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匿名希望
「ご利用中の商品に関しまして、アンケートにお答え頂きますと、抽選で十名の方にチャリーンカード五千円分をプレゼントします」
直原が交差点で信号待ちをしているときに急に話しかけてきたのは一人の男の子だった。
年齢的にはまだ中学生くらいだろうか。
近くに大人が二人ほどいて、その二人がけしかけているらしいのだけは理解できた。
こういう輩は相手にするだけ無駄で、ほぼ詐欺であることが多い。
他にたまたま通行人がいなかったけれど、どうやらこの人たちのせいで皆一つ先の交差点に移動してしまっていたらしい。
しくじったなと思いながらも信号が変わってしまえばこっちのものである。
直原はなるべく男の子を見ないようにして信号を渡ったけれど、その子は何故か付いてくるのだ。
「あのすみません、迷惑なのは分かっているんです。でも少しだけ相手してください……」
急に男の子がそう言い出して、思わず直原は男の子を見た。
「お願いします、助けてください」
男の子はそう言いながらも信号を渡りきってしまった。
すると反対側の大人たちが何か大声で叫んでいるけれど、信号はすぐに赤になった。
車が多いところなのですぐに車道には車が猛スピードで走り始め、あっという間に向こう側が見えなくなる。
「このままついておいで、警察に行こう」
そう言いながら直原が言うと、男の子は頷いて直原に付いてきた。
そして詳しい話を聞く。
「あの人たちは誰なんだ?」
「あ、母の知り合いの人なんですけど、急にこんなことをやるようにって言われて、母さんはその、宗教にはまってしまって……それでその勧誘なんですよ」
「ああ、そういうこと。でもそれじゃ警察に言ってもちょっと難しいかもしれないね……」
「そうなんですか?」
男の子は不安そうに聞いてくる。
「家庭内の問題だからね。警察は犯罪が起こってからって言われるし……」
「じゃあどうすれば……」
男の子は段々と不安になっているようだった。
直原はそんな男の子を見て、少しだけニヤリと笑った。
実は直原はある種の犯罪組織の人間だった。
カモにしているのは子供ばかりだ。
「そうだな君なら、お金を別に稼いで、家を飛び出るっていうのもありだけれど?」
そういう風に直原が言うと、男の子はその言葉に惹かれたようだった。
「どうやってですか?」
「付いてくれば分かるよ。君はその身一つで、億を稼げるから」
怪しい笑顔を浮かべた直原であるが、男の子はそれに気付いた様子はなく、直原に素直に付いてきた。
直原はいいカモを見つけたと思ってにやける顔を押さえながら男の子をある事務所に連れて行った。
そこは芸能事務所で直原はそこで事務所の社長をやっている。
「芸能ですか?」
「うん、そうだよ。中学生なら裏方のバイトとかいい感じだよ? やるなら住むところも用意するし、もちろん家賃は当面は要らないよ」
怪しい直原の勧誘に男の子は少し悩んでいるようだった。
それは当たり前のことで、ここで悩まないで速攻に契約書に判子を押すなんて馬鹿は余りいない。
「あの生活から抜け出せるんですね……それだけでも僕には価値がある」
そう言うと男の子は契約書にサインをした。
碌に読み込んでもいない内容を確認もしないでサインしたのには驚いたけれど、それでも山角賢弥(やまずみ けんや)と書かれた名前を見て直原はニヤッとした。
「うん、まずは住むところ、隠れ家だからしっかり周りに用心をしてね。きっと君は警察に捜されていると思った方がいい」
そう言われて親が行方不明の捜索願いを出したらそうなるだろうとなと思ったようだった。
「でも、多分大丈夫だと思います。宗教の神様以外信じないだろうし……大事にはしないと思うし……」
どうやら、それ以上に賢弥の状況は恐ろしいほどに問題があるようだった。
これはいいカモ過ぎた。
