shortshort 04

溶け出す青のために

 いつもの変わらない日常。
 朝から学校へ行き、そして友達と遊んで夕方の遊びの誘いを断る。
「ごめん、今日も部会があるんだ」
 江川悠理がそう言うと友達たちはああと言った。
「お前役員になってたっけそういえば」
「そう、ほら修学旅行も近いし、しおりとか連絡表とか作ってるんだ」
「大変だな……頑張れよ」
「うん、じゃあまた明日」
 そう言って教室で別れる。
 友達たちはすぐに気持ちを切り替えて近所の公園に集まる約束をしながら教室を出て行った。
 そんな友達を見送って悠理はふっと息を吐いて荷物を持って教室を出た。
 歩いて他の生徒たちが帰っている方とは逆になる校舎に向かう。
 学校の中には新しくできた校舎に最近移ってきたばかりだった。その校舎の奥にある前の校舎は取り壊しが決まっているけれど、それは次の長期の休みにならないと工事が始まらない。取り壊しは来年の春で一気に取り壊すらしい。
 そんな校舎と新しい校舎を繋いでいる場所まで行くと、もちろん人は誰もいない。
 悠理はそれを確認してから持っている鍵を使って旧校舎に入った。
 もちろん降り口は中から鍵を閉める。それで誰も入れなくなる。
 悠理がこの鍵を拾ったのは一週間前のことだ。
 たまたま掃除の時間で掃除をする場所が校舎の裏だった時だ。一人の生徒が走ってきて悠理にぶつかった。
 明らかに旧校舎から出てきたという場所でぶつかったので驚いてしまうと、ぶつかってきた子は泣いていた。
 鼻を啜りながらも慌てて旧校舎を振り返っておびえている様子だった。
「大丈夫?」
 悠理たちが声をかけるとその子はそこに座り込んでしまった。
 そして掃除をしていた悠理たちはその子を保健室に連れて行くことになった。
 その時に悠理は掃除道具を片付ける役割を請け負ってその場に残った。
 そこで悠理は鍵が落ちていることに気付いた。ちょうど倒れた時に箒の下敷きになっていたらしく、誰もそれに気付かなかった。
 その鍵は旧校舎という文字が書かれたプレートをつけていた。
 まさかと思った悠理はその鍵を持ち去り、鍵のプレートは外して掃除道具置き場のゴミ箱に捨て、鍵だけ持ち去った。
 それからその日のうちに裏口に回り、旧校舎の閉じているドアの鍵穴に通してみると鍵が開いたのだ。
「ここの鍵だったんだ」
 あの子が落とした鍵はここの鍵で、なぜか泣きながらあの子は出てきた。
 さすがに怖かったのでその日は何もせずに鍵をかけて帰った。
 すると次の日、悠理の靴箱に手紙が入っていた。
「……なんだろ?」
 たまたまその日、悠理は遅い時間に登校していたので周りには誰もいなかった。なのでそこで手紙を読んだ。
(お前が鍵を盗んだことは分かっている。返すならそのままゴミ箱へ。その先に進むならそれなりの覚悟でおいで)
 そう書かれていた。
 どういう意味なのかと考えてみたが、手紙には小さな写真が入っていた。
 それを見たら意味は理解できた。
 昨日のあの子が誰かに裸にされて、そして犯されている写真だった。
 それを持って悠理は心臓が高鳴るのを感じた。
 あられもない姿をしているあの子はとても色っぽかった。
 そして気持ちよさそうな顔をしていた。
 とても昨日泣いていたような怖がりも、嫌さもなかったのだ。
 そして悠理は気付く。
 あの子はきっとこんな自分が怖くなって逃げたのだろう。
 そう思えたのだ。


 悠理はその写真はすぐに破り捨てた。
 あの子にはここで降りてもらって、そこに自分が乗ろうと思ったのだ。
 悠理はまだ周りこの子がセックスに興味がない時から、ずっとセックスに興味があった。
 悠理の中でセックスが大きくなったのは、兄のせいである。
 十ほど年が違う兄は、とにかく男とセックスをするのが好きで、家に男を連れ込んではセックスに勤しんでいた。セックスに狂っていると言って良かった。
 そんな悠理は兄が犯されているシーンを何度も見てしまったこともあり、アナルでするセックスに興味を持ち、兄のセックスフレンドに悪戯をされてアナルを開発されてしまったのだ。
 幸いと言っていいのか分からないが、さすがに犯罪になると思ったのかペニスは挿れてはくれなかった。おもちゃで遊んでそして終わり。
 それに悠理も満足ができなくなったのは、ほどなくしてだったが、新たな問題が兄が高校を卒業して就職のために引っ越してしまったことだ。
