shortshort 14

なんてことはない

 新納哲二の親が再婚をした。
 片親ならいつかは来るであろう出来事で、まして大学生になって親元を離れているならなおのこと、十分にあり得る話だった。
 話を父から聞いたときはやっとかなと思った。
 そしてもう家を出ているから好きにしたらいいし、自分には余り関係ないことだと思った。
 もちろん顔合わせをした時はいいように好きにやってくださいと言った。
「もう家を出ている身ですので、お気兼ねなく」
 そう言った。
 家族ごっこを期待されては困るし、それに付き合うほど人も良くなかったから、父には怒られたけれど、母と死別した以外で母に不満があったわけでもないから新しい人をお母さんと呼べるほどの気持ちを持ち合わせてはいなかった。
 それは父からしても母になる女性からしても予想外の出来事だったらしく、最初は戸惑っていたけれど、こればかりは譲れない気持ちを女性の息子の方が理解してくれた。
「仕方ないよ。だって僕らの父さんみたいに嫌だった人じゃないんだもん。忘れられないし、無茶はいけないと思う」
 そう言ったのはまだ小学六年生の子供である。名前は琉架(るか)と言った。
 その言葉で母親は理解を示し、父親も哲二のことを思ってくれて、結局哲二は父親の新しい家庭には関わらないことになった。
 幸い、大学はすぐに卒業だったし、仕事も内定をもらっていたので問題はなかった。
 また哲二は大学でバイト三昧をしたお陰で多少は裕福だった。
 新しい生活の保証人だけはお願いして父親からの扶養も外れた。
 そうなるとお互いに行き来もなく自然と一年が過ぎた。