直原はそのまま賢弥を連れてアパートに行った。
独身用で保証人なし敷金礼金なしのアパートは六畳と三畳のキッチンに風呂トイレがある部屋だ。狭いけれど繁華街にあるとは思えないほどに防音がしっかりと効いてる部屋だ。
その部屋に入ると、直原はまず賢弥を風呂に入れさせて服を取り上げた。
バスローブを用意して六畳の部屋にある大きなベッドの周りにはカメラを取り付けた。
風呂から出てきた賢弥はそんな部屋を見ても驚きはしなかった。
「撮るんですか?」
静かにそう聞いてきた。
「あの、名前は困るので匿名でお願いしていいですか?」
賢弥は言ってからベッドに腰を掛けた。
「慣れてる?」
直原がそう聞くと、賢弥は頷いた。
「僕はそういう意味で呼ばれたのは分かってました。でも使われるとしても、貴方は僕にお金は本当にくれそうだったから、お金をくれる方で仕事としてした方がいいかなって……」
宗教にはまっている母親は、賢弥がそういう目に遭っているのを知っているが、賢弥を抱く男たちに生活費を出してもらっているから警察にも届けなかったらしい。
「いつから?」
「小学校の五年生からずっと……最初は父親でした」
賢弥の壮絶な人生はきっとこういう形でしか進まないのだろう。
「分かった。お前の相手は俺だ。年齢的にもそういう風に撮る。他の人を相手にするかしないかはお前の自由だ」
直原はこれ以上隠し事をしてもよいことはないと思ってそう言ったのだが、賢弥はふっと笑って言った。
「僕が選べるんですか?」
つまり選べる人生は今までなかったということらしい。
それにはさすがに最低な人間である直原ですら同情するほど賢弥は不幸だった。
「学校は行ってたか?」
「いいえ、母がそれも必要ないと言って、行かせてもらってませんでした。勉強も一人で頑張っていたけれど、限界がきてて……」
そんなことを言うから、直原もさすがにこのまま賢弥をカモにしておくことはできなかった。
「俺が教えてやるよ。だから、お前を試させてくれ。お前がよかったら、俺がずっとお前にその環境を与えてやるよ……それでいいか?」
「僕、エッチすれば勉強ができるんですか?」
「もちろん、週に三回くらい撮影するだけで、あとは自由だ」
「……嬉しい、僕、頑張ります」
賢弥にとって男とセックスするよりももっと辛い状況で暮らしているという証明だった。
賢弥は大人しく直原に身を任せてくれた。
直原は賢弥の体中を舐めて宥めてやった。賢弥の体は男が触ったことがあるような柔らかさで、賢弥が慣れていることが分かった。
けれどそれでも愛撫はされたことがないのか、乳首を弄ってやると歓喜の声を上げ始めた。
「ふあぁっんっちくびっ……あっああっんっらめっなめちゃ……あっあっ」
乳首を弄られることはあっても執拗に舌で舐め上げられたことはないようで、そうしてやると賢弥の腰が動き始めた。そのいやらしい動きは直原の股間を直撃するくらいには淫らだった。
「やっ、あっあっ、さわるだけって、いったのにぃっ……、舌、ああん、はぁ、はぁんっ」
執拗に舌で愛撫をして舐め上げ、乳首はどんどん勃起して転がりやすくなってきた。
「あっ、あぁんっ……も、はなしてっ、はぁっ……ふっ、乳首でいっちゃうからぁ……」
まるでキャンディーでも舐めているようにしてやると賢弥は頭を振りながら快楽にもだえている。
「ああーーっ! やぁっ、ちくびすっちゃ、らめぇっ、あっ、あっ、あぁあんっ……」
快楽には相当弱いのか、気持ちよさでおかしくなっている賢弥はいい感じに嬌声を上げ始めている。
「あっ……あっあっあああーっあひっ……ふあぁっ、あんっ、あんっ、あんっ、あひぃっあ゛あああぁああっ……あひっ、あ゛っ、らめぇっちくびっあっあぁんっ」
乳首を弄られるのを気に入ったのか、賢弥のペニスが完全に勃起していて、先走りを垂れ流していた。
そのままイケると思ったので乳首を責め続けたら賢弥はとうとう絶頂をした。
