shortshort 22

雨よ、来い

「雨ばっかだなあ。もう傘を持つの面倒なんだよ」
 友人達が雨が多い梅雨の時期の天気に文句を言っている。
 確かに雨だと傘を持つこともそうだが濡れないようにするのも大変だった。靴も濡れてしまい、制服も濡れたら最悪、湿ったまま一日を学校で過ごさないといけない。
 それはかなり拷問に近かった。
「確かに面倒だよな。出かけるとなるとだけど」
 皆瀬周太はそう言った。
「お前、雨好きなの?」
「雨の日は好きだよ。家から出ないでいいならだけど。庭を眺めてるのも好きだったし」
「へえ、でもお前んち、マンションじゃん」
 友人が首を傾げてそう言うので周太は説明をした。
「ばあちゃん家に住んでいた時だよ。小さい庭に池があって、そこに雨が降ってきてってのが良かったんだよね~。まあばあちゃんが死んで、家が借金相殺の抵当に入ってたのは残念だけどさ」
 周太の祖母の家は、ずっと一等地にあった。
 なのでそれを元手にお金を借りてくれて、今のマンションに周太と母親は引っ越した。もう祖母が入院していて家に戻れないことが確定していた時、祖母と母親が話し合ってそうしたらしく、祖母が亡くなる前に家の整理をして銀行に渡した。
 そしてそれらが終わった後でマンションの権利と家を売った残りの残金などを受け取った。たまたま一等地だったからそこに大きなマンションが建つらしく、前から高額で売ってくれと言われていたのだと言う。
「もうマンションが出来てんの?」
「あー来月くらいに入居らしいよ。周りの家も土地とか売って優先的にマンションに入れたらしいし、しゃーないよね。この御時世」
 唯一ごねていたのが祖母だったので、銀行側は何としてでも融通してくれたというから、色々と助かったと母親が言っていた。
 祖母が亡くなったお陰で普通の裕福な暮らしができるようになったらしい母親は、仕事に打ち込んで高校生の周太を放って出張だとなんだと言って海外にまで飛び回っている。
 仕事人間だったから現役復帰は相当嬉しかったのだろう。
 そういうわけでマンションにはほぼ周太が一人で住んでいる状態だ。
「そんで、マンションのバルコニーに小さい庭作って貰って、そこに盆栽を置いてみたりしてさ。雰囲気は楽しんでるよ」
「すっごい何か世界が違うな、俺には理解ができないや」
 友人にそう言われてしまい、周太はふふっと笑った。
 誰にも理解出来ないことであるのは間違いない。母親はそんな周太に呆れたし、友人は理解してくれない。
 そう唯一、周太の心情を理解してくれるのはマンションの管理人だった。
 管理人はこのマンションを建てた人で、管理はほぼ息子に任せている。
 なので周太が管理人と呼ぶ人は、その息子の方だった。
名前は越光邦幸というまだ大学生の人だった。
 マンションに引っ越してきた時は周太はまだ中学生になったばかりだった。そんな周太が一人残され母親が仕事で飛び回り始めた時に、気をつけてくれと頼まれたと言って、邦幸がよく周太の部屋を訪ねてくれ、困ったことがあれば相談に乗ると言ってくれた。
 その優しさに周太は邦幸が好きになってしまったのだ。
 そして家に誘っているうちにとうとう邦幸とセックスをする関係になってしまったのだった。
 マンションの周りには大きなマンションがなく、角部屋の周太たちの部屋の隣は空室だった。
 というのも買った人が海外の人らしく、春休みくらいしか部屋を使ってない。どうやらマンション投資というものらしく、税金の関係で色々と持っている方がいいのだそうだ。
 そのお陰で周太は騒音には悩まされることはなかった。
もっとも隣に誰か住んでいたら、周太たちの家の騒音が少しは漏れていたかもしれない。
 周太は学校から家に戻ると、まず部屋をエアコンで除湿しておいてから風呂に入って体を綺麗に洗う。アナルの中まで綺麗にしてから体を拭いたあとはローションをアナルに入れ、そこにストッパーを挿れて準備をしておく。
 そう雨の日、この日は何の打ち合わせもなく、邦幸が周太の部屋を訪れてくれる合図だった。
なぜなら、周太の母親は出張や会社にいる時に雨が降ると濡れるのは嫌だといって会社近くのホテルに泊まってしまうからだ。それはもう二年以上変わることなく続いている習慣だった。
 玄関のチャイムが鳴って周太がインターホンに出ると、そこには大きな体の邦幸が立っている。
