shortshort 25

なんで?

「何かさあ、セックスも飽きてきたからスワッピングしようかと思うんだよね」
 デート中の尾地隆佳(おち たかよし)に突然恋人の堤川からそう言い出した。
「……は、へ?」
 さっきまで遊園地で散々楽しく遊んで、キスまでしてホテルに泊まってセックスをして気持ち良く寝た次の朝の話だった。
 二泊旅行の予定で旅行を組んでいたけれど都内の大きな遊園地だから泊まりも仕方ないと思っていた。
 しかし堤川は違うことを考えていたようだった。
「でさ、スワッピングの相手を募集したんだよね」
「ちょっとなんでそんな、僕は嫌だよ?」
「大丈夫だって相性抜群にいいから」
「だから、なんで勝手に……」
 話が勝手に進んでいるのでさすがに尾地もはいそうですかとはいかない。
「ふざけんなよ、堤川……お前本当にふざけるなよ?」
「そうは言ってもさ、俺らセックスの相性はあんまり良くないじゃん? 俺は普通サイズだと思ってるけれど、お前のおま○こって普通サイズじゃ満足できないくらいに深いじゃん?」
 堤川がそう言うので尾地はグッと息を呑んでしまった。
 確かにその通りでセックス以外の相性だけは凄くいいのに、肝心のセックスだけは規格違いのせいで合わないのだ。気持ち良くもなれないセックスは堤川も段々と消極的になり、浮気も考えたという。
「浮気って……」
「仕方ないじゃん、性欲が治まらないし、けど満足できないし、それでどうしたらいいかな~と相談したらさ。スワッピングがいいんじゃないかって言われてね」
「……」
 スワッピングは二組の恋人や配偶者を交換してセックスをすることだ。お互いが了承し合っていればもちろん犯罪ではなく、合法のセックスが楽しめる。
 なのでスワッピングをするためだけに集まるようなクラブもあるし、何なら店もある。そういう人たちが集まる場所で相手を選び、セックスを楽しむのが前提である。
 しかしそれでも無理矢理するしかない場合もあるらしく、今は尾地が反対をしているので堤川が強行をしたら犯罪になってしまう。
「で、その人達も既に呼んであるんだ。向こうもこっちでデートを楽しんだみたいだよ? じゃ呼ぶね」
「ちょっと!」
 勝手に話を進め、さらには相手は既に呼んでいるという。
 ここまで勝手に計画を立てて、尾地の言うことは聞かない気なのだ。
「冗談じゃない、僕は……」
 帰るよと言おうとした時だった。
 部屋の中に堤川に案内されて二人の男が入ってきた。
 それはまだよかった。知らない人なのだから礼儀も何も無視すればよかったのだから。
けれどそれでは済まない出来事が目の前で起きていた。
「……講内……?」
「久しぶりだな、隆佳」
 入ってきたうちの背が高くガタイのいい男の方は、何と尾地の元カレである講内禎人(よしひと)だったのだ。
「なんで……?」
 訳が分からずに混乱する尾地を置いて、堤川が話を進める。
「それでね、俺はこっちの子と楽しむことにしているから、後は任せるよ?」
「楽しもうね~」
 二人は意気投合して、隣の部屋に入っていった。
 自分たちの部屋に取り残された尾地と講内であるが、講内は堤川が出て行くと急に態度を変えた。
「隆佳、そろそろ俺が恋しくなってきただろう?」
 ニヤニヤと笑う講内はすぐに尾地に近づいてきて尾地の腕を掴んだ。
「あ……いやだっ」
 尾地はそこでやっと我に返って講内から逃げようとした。
「逃すかよっ」
 講内はすぐに尾地に飛びかかり、ラグに押し倒してきた。
「あう……っ」
 受け身も採れなかったので全身を打ち付けてしまった尾地は身動きが取れず、上からのしかかった講内は倒れた尾地の服を剥ぎ取るように脱がし始める。
 パンツと下着を脱がせて下半身だけ裸にしてしまうと、持ってきてたらしい荷物から容器を取り出し、それの中身をアナルに一気に入れてきた。
「うああああああっ?」
 急にアナルの中にローションが入り込んできて尾地は悲鳴を上げるけれどそれで講内は怯んだりしない。
