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20
歪んだ記憶
高鴨にとって隣の家ははっきり言って地雷だった。
一年前にここに引っ越してきた時は隣は別の家族だった。
その家族が引っ越してから、別の家族が引っ越してきて事態は変わった。
隣は父親と母親、そして子供は中学二年くらいの子供が一人だった。
前の家族は小学生と幼稚園生の子供だったので騒がしかったから、中学生なら騒がないので静かになると思っていた。
だから引っ越しの挨拶に来たときはホッとしたものだった。
ところがだ。
たった一週間で環境に慣れたのか、突如隣から大きな怒鳴り声と何かがぶつかる音が聞こえるようになってしまったのだ。
ちょうどその家族の家は角部屋で、その隣の高鴨だけがその実害を受けていた。
「いい加減に、いうことをきけっ!」
「ケツ出してろっていっただろうがあっ!」
そう言うような怒鳴り声が聞こえて、最初は何のことなのかと驚いていた。
けれどそれが日常になってくるとさすがに高鴨は苦情を入れた。
隣に行ってチャイムをならし、文句を言おうとするとドアが開いた。
だがそこに見えたのは全裸の中学生の子供。そしてそれを後ろから犯しながら下品に笑う男の姿だった。
「すみません……あっああっ……しずかに……しますので……んんっふっあっあああ!」
子供がそう言っているのに男が後ろから突き上げてくるからか、嬌声が口から漏れてきて、それが廊下中に広まった。
けれど幸い誰もいなかったので聞かれてはいなかったが、子供はそのままそこで男に追い上げられてしまう。
「おらいけよっ見られてイケっおらおらおま○こで絶頂するところを見られてイケっ!」
「ああぁんっ、いっちゃう、おま○こでっ、おちんぽ、おま○こで、……イかされちゃうっ……! ひああっいぐっ、おちんぽでおま○こぐりぐりされて、いくっ……あ゛っあ゛あっふぁあ! おちんぽで犯されておま○こでイクっ……も、イクぅううあああああっ!!」
とうとう男によって絶頂に導かれた子供は潮を吹きながら絶頂をしていた。
派手に達した時には高鴨の服を掴んで甘い顔を見せながら達していた。そして高鴨の耳元に口を寄せてから言った。
「通報していいから」
中学生がそう言ったところで男が言った。
「はい、タダ見は終わり、じゃね兄ちゃん」
そう言われてドアを閉められてしまった。
高鴨は呆然としていたけれど、さすがに大きな声を出しすぎたのか、ちょうど会社帰りのサラリーマンが驚いた顔をして廊下に立っているのに気付いた。
「つ、通報……しなきゃ……」
中学生がそうしていいと言ってくれたので高鴨は持っていたスマホで警察に通報した。
中学生を性的に犯している男が隣にいると言う高鴨の通報を受けて、警察はすぐにやってきた。
昨今の児童虐待は問題が大きくなることもあり、警察の介入ができるようになってきていたからか、警察はすぐに事態を把握して隣の家に踏み込んだ。
その時のことはこの時に知り合った刑事から教えて貰ったところによると、どうやら夫婦は中学生の息子を使って売春をさせていたことが分かった。
しかも前に住んでいた町でも問題になり児童相談所が介入していたのに、そこから逃げ切って引っ越してしまったのだという。こうなると地域にある児童相談所では引っ越し先を追うための権限がないため、逃げ切られてしまっていたのだという。
この夫婦、横山たちは、息子の芳徳(よしのり)と三人でそうやって逃げる生活を送ってきた。
虐待の中に売春が加わったのは、当時の内縁の夫からの性的虐待からだった。
母親は内縁の夫になる男達がもれなく芳徳を犯してくるので、それなら売春をさせたら儲かるのではないかと考えたらしい。
そしてそれは大当たりして、芳徳を抱くためにわざわざ代金に十万を出す人間もいたそうだ。
月に百万を稼ぎ、豪遊し始めた二人はそれに味を占めたらしい。
けれど引っ越して早々に騒ぎすぎて問題が表面化してしまい、逃げる猶予がなかったらしい。それも高鴨が躊躇せずに通報したせいで現行犯という言い逃れができない状態での逮捕だったため、色んな罪が付いたそうだ。
高鴨はそれからすぐに引っ越した。
マスコミが通報したのが高鴨だと知って何度も取材にくるのでそれが鬱陶しくて逃げたのだ。
会社にも事情を話して転勤にしてもらい、地元を離れた。
大阪の支社に引っ越してからは、隣人問題もなく普通に暮らせて、やっと昇進して東京に戻ってくるまでには十年が過ぎていた。
高鴨にはあの事件後変わったことが幾つかあった。
あの出来事で高鴨の性癖は完全に歪められてしまったのだ。
芳徳の色っぽい喘ぎと絶頂を見せつけられて、高鴨は助けを求める芳徳を犯していた男に自分がなりたくて仕方がなかったのだ。
