shortshort 11

そっと手折る

 清山静也は会社を首になった。
 それが数日前だ。
 急に上司に嫌われてプロジェクトから外されたと思ったら、やってもいないパワハラを疑われ、退職金を出すからそれを理由に辞めてくれと言われた。
 もちろん嫌だと言うと、退職金なしの裁判をすると言われ、やってもいない部下へのパワハラがでっち上げられていた。
 部下の三名ほどが同じ証言をしていて、とてもじゃないがしていない証明は、悪魔の証明と同じで証明することができないと色んな弁護士に言われ、断られた。
 結局、泣く泣く退職金を選んで辞めるしかなかったけれど、同業業者には知れ渡り、同じ職には就けなかった。
 そのため、あっさりとその職を諦めるしかなかったが、そんなときだった。
「君さ、昔ダンスサークルで色っぽい踊りしてた子だよね?」
 と、居酒屋で飲んでいた時に隣で盛り上がっている飲み会から出てきた一人にそう言われた。
「え……あ、ええ?」
「ああ、ごめん。俺多分あんたと同期だと思う。M大」
 そう言う男は金髪の髪をした派手なイケメンの男だった。
 確かに男の言う通りで合っているため静也は頷いていた。
「静也さんだ」
 ドンピシャで名前を言われ、静也は驚く。
「名前まで?」
「もちろん、憧れてたしね。俺さ、今S街でダンサーをしてるんですよ」
「へえ……そうなんだ」
「でさ、ちょっとでいいからポールダンスを見てくれない?」
「ええ?」
 急に話が進んでしまい、静也が驚いていると、男は名乗った。
「俺、良介っていいます。新人ちゃんって呼ばれてます。今から時間があるなら見てくれませんか?」
 改めてしっかりと言われてしまい、さらには他のダンサーにまで見つけられてしまった。
「あ、ポールダンスのエロい人じゃん」
「ほんとだ、あれは凄かったよ」
 どうやら昔のダンスを見た人であろうダンサーがそう言って静也を持ち上げた。
「いや、でももうやってないし……」
「本当、見るだけでいいから、お願いします!」
 そう言う良介に周りのダンサーも同じく頭を下げたため、居酒屋で目立ってしまい、静也は断ることを封じられた。
「わ、分かりましたから……やめてください……」
 そう言いながら店から追い出されてしまった。
 ダンサーグループの仲間だと思われて一緒に迷惑がかかると言われて店を出るしかなかったし、あの後に暢気に飯を食っている余裕もなかった。
 仕方ないが良介に連れられて、ダンサーたちが使っている店のポールを前にして良介のダンスを見ることになってしまった。
 他のダンサーは邪魔になると思ったのか、二次会に行ったのか、誰も付いてこなかった。
「こうでしょ、で、こう」
 と踊っているところを見ていると、静也は昔を思い出した。
 会社に就職するにあたってダンスは辞めたけれど、懐かしいどころの話ではなかった。
「うん、そうそこで首を右、そう! そこから視線を先に移して顔を左に移動、うんいいね」
 そう指導していると良介はいい感じになっていった。
「うわ、本当にいい感じだ」
 踊っているところを動画に撮ってやったらとてもいい形になっていたので良介は喜んでくれた。
「あ、もうこんな時間だ。明日お仕事大丈夫ですか?」
 そう良介に言われたけれど、静也は笑った。
「ああ、大丈夫だよ、仕事は一週間前に首になったんだ」
「ええ? 何でですか?」
「よく分からないパワハラの疑いを掛けられてね」
 それまでに起こったことを話すと良介は信じられないと言った。
「そんな、その三人絶対連んでると思いますよ。絶対。だからきっと悪事はいつかバレるはずです!」
「そう言ってくれると嬉しいけど。それじゃそろそろ帰るよ」
 静也がそう言うと、良介が言った。
「良かったらまたダンスを見てください!」
「あー暫くは暇だからいいよ」
「ありがとうございます!」
 良介は一生懸命だったので暫く様子を見てやることにした。
 それを切っ掛けに静也もポールダンスをやれる筋力を付けることにした。
