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05
誰も知らない
叶内准(じゅん)は家に帰るのがとても嫌だった。
夜が深くなるにつれ、早く家に帰らないといけないのも分かっている。
けれど今日は帰りたくはなかった。
携帯電話のスムースが動き、電話が振動している。
電話が鳴っているのは分かっているけれど、マナーモードを解除していない。
出ないままでかかってきたのは誰かと見ると、やはり同じ人である。もう日が暮れてから既に一時間、公園も暗くなってきてしまい、一人でいるのが怖いほどだ。
しかし誰かに見つかれば家に帰れと注意される。
制服姿で動いていたらさすがに行動も制限される。
「着替え持ってくれば良かった」
制服でなければ問題がないことは多いけれど、それでも准は一人で公園の椅子に座ったまま空を見上げた。
完全に日が落ちてしまうと目が慣れたとはいえ、さすがに暗さに驚く。
「怖い……な」
一言口から漏れたら、段々と怖さが増してきて准は急いで椅子を立った。
遠くからは電車の音が鳴り響き、車のクラクションが聞こえる。
道路の方へと歩き始めたが、思ったよりも大きい公園だったので道に迷ってしまった。
「あれ、こっち通ったっけ?」
明るいときに目印にしていた建物は明かりだけでは見分けが付かず、気付いたら准は更に公園の奥に紛れ込んでしまっていた。
大きなビルがあると思っていたのでその明かりであろう光を目指したら、思ったよりも遠くにあることが分かった。
来た道より離れた位置にある道へと向かっていることに気付いたのは、携帯で照らした看板を見てからだった。
「現在地……うわ、完全に反対側に行ってる……これ駅から遠い方の高速近くじゃん」
公園の横にある大きな道は高速道路の下道で、高速に上がるために公園の周りを一周しているのは確かに道であるが公園がある小山を回り込んでいる。
その小山に向けたハイキングコースに入り込んでいた。
「来た道戻るしかないのか……」
やっと現在地から元来た道へと戻ろうとした時に、ハイキングコースから光がやってくるのが見えた。
どうやらジョギングをしている人が走っているようで、それにぶつからないようにと看板の側で携帯を眺めた。
すると走ってきた人が立ち止まって言った。
「もしかして道に迷ってる?」
「う、わ、はい」
急に声を掛けられてびっくりすると、走ってきた人が近づいてきた。
「場所分かる?」
「あー……戻れるかなって」
「全然反対側ってこと?」
「あーはい」
「じゃあこっち側に抜けたらいいよ。この道だけどハイキングコースなんだけどね。途中に降りる道があって、そこの道を歩いて二分で地下鉄の駅があるんだよ。そこに工場があるでしょ? あそこにくる従業員が使っている小さな駅だけど、そこに行けば戻るよりは近いし迷わないよ?」
その人は親切にスマホで地図を開いて見せてくれた。
確かにその人の言う通り、ハイキングコースから降りる道がある。その道は駅の近くを通っているのは確かめられた。
「ああ、本当だ、こっちの方が近いですね……」
「そう、俺も近くを通るから、怖いなら途中まで一緒にいこうか?」
「あ、お願いします。邪魔でないなら」
ジョギングをしているなら邪魔になるのではないかと思ったがその男性はにこりとして先を歩き始めた。
迷子である以上、付いていくしかなく仕方なく歩いた。
そうしているとたった二分ほどで車道が見える道になった。
公園の崖の上にある道であるが、その道を歩くと少し広いところに出た。
看板があるので見てみると、北側の小さな公園広場のようだ。
そこの階段を降りていくので付いていくと、やっと遠くにあった光が目の前にあるのに気付いた。
「ああ、工場の光か……」
煌々と照っているのは、工場の外周にある建物の光だった。
それだけで真っ暗闇からきたから余計に明るく感じる。
ホッとした准であるが、そこで異変に気付いた。
「やーっときたか。そいつがお前の代わりか?」
広場に大きな体の男が一人立っていた。
その少し前にさっきまで案内をしてくれた男が慌てて答えた。
「そ、そうだ。き、君、あの人がここから先を送ってくれるって」
急に挙動不審になった男がそう言い残すと来た道を引き返そうとしている。
「え、ちょっと待ってください……あのっあっ!」
どうして急に置いていくんだと准はその人を追いかけようとしたが、大柄の男があっという間に准に詰め寄ってきた。
「代わりなんだろ?」
そう言われて強い力で腕を引っ張られた。
「い、いやだ、いたいっああっ誰かっ!」
「叫べ叫べ、ここには誰もこねーよ。昼間と違って人通りは一切ないんだ」
「そ、そんな、誰かっ!助けてっ!」
そう叫ぶけれど、大きな声を出すだけ無駄なのか、男はそれでも准を公園の中に引きずっていく。