だから売春で体を売ってくる少年を買い、多めに払って無理なセックスをさせた。
特に青姦が好きで人が来ない橋の下などで盛るのが好きだった。
本当はマンションの通路でしたい欲望があるけれど、それは適わないことなのでこうやって青姦で盛り上がるしかない。
普通にホテルに行くということもしてみたが、どれもしっくりこなかったのだ。
愛あるようなセックスがしたいのではなく、相手を支配するセックスがしたいからどうしても青姦が一番コントロールができた。
それにホテル代も勿体ないし、その分少しだけ駄賃を多めに払った方が少年達も喜んでくれた。
「うぁんっ……んっ、ふぁ、おちんぽぉっああああーっ! ひあっ、あんっ、ああっ、あああんっ」
今日も少年を買い、橋の下で盛っていると誰かがそれを覗いているのに気付いた。
それはホームレスではなく、明らかに通りかかった青年ぽかった。
「ひぁんっ! あぁっ、くださいぃっ、せいえき、おれのっおま○こにぃっああぁっいくっ、せいえきでちゃうぅっ! んんっ、あんっあんっぁあんっあああああぁっ!!」
恐らく道を通っていて何か物音がするので見に来たらセックスをしていたから、気不味いけれど見入ってしまったというところだろう。
正直、青姦で見られて困るのは少年たちの方で、棒である高鴨には何のデメリットもない。だから余計に青姦への衝動が強かった。
「あっああぁっいくっ、出るっ、出ちゃうっやっあっあああーっあっあっあっあんっあんっあぁあっやっあああっ」
少年が絶頂をして潮吹きでイッてしまうと、遠慮なく高鴨も精液を出した。もちろんコンドームは付けている。無防備に中出しをして証拠を残すことは高鴨はしなかった。警察に捕まる気はなかったからだ。
セックスが終わると、少年に少し弾んだお金を渡すと必ず喜んでくれた。
「五千円、多めだ。助かる……」
少年には元々一万円を渡す予定であるが、青姦という危険を冒すので基本的にもう一万円を上乗せする。そしてお礼に五千円を追加しておくと、気のいい子なら常連になってくれる。これで相手を見つけるのに苦労をしなくなるのだ。
「また何かあればよろしく、お兄さんならいつでもオッケーだよ」
少年は上乗せ分で漫画喫茶に泊まれるからかウキウキで駅の方へと去って行った。
そんな少年を見送ってから高鴨はゆっくりと見物人の方へと歩いて行った。
その覗きをしていた青年は逃げ遅れていたのか、その場に座り込んでいる。
「見てて面白かったか?」
堂々と覗きをしていた青年にそう言うと、青年はゆっくりと顔を上げて高鴨を見ている。その顔は暗いせいで誰なのか判別できなかった。
「おいおい、漏らしてんのかよ」
青年をしっかりと見ると股間が濡れているのが分かった。
「あ……これは」
「仕方ねえな……コートを貸してやるから体隠して帰りな」
高鴨はどうやら興奮して漏らしたであろう青年に自分が着ていた大きなコートをかけてやり、青年を立たせた。
「これで前を止めたら見えねえだろ。コートはくれてやるから、じゃあな」
高鴨はコートを渡してしまうと少し寒い体を丸めて駅の方へと歩き出した。
すると後ろから青年が叫んだのだ。
「待ってください! 高鴨さんっ!」
その声に驚いたことより、名前を呼ばれたことに高鴨は驚いた。
顔は見えないと思っていたから、まさかそれでも分かる様な知り合いだったのかと思い、少し心臓が痛いほどの衝撃を受ける。
「誰?」
街灯があるところまで歩いてきていたので青年の顔は見たけれど、青年の顔をはっきりと明るいところで見た途端、高鴨はそれが誰なのか分かった。
「お、お前、あの時の……」
高鴨の性癖を歪め、そして未だに心の中に残る衝動の一つである少年の成長した姿が目の前にあった。
けれど青年は少年の時から十年も経っているはずなのに、全く成長した兆しがなかった。
虐待されて育ったせいで幼少期の成長期が上手くいかず、そのまま大人になってしまったような姿だった。
「あの時、助けて貰った横山芳徳です……」
「……じゃあ、今の俺を見てがっかりしただろう?」
高鴨は芳徳がきっとショックを受けているのだろうと思いそう聞いていた。
正義のヒーローが自分を苦しめていた男達と同じ性癖を持っていると知れば、きっと長年思ってきた想像すらも吐き気がするほどに感じているだろう。
けれど芳徳は目を輝かせたままで首を横に振った。
「いえ、がっかりなんて……むしろ、男もイケる人なんだって思ったら、希望が湧いてきました」
「……は?」
「良ければなんですけど、その気があるのでしたら、僕を抱いてくれませんか!!」
「……はああああ!?」
「実は……あの時、セックスは嫌ではなくて……あの親に摂取されているのが嫌で通報を頼んだんです」