「あっ、あっひあっ乳首クリクリしちゃらめっ……あっあぁんっむりっ……あっあっあぁんっあぁあっいくっいくっでちゃうっ……あっあぁあんっ」
派手に絶頂をして、精液を拭きだしているのを見たら直原ももっと賢弥を攻めたくなった。
この子はそういう素質がある。
人がどうしても賢弥を抱きたくなってしまうくらいの反応をしてくれるのだ。
「んは……っ、ぁ、……は、はぁ……っ、や……はぁ……っ」
絶頂して放心している賢弥のアナルを舌で舐めてやった。
「やっ! あぁっ! な、やぁ……っ、そんな……っ! あっ、あぁあっ!」
執拗に舌で舐め上げられるのも慣れていないのか、それも嫌がったけれど、それだけではなかった。
「あっ、あぁっ、ゃ、やだぁあ……っ! あっあっ、ダメ、ダメ、そ、そこだめ……っやめ、あぁっ!」
散々解れるほど舐めてやったら、賢弥はとうとう自ら行為を望み始めた。
「ああぁ……はぁ、はぁっ……あぁんっ……はぁはぁ……突いて、おちんぽで僕のおま○こ突いてぇっ……」
耐えきれなくなったのか待ちきれなくなったのか、自らアナルを広げて直原に見せてくるのだ。
そうやって強請るようにずっと言われてきたのだろうが、その必死さはきっと今が一番本当に求めているのだろう。
「あーっ……あっ、ぁあん……っあなたのおちんぽ、僕のおま○この奥に、ふかくっおく、おちんぽ欲しぃい……!」
そう言われたら既に愛撫だけで一時間以上経っているからくれてやるのが正解だった。
勃起したペニスを賢弥のアナルにゆっくりと突き挿れていった。
「あっ、あっ……、ひっきたっおち○ぽっあ゛っ、あああぁぁっあ゛ひっ、深い……ああっおち○ぽ大きいっ、なにこれっ……、あっ、あっ、ふかいっああんっそこまでらめぇっ……、あっ、あ゛ああっああんっあああっ!」
賢弥は直原のペニスを喜んで受け入れている。
そんな賢弥の中は完全に蕩けている。そして直原はこの感覚は始めてだった。
撮影をしているから直原は声を出せなかったけれど、賢弥はそれが分かっているのか、嬌声を上げて受け入れている。
「ああっんっあああんっおちんぽっんっいいっ! そこぉっそこ、あ! あ! あっぁあ! あぁんっ、ぁんっあんっ!」
パンパンと音がなるほど奥まで突き上げてやると、賢弥は直原のペニスに感じて喘ぎ続ける。
その淫らな声が直原の耳を犯してくる。この声は、男を誘う声だった。だからこそ、賢弥には相応しい職業がアダルトビデオなのだ。
きっとこの声を聞いた人は、映像とも合わせてとてつもない世界に飛び込めるだろう。
「あぁんっあっあぁあーっあ! あんあんあん! おちんぽっ、しゅご……っそこぉお! ああ、気持ちいいっああんっ!」
賢弥は腰をガクガクとさせながらも直原の腰使いにすぐに蕩けた顔になった。
そんな賢弥の顔をしっかりと撮してやる。カメラ越しでも凄い色気で、これまでに開発された賢弥の姿は本当に淫らだった。
「んふぁ……あ! あああっ……そこ、そこおま○こいいっあああんっ!」
気持ちよさそうにしている賢弥を突き上げながら、撮影していることも忘れそうなくらいに煽られて、直原は賢弥をしっかりと犯した。
「あ゛ああっ……だめっ、おま○こにおち○ぽっきもちいいっ、んひっ、い゛っ……あっ、あああっあ゛っ、おち○ぽ、いいっ……あっあ゛っ、ん゛っあああっ」
「……っ!」
「あ゛ひっ……んっあっあ゛っ、あはぁっ……んんあぁあっ…ひっ、あへっ…あっ、おま○こにおち○ぽいいっ、あんああっ」
賢弥は本当にそう思っているようで自らも腰を振り始め、どんどん直原を煽ってきた。
その淫らな動きは本当に直原を煽り、直原はハメ撮りをやめて、賢弥を突き上げることに集中をした。
「あっあんっあんっ、もうっ、らめっおま○こっ、ぐりぐりされてぇっ、きもちいいよぉっ!! おま○こに精液ちょうらい……中出しでいかせてっ!」