 哲二が社会人三年目に入った時だった。
 仕事を終え、家に帰ると玄関先に中学生が立っていたのだ。
「あの、哲二兄さんだよね?」
 哲二をそう呼ぶのはこの世でただ一人だった。
「……えっと、琉架くんだっけ?」
 とっさに名前が出たのは変わった名前だったから覚えていたのと、とてもきれいな子だったので顔も面影がしっかり残っていたからだ。
「そうです。琉架です……実はお願いがあって訪ねてきました」
 そう言われて帰れとは言えないので居間に通した。
「ペットボトルのお茶しかないけど」 
「ありがとうございます、頂きます」
 琉架はそう言うと喉が渇いていたのを思い出したのか一気に三分の一を飲み干していた。
「家で何かあった?」
 急に訪ねてくるなんてきっと家では言えない何かがあるのだろうと思っていると琉架は頷いた。
「実は、お兄さんにお願いがあって……その暫くここに泊めてくれませんか?」
 急にそう言われて哲二は考えた。
「内容による」
 もちろん、泊めるだけなら出来るがその理由を知らないままというわけにはいかない。親にも連絡を取らないといけないし、学校だってここから遠い。もし休むのであればそれでやはり話を付けないといけないわけだ。
「ですよね……実は母の別れた夫で僕の父が僕の親権を急に求めてきたんです」
「そうは言っても養育意思もなく、養育費も払わず、離婚後の面会もしてなかったんだろ? そんな奴に親権を求められても裁判でも権利はないといわれるぞ?」
 そう言うと琉架は言った。
「確かにそうなんですが、実は母は僕が生まれる前にDVから逃げていて、父は僕が生まれたことを知らないんです」
「ああ、離婚はしたけど子供はいないと思っていたってことか?」
「そうなんです。ちょうど同じ時期に母さんの妹さんも出産していて、僕を数年前に見たときはてっきりその子供だと思っていたらしくて……でも戸籍を見たら僕の記録をみつけたと。子供がいたことを黙っていたのだから、DV関係なく子供の親権を求めるのは今であるのはおかしくはないっていうのが向こうの弁護士の言い分です」
「それでこっちの弁護士は?」
「それが……恐らく向こうの言い分が通るかもしれないと」
「何で?」
「そういう離婚問題に強い弁護士で、裁判をしたら僕の親権が向こうにいくかもしれないって」
「つまり弁護士が使えないやつってわけか」
「手っ取り早くいえばそうです。それに養育実績がないことを理由にされる前に会う権利があるはずだと言い出して。でも僕は会いたくなくて……」
「理由は?」
 何か別の理由で会いたくはなさそうだったので哲二は突っ込んで聞いた。
「……実は……前に一回パパ活をしたことがあって、その相手が……」
 やはり理由はあった。
「実の父親だったと?」
「……その通りです」
 そして琉架は父親とは知らずに関係を持ってしまったが、その後に父親側から琉架に接触があり、そこを母親に偶然見られたのだという。
 父親は琉架との関係を口にはせずに琉架を欲しがり出したという。もちろんそれは琉架の身体目当てである。
「まあそれなら」
 そう言うと哲二はその父親の連絡先を聞いた。
 すぐ知り合いの弁護士を雇い、琉架の父親の弁護士を通した。
 琉架が話した内容から身体の関係を持ったこと、それから急に権利を主張しているのは、関係を続けたいからであろうと。もし違うのならそういう関係を持ったことがあることを認めた上で裁判をしようじゃないかとこちら側から持ちかけたのだ。もちろん未成年に淫らなことをした条約違反や実子にそれを行ったことは完全に父親になりたい人間からすれば大打撃の話だった。
 琉架の父親の弁護士からすれば寝耳に水である。
 そして裁判で琉架にも証言をさせるし、父親の会社にも未成年者にお金を渡して性的行為をしたことは報告するし、これ以上権利を主張するなら警察にも相談をさせてもらうつもりであると言った。
 もちろん逃げ道は用意した。
 権利の主張を取り下げ、二度と琉架の前に姿を見せないことに納得して接近禁止の条件にサインをしてくれればそれらはしないと告げた。
 すると、すぐに弁護士から権利を主張しないことと養育費の支払いと迷惑料として五百万円が届けられた。
「この件はこれでなかったことに……」
 そう言われてあっという間に片付いた。
 どうやら父親はいいところの会社勤めをしていたらしく、よほど後ろめたいことがあるのだろう。警察だけはと怯えているらしい。
 たった一本の電話で迷惑な元父親を撃退してしまった哲二に琉架はすっかり惚れてしまったようだった。
「凄い、哲二さん、かっこいい……」
 学校にもパパ活がバレそうになったので琉架は哲二の家から通える学校に転入し、琉架は哲二が預かることになった。
 母親も父親も哲二をすっかり信用して任せてしまったけれど、その二人の間には既に一歳の子供がおり、どうやらそのせいで琉架は少しグレていたらしいことまで分かった。
「哲二さんが救ってくれなきゃ、僕どうなってたか……」
「でも何でパパ活何だ?」
「だってセックス好きだし、お金も貰えて、おじさんとパパごっこもできたし……それはそれで面白かったから」
 琉架はあっけらかんと言うので思わず哲二が言う。
「それなら俺で我慢しておけ。小遣いはまあ決まった分しかやれないけど、ここには好きなだけいていいし」
 哲二も実は節操がない。
 正直、琉架の父親と同じくらいに倫理観はないと言って良かった。
 セックスは男の方が良かったし、店にいくほどセックスは好きだったし、大学時代はセフレもいたほどだ。
