195-君の願いが叶う頃

 加賀山郁実(いくみ)は受験の時期を迎えていた。
「お前さ。模試でこの点は駄目だって言っただろ? なのにこの時期まで改善できてないってことは、やっぱりランクを二つ落とすしかないぞ」
 教師にそう言われて、更に塾でもそう言われた。
 どうしても数学の点数が安定しない。それは些細な計算ミス一つのせいだ。
 元々計算をしている間に、一つのミスをするくせがある。どうしてこんなミスをしたんだと後からなら幾らでも言える、そういうミスだ。
 そこさえ合っていればという部分を間違える。
「はあ……」
 結局、学校としてはランクを落としたところしか受けさせられないと、合格圏内にある唯一の国公立大学を受験するように言われた。
 納得できる部分とできない部分があり、とにかく共通一次試験テストの前に郁実は神頼みをした。
 近所にある神社で、昔からこの神社で遊んできた。
 本当ならちゃんとした大きな神社で願掛けをするべきであるが、そんな暇は郁実にはなかった。
 ふらついた体で神社に入り、財布に入っていた五百円を掴んで賽銭箱に投げた。
「大学に合格したいです、贅沢は言いません。無理して良いところに行ってもきっと講義に付いていけずに苦労すると思う。だから俺の合ってるところに受かりますように!」
 そう願いをした。
 すると触ってもいないはずの賽銭箱の真上にある鈴がガランガランと音を立てて鳴った。
「……え? 風でも吹いた?」
 驚いたけれど、不思議なことはそれだけだった。
 けれどたまにこの鈴が誰も鳴らしていないのに鳴ることはある。それは小さいときから言われてきた話で、鳴った時は神様が神社に来ていて、願い事を聞いてくれた証しだと神社の人が言っていたのを思い出した。
 その鈴の音で郁実は何だか気が楽になって、気味悪い気もしないまま、上機嫌で神社を後にした。
 そして共通一次ではいつものミスが出ずに、最低ラインを遙かに超えた可能性があった。
 そして二次試験に挑む前にもまた験担ぎでその神社で五百円を投げて同じように願った。
 するとまた鈴が勝手に鳴った。
 ああ、聞いてくれているんだと思ったら、また張り詰めていた気が楽になった。
 今までやれたことを全部つぎ込んで、二次試験に及んだ。
 問題はちゃんと解けたし、やれることはやった。
 受けたところは二つ、受験日の重なりがあり三つ目は受けられなかった。
 滑り止めを受けろと言われたけれど、受けなかった。
 というのも、受けたい大学が近くになく、地元から離れたくなかったから、行きたくもない大学に通う羽目になるのは嫌だったのだ。
 そして合格発表の日になった。
 結果は二つ受けたうち、一つにちゃんと受かっていた。
 やはりランクを上げた方は落ちていたけれど、ちゃんと見定めて受けた方が受かっていたからこれはこれで嬉しい。
「やった、受かってる!」
 合否を見てきた帰りに、ふと思い立って神社にお礼を言った。
「ありがとうございます! 大学に受かりました! あとはちゃんと手続きをしっかりとして確定させます!」
 受験に受かった後に、手続きを忘れて落ちたなんて目も当てられないけれど、意外にこれがいるらしいのだ。
 お礼にとこの神社に郁実は千円を賽銭箱に入れていた。
 願ったことと同じだけ、お礼をするべきだと思ったのだ。
 するとやはり鈴が鳴った。
 やっぱり聞いてもらえることは嬉しかったので、和やかに神社を後にした。
 そして手続きをちゃんとして、高校も卒業できた。
実家からは離れてしまうけれど、一人暮らしをすることになったので報告をする。
「無事に未来が開けました。でもまたお願いになるけれど……大学生活も順調になりますように!」
 そう言って二千を賽銭に入れた。
