213-休日のお楽しみ

 新田はその日は翌日から一週間の休暇で、楽しみにしていた有休を謳歌するつもりだった。
 まずは会社帰りに駆け込んだデパートで高級肉を使った弁当を買い、更には奮発しデパ地下の食べものを買い込んだ。
 酒も駅前の酒屋で買い、沢山の荷物をもって家に帰り着いた。
「いやったーやっと休みだ!」
 買い出しは一昨日から徐々にしていたので、一週間外に出なくてもいいように準備をしている。
 できれば旅行に行きたかったけれど、何処も海外の客ばかりらしく、楽しめる気がしなかったので、家でドラマ三昧と決め込むことにしていた。
 買ってきた肉弁当をモリモリと食べ、さらには酒を飲んで良い感じに酔っ払いながら一日をただダラダラと過ごした。
 翌日には酒を飲み過ぎたので、コンビニに追加で買いに行くことになってしまった。
「酒の量を見誤ったか……仕方ないな」
 財布を握り閉めて家を出ると外は暗かった。
 午後の九時を回っていて、周りは遠くから響く車の通行音くらいしか聞こえていなかった。
 新田の家は一軒屋で、昔は祖父母が住んでいた家が建っていたけれど、それを取り壊して一から立て直したのである。
 周りは一軒家が消えてアパートが沢山できていって、一軒家は少なくなっている。
 駅前もすっかり活気に満ちていて、コンビニができるのは自然な流れだった。
 そのコンビニに行ってからちょっと良い感じに酔っていたのでフラつきながら歩いていたかもしれない。
 それに注意も足りていなかったのだろう。
 普段ならそういうこともなかったのに、その日は油断をしてしまっていた。
 門を開けて玄関に入ろうと鍵を開けた時、ドアノブを握る手を誰かが上から握ってきたのだ。
「……へ?」
 びっくりして酔っているから二重にモノが見えているのかと思ったけれど、そうではなかった。
 ガチャッとドアを開けてしまったので、そのままその手の主に押されるようにして家の中に入ってしまった。
「……あ、え、ちょっと!」
 さすがにハッとして後ろを振り返ろうとしたのだけど、後ろから抱えられていて、振り向くことはできなかった。
「お前、おい、やめろ!! 泥棒!! 火事だ!!」
 そう大きな声で言ったのだけど、ドアはあっという間に閉まってしまった。
 そしてガチャと閉まってドアに鍵が掛けられて、内鍵三つまでも掛けられてしまった。
 男が一人新田を抱きかかえているので他にも鍵を閉めている誰かがいることになる。
「おいっ!!」
 そう怒鳴っても、覆い被さっている人が首筋に顔を埋めてきていて、その人は明らかに新田よりも大きな体をしていた。
 横を向いた時、自分に覆い被さっている人の姿が姿鏡に映っていて、その人は背を曲げたようにしているので、どうみても百九十センチ以上ある男であるのだけ分かった。
 マズい、とってもマズい。
 こいつらが強盗だったら、命がない。
 それ以上に最近流行の押し込み強盗じゃないか。
 そう新田は思ったのだけれど、抵抗するにしても下手な抵抗をして刺されたり殺されたりするのは冗談ではない。
 そういうわけで、何とか日本語がまず通じるのかを聞いた。
「一体、何が目的だ……」
 そう言う間も男達は新田を抱えて部屋に入っていく。
 玄関から土足で入ってリビングにいく。
 部屋の明かりは付けっぱなしだったのでテレビも付いていたけれど、助けを呼ぶには少し困った状況である。
 大きな声を出しても隣にきこえないのだ。
 まず隣のアパートの騒音が酷かったので、家の方の防音をしっかりとしたものにしてしまった。そのお陰で周りの騒音は全く気にならなくなって、家の中で重低音でもしない限りは外に音が漏れることもなくなった。
 だから中から大きな声で叫んでも外からの助けは期待すらできない。
 壁やドアを殴っていればさすがに分かって貰えるだろうけど、それをこの人達が許してくれるとは思わない。