「……え、えええ?」
まさかそんなことを芳徳が思っていたとは思わずに高鴨は驚く。
「あの後、施設に預けられたんです。でもセックスするの好きで……それで施設の経営者を誘惑してお金稼いで、それで独り立ちした後に、貴方に会いたくて探したんですけど……見つからなくて……でも駅で偶然に似てる人だったから思わず付けてきたんですけど、絶対に貴方だって分かったから……嬉しくて……それで男も抱けるんだって分かったら嬉しくて……それで犯されている子を見たら……興奮しちゃって……」
まさかのお漏らしをしてしまったらしい。
「そんなに俺がいいのか?」
「はい! 最初に会った時からずっと僕のことをやらしい目つきで見てましたよね……その時からセックスの全ては貴方とのことを想像していた……あの時は本当に貴方に犯されていると思って絶頂をしたんです!」
芳徳はそう言い、すぐに服を脱ぎ始めてしまった。
「ま、待て、せめて橋の下に!」
さすがに車の交通量が多い橋の上では人に通報されるので慌てて橋の下に連れていくと、芳徳は躊躇なく服を脱いで、尻を高鴨に向けて差し出したのである。
「ああぁ……はぁ、はぁっ……あぁんっ……はぁはぁ……突いて、おちんぽでおま○こ突いて、おま○この奥、っおく、おちんぽ欲しぃい……!」
そう芳徳が色っぽい顔を見せてアナルを広げてくるからすぐに高鴨のペニスも勃起をした。
夢にまで見た少年が青年になったとはいえ、目の前にいる。
しかも向こうから誘ってくるならしない手はない。
すぐに高鴨はペニスを取り出し、芳徳のアナルにペニスを生で突き挿入ていた。コンドームをするという余裕はこの時にはなかった。
「んっ……んふぅ、ぁっ、あっ、んぁあ……ぁんっあっ、あっ、あっ! ひ、ぃぁあああんぃいいいっ!」
「なんだこれ……すげえ……気持ちがいい……」
奥まで突き挿れて馴染むのを待とうとしたけれど、その気持ちよさに高鴨は腰が勝手に動き始めてしまった。
「いいっああっ……やっぱり高鴨さんのおちんぽ最高、ああんっ……んっあっあああっああっああっんっああっんあっあっあっああっ!」
高鴨のペニスを受け入れてそれが中にぴったりハマっていて、抉られるように擦られると堪らなく気持ちが良かったので芳徳は歓喜した。
「あ゛あっ……んっあっ、あ゛っ、あっあっあっあああっ! んあっん……あっあああっ……あんっあっああっああっんあっあっはあっんっあっ、ああっあぁんっ」
「これがお前の中か、ずっと夢見ていた……中なのか……気持ちが良すぎるっ!」
「いいっああんっおま○こっいいっきもちいいっああんっああ……ああんっ……ああんああいいっ」
高鴨は芳徳の中が気持ちよくて強く腰を振ってしまう。
そうすると芳徳は嬌声を上げ、嬉しさで潮を吹きながら絶頂をしていた。
「イってっる……あっあっあっい゛ってぅっ、らめっだめっ、今はっぐりぐりっ……あぁっあぁん゛っあ゛っ……ああ、むり、い゛ってぅっ……んあっイクの止まらないっ…ひぁあっおま〇こらめえっ…あっあ゛っあっ……」
「止まらねえよ……っ!!」
「はあぁっやっ、また奥っああっ……ん゛っあっあ゛っああんっあ゛っらめぇっ、すご……いっい゛くっいっちゃっ…んああっ中でっイクっ……あ゛っあーっ……だめ、今っ、動いたらっあっんっいぐっんあああぁああぁぁっ」
芳徳は全身で快楽を得て、潮を吹くようにして絶頂をしている。
そこに高鴨は精液を中出しして絶頂を一緒にしていた。
「出る、ああっ出るぞっ!!」
「あっ、あ゛っ、あ゛あああっ! あっ、あっ、あっ、あ゛っ、そこっおま○こだめっ……、いくっ、いくっ、らめっ、あ゛っ、あ゛あぁっ!!」
芳徳は連続でドライで絶頂もして気持ちよさに倒れそうになったが、それを高鴨が支えて何とか絶えた。
「おい、まだ治まりそうにない……」
「僕も止まらないよ……もっとして」
芳徳が望むから高鴨は抜かずに三発も射精するまでそこで二人でセックスで盛り上がった。
散々した後に、二人はその場で話をした。
ここに来るまでにお互いどうだった。そういう簡単な話。
そしてこれからどうするという未来の話。
「俺はお前と一緒にいたい」
「うん、僕も」
お互いに同じ時期に一月くらい隣同士だっただけの関係だったが、お互いがずっと求めてきた相手だったので一緒に暮らすことにした。
ちょうど高鴨の東京への転勤に芳徳が付いてきてくれて、二人は東京で暮らすことにした。
けれど高鴨の性癖は歪んだままだったし、芳徳の高鴨への思いもまた歪んでいて、とても普通の恋人同士とはいかなかったけれど二人は何とか普通の生活の範囲内で静かに暮らしていくことはできたのだった。
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