 運動自体はしてきたけれど、ポールダンスができるほどの筋力は大分なくなっていた。 しかし一ヶ月くらい練習を続けてみたら、案外体が覚えていて、良介の練習中も行動で説明ができるようになっていた。
「やっぱり、静也さんはすげーわ。色気半端ないし……」
 良介がそう言うけれど、店側としては余り静也を歓迎はしていない様子だった。
 売れっ子の良介が更に売れたことで、文句は言いにくいらしいけれど、静也のことは所詮素人という目でしか見ていなかった。
 それでも完全に良介よりも踊れるようになってくると、話は違った方に変わっていった。
「実は良介の親が亡くなってね。明日とあさっていないんですけど、良介のダンスの穴をできれば静也さんに埋めて欲しいなと」
 急にそう言われてしまい、静也は困った。
 ダンスを教えることはできるが自分が人前で踊れるほど完成しているとは思っていなかったのだ。
「いや、でも……」
「もし受けてもらえるなら、うちの練習所をこれからも無償で貸しますので!」
 そう店長に言われてしまい、良介からも頭を下げられた。
「他の人には頼めないんです……お願いします」
 良介は親が亡くなって辛いだろうに、こうやって静也に頭を下げてくれた。
 実は良介の練習を見ていることで、良介から一月に二十万もらっている。良介の稼ぎからするとかなり少ない金額になるのは、彼が踊っているところを見た時に気付いた。
 そうダンサーには御捻りをパンツなどに入れることができて、舞台にも投げ込めるのだが、良介は一晩で百万は稼ぐ稼ぎ頭だ。
 そんな稼ぎ頭が二日抜けるだけで、店からすれば売り上げも百万単位で減るのだという。
 静也はそんな良介に世話になっているのだから、断ることはできなかった。
「分かりました、二日だけですよ……でもダンスに保証はしません……」
 そう静也は言って良介の代わりを務めることになった。
 

 当日になり、ダンスをする格好をする。
 用意されたのはほぼ裸であるボクサーパンツのようなパンツと、上着はベストだけだ。元々男性のセクシーさを見せるところなので、なるべくは体のラインを見せる形だ。
 踊れば腹は見えるし背中も見えてしまうから、体型が悪いと見栄えも悪くなる。
 けれど静也は最近ダンスに熱中していたお陰で体型はかなり絞れていた。
「ああ、似合うね。最初から似合うとは思っていたけれど、ほんと良介が言う意味も理解できるよ。あんたこれ天職だと思うんだけどね」
 店長はそう言いながら静也の格好を見て残念そうに言う。
 けれど静也は良介が戻ってきたら、もうダンスの仕事は辞めて、本格的にダンスを教える仕事に就こうと思っていた。
 ちょうどフィットネスクラブでダンスなどを教えるインストラクターの募集をしているのを見つけて、その面接を受けようと思っていたからだ。
 店長は残念そうにしていたが、諦めてくれた。
 そして良介が不幸で休みになっていることで、良介の師匠である静也が代わりに踊ると言ったところ、最初はやっぱりブーイングだった。
 他のダンサーの時間は終わっているから全員もう帰ってしまっていたのは幸いだ。こんな酷いブーイングでは気分は良くないだろう。
 しかし静也は舞台に出た。
 ライトを浴びてポールに近づくために踊り始めると、騒いでいた人たちの口が止まった。
 そんな彼らを挑発するように目線を使い、腰を使い、そしてポールまで辿り着いた。
 ここまでくれば、あとは静也の独壇場だった。
 ポールに絡めて淫らに踊るダンスに観客は夢中になり、静まりかえっていた。
 そして彼らは静也の視線に煽られ座り込み、ゴソゴソと股間を弄り始めた。
 ここでは日常茶飯事の出来事で、彼らはダンサーをそういう目線で見ている。だから静也はそれが嫌で働くことはないと思ったのだ。
 けれど今は舞台の上のダンサーである。そんな男たちを煽るように腰を突き出し振り、可愛くなったり色っぽく妖艶になったりしながら、一曲を踊り終える。
 そして二曲目の曲を踊り出した時だった。