「……殺さないで……」
 思わずそう新田が言うと、新田を抱き締めていた男がちょっと笑ったような息を漏らしていた。
「……あの……」
 何でだと思って振り返ろうとしたが、やはり振り向くことはできず、さらには男は新田のパンツのボタンを外し、さらにはジッパーを下ろしてしまうと、下着からペニスを取り出してしまう。
「な、なんでっ!!」
 急に服を脱がされてしまい、さらにはペニスまで握られてしまったら、恐怖で動けない。
「何し……してんだよっ……」
 ペニスをちょっと強く握られてしまったので身動きはもっとできなくなってしまった新田は、ビクリとして震えてしまう。
 でも男はペニスを握った手を動かし始めてしまい、少し強く扱かれてしまう。
「ぁっ……んひぃっふ、ぁんっ」
 思わず声が漏れてしまったが、扱かれている内に恐怖で立たなかったペニスが、段々と刺激を受けて勃起し始めてしまったのだ。
「ぅあ、ぁっ、ちょっ、ま、ぁ……っ、あ、やぁ……っ」
 ペニスを扱かれて、さらにはそれが気持ち良くなってしまい、だんだんと快楽を感じるようになってしまった。
「ふぁ、ぁ、ゃ、だ……ぁっ、やめ、んんっ……ああっ」
 新田もそんな自分の変化に驚きながらも、段々と気持ち良くなってしまい、口から甘い声が漏れてしまった。
「あぁあ、ぁ、あ……っあぅく、く、ぅ……っ、う、うぅ……っ」
 そうして甘い声を上げていると、ペニスを扱いてくる男が新田の耳を舐めてきて、その舐められる感触もまた気持ち良くて、新田は甘く喘いでしまった。
「あっぁっ、ぁん……んっ!? ふっ、んぅっ……!」
 止めて欲しいけど、これをされているなら相手は殺す気はないのだと思うと、身を委ねて生き残る道を選ぶしかなさそうだ。
 満足すればそのまま放置して出て行ってくれるかもしれない。
 もう一人の男は姿を見せないけれど、どこか金のありかを探っているのかもしれない。
 でもそれを気にする余裕は新田にはなかった。
「ふぁっ……んっ、ん……はぁっ……ぁやっ……ぁっ、ふっ……、んっ、んっ」
 耳を舐められ、首筋にキスをされ、ペニスを扱かれているともっと気持ち良くなってしまって、どうにも腰が蠢いてしまう。
「ひゃぁっ! あっ、あんっいぃっ、はぁっ、ぁっ……ぅんっ」
「気持ちいい?」
 男が初めて声を耳元で出した。
「あひ……ひ、あああっだめっんっあ……ぁ……ん……っ」
 甘いバリトンボイスでズクリと腰が抜けそうなくらいにその声に感じた。
「んぁ……っ、ぁん、やら、ぁ……っ、やめ、やめて、ああぁ、ひぁん、あぁ、ああぁ、や、何す……っ、んあ、やぁ……っ」
「ペニスもベッタベタになってる。気持ちがいいんだ?」
「あぁん、……っぁん、やぁ……っ、やめて……やめて……っ、あゃ、あ、ぁ、あっ」
「止めない、イッていいよ」
「んひゃ、ひあぁあ……っぁふっ、ゃ、ぁ……っあ、あぁ」
 イケと言われてしまい、その声に新田は少し抵抗をする。
「あぁ……っ、ぃ、いやあっ……はぁっ……もぉ、やめて下さい……あぁ、はあぁっ……こ、こんな……っ、だめっん……」
 イッたら何か終わりそうな気がして怖い。だから抵抗をするのだけど、もう男の腕から逃げ出すことはできなくて、そのまま新田は男に縋り付いた。
「あぅあ、あぁ、んあ、や、やめ……っ、ん、いく、いくっはぁ……ああっ」
「イけ」
 男に耳元で命令をされたら、それで新田は絶頂をしていた。
 吐き出した精液はビシャっと噴き出して、それがフローリングに吹き付けてしまった。
「あ、……はあ、はあん」
 絶頂して満足してしまい、他人の手で絶頂をさせられるのは初めてで、新田が呆然としていると、男は新田の首筋にキスを何度もしてから言った。
「ちゃんとイけたね」
 そう言われたらいいことをしたような気になってしまったけれど、それで終わる話ではなかった。
