182-それは甘い日々
「圭吾~、あんたさ、良かったら実家、生前贈与されない?」
「はあ?」
実家にたまたま帰ってみたら、母親からそう言う提案をされた。
この実家は生まれた時から親が住んでいる家だが、五年前に全面リフォームしたばかりだ。
老後のことを考えてバリアフリーにもしたし、防音や湿気対策もしっかりとして綺麗な家になったばかりである。
だが、生前贈与をすると言うからには意味がある。
「なんで? 家に飽きたのか?」
そう圭吾が言うと、母親が言った。
「ほら、あんたも最初は住む予定だったし、結局便利性が悪いってやめちゃったけどさ。その間に父さんは死んじゃうし、友達も皆、老後施設に入ったりしていなくなっちゃうし、一番の仲良しの林さんも、お子さんに引き取られて引っ越しちゃったからね。友達みんないなくなってつまんなくなったから、母さんも老後施設に入ろうと思ってね」
そう言いながら、パンフレットを見せてきた。
話を聞きながらパンフレットを開くと、どうやら六十代からの第二の人生を謳歌するためのマンションで、共用施設やらイベントやらと何やら豪勢である。さらには施設で海外旅行に行ったり、温泉に行ったりということもあるようで、お金持ちが楽しむための施設らしい。
「ちょうどね、空きがあるっていうから申し込んでみたら、見事に百倍なのに抽選で当たったのよね~」
「へえ、まあ父さんの遺産でどうしようが母さんが楽しいならそれでいいけど?」
圭吾は母親が父親の遺産をもてあましていることに気付いた。
実は母親の実家は実業家の家で、金持ちの家で育っている。その金を使って父親が事業を興して死ぬまでの間に大きな会社を十社ほど作った。
それからそれらを死ぬ前に全部売却し数百億が残った。だが一年後に死去し、母親はそれらを相続して富豪の未亡人となったのだ。
だが、母親はそれから暇になった。
主婦で生きてきた母親はお金の使い方は知らない。
金の管理は父親がやっていたし、死後は圭吾が経理をしているから、もちろんそんな大きなお金が動くときは母親はいつも圭吾に相談をしていた。
そういうわけで、母親はその老後施設に入りたいのでお金を出して欲しいといい、何なら家は生前贈与するからと言い出したわけである。
「じゃあ、お金振り込んでね。明日までにね」
「そういうことは帰ってきてからすぐに言ってくれよ、もう」
既に実家で一週間休んでいた圭吾は、慌ててお金の支払いに走った。
支払いが済むと、すぐに施設から連絡があり、入居の日がすぐに決まった。
母親はそれに併せて圭吾の夏休みを全て引っ越し作業に当てた。
幸い、家に引っ越してから荷ほどきをしないままに父親が亡くなったりとしたものだから、荷物は整理されていたため、簡単に引っ越し準備ができた。
それから弁護士を用意して、生前贈与の話合いをして、気付いたら圭吾は生前贈与分で既に財産の八十%を渡される羽目になった。
それでも母親に数億の遺産が残るからそれでいいと言われたのだ。
「……母さんがそれでいいなら、いいんだけど……」
弁護士もドン引く生前贈与である。
そういうわけで、圭吾は仕事をしなくても死ぬまで自由自適に生きられるほどの金と場所だけ手に入れたのである。
だが人間、それを使って豪遊できる人間と、できない人間が存在する。
父親はそうしたことには慣れているようだったが、母親と圭吾は似た性格で、与えられたものの中で暮らすことに慣れていたから、大金を貰ってもいつもの生活をするくせが抜けなかった。
ただ圭吾は雑誌の校正をしているので、仕事は自宅で行えたし、広い家には一応住むことを前提として自分の仕事部屋も用意して貰ったけれど、結局入社した出版社勤めだった頃は家から通うよりも大学時代に借りたマンションの方が近かったので、結局引っ越してこなかったのだ。
やっと出版社所属からフリーになったタイミングで家に戻ろうとしたら、母親の方が出て行ってしまった。
「人生何があるか分かんないもんだな」
自分の家の庭で圭吾はポツリと呟いた。
実家で一人暮らしを始めて一ヶ月、母親からは滅茶苦茶楽しいという電話が一回かかってきた。本当に楽しそうで、後ろで母親を早くと呼んでいる友人らしい声も聞こえた。
どうやら早々に仲が良い人ができたらしく、エンジョイしているようだ。