 それによって兄のセックスフレンドたちは悠理の前に現れなくなったのだ。
 これには悠理も失望した。
 兄がいなくてもきてくれると言った人もいたのに、どの人も怖じ気づいたのだ。
 だから悠理はそう急に変わりが欲しかった。
 自分でいじるようになってから、もう八ヶ月くらいは経っていた。悠理の我慢はもう限界まできていた。
 そこにこの出来事だ。
 悠理がそれを拒む理由はないと言って良かった。
 そして修学旅行の執行部として仕事をこなし、人一倍仕事をしてその部長として時間を作った。
 仕事は持ち帰ってまでやり、できた仕事を小出しして、いかにも今やってましたというふうにして調整した。
 そこまでして時間を作り、放課後の僅かな時間と母親が夜勤の仕事時間になった時を狙って旧校舎に入り込んだのだ。


 旧校舎の中は綺麗である。
 けれど薄暗いから気をつけなければならない。
 あの手紙は二度目も届いていた。
 それは時間指定だけであったが、悠理はそれに合わせた。
 どうやらこちらの意向は汲んでくれるらしく、上手く今日という日を指定されていた。もしかしたら向こうはこっちが分かっているから、時間指定も日程も調べ尽くして選んだのかもしれない。
 危険だという気持ちもあるけれど、ここまできて諦めきれないのだ。
 あの子が喜んでいたペニス。
 あの子の相手はペニスの写真も送ってきていた。
 それは立派なもので、サイズまで書いてあったほどだ。
 相当な変態が相手だったのだろう。けれど、それは悠理にも都合がよかった。
 こっちを見て怖じ気づかない相手が欲しかったのだ。
 指定されたのは五階の一番遠い音楽室だった。
 そこは音が防音されていて、ちょうどいいのだろう。
 もし誰かが見回りに来ても、音が漏れないからだ。
 悠理は音楽室に入ると自分で音楽室のドアの鍵を閉めた。内側から簡単にかけることができる鍵なので、外すのもボタン一つで外れる。
 音楽室はカーテンが閉めてあり、外が見えないようにしてあった。
 もともとそうしていたのか、わざとそうして目隠しをしているのかは分からないけれど、部屋の中は何だか生臭い匂いが充満していた。
 そして教壇まで歩いていくと、そこには手紙がおいてあった。
(やあ、やっときたね。君が待ちわびているのは知っていたよ。けれど、君にはもっと恥ずかしい思いをしてもらう。覚悟が見たいので)
 そう書かれていて更にその先に指定が書いてあった。
 音楽室は机も全部ない状態であったが、教壇だけはそのままだったのでこれだけは誰かが持ち込んだらしい。その中央にはシートがしてあり、上には柔らかいマットが敷いてある。
 これはこのために持ち込んだのだろう。
 そして小さなイヤホンがあり、それを耳につけるように言われた。それを躊躇なく耳につけてから悠理は服を脱ぎ、全裸になってマットの上に座り込んだ。
 そしてそのマットの横に用意されているエネマグラをアナルに入れるように指示されていた。
 悠理はそれを恥ずかしいとは思わずに言われた通りにアナルにエネマグラを入れた。
 これは使ったことはないが、大きさ的にはバイブやディルドより小さく簡単に入った。
 よく分からないままでいると、急に声が耳元で聞こえた。
『さあ、いい子だ。そのまま寝転んで中をよく締めてご覧。乳首をいじるのもいいね』
 そうした指示が聞こえ、悠理はその声に言われるがままに乳首をいじりながら腰を振った。
「ふ……んっ、ん……んんん……っは……はぁ、あ……っん、んんっ」
『悠理は嫌らしいね……』
 腰が動くたびに前立腺にエネマグラが当たるのでそれが異様に気持ちがよかった。
 悠理はこんな小さなモノで自分が翻弄されているのが驚いたところだったが、これはこれで気持ちが良かったのでそのまま言われるがままに喘いだ。
「あっ、は、く……あっ、ああっ……うあ、あっ、ああ……っはぁん!」
『悠理、もっと見せてくれ……』
「あああっ、いいっ……いい、ああっ……んあああっ!」
『かわいい声だ。悠理……かわいいね……』
「んはぁっ、あああ、あふ、んんっいい……いいっ、ああ、あぁっ……」
『そろそろイキそうだね……派手にイッて見せて』
「ああぁんっ! ひぃいい……っ!!ああああああぁ!! あっ……ぁあーーっ!」
言われた通り、悠理の限界はすぐに訪れた。
 エネマグラ一つと乳首をいじるだけであっという間に悠理は絶頂をした。