ズルズルと引きずられてしまうと、公園の奥の方にある電柱の前に連れて行かれた。
そこで男は素早く准の腕を引っ張り、器用に親指同士に何かヒモのようなものを巻いて縛ってしまったのだ。
「うそっ外れない……いやだっ……なんでっ!」
大きな声を出してもそこは高速道路から鳴り響く騒音と、トラックなどが走り抜ける音が大きくて准の声はかき消されている。
さらには人通りは全くないのか、助けは来なかった。
「んっ、っ……あ……あっあぁっ……」
電柱に縛り付けられたまま准は男に犯された。
男はそのつもりでここに来ていたのか、様々な道具を持っていて准を辱めた。
「あぁっ、うっ……あー……っひっ、あっ、あっ……やぁっ……」
今はアナルにローターが三つも入れられていて、それがぶつかり合って内壁を擦りながら暴れている。
「あっやっ、くうぅ……ぁ……っん……ふぅっ、んんぅ!」
一時間もただそれだけをされ、尻を突き出した状態で男に好き勝手されるだけだ。
「やぁ、あ……何で……っなんで、こ、こんな……あんうぅっ……!」
「ここで青姦をするのは、お前で四人目だ。お前を連れてきたやつは、誰も連れてこなかったらあいつが犯される番なんだ。だからいつもいい獲物を連れてくるんだよな。特に俺のお気に入りの高校生ってやつをな」
男がそう言っているから准は、あの親切な人に騙されたのだと気付いた。
「あぁー……いやっあっ、や、も……っ、あぁ……はあっ、はあっ、はあっ……」
内壁が完全にローターで感じるようになってくると、男はどんどん滑ったものをアナルに挿入してくるのだ。
「は……っ、んふ……っんん……ふ、ぁ……んっ」
それがローションであるのに気付いたのは、水ではない粘り気があるからだ。
「くふ、うんっ……んっ、あ……は……っああっ……! はああ、んっ、んんっ、あーー……っ」
ローションを足されて、また中にローターを入れられて、気付いたら五つくらい入っていたかもしれない。
「ん……っ、はぁんっ!んふぅ……っあっ、あっ、あぁっああ……っ、……あっ……ぁ……んっ……ふ、う……っ」
だんだんと悲鳴を上げているのも疲れ、されるがままになるしかない准は、目隠しをされた。
「あっ、やらっぁん……!ああっ……ああ……もう……っ、んんんあぁ……! んぁあっ……ふぁ、あぁ……っ!」
見えない中でひたすらアナルで蠢くローターを感じて、ただ感覚だけで快楽を引きずり出されていく。
「あひぁああっ、ああぅ!! あぁっ、ぁ、ぁ、あっ――!!」
とうとう准はローターだけで中を抉られて絶頂に達した。
「んっ……ぉれ、ぁっ……はぁっ、だめぇ……っ! んんっ……はぁっ、あっあぁっ……あ、あ、あ、あっああああ!!」
体の力が抜けたら中に入っていたローターが順番に吐き出されていくのだ。
「ん……っ! っあ、やっ、ん……ひあっ、ぁあっはぁっ、ん、んっ、ぁん……んっ、ぁ、ん、はぁ、ん……」
捻り出した穴がぽっかりと空くと、そこに男は自らのそそり立つペニスを突き挿れてきた。
「やあっん、ひあはぁ、あぁっはぁっ、あぁんっ、あっ、ん……」
男の大きなペニスが突き刺さり、奥へと挿入り込んでくる。
「息を抜け。そしたらお前には痛みは与えない」
「あぁあうっ……っあっはっいひ……っいいぁああ……っふ、ふぁ……っ!」
痛みが怖くて准は言われた通りに息を抜いた。
そうすると奥まで男のペニスが挿入り込んでものすごい圧迫感が増した。
「お前、慣れてるな?」
男がそう言った。
「ち、ちがう……ああっんっ」
「ほう。じゃあ犯され慣れているな……通りで大人しいと思ったら……遠慮することはないってわけだ」
「ひ、ひぁああああっ ひっひぃ、っひ……ぁあん……っ!」
そうなのだ。
准が家に帰りたくなくて公園にいた理由は、家にいる母親の再婚相手の男に犯されるからだった。
中学生からずっと続いてきたことで、最近は別の男にまで貸し出されるようになってきた。それが嫌でわざと遅くに帰ることにしている。
母親は夜勤の工場で働いていて、一週ごとに昼夜逆転の勤務時間だった。だから夜に母親がいない時間を狙って男は准に客を取らせていたのだ。
それを母親に告げようと思うけれど、どうも母親は薄々知っているらしいというのが最近になって分かってきたことだ。最初から准目当てで母親と再婚したからだ。
「あぁ、あ、ぁあ……っひ、ぁ、ぁあうっふ、ふひ……っんっぁ、あーっあ、あっ、あっあっ……ぁあっ!」
「たっぷりと違いを感じな……お前はこうやって犯されるのが運命なんだよ」
「ひ、あ、あ、あっ……っひっあっぁあっぁひぃっあっ……もっやぁっあっひぁあっ」
男がそう言って腰を振り始めた。
激しい腰使いに准は嬌声を上げた。
「やぁあっ……やっ! あっあっあぁうっひぁっぁあん!」
抉るように奥を突き上げられて、准は男に翻弄される。