 だから幸せな実家には興味がなかったし、こういう生活を見られるのも面倒なことになりそうだったので関わり合いにならなかったのだ。
 そんな理由を聞いた琉架は一緒に住むメリットを見つけたらしく、同居には飛び付いてくれた。
 両親からすれば、思春期で難しい子供があっさりと家を出てくれ、さらには興味なさげだった息子が同居して面倒を見てくれるという。
 どっちにもWin-Winな状況だった。
 琉架を預かることで哲二は毎月十万を親から受けとり、落ち着くためにお互い干渉をしないで定期連絡だけとしてしまったら本当に快適な生活がやってきた。
「あ……哲二さんのおちんぽ、大きくて好き……」
 琉架は引っ越してきた日から哲二のぺニスにメロメロだった。
 口に咥えしっかりとぺニスを舐めてくる。それはパパ活をしていただけありフェラチオは上手かった。
「んぅ、ん、ん、ふっ……んっ、ぁん……」
「いいぞ、琉架……」
 琉架は本当にセックスが好きで、哲二には簡単に股を開いた。
 けれど一応は包容力のある甘えさせてくれる男性が好きらしく、哲二はその条件を全部満たしていたようで、琉架は哲二の言いつけ通りにパパ活は辞めた。
「んっ、ふぅ、んんっ……んんーっ……、んっ、んぅ、んっんっ」
「よし、いいぞ。挿れてやるから、ケツ向けな」
 哲二がそう言うと琉架はアナルを広げて強請ったように腰をくねらせるので哲二は一気に琉架の中にペニスを突き挿れた。
「ふぁあっ、んっ、んっ、はぁっ、あぁっあっん、ん、んっぅっんっ」 
「ほら本気でいくぞ!」
 そう哲二はいい、強引に腰を動かし始める。その強さは哲二の性欲の強さを顕していて、琉架はその強引さが大好きだった。
「あ゛あっいいっ、らめっあ゛あっ、らめっ、おま○こゴリゴリしてるっ……ひっあっ、あんっおまんこ……ああっ……らめっゴリゴリしちゃっ……ああんっおちんぽっおおきいいっああんっ……ああんっ」
「もっと淫らに声だせよ、琉架……誰にも聞こえないから、もっとだ!」
「きもちいいっ……きもちいいっおちんぽ……ああっ……いいっ気持ちいいっ……あ゛ああっ……あっ、あ゛っ、らめっらめええっ、あ゛あああぁっあ゛っい゛っ、あっんっ、いくっあ゛あ゛っあっらめっあ゛っんっ、あっ、あぁっ、いくっ、いっちゃうっ……あぁあああん!」
琉架は派手に絶頂をして、精液をぶちまけながら潮吹きさえした。
 哲二によって琉架の体は更に快楽に弱く作り替えられていき、琉架はもう哲二しか見ていなかった。
「ああんっおちんぽっいい……ああんっああっ……きもちいいっああんっ……ああんっおま○こっああんっいいっあ゛あぁっ……おちんぽしゅごいっ、、ああっ、あっ、おま○こっハメハメされて、イキまくちゃうっ……あ゛っ……いい……おま〇こきもちぃっあぁあんっあんっ」
 これだけ大きな声を出しても防音が効いているマンションに引っ越したのは、つい最近だった。親に援助を願い出たらあっさりと琉架のためにお金を出してくれた。
 そのお陰で琉架の喘ぎ声もどんどん大きくなっても外には漏れない。
「いいっきもちいいっおちんぽっああんっらめっらめっきもちいいところばっかっ……こすっちゃっああっ、すきっ好きっ、おちんぽしゅきぃっ……あ゛っあ゛っ、あっ、きもちいとこっ、ゴリゴリされてっんっあっあああんっ」
「このちんぽが好きなんだろう!? 知ってるぞ、ほら締め付けてきた!」
「ああ……すきっおちんぽっ……すきっああ……きもちいいっああんっおま○こゴリゴリされて……ああんっいいっおちんぽっきもちいいっああ……いいっおちんぽっ……おちんぽっああんっきもちいいっああんっ」
ゴリゴリと哲二のペニスが琉架の中を抉り続け、琉架はそれによって何度も絶頂をさせられることになった。
「あっあ゛っ激しぃっ……ん゛ああんっあ゛っあっあひっ……あ゛っああっすごいっおちんぽっすごい……ああんっきもちいいっあ゛あああっ……あぁっあっいいっ、きもちぃっ、、おちんぽせいえき、おま〇このおくにちょうらいっあああっあぁっあっあっ」
「まだだ、もっと腰を振れ、そうだもっとだ」
 琉架は哲二の腰の動きに合わせて腰を振り、快楽を貪った。
「ああ……おおきいっおちんぽっきもちいいっああっ……きもちいいっああんっああっいいっあっあっあっおま○こ……ああんっいいっおま○こいいっ……ああんっおちんぽっすごいっああんっらめっらめっああんっ」
「ほら、中出しするぞ! 奥で受け止めろ!」
「あああっ、おま○こっ……ん、いいっ、おま○こにせいえき出してっあっあんっ、僕のおま〇こでイってっあっ、もっときもちよくしてっあっあ、いくっいくっおちんぽっズボズボされてっ……おま○こでいくっ……ああああああんっ」
琉架は哲二の精液を受け止めて、それによってドライオーガズムで絶頂をした。
 その時間は暇があれば続き、哲二は琉架が淫乱のように喘ぐ様を見ると琉架をもっと可愛がるようになった。
 
 琉架との生活は長く続き、やがて琉架が成人をすると琉架は親に自分がゲイであることや、哲二を好きなことまで告げたが、親は何となくは察していたらしく、今まで通りでいようと言われたようだった。
 哲二は特に親に言わなかったし琉架の好きにさせた。
 やがて琉架が大学を卒業すると哲二はアメリカへ赴任することになった。永住をして日本には戻ってこないつもりであることや琉架はつれていくことだけ親に最後に報告をした。
 そしてそれ以降、哲二や琉架からの連絡は両親に入ることはなかったのだった。
  

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