 それは恐らく実家に戻ってくるまではここには来ないだろうから、余計に奮発したのだが、たまたま一緒に来てきた友人の早見が笑うほどだった。
「お前、本当に信心深いよな~、受かる落ちるも自分の実力なのにな」
 そう言われるけれど、その瞬間鈴がからんと四回鳴った。
「……え、マジ、今鳴ったよな」
早見は驚いて怯えたように郁実を見たけれど、郁実にとってはもう不思議なことでもなかったので平然と言い返した。
「え、いつも鳴るけど?」
「マジで?」
「うん、ちゃんとお願いしたことを聞いてくれたってことだろうから、俺は嬉しいなって思うんだ。神様ありがとうね。次は夏休みだと思うけど!」
 そう言って郁実は驚いている早見と共に、街を出た。
 遠くに引っ越して一人暮らしをする部屋は、アパートがよかったのだが、祖母が昔住んでいた家が空き家になっているので、それを使うことになった。
 ちょうど大学から駅一つを自転車で通うこともできる。雨が降れば電車か歩きでも一駅なので便利な場所だ。
 そこを両親はリフォームしておいた。
壁を補強してすきま風をなくし、風呂もトイレも新しいのを入れていた。
 昔の窓は防犯性がないので付けかえて、床のゆがみもほぼ直していた。
「あんたがあそこの大学へ行くっていうから、家賃を払うよりも将来も住める家にしておくのがいいってお父さんが言うから」
 母親はそう父親に言われたので昔の長屋スタイルの家を直したのだ。
 一人で住むには十分で、将来はお嫁さんを呼んで住めたし、二階も部屋が余っているから、子供ができてもきっと暮らせる。そういう家を貰ったのだ。
元々大学を合格したら郁実にあげる予定で、もし合格をしなくても貸し出す予定だったらしい。
 そういうわけで、いい家で一人暮らしになり、周りの騒音も聞こえない家だったので、ますます郁実は勉強に励めた。
一ヶ月もすると生活にも慣れ、やっと心に余裕が生まれだした。
 そしてその時から郁実は欲求不満な夢を見るようになった。
「ああぁ……っ、あっ……あぁ――……」
誰かが自分を抱いている。
 体中を触り、無数の手が気持ちが良いところを擦り上げていて、ただただ気持ちが良いと感じる。
「あぁ……あ……はあぁ……あっ……」
これは夢だと思ったのは、誰とも分からない人に犯されるなんてあるわけないから、これは夢だと分かるようになった。
「あ、ぁ、あぁあん……っひううっ!?」
夢の中で射精をすると、どうしても現実でも射精をしているから困るけれど、この気持ちよさには勝てなかった。
「あああっ!や……あ……っあぁっぁああ!」
そして触るだけでは収まるわけもなく、何かうねった蛇のようなモノが郁実のアナルには挿入り込んできて、中を奥の奥まで挿入って犯してくるのだ。
「やあぁあっ!だ、だめ、あああ……っあ、あ、あぁあ……っ!」
アナルを擦られ、乳首を指で捏ねられて、ペニスには何かが巻き付いて、気持ちが良いように締め付けて擦ってくる。さらにはペニスの亀頭は何かが被さって舌のような感触がしてそれが舐めながら締め付けて精液を搾り取ってくる。
 もちろんその気持ちよさに毎回射精をしてしまう。
「んん……っ、あ……ああぁ――……っ!!」
甘い声を上げて絶頂をし、そして余韻を楽しんでいるときに必ず、郁実を犯していたものが頭などを撫でていってくれるのだ。
 愛おしそうに大事そうにされるから、この行為を完全に拒めなかった。
「とはいえ、毎回自分で出した精液の付いたパンツを洗うのはむなしいな」
 目の前に恋人でもいればそれは違っただろうが、そうではないから困ったものだ。
 これでは恋人はできないし、そもそも家に呼べない。
 寝て起きてこれじゃあ、恥ずかしくてきっと噂を大学中に撒かれてしまう。
