206-逃げられない現実
中村俊和は、母親に呼び出されて実家に戻っていた。
普段は県庁所在地にいて、仕事も忙しく、田舎の家には年に一回戻ればいい方だったが、仕事で昇進をしてしまうと、そうもいかず気付いたら十年以上も大学卒業から戻っていなかった。
最初は両親には頻繁に戻ってくるように言われたけれど、忙しいの一言で最近は電話も無視するようになっていた。
戻りたくない理由が両親なのではない。
俊和はある理由で田舎に戻ることはできないと思っていた。
「ああ、俊和くん、久しぶりだね」
そう言ったのは母親の再婚相手の男性だ。
とても良い人であるのは分かっているが、干渉をしたくない俊和は干渉しないことで自分にも干渉はしないでくれと態度で示していた。
そんな状態だから、あっちも気を使っているのは分かる。
「すみません、いつも忙しくて。母と仲良くしてくれているみたいで、良かったです」
そう言うとそれには向こうもホッとしていた。
ちなみに養子縁組はしていないので、彼とは戸籍でも繋がってはいない。
ただ母の結婚相手というだけのことである。
それは問題ではなくて、他に俊和が実家に戻りたくない理由がある。
そうして居間で軽く話していると、外から帰ってきた人がいた。
ドタドタと歩いてきた足音に少し俊和の顔に緊張が走る。
「ああ、帰ってたのか」
そう父親が言い、それに反応する声がした。
「今帰ってきたところだよ。なんだ、兄さん戻ってたのか、道理で見たことない車が止まっていると思ったよ」
低い声がしてその声に俊和の手に汗が出た。
ゆっくりとそっちを見ると男が俊和を見ていた。
その目は、あの時と何ら変わりもしない、強い人を刺すような視線だった。
その人は父親の連れ子で、名は矢島郁(かおる)という。
俊和は三十五歳であるが、弟は五歳年下なので今は三十歳。
十五年前、二十歳の俊和十五歳の郁は家族になった。
しかし、それは俊和にとって恐ろしい日々の始まりだった。
俊和にとって弟ができるのは初めてであり、郁は少しぶっきらぼうではあったが段々懐いてくれて、それが嬉しくて構いまくった。
けれど、夏のある日、俊和が寝ていると部屋に郁がやってきて俊和の腕を縛り、そして俊和を犯したのである。
「……や、やめろっ」
そう言っても郁が止まることはなかった。
「ずっとここに俺のこれを突っ込んでやりたかったんだ」
そう言われて大きく勃起したペニスを見せつけてきて、アナルを一時間もかけて広げ、そして突き挿れてきた。
これは計画的な強姦だったのだ。
「いやっ……! いやだ、やめて……! お願いだぁああっ!」
そう大きく叫んでもその日は両親が旅行に出ていて、五日間も帰ってこない予定になっていた。
「ふぁあっ! やぁっ、らめっらめぇっ――ひぁっ、あぁああんっあ……っゃ、ああっ……あっ、ぁはっ、や、ら、め……っらめぇ……っ」
「大丈夫ちゃんと挿入ってるし、中がうねって受け入れているよ」
「ひゃっあっ! あぁっ! あぁーっ!」
「ほら、慣れてきた」
「やっ、あっあっ、ぁん、んっ……ああ、んああ……っああ……あ、ぁ……お、おっきぃ……ああ゛ぁああっ!」
圧迫感しか感じないはずだった行為は、最後にはアナルで絶頂ができるくらいになってしまい、俊和は郁に調教されるように五日間犯された。
部屋に鍵を掛けても、何をしてもそれをぶち壊して部屋に入ってきて俊和を犯した。
両親が帰ってきてからも、俊和の口に布を咥えさせてまでして、俊和は犯された。
「いやだ、おかしくなるっ」
そう思った俊和が家を出て友達の家に逃げれば、そこまで追ってきて兄弟喧嘩の振りをして相手に帰るように俊和は説得されてしまった。
その帰り道で青姦をされてしまい、次に逃げたら親の前で犯してやると宣言された。
「ああっ、あっあぅっあぅうっ、やぁ、だめ……っ、ぁ、ああんっ……っ! あぁあっ……! あぁああ……っ! んひゃあっ」
「逃げたら、親の前で犯してやるからな」
「ぅあっ……! うぁあん……っ! やだっ……あっ……ぁ、あぁっ! あああ、おま○こヘんになるぅ……っ!」
郁はどんどん腰使いを巧みにしていって、俊和の気持ちが良いところを見付けてはそこを突き上げてくる。
「あふぅう……っ! んぁあああっ……! あぁっ……! おま○こが……っ」
「まだまだ調教が足りないか? 人に聞かれても気持ちが良いんだろう?」
「あぁあっ! いいっ! きもちいいっ! ひぁああんっ! あぁあっ、あぁあっ、あん! ひゃあっ! あっああっ!」