 大学時代はアメフトをやっていて、三年で引退をしてからも体を鍛えるのが好きでジム通いをしている。筋肉隆々の腕が半袖シャツから見えていて、それが周太は大好きだった。
「開けたよ」
 インターホンで電子ロックを解除すると邦幸が部屋に入ってくる。
 玄関でガチャガチャと音がする。それは内鍵を二個と、電子キー以外のロックを閉めているからだ。
 これは防犯のために付けましたと母親には説明していたが、これはもし母親が急に帰ってきて電子ロックを解除するだけで入ってこられたら現場を見られる可能性があるので用心のためにわざとややこしくしたのだ。
 玄関からリビングにすぐに邦幸がやってきて、リビングで立っている周太にすぐに邦幸は抱きついてキスをしてきた。
 逞しい腕に抱かれて、周太も夢中で邦幸とのキスに応じた。
「んっ、ふぅ、ん……ああ、邦幸さん……」
「周太……今日は気絶しても離さないからな……」
「嬉しい……んぅ、ん、ん、ふっ……」
キスを繰り返しながら、リビングのラグに二人は寝転がった。
 このラグはセックスをする時に使うもので汚しても洗えばいいようにしてある。そこに寝転がってしまうと、周太が来ていたバスローブを邦幸は乱暴に前を開いた。
「はあぁっ……んっ、ぁん……」
すぐに邦幸は周太の首筋にキスを落とし、そこを舐めながら周太の乳首を指で弄り始める。
「あっあひっ、あんっ、いいっ……ちくびっきもちぃっ、あっあんっあんあっああぁっ」
爪で引っ掻きながら周太の乳首を勃起させると、すぐに邦幸は周太の乳首を口で吸い上げた。
「あぁあんっ! ひあっ、あっあっ、ちくびっ……舌っ、きもちいいあっああっあぁんっ」
舌で嬲るように乳首を舐め、片方の指で乳首を摘まんでコロコロと転がすように捻ったりを繰り返す。
「ああぁーっ……あひっ、んっ、ああっ、らめっらめっ、乳首へんっ……ああぁあっっ……」
周太が乳首を気持ちがいいと感じるようになったのは、邦幸とセックスをし始めてからのことだった。最初はむずむずするという感じだったのだが、だんだんと乳首を開発されて、半年の開発で乳首だけで絶頂ができるほどになった。
「あ、っあっ、あぁんひぁっ……んっあっ、だめ……ちくびっあっ、んっああぁっ」
案の定まだペニスに触られてもいないのに、周太は興奮が強く、乳首を吸い上げられるだけで簡単に絶頂をしていた。
「やぁっあんっ……ちくび、乳首らめぇなのっ……あっ、あっ、あっあぁんっ……ちくび、らめっ……っんっ、あっ、あひっ、んああっ」
「周太の乳首は美味しい……本当にいくらでも舐めてられる……」
「ふああぁっ……ああっ、ちくびっあんっ、んっあっんっあっああぁあんあっひぁっ、んっあっんっ、あぁあっ」
 一度絶頂させてから再度乳首を攻めるととたんに周太の反応がよくなる。
 感じすぎているうちに更に追い詰めるように乳首を舐めて噛んでと繰り返す邦幸は、執拗に攻めた。
「やぁっ……もうらめっ、乳首やらっ……んっふああっ……あっあんっ、あんっあっあぁんっ……、や、あっ、あっ……そんなっああんっひあっらめっ、」
周太の泣きが入るまで乳首を攻め立てて、空イキさせるように邦幸は弄り続ける。
「やあぁっ……んっちくび、らめっんっひっああっ、あんっ、あんっふああああっ、あっ、舌っ、らめぇっ……ん゛っ、ひっあっあぁあ~らめっ舌らめなのっああんっ」
「周太……可愛い……」
 邦幸がそう言い、周太を可愛がる。
 周太はそんな邦幸の愛撫を受けて更に気持ちを高ぶらせていく。
 すぐに準備されたアナルにあるストッパーを外されてしまい、邦幸が周太の中にペニスを突き挿入れた。
 我慢できないという完全に勃起した邦幸のペニスが一気に周太の奥まで挿入っている。
「あぁっ、あっあっあっ……あっあっは……っあっ! はぁあっ! あっ、ん! んっ! んぁっ!」
堪らず周太はその大きなものを受け入れて、一瞬で絶頂をしてみせた。
「ああっひゃあぁあん! あぁっ、あぁあっ! ひぁ……っぁ、すご……い……っ!」
邦幸と逢瀬を重ねるようになってから、周太はどんどん淫らに変わっていった。
 普段は純な学生をしているのにこういうときに放たれる色香は誰かにそろそろ見抜かれるかもしれない。
 それくらいに周太の色香は邦幸を惑わし、こんな罪を犯させている。
 未成年者に手を出すなんてあってはならないのは分かっているけれど、取り返しのつかない状態までに二人は堕ちていた。
「あぁん……っきもちぃ……おま○こ、きもちいいっ……ああっ、きもちぃ……っすご……いっああんっ……あぁっ、きもちぃ……──っ!」