 目の前に座っている男が舞台に乗り出してきて、静也の足を触り始めたのだ。
 もちろん、静也はそれを嫌な顔をしないで避けながら踊っていたけれど、他の客もヒートアップしてきてしまい、静也の舞台の周りには男たちがペニスを扱きながら身を乗り出して喘いでいる。
 店側はそれを止めようとはしないから、段々とその行為も収まることがなく、とうとう二曲目の途中で男が一人、舞台に上がり込んできたかと思うと、静也の腕を掴んでその腕に手錠をかけたのだ。
「え、いやっそれはっ!」
 さすがに上がってきた男に動揺し、逃げ出そうとしたが、手錠をされた先をポールに通して更に片方の手首に掛けられてしまったのだ。
 これで静也はポールから離れられなくなり、逃げられなくなった。
「いやっ……何これ、助けてっ!」
 さすがにこれが余興の訳はない。
 二曲目が終わると舞台も終わりのはずだったのに、そこに大きなダンス曲がかかり始めた。
 三曲目はないのにダンス曲がかかっている。
 それで客は盛り上がり、別の男が静也を床に押しつけてきた。
「ああ、やめろっ! 店長!」
 助けて欲しいと叫んで見たけれど、店側の人間は誰も出てこない。
 客は盛り上がり大騒ぎになっているがダンス曲がほぼかき消してきてしまい、声が届かないみたいだった。
 そのまま静也の服は誰かがペットボトルの水をかけてきて、それによって濡れた部分から溶けていっている。
「え、なにこれ……いやあっ!」
 静也が必死になっても客は止まらず、三人ほどの男が舞台に上がって、静也を押さえつけてくるのだ。
「いやだっあっやめろっ! あああっ」
 気付いたら溶けた服はなくなっていて全裸になった静也は男に手足を押さえられて、気付けばアナルにペニスを挿入されていた。
 あっという間の出来事であり、強烈な痛みも襲ってきたが、男たちはそれぞれに道具を持ち寄っていたようで、アナルにはローションがつぎ込まれていたし、そのローションには淫剤が混ざっていたようで、痛みがあったのは最初にペニスを突き入れられた時の痛みだけだった。
「あっ……あ……あっあぁっ……あぁっ、うっ……あー……っひっ、あっ、あっ……やぁっ……」
アナルに男のペニスが挿入され、ピストン運動がされていくと、段々と淫剤が聞き始めたのか、アナルが熱くなり、そこをどうしても擦って欲しいほどになってしまう。
「あっやっ、くうぅ……ぁ……っん……ふぅっ、んんぅ!」
「いいぞ、犯せ!」
「やっちまえ!」
「やぁ、あ……なんで……っなんで、こ、こんな……んうぅっ……! あぁー……っ、や、も……っ、あぁ……!」
必死に逃げようとするけれど、アナルにペニスが挿入っている感覚に慣れ始めると、段々と快楽がやってきてしまう。
 淫剤のせいで気持ちよくなってしまうようにされているから仕方のないことであるが、今公開レイプをされていて誰も助けてくれないのは仕方ないとは言えなかった。
「ああっ……!はああ、んっ、んんっ、あん……っ、はぁんっ!んふぅ……っ」
この男たちは良介をずっとこうやって犯したかったけれど叶わなかった人たちで、いつもはペニスを扱いて射精するだけしかできない人たちだった。
 けれど良介にはなかった色気と挑発の強さに負けたらこうなってしまったのだ。
「あっ、あっ、あぁっああ……っ、……あっ……ぁ……んっ……ふ、う……っ」
 最初の男はあっという間に静也の中で達して精液を吐き出していた。
「あっ、ぁん……!ああっ……ああ……んあぁ……! んぁあっ……ふぁ、あぁ……っ!」
「おら、変われ俺の番だ!」
 最初の男が離れると、次の男が静也の中にペニスを突き挿れてきて腰を振り始める。
「あひぁああっ、ああぅあぁっ、ぁ、ぁ、あっっ……ぉれ、ぁっ……はぁっ、だめぇ……っ!」
とてつもない快楽がどんどん襲ってきて、静也も抵抗ができなくなってくると、男たちは静也の体にペニスを擦り付けて射精をしていく。
「んんっ……はぁっ、あっあぁっ……ああっあ、やっ、ん……ひあっ、ぁあっ」
口にも精液を注ぎ込まれ、男のペニスを咥える羽目になった。