 この男は尾地の扱いをよく分かっている男だった。
 尾地と講内は二年前まで三年間付き合っていた。
 とにかく体の相性がよく、講内は尾地を家に閉じ込めて会社も退職させるまでして監禁してセックスに溺れたのだ。
狂ったように体を求め合っていたと思う。
 講内は親が残した莫大な遺産で死ぬまで遊んで暮らせるくらいに資産を持っていたらから堕落した生活をしても平気だったのだ。
 そんな生活が二年続いたところで尾地はこのままでは碌な人生が送れないと思い、講内が油断している隙に身一つで家を飛び出し、住み込みができる仕事場に飛び込んだ。
 それからそこでお金を貯めて、アパートを借り、やっと人並みの生活が送れるようになったので恋人を作ったのだ。
 それなのに付き合った恋人は今度も真面な人ではなく、急におかしなことを言い始めたのだ。
 そして選りにもよって逃げ出したはずの元カレである講内を連れてきてしまったのだ。
「いやだっああっ!!」
やっと体を動かして逃げようとする尾地であるが講内はそんな尾地に向かって言うのだ。
「ずっと諦めてくれるかと思ってたけれど、新たに男を作るとはな。浮気するとは躾が足りないようだな」
 講内がそう言うので尾地は言った。
「お、お前とは別れたんだっ!」
 尾地ははっきりと告げるけれど講内は言った。
「俺は別れたなんて思ってないぞ? そもそもお前は逃げただけで別れを俺に相談すらしていない。よって別れたわけではない。俺はずっとお前の居所は把握していたしな」
 そう言われてしまい尾地はゾッとする。
 まさか最初から逃げ出した時から講内の手のひらの上で踊っていただけだったなんて、そんな馬鹿なと絶望する。
「俺がお前を早々簡単に手放すわけないだろう? あんなに体の相性がいいお前の代わりなんて存在しないんだよ」
「それが、嫌だったんだっ!!」
 尾地はそう叫ぶけれど、それを講内が受け入れるわけもなかった。
「どうせこのままじゃ駄目になるとか、この先このままでいい訳もないとか、くだらないこと考えてんだろうが、お前は俺の雌ま○こ以外の存在はないんだ。いい加減理解しろ。こうやって俺のペニスを受け入れたら、どうしようもなく良がり狂うしかない存在だって覚えろ」
「おねがい、やめて……っいやっ……いや、やめて、おちんぽ入れないで……っいや、あああああぁ!」
 尾地が必死にやめて欲しいと言うけれど、それを聞く講内ではなかった。講内は尾地のアナルに勃起した凶悪で大きく反り上がったペニスを一気に突き挿れてきた。
「んぁああっ! あぁっ、あ、……ぃやあぁっ! ゃだ、やめ、やめて……っ! それ、やだ、……っぁ、あっ」
ゴリッとした感覚が奥にすぐぶち当たり、それが奥を抉り続けてくる。
 そして反り上がったものが中を懐かしむように突き挿入れたままで腰を振っている。
「ああっ! ぁ、あ、あっ! あぁっあ……っやめて、っぁっあぅ、はぁんっ! ん、んぁ……っあ、お、おかひ、なるぅ……っぅあっ」
「はあ、やっぱり隆佳の中、たまらねえな。お前の中が一番俺にぴったりしてやがる。他の男のペニスを咥えてたようだが、俺の形は忘れてないのは上出来だ」
「あぁっ、あ……っ、あぁ゛あぁあっ! ああぁあ……っ! ゃ、やめ、だ、ぁ、あぁっ、ああぁっ! や、やらぁ……っ! らめぇえ……!」
それでも必死で逃げようと床を這う尾地の奥を突き上げるように激しく講内は腰を振り、そしてドンドン高まる体を押しつけてくる。
「ああ……っ、あっ、あっ、ひぅっ! あ……っ! い、や……っいやぁ……っ!」
「一回、中出しをしておくか。お前、中出しされるのが好きだったよな? 濃い精液たっぷり奥の奥で出してやるよ」
講内は言ってから尾地の奥である結腸までペニスを突き挿入れてからそこで中出しをしようとしている。
これを尾地はよく知っていた。
 気持ち良く絶頂するために必要なことで、これをされると尾地は講内に逆らえなくなるのだ。だって気持ちいいことをもっとして欲しいと思うように考えが変わってしまうのだ。