 絶頂をしたけれど体が痙攣をするたびに前立腺に触れられるから、それでまた悠理は絶頂しながらもまたイキそうになるくらいにエネマグラで感じた。
「ああぅ!あ……っ、あぁんっあ、気持ちがいい……っ」
夢中になって悠理が腰を振りながら、また絶頂しようかというくらいに行為に夢中になっていた。
「あっあ……あ、あっ……あぁあっ! あっ、あ……き、きもちい……っ」
そしてまた絶頂しそうだと思った瞬間だった。
「……悠理、何をして……」
 一番あり得ない人の声が聞こえたのだ。
 その声は、悠理たちの担任、香原教師だ。
 優しい人で生徒から人気があり、聖人らしいくらいにいじめ問題や様々な問題も双方の立場に立って考える先生で、香原を嫌いな生徒はいないというほどの人気っぷりである。
 そしてそれは校長や教頭からも信頼が厚く、そして頼りにされているほどだ。
 一番見つかってはいけない人に見つかったのだ。
「……あ……ああっ……んんああっ」
 さすがに悠理も焦った。
 冷や水を浴びせられたかのような気持ちになったけれど、それでは熱は収まらなかった。
 アナルに入っているエネマグラは嫌らしくうねり、そして前立腺を刺激してくる。
「何てことだ、悠理……」
 香原はそう言いながら、音楽室のドアを閉め、そして鍵を閉めたようだった。
 そしてゆらりと誘われるように悠理の側にきて、悠理の逃げそうだった足を掴んできた。
「……せ、先生、……だめっああっ!」
 足を捕まれて引き寄せられて、悠理の中のエネマグラはグルリと香原の手によって動かされ始めた。
「ああ……らめっああっ、あう……あうううう……やぁっ、あっ、あっ、ああっ、ひぃいんっ……」
「悠理なんていやらしいことを! 何て淫らなアナルをして……ああっ!」
 そう言いながら香原は見かけによらないほどのいやらしさで悠理に襲いかかった。
「ん゛んっ……ふぅっ、んっん゛っ、やめっ、んああっ……! ああぁっ、やっ、あっんあぁっ」
 まさか香原はこんなことをするような人だとは頭から信じられない悠理は、必死になって逃げようとするも、香原はそんな悠理のアナルを舌でなぶり始めたのだ。
「あぁあん……も、だめ……はぁっ……ぁっ、ん、んっ……あっあっ……や、はぁっ、んっ」
アナルを舐められたことはあるが、それでもその感覚はとうの昔のことで、久々に味わった悠理はその気持ちよさに触れ、もう抵抗らしい抵抗はできなかった。
「ひっ……っ、んっ、そこ、はぁっ、だめっひああっ、あっあんっ、だめっだめ……っ、あっああぁあ……っ」
「悠理、……ああっ悠理、おいしいよ……悠理のアナル……ああ、舌も挿れてあげるね」
 香原は人が変わったかのように夢中で悠理の体をむさぼった。
 あの聖人のような人というイメージはもうどこにもなかった。ただ生徒の体を貪る一人の男として香原は箍を外してしまっていた。
「ああっ、んっ、あっ、あっ、ふあっ、あんっ……はぁっ、んっああぁっ」
ジュルジュルと音を立ててアナルを嬲られて、悠理は香原の行為を受けた。
 するとアナルがいい感じに解れてくると、直ぐさまエネマグラが強引に引き抜かれたのだ。
「ひあっあっ……あ、ああんっあああん」
そして直ぐさまアナルに宛がわれたのは香原の大きなペニスだった。
「ふあっ……あっいっああっ……おちんぽっだめっ……あんっんんっ……らめっあああっ! あ゛っあ゛っうっひぃっあっあんっあああっ……!」
「ああ、悠理、たまらないよ……君がこんなに淫乱な子だったなんて。何かあると思ってつけてきてよかった……こうして犯してあげられるからね……」
「ん゛ひっ……はいって、んっ大きいおちんぽが……なかっはいっちゃ……あ゛っん゛っあああっ」
香原のペニスを悠理はあっさりと受け入れてしまった。
 アナルは初めてのペニスを奥の奥まで引き入れ、そして離さないようにしっかりと内壁が絡みついている。
「ああ、すぐに気持ちよくしてあげるからね、悠理」
 香原はそう言うと、悠理の足をしっかりと広げ、悠理の上にのしかかるようにしてから腰を振り始めたのだ。
「あぁんっ……いぃっ、あっ、らめっ、おちんぽっあっ、あっあっあっ……ふぁっ、ひぅっ、あんっああぁっあひぃっ、あんっ、あんっ!」
その激しい動きは自分でバイブなどを使っているときとは明らかに違うくらいの強さと激しさで、悠理はもう相手が香原であるということはどうでもよかった。