 抵抗もできずに喉で精液を受け止め、そしてアナルでもまた精液を中出しされる。
「はぁっ、んあ、あんっ、ぁん……んっ、ぁ、あん、はぁあん、はぁ、ぁっはぁっ、ぁんっ、あっ、ん……」
次々に男たちが静也に群がり、静也はもう何も考えられないほどに犯され続けた。
「やっ! あっ、ああんっな、はあんっは……っ、はぁ……っ、あん、ああぁ、んあぁ」
「いやじゃねえよっ俺を誘いやがって、こうされたかったんだろうがっ!」
「あ! ああん、……あっ、あぁん……っああっ! んあぅ……! んああんっああっ……んぁ、ぁふっ……ん、やらっ……! ぁ、や、やめ、あんっ!」
もう喘ぐ以外のことはできず、逆らうこともできずにただ男たちの精液に静也は塗れた。
「あっ! あぁん……っ! っあ、あぁああっ! あああっ! はぁっ、はぁっ、は、ぁあん……っ!」
そこにいる三十人ほどの観客に次々にアナルを犯され、中には二周目に入る男もいたが、朝方までそのポールダンス上での公開レイプは収まらなかった。
「あぁああっ! あっあ、はふっ……ん、はぁあんん! んあ……っ、ああ……っら、めぇ……っ!」
朝になってもそれは収まることがなく、店は出て行くのは自由であったため、客はいつまでも居座って代わる代わるに静也を犯し続けた。
「あ゛っあ゛あああっ! あ゛ひっ、そこっ、らめっ、あ゛ああっ、だめっしんじゃうっ、そこばっかゴリゴリしないれぇっ……! あ゛ーっ、あ゛ーっ、んっあああぁっ……!」
性欲は強くレイプをしたいという願望が強かった男たちだったから、余計にしつこく犯され続けた。
「あーっ……はっあぁっ、あっああぁっあひぃっ! あんっ……あっあっあああぁぅっあっやっ! あぁーっ……らめぇっ、んっはぁっぁああっ」
 とうとう静也もアナルで完全に感じるほどになり、ペニスを挿れられるだけで絶頂できるほどにクスリを使われて極まっていた。
「あぁっあっ、あんぅっ……、や、あぁっあーっ……ひっ、ああっ、あぁあんっんっんっ……はぁっぁ、あぅんっすご、いっ……ひゃぁっあっはぁっ、あぅんっ!」
やっとお昼頃になり、一人の客が静也を犯し終えた。
 静也は精液まみれで縛られたままでポールダンス場に放り出されたままだったが、やっと昼になって店長がやってきて静也の手錠の鍵を外してくれた。
 どうやら店長は彼らとグルだったらしく、こう言った。
「悪いね、店のもんに手を出されるくらいなら、あんたぐらいくれてやれるんだよ」
 店長が執拗に静也を店に誘ったのはこういうことだったのだ。
 店の物だったら守るけれど、そうでないなら守らない。
 それは客との共通の約束事で、彼らはそれに倣っただけだった。
静也はそういうことだったのかと思い、やっと起き上がってシャワーを浴び、綺麗に身支度をしてから店を出た。
 その店から帰る途中に客の一人に付けられて家に押し入られた。
けれど、静也は客を拒まなかった。
「あっあっあっおま○こ……ああんっいいっおま○こいいっ……ああんっおちんぽっすごいっああんっらめっらめっああんっ」
まだ熱が残っていたから、自ら男に跨がって腰を振っていた。
「あああっ、おま○こっ……ん、いいっ、おま○こに出してっあっあんっ、おま○こに、精液出していいっ……俺のおま〇こでイってっあっ、もっときもちよくしてっあっあ、ああああっ」
静也はそう言い男に犯され続けた。
 目覚めてしまったらもう止められはしなかった。
 良介の前には二度と現れないまま、静也は店長の紹介で裏カジノにある、セックスができるポールダンサーになり、そうした客を前にポールダンスをして、そしてそこで犯されるという仕事に就いた。
 それは天職と言えるくらいに静也には合っていて、静也はそこで能力を発揮して、上り詰めた。
 裏カジノを辞める時には数十億を稼ぐダンサーになっていて、海外のカジノを経営するオーナーのパートナーになっていたのだった。

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