周太は自ら腰を振り、邦幸に抱きついて揺さぶられる動きに合わせて嬌声を上げた。
それに煽られて邦幸は腰を激しく動かし、周太を追い詰めていく。
「ああっ……はぁっ……! あ、あ、あ、あぁあ……っそこっ……おま○こきもちいいっあぁんっ……あは、はぁっ、はぁっ……はぁ、ん……っ、あっ、あぁっ」
奥を突き上げてくる腰使いに周太は脳天まで突き抜けてくる快楽に腰を振った。
「ああっ! ぁはあっ! あっあっあっあっ、あ、あっ……きもちいいっ……! ああっ! あああっ! きもちいいっ……っ! はぁあんっ! ん、ぁあっいいっああんっ」
「周太……本当にいやらしい……淫乱で、可愛い淫らな俺の周太」
「ああっ、あっあぅっあぅうっ、やぁ、いい……っ、ぁ、ああんっ……っ! あぁあっ……! あぁああ……っ! んひゃあっあっ……! うぁあん……っ! あああっいいっ……あっ……ぁ、あぁっ! あああ、おま○こヘんになるぅ……っ!」
邦幸は周太に手を出してから様々なことを周太に教え込んだ。
 周太はたった一人、邦幸だけが可愛がってくれる人だったから、嫌われたくなくて必死に言うことに応えた。それが結果、周太を淫らにさせて、セックスに溺れる体へと作り替えていった。
「あふぅう……っ! んぁあああっ……! あぁっ……! おま○こが……っあぁあっ! いいっ! きもちいいっ! ひぁああんっ! あぁあっ、あぁあっ、あん! ひゃあっ! あっああっ!」
精液をペニスから垂れ流し、ラグを汚しながらでも周太は邦幸のペニスを求めた。
「ふぅあぁ、あっ……! おちんぽおっき……っふぅ……っんぁ、やぁ……ああんっ…おちんぽ、らめっあぁ……っ」
「気持ちがいいんだろう……そうだよな周太はこのペニスがないと駄目な淫乱に育ったんだもんな」
「あぁんっ! あっあっあっ、ぃ、あっ、あふっふぁっ! ああっ! あぁあっ……! ぁ、あぁあん……っあふっ、ぁ、ひ、ひっひゃあっ! あぁっ、あ、あ……ああんっ、ああ……っ」
「ほら、素直に言わないと、中出ししてあげないよ?」
 邦幸にそう言われて周太は嬌声を上げながら叫ぶように言っていた。
「はっぁああん……っ、あっあっ、す、すご……おちんぽ、おっきぃ……っ! おちんぽ、熱いっ、ああっ、おま○こ、気持ちいぃ……っ! おま○こっ、ああっ、きも、きもちいい……っ」
気持ち良くてセックスは大好きだった。
 最初から邦幸は優しく体を開いてくれて、痛いことはなかった。
 ただこうなってしまうことに周太は恐怖を抱いていたけれど、少数であるがこういう性癖の人がいることは知ったから、周太はそこに堕ちてもいいんだと開き直った。
「あぁんっ! きもちがいいっああんっも、らめっああんっああんっ、あぁあっ、ああっ……! あ、やあぁ……っ! あぁあ……っ、おちんぽいい……っふぁあああっ! あっあっらめっおま○こらめっ、あっら、らめぇ……っ」
そうして淫乱な周太が生まれ、その周太を何よりも邦幸が愛でてくれた。
 その愛情は本当にあったし、それは周太が求めているものだった。
「ひゃあぁっ! あぁっあぁっ! らめっあっあっおま○こきもちぃい……っ! ひゃぁああああーっ! ああぁああ――っ! いくーっ!」
「ほら、中出しで絶頂してしまえ!!」
「ぁああ……っ、あぁ、あぁあ……ああ……っ、ぁ、あんっ! んっ、んぁ……っ! あぁっ、ゃ、ああんっ!」
 邦幸が吐き出した精液が一気に奥を開いて入り込んでくる。結腸の中に精液を出されることは周太が一番大好きなことで、そのことで周太の快楽スイッチは入る。
「さあ、もっとだよ周太。もっと時間は沢山あるんだ。雨は明日まで続くよ」
「はぁあっ……や、め……っあ、あっ、あんっ! んぁあ! おま○こらめっきもちよすぎるっ……あああっんあああ!!」
周太と邦幸の二人は雨の降る日は一日中セックスに溺れる。
 それは誰も二人を干渉しない時間であり、二人が何も彼もを忘れて愛に溺れる時間でもある。
 だから周太は邦幸が求めてくれる雨の日が大好きだった。
 もっと雨が降れば邦幸を独占できるのにと思うくらいに、周太は行為に溺れた。
 
 やがて母親がマンションを周太に譲り、会社近くに家を借りて引っ越したのは周太が大学生になってからだった。
 そしてそこに邦幸が引っ越してきて二人の関係は更に続いたのだった。

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