「それじゃ俺も気持ち良くさせてもらおうか」
 男はそう言うとあっという間にパンツも下着も下ろしてしまい、新田を抱き締めたままで尻を開いてアナルに指を入れてきたのである。
「あっ! ぁひっ、ひんっ! ゃ、やぁっ、っあっ、あっ、い、ゃ……っ、やめ……ああんっああっ」
 まさかそこを狙われるとは思わなくて、新田は慌ててしまったが、男の指には何か塗られているのかあっさりと指が挿入ってしまい、奥を広げてくるのだ。
「あはぁ……っ、あぅ、んあ……ふああん……はぁっ……はぁ、あん……あぁ、やぁ……っ、あぁんっ……」
 広げられても何だか痛くもないし、違和感はない。
 何故だろうと新田は思っていたが、男が使ったローションは痛みや鈍痛を一時的になくすクスリを使っていて、さらにはアナルに塗り込んだクスリは気持ち良くなれるクスリでもあった。
「あぁはんっ! あっ……あゃん……っ」
 それを知らない新田は何故自分が気持ち良くなっているのか理解できず、下半身を裸にされて、また勃起したペニスを振り回しながら腰をへこへこと動かしてしまった。
「あんっああ……っぁ、ひぁ、はぁ……あぁん……ああん……んっ……」
 指が二本も入って中を抉って広げてきて、それによっていいところを擦られてしまい、新田は甘い声を上げた。
「あっ……! ぁ、……らめ、あんっああん……っ」
 舌も回らずに甘い声を上げると首筋の後ろを噛みつかれてしまった。
「あっぁ、あんんっ……! ひゃっ! あぁっ! あぁっや、やめっ……!」
 ちょっと強く噛まれて痛いはずなのに、それでも新田はゾクリと感じたほど、快楽が体を駆け回っている。
「ひぅっ……ああんっ……あっ! ぃや、らめっ……ああっ、いやぁっんぁあっ……、ぁっあっ、あっ、あっ」
「結構深く入った……これならいける」
 男がそう言って指を乱暴に引き抜いて、次にいつの間にか尻に押し当てられていたペニスをゆっくりとアナルに突き挿れてきた。
「やぁあ……っ、そんなのぁ、ひ、ひぃ、ん……っ、いや……っぁ、ぁぅ、らめっ……っ」
 入るわけないと思うのに、男は新田の腰を掴んでズルズルと奥へとペニスを突き進めてくる。
「ひぁあ! ひぁっ! ぁっぁっ、だ、めぇえっ!」
 それは深く深く新田のアナルに入り込んで半分くらいは挿入ってしまった。
 それでも男のペニスは半分まだ入らずにいたが、男はそれを一旦引き抜いた後、今度は強く奥へとまた突き挿れてきた。
「ひぅ……っう、ぁ、あ、あぁっ、ひ、ぃんっ……やっ……だめっ……!」
 圧迫感はさすがにあってお腹に何かある気がしたが、それでも気持ちよさは微妙にあって、奥へと突き挿れられていくと、その圧迫感も快楽に変わっていく。
「ふ……、気持ちいい……やっと……一緒になれた」
 男がそう言ったのだが、やっと一緒にとはどういうことなのか聞こうとしたのだが、それは聞くことはできなかった。
「ひんっあゃ、ん……、やめ、ああんっああっ……やあ……っあ、ああ、やだ……っ」
 男はゆっくりと腰を振り始め、ゆっくりとその速度が上がってくる。
「や、ぁん……っあふ、……ぁ、あ、やだ……っあっ……ああ、ああっ、ぁ、ゃ……っやぁ……っ、ぁん、あぁっ、ああ……っ」
 パンパンと段々リズム良く腰を振られてしまい、それで中にペニスが挿入って来ると息が吐き出されていって甘い声が口から漏れた。
「あぁあっあぁっ、あぁん……っんはっ、あぁっ、あああっ! やぁ、らめぇ……っやぁ……っ!」
「ん、気持ちいい……中が滑っていてとてもいい」
「やぁあっ! あつ……っぅあ、あ……っやぁあっ! あ、あっ――!!」
 ガクガクと体が震えるほど強く突き上げられてしまい、それでも体を支える場所はなくて男が支えている腕にしがみ付くしか新田にはできなかった。