 なので、郁実は大学では恋人を作ることはできなかった。
 けれど、紹介はされる。
 そしてデートまではいける。
 だがいざと言う時に、いつも振られるのだ。
「あの、あの子メンタルやられて田舎に帰るって……それで別れるって、あんたが怖いって」
「俺、暴力も振るってないし、何もしてない……」
「分かってる。あの子もそう言ってる。むしろあんたのことはまだ好きだって言うけど。あんたの後ろにいる何かが怖いって、それが毎日夢の中に出てきて、あんたに手を出したことを責めるんだって」
 よく分からない理由で振られることはあっても、まさかの背後霊か何かに呪われて、それによって彼女が皆メンタルを病んでいなくなるとは郁実も思わなかった。
 だから大学では彼女のメンタルを破壊する男として、女性には一切紹介されなくなった。
「俺が何したっていうんだよ……マジで」
「本当にお前呪われてない?」
 友人たちは郁実が振られる理由を聞いているとそうとしか思えないと言い始める。
「だってそれしかないよ。相手の子は皆、お前の後ろにいるやつに脅されるって言っているなら、それ絶対背後霊とかだよ」
「ああ、嫉妬深いやつに憑かれると、厄介って聞いたことある」
「マジで?」
「マジ、霊感強いやつがそう言ってた。お前に憑いているの狐とかそういうやつかもしれないけどさ……とにかくお前が女と付き合うのが嫌って感じじゃん?」
 そう皆に言われて、郁実もそうだなと気付く。
 他のことで困っていることは、夢の中だけであるが、あれが本当に現実に関わっているのなら、きっと郁実がアレにとっての嫁みたいな存在になっていて、それで横取りをする女性たちを呪っていると考えると辻褄が合うのだ。
「いや、でも俺、高校の時恋人いたし、セックスもしたけど、別れたのは進学する道が違うからっていう理由だったし……」
 郁実がそう言うと同じ高校だった友人もそれには首を傾げる。
「だよな、お前童貞じゃねえしな」
「そこなんだよな、何で今なんだよっていう」
理由は分からないけれど、郁実は結局夏までに三人に二週間で一振られるという不名誉な記録ができてしまった。
 夏になると当然皆と海に行くのだが、それでも彼女ができないどころか、郁実がいると女性が集まらないと言う理由で一回しか遊びに呼ばれず、仲間外れにされる羽目になった。
 ふてくされた郁実は一旦夏は実家に戻った。
 だらだらと過ごしている間に、母親に怒られる。
「あんた、ごろごろしてないで、散歩行ってきなさいよ、掃除できないでしょ」
 と言われてフラリと散歩に出た。



 散歩に出てから町中を歩いていると、ふとあの神社に挨拶にいかなきゃと思って歩き始めた。
 神社があった場所に行くと、神社がなくなっていた。
「え、何で?」
 空き地になっているところは、公園に変わっていた。
 たった三ヶ月でここまで変わるとは思わずに、近くを通っているおばさんに神社のことを聞いた。
「ああ、神社ね。あの神社、実は取り壊しが決まってたのよ。神様は別のところに移動してもらって、老朽化した建物は取り壊して、空き地は公園にって、そう町内会でも決まってね」
「そ、そうなんですか……神様って移動させたりできるんですね」
「それがね」
 そう言うとおばさんはこそっと教えてくれた。
「ここの神様を移すのに神様がごねたのか、十回くらい移動の際の儀式が失敗してるの。それで受け入れ先が怖がって、壊すのは駄目だって言うんだけど、そう言ってももう裏側は湿気で駄目になっていよいよってなったら、神様があっさりと最後の儀式を受け入れたのか、儀式が成功して移動されたのよ」
 どうやら相当難色を示された移動だったのに、最後はあっさりとしていたせいで全員が拍子抜けをしたらしい。