青姦をされているのに嬌声が止まらずに、俊和は淫らに喘いだ。
「ふぅあぁ、やっ……! おちんぽおっき……っふぅ……っんぁ、やぁ……ああんっ…おちんぽ、らめっあぁ……っ」
「中で出してやるからなっ受け止めろ!!」
「ああっ、あ、おちんぽ、熱いっ、ああっ、おま○こ、気持ちぃですぅ……っ! おま○こっ、ああっ、きも、きもちいい……っ」
淫らな言葉を口にするように要求され、卑猥な言葉も口にした。
どんどん調教をされて、壊されているようで、俊和は恐ろしかった。
恐ろしくて俊和は大学の残りの二年間を郁に犯されるだけ犯され続け、そして大学を卒業した時に逃げるようにして都市部に逃げた。
さすがにまだ高校生だった郁も追ってくることはできずに、それっきりになっていた。
しかしたまに家に戻ると、郁は執拗に俊和のことを犯そうとして見てくるため、それに耐えられずに俊和は十年も家に戻れなかったのである。
でも十年も経てば、郁も俊和のことなど忘れて、誰か良い人でも見付けているかもしれないと淡い期待を持っていたが、それは見事に打ち砕かれてしまった。
未だに郁の俊和を見る目は何も変わっていなかったのである。
俊和は帰ってきたことを後悔し始めた。
家での用事は大した用事ではなく、これまでに溜め込んで実家に置きっぱなしになっていた荷物の整理だった。
「もう終活するから、お前達の荷物もいるモノは持っていってちょうだいな」
そう親に言われて、部屋に入ると、その部屋は俊和が出て行った時のまま、そのまま綺麗に残されていた。
「……そのまま?」
「そうよ。郁がそのままがいいっていうから、まあここを使うこともなかったしね。母さん達は足腰悪いから、掃除は郁がやってくれたからまあいいかなって」
そう言われてしまい、俊和は背筋が凍る思いがした。
もしかしなくても、帰ってきたのは間違いだったのではないかということだった。
その日は親が寿司を取ってくれてそれを食べて他愛ない話をして、自分の部屋で寝ることになった。
あの部屋はできれば止めたかったけれど、布団がないという理由で問答無用で二階の部屋に泊まることになった。
部屋の鍵はなかったから、どうしようかと思ったが、片付けをしていると疲れてしまったのか眠ってしまった。
それから朝方になると、下の部屋でガタガタと何か音がして、外を車が走っている音がした。
何の音なのかと思ってふっと目を覚ましたら、目の前に黒い影があった。
「ひっ!!」
ビクリと俊和が声を上げたけれど、影はスッと動いている。
それは体を上下に動かしているように見えて、俊和は自分の体が揺すられていることにやっと気付いた。
「は、え、あっ……あは、はぁっ、はぁっ……はぁ、ん……っ、あっ、あぁっ」
思った以上に自分が出した声が甘くなっていて、俊和は驚いてしまったが、それで驚きながらも、体があり得ない形に開かれていることに気付いた。
「なんだ、もう起きたのか。もう少し寝てても良かったのになっ!!」
その声は郁の声だった。
そう言われて奥を抉じ開けるような動きで動かれて、それに脳天を突き抜ける快楽が襲ってきた。
「あぁんっ! あっあっあっ、ぃ、あっ、あふっふぁっ! ああっ! ぁ、あひっ、ひ、ぃいんっ!」
自分でも出している自覚がなかった嬌声が口から大きく漏れていることに気付いた。
「あぁあっ……らめっ! ぁ、あぁあん……っあふっ、ぁ、ひ、ひっひゃあっ! あぁっ、あ、あ……ああんっ、ああ……っ」
両親に丸聞こえになってしまうと慌てて俊和が口を塞ごうとしたのだが、その手を郁に掴まれてベッドに縫い付けられた。
「あひっあへっ、い゛っいくっあっああああぁーっあああっ……あひっ、あっ、ああっ……」
大きな嬌声を上げながら、俊和は実に十年ぶりに郁に突き上げられて絶頂をしていた。
それは誰にもされることもなくきた絶頂で、脳天を突き抜ける快楽からの絶頂は懐かしくもあり、そして想像していたよりもずっと深い快楽であった。
「ひぁっあ゛っおま○こ気持ちいいっああんっ、あっあっあ゛っあ゛~~~っ…ひっ、ぁあああっん゛んあ゛っああああああっ」
絶頂した俊和が嬌声をそう上げると、それに郁は嬉しそうに笑っている。
「相変わらず、結腸で中出しされると、理性が飛ぶのは変わってないんだな」
「ひあっあっ……あ、ああんっあああんっあんっ……っんっ……っあっあうっ」