「ひぁあ……っあっ、あっ……あぁっ! ふぁ……ぁ、ん……んぅうう!」
「中で出してあげる……俺のを受け取って」
「ぅあぁあ! ぁひ……っ、ひぃい……っ、あっ、やっ、ああ……っ! いやだこれっ、あぅっ!」
 さすがに中出しを宣言されると暴れてしまったけれど、そんな新田を抱き締めて男が呻いた。
「んは……っはぁ、はぁ、も、ぅあっ、も、ムリ……っ! ひぁああああっ!!」
 精液が奥で吐き出されて、それでとうとう新田も絶頂をしてしまっていた。
「あっあっあっあっ……! んひゃぁぅ……っ!」
 ドクドクと脈打つ男のペニスがまた勃起しているのに気付いてしまったが、新田はそれに抵抗することはできなかった。
 倒れそうな体を男は受け止めて、繋がったままで体勢を変えたら、やっと男の顔が目に入った。
 その顔は何だか知っている顔に見えて、新田はじっと男の顔を見て呟いた。
「お前……見たことある気がする……」
 そう新田が言うと男はパッと笑顔になっている。
 そうしたらそれが誰のことなのか、新田は思い出した。
「あ、祖母ちゃんちによく来てた、近所の悟じゃん……」
 そう言うと悟と呼ばれた男はにっこりと微笑んだ。
「泰成くん……相変わらず可愛いから思わず襲っちゃった」
 そう悟がいうのだけれど、それにやっと殺されることはないのだと分かって新田はホッとしたのと同時に叫んでいた。
「おい、さっき一緒に来たのは瑛介か! あいつだろこんなことお前に勧めたの!!」
 そう新田が言うと悟はえへっと笑う。
 やっぱりその通りで、悟はまだ瑛介と連んでいるらしい。
「あいつはやめろっていっただろ? 女の子をあの年で取っ替え引っ替えでヤバいって」
 そう言うのは小学生の時の話だ。
 瑛介は格好良くてとてもモテたが、その代わり同じ学年の女子全員と付き合ってセックスまでしたという伝説を持つ男で、何故そんな男が引っ込み思案の悟を連れ歩いているのかはずっと謎だったのである。
「でも、俺は泰成くんと一緒になりたかったから、瑛介はとてもいいことをした」
 そう言うと新田のアナルに挿入っている悟のペニスがまた勃起してきて、中をまた抉ってきた。
「やっ! あぁっ! な、やぁ……っ、あっ、あぁっ、ゃ、やだぁあ……っ! あっあっ、ダメ、ダメ、そ、そこだめ……っやめ、あぁっ!」
 甘い声がまた漏れてしまったけれど、悟は止まってくれることはなかった。
 幸いであるが、瑛介は早々に裏口から帰ってくれていたみたいで、特に何かされたわけでもなく、この行為を見られたわけでもなかったのはその後に分かることになる。
 それでも今は悟の性欲に振り回されて、新田はクスリが切れるまで悟にいいように振り回され続けることになった。
「ああぁあ……っ! ゃ、やめ、だ、ぁ、あぁっ、ああぁっ! や、やらぁ……っ! らめぇえ……!」
「泰成くん、可愛い、エロい……たまんない!」
「ああ……っ、あっ、あっ、あぁっあっあっやっ、やぁ……っ、ぁん、あぁ、あぁ、あぁ、はっ、はぁっ……きもち、ぃ……っ」
「いいよ、もっと気持ち良くなっちゃおう」
「あっ! あぁん……っ! っあ、あぁああっ! あああっ! はぁっ、はぁっ、は、ぁあん……っ!」
 激しく突き上げられて、さらには中出しも沢山されて、新田はもう悟には逆らえなくなってしまった。
「あぁああっ! あっあ、はふっ……ん、はぁあんん! んあ……っ、ああ……っら、めぇ……っ!」
「泰成くん、好きだよ……」
 そう言われて奥にまた中出しをされて、そこで新田の意識は途絶えてしまった。
 その後、新田は悟を床に座らせて説教をすることになるが、それは残りの有休中、悟と楽しんだ後のことで、結局新田は悟に流されてしまい、悟と付き合うことになってしまうのだった。


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