 けれど、神様が神社から別のところに移動されることがあるとは郁実も思わず、いつの間にか消えてしまった御利益のある神社の跡地になっている公園で暫く佇んでしまった。
「お礼、もっと言いたかったのにな」
 そう思ったので、神社が移動された先を聞いたら、大きくて有名な神社内に入ったらしいので、観光目的でも行ける場所だから今度行ってこようと思った。
 けれど実家にいる間に、あの夢を見なかったのでおかしいなと思いながら、大学に近い家に戻ると、やはり夢は見始めた。
 今度もまた激しい夢で、郁実は夢の中でひたすら喘ぐだけ喘ぎ、嬌声を上げて抱かれるだけになっていた。
「あっ、ぁはあっ!だめ……っそれだめぇ……おま○こはらめっ!!」
酷く攻め立てられて、アナルはいつの間にかおま○こと呼ぶようになっていた。そうしないといけない気がしたし、圧力も感じた。
「はあっ、はぁあん!も……っ、もう……おま○こ壊れるっ」
アナルにはいつものように蛇のようなモノが貫いてきて、それによって奥まで犯される。それがまた気持ちが良いので郁実は喘ぐ。
「んっ!んんっ……!ぁあ……!ああ……っ! 気持ちがいいっああっ」
もう夢だからどんなに喘いでも嬌声を上げても、気持ちが良いと思ってもそれはありだと思うことにした。
「あぁああん! あっあっあ―――……!!」
何度も絶頂をさせられ、求められて、様々な体位で犯され続ける。
 相手は誰なのか分からないし、何なのか突き詰める気もないが、それでも郁実を傷つけるつもりはないのが分かるから、郁実も身を任せたのだ。
「いい、あぁっ、もっと……もっとそこ……っ、あぁあっぁあああっ!!」
あり得ないほど感じて絶頂をして、狂ったようにイカされるのが毎日の夢だ。
「ひぃいっ!あ、あ、あぁ――……っ! あ、あ、あ…………っ」
 もうこのせいで性欲は枯れ果てたように、郁実は女性を求めることもなくなっていく。それが狙いのように毎日毎日性欲が枯れるまで犯された。
「ああ、いぃっ!あ……!ぅああ!あぁ――!! あ!あ……!ああー……っ!」
 そしてその日は最後に優しい手を郁実は掴み返していた。
「待て! お前は何なんだ!」
 そう叫んだときは現実に戻っていた。
 が、目が覚めたと同時に掴んだ手の先には、確かに人がいた。
「だ、誰だお前っ!」
 叫んで絶対にその手を離さないと握ると、明らかに人の感触がする。
 そのまま電気を付けると、そこには視線の合わない目をした友人の早見が立っている。
「は、早見、お前なんで……」
 と声をかけるけれど、早見は明らかに人の目をしていなかった。
 何かに操られているかのように、ぼーっとしたままで全裸で立っているだけだ。
 その早見のペニスにはコンドームがされていて、そのコンドームには精液が溢れている。そしてベッドの周りにはコンドームの中に精液が入っていて、それを縛って置いてあるのが見えた。
さらには郁実自体も裸である。
 どう考えてもやってましたという格好で郁実は混乱するけれど、早見の方はぼーっとした様子から急に目が赤く光ったかと思うと、もの凄い力を使って郁実の体を押さえつけてきたのだ。
「は、早見、起きろ! やめろっ……うそだろっ」
 その早見は片手で郁実を押さえつけると、ペニスからコンドームを?ぎ取り、精液がべったりと付いたままで、郁実のアナルに一気に突き挿れてきたのだ。
「そん、な……あぁっ、ゃっ、は、早見っああっ、動くなっ…ひあっく、あぅ……あああんっああっ!」
明らかにさっきまで夢で感じたアナルの中を抉られている感覚は、現実でも変わらず快楽を得るものだった。
「ああっ、んっ、早見っああっだめっあっ、あっ、ふあっ、あんっ……はぁっ、んっああぁっ」