賢弥はどうやら中出しが好きらしい。そう調教されてきたのか、それとも気持ちがいいだけだから、直原にしてもらったらもっと気持ちがいいかもしれないと思ったのかは分からないけれど、賢弥は強請ってきたので、その通りにしようと直原は腰を強く振った。
「やああぁっ! あっあぁんっ……おちんぽっらめっ、あっあっあっ……あひっ……あっあんっあっあぁっあっ、あんぅっ……、や、あぁっあーっ……ひっ、ああっ、あぁあんっんっんっ……はぁっぁ、あぅんっすご、いっ……ひゃぁっあっはぁっ、あぅんっ!」
ガンガンと突き上げてから、一気に奥まで突き挿れてから中で精液を出した。
「あぁーっ、いくっ、おちんぽでいくっ! ひぃあああんっ、いっちゃうよぉっ! あっはぁあんっ! ああ、おま○こに精液中出しされてっいっちゃうっああんあんあんっ!」
賢弥は全身を痙攣させて絶頂をした。
その時にはペニスから潮を吹き、派手に絶頂したからか、あまりの衝撃に賢弥はそのまま暫く快楽の絶頂を味わっていた。
映像はそこで終わる予定だったので直原は言った。
「賢弥よかったよ……」
「うん、僕も気持ちよかった……あなたとのセックス凄く好き」
賢弥が笑ったので直原は少し救われた。
結局、賢弥のAVは出た。
匿名希望の少年AVであるが、年齢は二十歳と誤魔化している。
もちろんそれをわざわざ疑う人もいなかったのか、よくある設定だったので賢弥の素性は問題ではなかった。
人前には出ないものだから誰も怪しまず、配信サイトでのみの販売だったので賢弥の匿名希望というシリーズはずっとショタ分門の上位にランクインするほど人気だった。
賢弥のことは親は探しておらず、いなくなって清々したのか警察にも届け出てなかった。
どうやら賢弥の母親は自分で体を売って生活をし始めたようで、それでどんどん宗教に溺れていたらしい。
というのは、賢弥が一度こっそりと実家に物を取りに戻ったのだが、母親がそういうことをしている場面に遭遇したのだという。部屋が別にあったので荷物をさっと持って出てきたが、賢弥を買っていた男が母親も犯しているのを見て、賢弥は母親には結局何も言わなかったという。
取りに戻ったのは自分の通帳とカードだ。
作り直しができないのと、落としたと言っても親に通報されるので、自力で取り戻すしかなかった。
母親は賢弥に通帳を作ったことも忘れているだろうから、それはそれで問題はなさそうだった。
その通帳には賢弥が売り上げたAV出演料や売り上げなどが毎月振り込まれた。
賢弥はそれを使って高校に行くことにした。
もちろんその時には親の承諾も必要だったけれど、そこは弁護士を通した。
母親は賢弥のことには興味がないほどどん底の生活をしていたようで、出された書類を十万でサインすると言ったので、賢弥のことを養子に出す手続きまでして百万円で賢弥を直原に売った。
直原は賢弥を自分の養子にしてAV出演も高校入学と同時に終わった。
体が健康を取り戻したことで、男らしい体に育ってしまったからショタ部門にはならなくなったのと、賢弥は二十歳になるまでは勉強をすると言ったからだ。
そして二十歳になったら顔を出してAVデビューをして直原以外とも寝るようになった。
元々セックスが好きで、色んな人としてみたいという賢弥に直原も仕方ないと納得したからだ。
売れっ子になっても直原とのセックスは普通にするほどで、どんどん淫らになっていく賢弥はもう自分で世界を選べる大人になれた。
今日もまたセックスを楽しみ、美しくなった賢弥を直原は慈しんだ。
AVを引退するまで賢弥は自由に未来を選択して、最後は直原との結婚を望んだ。
養子縁組をし終わっているので、二人は家族としてその後は同じ事務所の経営をしてゆっくりとした時間を過ごした。
あの道で賢弥が直原に拾ってもらえたからこその未来だった。
でもそれを選んだのは、他の誰でもない、賢弥が始めて選んだ未来だった。
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