射精をしてもまだ勃起をしている郁のペニスが奥をまた開いて挿入って来る。
それに俊和は覚えている快楽を懐かしく貪るように腰を振り始めた。
「ふあっ……あっいっああっ……おま○こっだめっ……あんっんんっ……らめっあああっ! あ゛っあ゛っうっひぃっあっあんっあああっ……!」
「淫乱スイッチ入ったな。ほんとチョロいよな俊和は」
そう言って奥をまた抉られると俊和はもう周りがどうであろうが、嬌声を上げて快楽を貪る獣になった。
「あぁっやぁっ、ハメられてるのっ、おちんズボズボされて、おま○こ変になっちゃうっあっあっあんっ」
俊和が長年、郁に抵抗ができなかったのは、快楽に弱いせいだった。
与えられる快楽で最初は抵抗するも、それが切り替わった瞬間、抵抗する気は一切失せる。
分かっていても郁のペニスを求めてしまって、青姦でも許してしまう。
淫らに乱れて、もっとと求めてしまうのだ。
そうなってしまう自分を後でも覚えていて、自己嫌悪し、後悔して心が壊れそうだったのだ。
「あ゛あぅっ……ひっああぁっはぁっあっあ゛っあ゛っあひっあぁっ、あんっあんっ」
十年間我慢し続けてきた快楽が突如襲ってきたらそれに耐えれるわけもなかった。
「俊和はよく十年も我慢できたよな。女も抱けなくなって、男も冗談ではないって思っていて、性欲こんなにあるのに我慢して、仕事だけに打ち込んで……可哀想にどれだけ自分が性欲を持て余しているのか分かってないんだから」
「あぁっひっあ゛っあ゛っあぁあっあんっあっ……あんっ……あぁんあ゛あっ、もっとゆっくり……っあっんあひっあっはぁっあっあっああぁんっ……あんっあんっあんっ」
「強い方が好きでしょ?」
「あああいいっ……、あつくて、硬いおちんぽ、んぁっ……きもちぃ……あっ、あぁんっ!」
「素直な俊和は大好きだよ」
「あーっ、あぁっあっあっあんっいいっ……ごりごりしちゃっ……はぁっ、いぁあんっ」
「また俺専用のおま○こになるんだよね? もう逃がさないからな? 十年で変わっていれば考えてあげたのに、残念でしたー」
「はああっんっ、やああああっ……あっあ゛あぁぁっ……あああっ……郁の……っおま○こになるのっ……あああぁっあ゛っあ゛っ」
「はい、また二人で一緒に住もうね。俺、あっちで就職したんだよね。俊和の部屋に引っ越すから……それでいいよね。このおちんぽもいつでも挿れてやれるよ」
「やあぁっおち○ぽのことしか考えられなくなっちゃうっ、そんなのっやらっ……あっんっああっぃいいいんっあ―――!!」
ゴリゴリと少し抵抗してきた俊和を押さえ付けて奥を抉ってやるとそれだけで、俊和は素直になってくれる。
淫乱で淫らで性欲がありあまっているくせに、性欲を否定して必死に生きている俊和。
それをあざ笑うかのように暴いていく郁に俊和はずっと怯えてきたことに気付いた。
「大丈夫、全部俺が受け止めてやるよ。俊和、愛してる」
「ああああぁんっ! ああぁっ、あんっあんっ、ふぁっ、あ゛ひぃっ……ん゛っあっあ゛っ……おち〇ぽしゅごいっあぁっんっおま○こっ……あっああっんっきもちいいっ……あっあっ」
「そのままおま○こで感じて馬鹿になってて……」
「ひああっらめっ、おま○こっあひっ……おかしくなるっあっい゛っあっあっあんっあんっあんっあぁんっ!」
ゴリゴリと奥を抉ってきて俊和に考える時間を上げない郁は俊和をその日から四日間犯し続けた。
両親はその日の朝方に豪華客船に乗って東京まで行く船に乗るのに出掛けていて、二人の情事は知らないままだ。
それに俊和は気付くのは散々郁に犯されて、次に正気を取り戻した時である。
「んあああっ…おくっ…ひっあっああ゛っあんっあんあんあんあんっああっ! あ゛あああっ…ひっんっあっあっあああっ…ゆるしてっんっあっあああぁっあああんっ」
「可愛い俊和、これからはずっと一緒だからな」
「ん゛あっあっあんっあんっあんっ…ひっあっおち〇ぽっ、いい、気持ちがいいっあぁあんっらめぇっ、やさしいのっ…気持ちよすぎてっ、ひあっあ゛っあっあぁんっ」
「孕め、俊和!!」
「ああああぁんっ! ああぁっ、あんっあんっ、ふぁっ、らめえええぇっ」
その四日間の間に俊和は郁から逃げるのは諦めた。
その後は郁が俊和の家に引っ越してきて、二人は一緒に暮らし始める。
そして俊和は、郁にこれ以上逆らう気力はなくし、従うようになったのだった。
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