激しく突き上げられ続けた。
「いい……ああんっおちんぽっいい……ああんっああっ……きもちいいっああんっ……ああんっおま○こっああんっいいっあ゛あぁっ……おちんぽしゅごいっ、、ああっ、あっ、やああっあっあんっあっあ゛ああぁっ……すきっおちんぽすきぃっ……!!」
(ヤバイヤバイ!! このおちんぽっヤバいっ? 何これ信じられないくらい普段届かないところにもおちんぽがあるっ!!)
そして強烈に気持ちがいいことだけははっきりと分かった。
「いいっきもちいいっおちんぽっああんっらめっらめっきもちいいところばっかっ……こすっちゃっああんっらめっああっ、すきっ好きっ、おちんぽしゅきぃっ……あ゛っあ゛っ、あっ、きもちいとこっ、ゴリゴリされてっんっあっあああんっ」
知らない人のペニスを受け入れるなんて狂気の沙汰ではないけれど、それでも男から変な匂いもしなかったし、浮浪者ではなく本当に覗きのために通っている一般的なサラリーマンのようだった。
 スーツ姿であったし、少しいい匂いもしている。
そんな男に尻を突き出し、自らも腰を振って大きなペニスを受け入れて気持ち良くなっている陸は、この時は箍が外れていると言って良かった。
「ああ……すきっおちんぽっ……すきっああ……きもちいいっああんっおま○こゴリゴリされて……ああんっいいっおちんぽっきもちいいっああ……いいっおちんぽっ……おちんぽっああんっきもちいいっああんっ」
「ふっふっ!!!」
 男が声を漏らしながらも陸の体を楽しんでいるのが伝わってきた。
 息を荒げるから必死になっているのが分かるし、乱暴とはいえ、挿入が強いくらいで体をどうこうしようという気が無いのは理解できた。
「あっあ゛っ激しぃっ……ん゛ああんっあ゛っあっあひっ……あ゛っああっすごいっおちんぽっすごい……ああんっきもちいいっああんっあああんっあああっ!」
陸は明紘としている時よりも色っぽい嬌声を上げて淫らに乱れて見せた。
 その姿に男も煽られているのか、どんどん挿入されているペニスが結腸辺りを抉じ開け始めた。
「あ゛あああっ……あぁっあっいいっ、きもちぃっ、おちんぽ、大きくて、おま〇この奥まで届いてるっあああっああ……おおきいっおちんぽっきもちいいああんったあんっあああんっ……きもちいいっああんっ」
スポンと結腸に男のペニスの亀頭が入り込み、そこをグポグポと抉ってくるから陸は何度もドライで絶頂を繰り返していた。
 激しい音はしていたが、誰かが覗きに来ることはなかったし明紘が戻ってくることもなかった。
 僅か五分程度のセックスの時間、二人はその場でその時間を目一杯楽しんだ。
 まるでお互いに求めているものが合致してしまったかのようなフィット感が強く、陸は男に強請っていた。
「あああっ、おま○こっ……ん、いいっ、おま○こに出してっあっあんっ、おま○こに、精液出していいっ……俺のおま〇こでイってっあっ、もっときもちよくしてっあっあ、ああああっ」
 陸の言葉に男は一層腰使いを強くして、強引に陸を突き上げ始めた。
「ああいい、ああんっ知らない人のおちんぽっズボズボ気持ちよくなって、知らない人のおちんぽ精液貰うのっ……おま○こきもち良すぎるっ……ああんっあぁんっ……あっあっ……おま○こ、知らない人のおちんぽでおま○こされるの気持ちいいっああんっああん……ああっいくっ!」
「ふっ!!」
 男がとうとう絶頂をした。
 それに合わせて陸も絶頂をした。
「あ゛ああっ……あっ、あ゛っ、らめっらめええっ、あ゛あああぁっあ゛っい゛っ、あっんっ、せいえききたっああっまたいくっあ゛あ゛っあっらめっあ゛っんっ、あっ、あぁっ、いくっ、いっちゃうっ……あぁあああん!」
 陸は絶頂をしたあと、男の濃い精液を結腸で受け止めてからまたドライで絶頂をしていた。
 男の長い射精はまるで犬のように長く、陸はそれで軽く三回もドライで絶頂をしていた。
 やっと男のペニスが抜けると、陸のアナルから精液がものすごい勢いで吹き出ていき、周りに精液をぶちまけていた。
 大きな息を吐きながらも、男はしっかりと陸を抱えて草むらに座らせてくれた。
「あ……はあ、ありがとう……」
 服は側に置いてあったのでそれを採ってもらって、陸はタオルも持っていたのでそれで体を拭いた。
 けれどアナルに沢山出された精液を男に掻き出して貰うのに、またドライで三回絶頂をしてしまったのである。
「あのさ、俺たち相性良さそうだからさ。付き合わない?」
 陸がそう男に申し出ると、男はうんと頷いた。
 声は聞こえなかったけれど、男も陸との相性は認めているようだった。


 それから服を着て駐車場に行くと、明紘の車はなかった。
「あいつ、本当に置いて行ったんだ!」
さすがにここまで逃げるのはありだけれど、置いて行くのは無しだろうと陸ががっくりとしていると、いつの間にか男が車に乗って陸の前に横付けをしてきた。
「乗りなさい、私が送ろう」
 そう初めて声を聞いた男が乗っている車に陸が乗る。
 明るいところで男を見たのは初めてであるが、きっちりとしたスーツに眼鏡をかけたエリートサラリーマンのような様相をしていた。
「あんたみたいな人でも、ああいうことするんだ?」
 陸がそう言うと男は少し照れたように顔を赤らめたが、はっきりと言った。
「偶然、君たちがあそこに行くのを見て付けたんだ。君が可愛かったから……」
 どうやら偶然、ここまで車を走らせた時に休憩をしていたら陸が見えた。
 一目惚れで後を付けて覗いたのだという。
 さらには好みだったから手を出し、それに陸が満更でもなさそうだったので次の機会があればもっと先に進みたいと思ってここで張っていたらしい。
「……なんだかすまない」
「え、いいいよ、その通りだし、その、めちゃくちゃ良かったから嬉しい」
 陸は少し頭のネジが飛んでいるのでストーカーだったことなどはもうどうでもよかった。案外人の良さそうな人であったし、陸にはこの男の体がとにかく理想だった。
 なので二人はその日、すぐにホテルに行き、朝まで燃えた。
 そして陸は翌日に置いて行った明紘とは別れ、新しい恋人になった男、清代と付き合うことになった。
 もちろん、青姦の趣味は二人とも持っていたのでよくあの出会った海辺には通っている。
 お互いに相性が良すぎてセックスが苛烈するので、覗きに見られながら更に燃えてしまうため青姦の名物になるほどになっていたのだった。

感想



選択式


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