 それが怖くて嫌だったからこそ、尾地は講内から逃げたのにそれすら相手の手のひらだったなんて絶望を講内は尾地に味わわせるつもりなのだ。
「いやだ……っああっ、いやだ、やめて、せいえき出さないでっ……いやあっ、おま○こにせいえき出さないでぇえ……!」
「ああ……でるっ、しっかり味わえっ……!!」
「ああっ、やだ、や、あ、あ、いく、いくっ、いっちゃ……あぁっ、やだあああぁぁ――……っ」
結腸の中で精液の中出しをされたら、それまで忘れていた尾地の快楽を完全に呼び覚ますことになってしまう。
「あー……っ、あは……あっ……あっ……あう……」
ずっと忘れていると思っていた。
 それなのにこの感触をよく覚えている。
 精液を中出しされることは今まで講内しかしてこなかったことで、結腸の中で出せるのは講内だけだった。
「あぁっあっあっやっ、やぁ……っ、ぁん、ぁ、ふぅ……っん……っ、はふ……っは、ぁあん……っ」
精液が中で暴れ回っている感触で、尾地は藻掻き体をくねらせて二度目の絶頂を迎えた。
「あぁ、あぁ、あぁ、はっ、はぁっ……きもち、ぃ……っ」
 思わず本音が漏れるとそれを聞いた講内はニヤリとまた笑い、尾地の耳元で囁いた。
「もっと沢山くれてやるよ……お前は俺のモノだ。だからお前を好きにしていいのは俺だけだ。分かるだろう?」
「ひぁ……っ! あんっ! あっ、あぁあ――……っ!」
精液を出したというのに講内は萎えた様子もなく勃起しているペニスでまた奥を突き上げるようにして抉ってきた。
「あぅっ、ぁっあっあっあっ、やっ、おちんぽ……っ、あっ! あぁん……っ! っあ、あぁああっ! あああっ! あぁああっ! あっあ、はふっ……ん、はぁあんん! んあ……っ、ああ……っら、めぇ……っ!」
こうなるともう何かを感じるのは講内が与えてくる快楽しかない。
 尾地は講内に中出しされたことで完全に昔のセックスを思い出した。
果てのない快楽をただただ与えられる地獄とも天国とも言える時間が始まったのだ。
「あっ……ぁ……!ふ、うっ……んっああっああっ……やだ、そこ……や……、ああうっ、ああ……っ、らめっ…ああっ! んっ……あ、ああ……っああ……!」
「駄目じゃねえな。ほんと、お前に変な癖がついてなくてよかった……それだけは心配だったが、相変わらず俺の精液で完全に淫乱スイッチ入るのは変わってないな」
「ああっ、ああ……あっ、あっんああ!あっ……ああー……っやあ……っ、あああっ!だめ、だめ……!」
「俺のペニス大好き過ぎて、腰までもう振ってやがる。だからお前には俺しかいないんだよ。こんな快楽くれてやれるのは俺だけだ。あの男とは別れろよ? 帰ってこい隆佳」
「あぁ……っ!やだ……ああっ!あ!ぁあ―――ああ……っ、ああぁ……っあ……っ、んんっんぁああぁんっあんんーっ! あん! はぁああん……っ」
 帰るのは嫌だと首を振り続けると、講内はニヤリとして更に腰を強引に動かして奥を突き上げては結腸まで突き挿れてと交互にそれを繰り返した。
「んっあぁあーっ、おちんぽっだめっ……あ゛ひっ、んっあ゛っあんっあんっあんっ」
「これがお前の大好きなことだったな。こんなことしてやれるのは俺だけだぞ?」
「あ゛っあ゛あああっ! あ゛ひっ、そこっ、らめっ、あ゛ああっ、だめっしんじゃうっ、そこばっかゴリゴリしないれぇっ……! あ゛ーっ、あ゛ーっ、んっあああぁっ……!」
尾地はその気持ちよさにもう逃げられる術はないのだと悟った。
 尾地が気持ちがいいように講内も気持ちがいいと感じている。それは尾地でしか得られない快楽を講内も感じていて、決して尾地を手放せないのだ。
「ひああっ……らめっあっん゛っひっいっ……あんあっ、んっああぁっ! ああっらめっ、いっちゃう……から、おま○こらめっああんっあっ!」
「イケよ何度でも! そのたびに俺がまたイカセてやるからよ!」
「んっあっ……ああっんっあああんっ……おま○こいいっ……ああんっきもちいいっああんっああっ」