早見は機械のように腰を振り、現実で郁実を襲ってくる。
 その腰の振り方は夢で感じたままで、郁実は嬌声を上げるしかなかった。
「ひあっあっ……あ、ああんっあああんっあんっ……っんっ……っあっあうっ」
リアルが夢を凌駕する時が来るとは思わず、郁実は早見に取り憑いた何かに現実で犯されることになった。
「ふあっ……あっいっああっ……おま○こっだめっ……あんっんんっ……らめっあああっ! あ゛っあ゛っうっひぃっあっあんっあああっ……!」
あり得ないくらいに生のペニスを感じて、さっきよりももっと快楽が襲ってきてしまい、郁実は嬌声を上げた。
「あぁっやぁっ、ハメられてるのっ、おちんズボズボされて、おま○こ変、あ゛あぅっ……ひっああぁっはぁっあっあ゛っあ゛っあひっあぁっ、あんっあんっ」
早見は腰をガンガンと振り、奥まで突き挿れて腰を振っている。またそれが郁実のいいところを擦り上げるから、郁実は嬌声を上げるしかなかった。
「あぁっひっあ゛っあ゛っあぁあっあんっあっ……あんっ……あぁんあ゛あっ、もっとゆっくり……っあっんあひっあっはぁっあっあっああぁんっ……あんっあんっあんっ」
気持ちがいい、その思いは間違いなく夢ではなく現実だった。
「いいっ……、あつくて、硬いおちんぽ、んぁっ……きもちぃ……あっ、あぁんっあーっ、あぁっあっあっあんっ、らめぇっ……ごりごりしちゃっ……はぁっ、いぁあんっ」
早見のペニスで抉られるのが気持ちよすぎる。
 それだけで絶頂をしそうだったし、ペニスはパンパンに勃起している。
「あっ、ひっふぁっ、い゛ぃっ……あっぁんっあひゃああっ! らめぇっ……あっあんっ、あんっそこっ……んっ」
そして早見は郁実の乳首を舌で舐めてくる。
 いやらしい舌の動きで、乳首を刺激し、勃起させてそれを転がしてくる。
「あっ、ちくびいいっ……ひあっあっあんっなめちゃっやらぁっんっああぁんっ! んゃあぁっ、あっやあっ、あんっ、あぁっあぁっひっぃいっ……もっやらぁっ……ちくびっ、……あっはぁっあっあっ!」
腰の動きはそのままで、乳首を執拗に舌で舐められて、郁実は絶頂をしてしまった。
「あっひぁっ……っもっいっちゃう、あっあぁんっ、せーえき、あっひあっらって、ぁっ……ああぁあっ、ふあっぁっ! あんっ! あんっ!」
現実で射精をさせられて、派手に精液が飛び散る。
 オナニーでは絶対に出ない量の精液が吹き出て、それがのし掛かっている早見の腹を濡らした。
「そ、そんなことっ……あっ、あっやっああんっ! あんっ、やっ、あぁっ……やぁっあっあんっあんっ、らめっらめぇっ……あっあっ、やあああっ! いやっ、あんっあっあんっ!」
早見も射精をして中出しをしているけれど、それでも腰は止まらずペニスも勃起したままである。
「あぁっ、いやっ、でちゃうっ、もうやらぁっ……あっあふぅっあっあっあっ、やぁっ、はげしっ、はぁっ、あうっ、ひぃぁっ」
激しさは人の動きでは不可能なほどの速さになり、アナルの奥の奥までを早見のペニスで犯してくる。
結腸までもそれは届き、入り口を亀頭が超えてその先でも中出しをしてきた。
「はぁっ……はぁっ……、ぁん、もう、やぁ、あはぁんあひっ……あへっ、あっ、もうっ、らめぇっ……ああっ……ああぁっ……はぁっはぁっ……ああぁっ」
それをされたらもう勝ち目はなかった。
「ひああぁっ……やっ、あっああぁっ……んっ、あっやっ、あぁっひっあ゛あああぁっ……ひああっ……あぅっ、らめっうごいちゃっ……あっあああぁんっ!」
 あり得ない快楽を現実で与えられてしまい、郁実は完全に堕ちた。
「あっあっあひっあへぇっ……あっあんっあんっん゛んっあぁんっ……それ、だめっ、あっいっひぁっあ゛っああんっもっ許してぇっ……おかしくなっちゃうっ、おま〇こ、馬鹿になっちゃうっ、ひぁっあっあ゛ぅんっ」