気持ちが悪いと思っていることも、実際にこうなると准は快楽に弱かった。
「あぁあうっ……っあー! あっあひぃっひっあっあっ……あ――っ!!」
あっという間に男の手によって絶頂へと導かれた。
「あああんっ!! あっ、ひぁっ、んぁっはぁんっああああーっ! やらぁっ、らめっ、はっふぅっ……あっ、ああぁあああっ」
信じられないほど感じて、准はこの快楽からは逃れられないのだと知る。
何よりも嫌なもので絶頂して、涎を垂れ流しながら痙攣するほど感じる。誰が見ても准の言い分は通らず、好き者としてしか見ないのだ。
「ひぃっああああぁー! やっあぁっ、あんっ、ふぁっ、ん……はあんっ!」
「おら、勝手に終わるなよ、まだまだしっかり犯してやるからな……っ」
「あああっ、やらぁっ、ああっ、あっ、ひぁんっひああああっ!? あぁっ、あんっ、ひぃあっ! あっ、ああああーっ!」
「もっと喘げ、誰も聞いてやしない。お前と俺しかここにはいないっ」
「あぁっ……そ、そんな、あんっあっ、あっ、はぁんっ……ひゃっ、あぁっああっ……あひぃっ! あっあんっ……ぁんっ、はぁっ……ああんっ」
「もっとだ、もっと腰を振れっ!」
「はぁっ……、あっ……あぁん……、やらぁ……は、ぁ……ああんぁ……あぁっあぁっ、やぁああんっ!」
男が准の尻を手のひらで叩きながら、挿入速度を上げてきた。
「あっ、やらぁっ……んっ、あっふぅっやっ……、そこは、やらぁ、あぁんっ! あっ……はぁっ、はぁっ……あぁぅっ! やっ、あんっあんっあぁんっ」
「いやじゃねえ、気持ちがいいと言えっこの淫乱が……っ!」
「やぁあっ、あっふぅっ、あっあっ……ああーっ! やっらぁっ! あっはぁっ……んぁっ……はぁっはぁっ……あっぁあっ、んっひゃぁっ……」
「中で出すぞっおら、食らえ!」
「ああああぁーっ! あっ、あっ、あんっ、あんっぁあんっ!! ひゃああっ! あぁっ、あっあっ……ああはぁんっぁあんっ」
とうとう男に中で精液を出されると、その感覚をまだ味わったことがなかった准はそれだけでドライオーガズムに達した。
「ああぁっんっはぁっ……あっあんっあんっ」
信じられないくらいの絶頂をして、快楽が全身を突き抜けた。それだけで准は堪らなくて二度目の絶頂をした。
「いい具合に、淫乱を発揮してきたな。まだまだ終わらねえよっ俺は絶倫なんだよ、ほら復活したぞっ」
男がそう言うように男のペニスがまた勃起している。
そしてまた腰を打ち付けてきたから、准はそのままもう快楽に身を委ねることにした。
決して拘束を解かない男は、准を味わい尽くすために何度も准の中に精液を吐き出してくる。
「ひあぁっあんっはげしっ……あっああっあっあんっあんっあひっあっやっああっらめっやめっ……あっあひっい゛っあっあんっ!」
「もっとだもっと、味わえ……っもっとだっ」
「らめっやらっ……あっあんあんああっああんっひっああっいっちゃうっ……あぁっいいっあひっあんっああーっ」
「もっとイキ狂いをさせてやるっ朝まで誰もここにはこない。誰も通りはしないからお前をそれまで犯し尽くしてやるよ」
「ひああぁっい゛ぃっあっそこっだめっ……あっあうっひああっあ゛ひっあっらめっああああんっ」
信じられないほど深いところまで男のペニスが挿入り込んできて、准の心を満たしてきた。
もうペニスのことしか考えられないくらいに強く犯されて、准はとうとう快楽の最高点まで押し上げられた。
「あああっひあっいいっ……あっああぁっきもちいいっああんっ! あひっあんっあっあっあっあんっああんっいいっ、きもちいっ、いいっ……あっい゛っあひぃっあああぁーっ……! あひっ、あ゛っひああっ……あっあんっあんっ」
准は気を失うまで男に精液を中出しされ、そのたびに絶頂をした。
あり得ない快楽を味わったら、もう戻れはしなかったけれど、朝になると男から解放された。
幸い服は土で汚れてはいたけれど、破れてはいなかったので、精液塗れになった体は水道で洗ってから准は重い体を引きずって家に帰った。
そしてその日、帰宅すると母親の再婚相手が准以外の男の子に手を出したことで、強姦容疑で現行犯逮捕をされていた。
「いい、准、あなたは何も知らないのよ、いいわね」
母親は知っていたくせに知らない振りをしろと行った。
准はその通りに知らない振りをしたけれど、アパートは引っ越した。
そのアパートは迷った公園の裏側にあるアパートで前よりも公園には通いやすかった。
そして准はあの男に会うために母親が夜勤でいない時間に家を抜け出して男のところに通った。
男はそんな准を待っていた。
この関係は誰も知らないまま続き、准が大学でこの街を離れるまで続いたのだった。
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