「ほらイケっ、俺のペニスで絶頂しまくれっ!」
「あ゛っああっあっいくっ、い゛ぐっおま〇こイっちゃうっ……ひぁっ、あ゛っ、ひあん゛っあっ、あ゛ああっあぁっらめっ……ああんっおま○こっああんっおちんぽでいくっああんっいくっううううう!!」
体を痙攣させて絶頂をする尾地であるが、それを押さえつけてでも講内は腰を振り続ける。その強引さを尾地は好きだったことを思い出す。
 この無理矢理に体を開かれてあり得ないことまでさせる講内であるが、それでも尾地を愛していることだけは確かだった。
 愛故に講内はこうなってしまうのだ。
「ふあっあっ、あっらめええっ、激しくおちんぽでおま○こぐりぐりされたらっああんっきもちいいっああんっああんっああっ!」
「もっとだ、欲しがれ隆佳っ! 俺をもっと欲しがれっ!」
「ああっんっいいっ……おま○こっ……ああんっらめっおかしくなる……ああんっああいいっきもちよすぎるっああん!」
「お前を気持ち良くさせているのは俺だ、しっかりと覚えろっ」
「あぁあっああんっ……おちんぽっああっ……あっ、あああぁっ……らめっおちんぽハメるのはっ……おま○こ気持ちがいい……ああんっいいっいいっああああっ!」
「気持ちがいいんだろう! ほらここがいいんだろう! 精液が欲しいんだろうがっ!」
「いいっおま○こがきもちいっああっ……ああんっ……んっあっあああっああっああっんっああっんあっもっと、もっとちょうらいっあっあっああっ!」
 ゴリゴリと奥を突き上げてきて講内に追い上げられると、とうとう尾地はそれを認めた。
 気持ちがいいし、精液ももっと味わいたい。
 もっとたくさん快楽が欲しい。
 ずっと願っていたことだ。それが叶う。
 我慢を続けた二年間の性欲が一気に吹き出してきて、それを受け入れてくれる講内に尾地は懇願していた。
「あ゛あっ……んっあっ、あ゛っ、あっあっあっあああっ! んあっん……あっあああっ……あんっあっああっああっんあっあっはあっんっあっ、おま○こに精液ちょうらいっもっともっとちょうらいっああっあぁんっ」
「そうだ、思い出せ。隆佳!」
「いいっああんっおま○こっいいっきもちいいっああんっああ……きもちいいおま○こに、おちんぽ精液ちょうらいっああんっ……ああんああいいっ」
「やっと戻ってきたな隆佳、褒美に奥で精液中出ししてやるよっ!」
「あ゛あっいいっ、あ゛あっ、おま○こゴリゴリしてるっ……ひっあっ、あんあんあっおまんこ……いいっ……ああんっおちんぽっでまたいかされるっ!! あああっああんっ……ああああああんっ!!」
 更に強い快楽によって絶頂させられた尾地はそこで観念することにした。
 この強い性欲を包んでくれるのは講内しかいないのだ。
 そして講内はずっとそれを尾地に教えてきた。
 いなかった二年間もそれを思い知るためには必要な時間だったのだ。
「お帰り、隆佳」
「……ん、ただいま……禎人(よしひと)」
 なんでこうなったのか分からないけれど、この男から逃げられる気は一切しなかった尾地は、もうそう言うしか言葉がなかった。

 スワッピングの後、尾地は堤川と別れた。
 堤川は驚いていたけれど、無理にスワッピングさせたことを理由に挙げたら、さすがに相談なく決めたことを他の友人達に咎められたらしく、諦めるように別れてくれた。
 けれど暫くは尾地に復縁を迫るように連絡をしてきていたが、尾地は講内とのセックスに溺れていたので放置していたら、そのうち何も言わなくなった。
 それに伴い、尾地は会社を辞めて、元の監禁生活に戻った。
 しかしその鬱憤のたまる生活を講内は改善してくれて、よく外へと連れ出してくれるようになったので、今のところ尾地は満足していた。
 この先も構内は尾地のために生活改善はしてくれるので、尾地も我慢をしないで甘えていこうと思えてきたのだった。

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