セックスというものを知ったけれど、それ以上の性欲が暴走するセックスを教えられた。
 何かに取り憑かれている早見は、絶倫でありペニスもきっと一回りほど大きさが違うはずだ。
 凶悪に反り上がったそれが、郁実のアナルに挿入り込みそして結腸までも犯してくる。
 こんな凶悪なセックスを覚えたら、もう普通のセックスはできないだろう。
「はああっんっ、やっ……あっあ゛あぁぁっ……あああっ……らめぇっおま○こになるのっ……やぁっあ゛っあ゛っあぁっおち○ぽのことしか考えられなくなっちゃうっ、そんなのっやらっ……あっんっああっ」
 早見の腰使いは疲れを知らないように高速に動いて奥までしっかりと挿入り込んでくる。その長さも絶対に早見の普通の時よりも長くなっているはずだ。
「ひぁっあ゛っおま○こ気持ちいいっああんっ、あっあっあ゛っあ゛~~~っ…ひっ、ぁあああっん゛んっいやらしいおま○こにっおっきいのおち○ぽハメてぇっ……あ゛っああああああっ」
結腸まで挿入り込んで出て行く。それを繰り返され、油断したら中出しをされる。
 それがまた気持ちよくてどうしようもない。快楽は脳天を突き抜けて襲ってきて、狂ったように郁実は嬌声を上げた。
「あ゛ーー! ん゛あっ、あっい゛っ……ひっ、おま○こイってぅっ……あああああひああっ……ん゛ん゛あぁっらめっいまっイってぅっ……あ゛ひっ、イクてぅのぉっ! あ゛っんあっああっ」
何度も絶頂をしても何度も犯され、また絶頂をさせられる。
 狂ったセックスをされてしまい、郁実はもうその何者かに身を委ねた。
「あひぃっ……んぁっあっおち○ぽごりごりっ当たって……ん゛ぁっあっイっだめぇっ……いくのっ止まらないっ……あっあ゛んっあんっあんっあぁんっあ゛ひっ、んっあぁあ゛あ゙っああぁ、らめっ、おち○ぽっあっあっあっあ゛あああっ…やあぁっおち○ぽで、おま○こイクっひっあ゛っああああ!!」
気絶するまでセックスは続けられ、郁実は気が狂うのではないかと思うほど絶頂をさせられた。


郁実は結局早見の中に入り込んでいるものの正体をはっきりとさせることはしなかった。
 ただ恐らくこれはあの神社の神様だったのではないかと思っている。
 最後に挨拶に行った時に、早見は取り憑かれていて、更に郁実はその加護に入ったのだ。
 郁実と現実で性交をするために神は早見に取り憑き、郁実に近寄るものを排除し続けたのだ。
 実際の女性たちが受けた被害は神によるものだったから、精神を病むしかなかったのだ。
 それが何となく分かった郁実は、早見には申し訳ないが、このままでいるつもりだった。
 早見は夜の営み以外は普通の男であり、普通に生活をしている。
 ただ近くに住んでいるから、夜になると郁実を訪ねてきて郁実を犯してから帰って行くだけだ。
 そうしているうちに神と融合を始めたのか、だんだんと早見から好意を向けられるようになった郁実は、それを素直に受け入れた。
 早見は夢うつつなままで、郁実とセックスをする間柄になった。
 大学を出る頃には、もう一緒に住み始め、親にもカミングアウトをして一緒に暮らすようになった。
 早見は家に居る時はほぼ神に乗っ取られた状態になり、幸福だけを植え付けられた。
 二人が仕事に行くようになると、早見はその時間だけは自由になれたが、植え付けられた郁実への思いは積み重なっていつしか自分でそう思っていると思うようになった。
郁実はそんな早見からきっと出ていかない神ごと、早見を愛するようになった。
 二人分でもきっと大丈夫だ。
 そう思えるくらいに、二人は体を重ね、やがて心も重ねた。

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