「ひあっ、あ゛っおちんぽ、らめっあぁっ……あ゛っあっあっああっあぁああっ……あっあっあんっ、あんっあんっあんっあ゛ああっ、あっあぁあんっ」
想像していた通りに、生のペニスは気持ちが良かった。
 当たるところは気持ちがいいところだったし、強引にされるのもまた自分でするのとは違って決定権がないところがよかった。
 悠理は遠慮なく嬌声を上げて、香原を煽った。
 聖人の振りをしていた香原は、こうした部分を持っていたのだ。
 何処の誰がこれをセッティングしたのかは分からないけれど、悠理の性癖も香原の性癖もしっかりと見極めた上でここに二人を引き入れたのだ。
「ひああっ……らめっあっん゛っひっいっ……あんあっ、んっああぁっ! ああっらめっ、いっちゃう……から、おま○こらめっああんっあっ!」
「悠理、何て中をしてるんだ! 気持ちよすぎるっ! 悠理、こんなことならもっと早くに犯せばよかったっ!」
「んっあっ……ああっんっあああんっ……おま○こいいっ……ああんっきもちいいっああんっああっ」
 悠理にとってもはや誰の策略でもよかった。
 こうして犯してくれる誰かがずっと欲しかったのだ。
 それが今叶っている。
 それだけでよかった。
「あ゛っああっあっいくっ、い゛ぐっおま〇こイっちゃうっ……ひぁっ、あ゛っ、ひあん゛っあっ、あ゛ああっあぁっらめっ……ああんっおま○こっああんっおちんぽがっああんっいいっ」
「悠理悠理っおおおおおおおおっ!!!」
悠理はそのまま香原のペニスに突き上げられて絶頂をした。
 派手に精液を噴き出して気持ちよく絶頂をできていたが、香原は精液を吐き出したなら何度も何度も悠理をその場で犯した。
「ふあっあっ、あっらめええっ、激しくおちんぽでおま○こぐりぐりされたらっああんっきもちいいっああんっああんっああっ!」
「悠理、もっともっとだ、大丈夫だ……先生がいつでも犯してあげるからな」
「ああっんっいいっ……おま○こっ……ああんっらめっおかしくなる……ああんっああいいっきもちよすぎるっああん!」
「淫乱だからな悠理は、もっと気持ちよくなれ……!」
「あぁあっああんっ……もっ許してぇっ……おかしくなっちゃうっ……、おま〇こ、馬鹿になっちゃうっあああっ……おちんぽっああっ……あっ、あああぁっ……らめっおちんぽハメるのはっ……おちんぽ……ああんっいいっいいっああああっ!」
 二人は暗くなるまでセックスを続けた。
 悠理は結局、その日は香原の自宅に一旦連れて行かれ、綺麗にしてもらったけれど悠理は香原に母親が夜勤でいないことを告げると、香原はそこからまた獣に変わった。
 激しい交わりは終わることがなく、香原という共犯者ができた悠理は上手く立場を使い分けて香原の元に訪れた。
 それは学校を卒業しても続き、中学生になっても悠理は香原の元に通った。
香原の家にいくとセックスしかしていないくらいに、セックスだけの時間を楽しんだ。それは香原も普段から鬱憤がたまっているのか、悠理をはけ口に使っているかのように激しく求めてきた。
「いいっああっ……ああんっ……んっあっあああっああっああっんっああっんあっあっあっああっ!」
「悠理、俺の可愛い悠理……気持ちがいい……ああ相変わらず、中がうねってすごい……!」
「あ゛あっ……んっあっ、あ゛っ、あっあっあっあああっ! んあっん……あっあああっ……あんっあっああっああっんあっあっはあっんっあっ、ああっあぁんっ」
 悠理はこういう関係でいいと思った。
 お互いにたまったはけ口をお互いが利用して吐き出すだけでも、この関係はいつまでも続けられた。
 そこに愛なんて必要ではなく、ただのはけ口としてだ。
「あぁっやぁっ、ハメられてるのっ、おちんズボズボされて、おま○こ変になっちゃうっあっあっあんっ」
「悠理、中出しだっしっかり味わって……っ!」
「あ゛あぅっ……ひっああぁっはぁっあっあ゛っあ゛っあひっあぁっ、あんっあんっふあぁっ……せいえき、きもちぃ……おま〇このなかっ、ああぁんっああぁっ」
 二人の性欲が収まることはなく、週一回の関係は悠理が大学生になるまで続き、そしてそれは途切れることなく、香原が教師を続けている限り続く関係となっていった。
 もちろんそこに愛はない。
 ただ情は湧いていたかもしれない。
 お互いがそれをしっかりと認識するにはさらに時間が必要だった。

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