邪魔はしたくないから、それで電話は終わったけれど、正直に言うと圭吾の方が寂しかったのである。
「やっと親孝行とか思ってたら、どっちもいなくなったって……」
母親なりに気を遣ってくれたのもあるが、どうやら母親が圭吾に結婚がどうとか言い出さなかったところを見ると、母親は圭吾がゲイであることも知っていて、それを黙っててくれたらしい。
孫ができないならできないで、それはそれでいいと判断して老後施設に行ったのだろう。そうした方が圭吾に負担もかけないからと思ったようだった。
幸いその施設は、寝たきりになったらなったでそれ用の施設にも入れるところなので、心配はいらないと言われた。
双方が黙っていることで上手く回ることがあるものである。
そういうわけで、仕事を熟しながらも、圭吾は真面目に将来を付き合える相手を探した。
ちゃんとしたところで出会い、吟味して弾き出された数人と会った。
それぞれに真面目な人たちだったが、九割が圭吾が元杉林グループの会長の息子であることを知ると目の色が変わった。
どうやら圭吾には相当な遺産が入ったと思ったのか、急接近をしてきたり、呼んでもいないのに自宅に突撃してきたりと、とにかく面倒が起こった。
圭吾はその中でも唯一、目の色も変えないでいた人と付き合うことにした。
その人がなぜ目の色を変えないかというと、その人が圭吾よりもお金を持っている人だったからである。
その人は椿原智徳(つばきはら とものり)という現在はサラリーマンだ。
三十二歳で、年代は圭吾と同じ。ただ、彼の経歴は変わっていた。
高校時代にデイトレードにて巨額の富を得た。
元々の実家も実業家らしく、それなりに小遣いも貰っていたようで、それを増やそうと始めたら、どこかの国の国家予算まで稼いでしまったのだという。
けれど気付いた時には世の中の人は、大学を卒業しやっと就職をしたくらいの年である。高校中退後からデイトレードで暮らしていたせいで、世の中とのギャップが酷くあったのだという。
「それでね、大検を取って大学生をした方がいいと思ったんだ」
椿原は最初に会った時に、そう言って柔らかく笑った。
それから大学に通い、真面目に世間を知って就職もした。
世の中から四年遅れであったが、二十六歳の時に今の会社に入ったのだという。
「それはそれで楽しいよ。デイトレードで毎日画面を眺めて離れることがなかった生活から、ちゃんと人と会話して仕事して、全うに慣れたと思ったな」
どうやら人と離れて生きていると、感情が死ぬ気がしたのだという。
そして新たな自分の発見をしたとも言った。
「まさか自分がゲイだと思わなくてね。そういう気は一切なかったのだけれど、よくよく考えたら、男性以外に興味はなかったし、女性は好きではないから、まあそうだろうなと」
自分の性癖もちゃんと理解した上で、それならとパートナーを求めたという。
経緯はそれなりに違うが、そこからの出来事は圭吾と同じだ。
お金持ちであることを打ち明けると、どうしてもそこから相手が急におかしくなるのだという。
それまでの割り勘がそうでなくなり、プレゼントを異様に欲しがり、何でも買ってくれないと別れると言い出した挙げ句に、ケチだと言われて振られるという。
「だからね、条件に億万長者って付け足しておいたんだけど、そしたら君があてがわれたわけ」
最初のデートの時に全てを打ち明けた上で、椿原は圭吾と付き合いたいと言った。
「君の見た目が正に好みなんだ……」
どうやらちょっとイケメンからは離れている顔をしている圭吾であるが、それが椿原の好みだったらしく一目惚れだと言われた。
その言葉はこのパートナーを選ぶための相談所に入ってから初めて言われた。
だからこの人と付き合ってみて、色々と普通で楽しかった。
お金をかけるべきところは双方が出し合い、決して片方に負担を強いるようなことは一切なかった。
そしてお互いに慎重だったから、ずっと外でのデートが続き、体も繋ぐことはなかなかなかった。
最初にそう言う関係になったのは、付き合って三ヶ月も経ってからだ。
圭吾がネコで、椿原がタチであるのは最初に確認をしたけれど、ここまでデートを重ねた相手でベッドをともにしなかったのは圭吾にとって椿原が初めてだった。
いつもは付き合って一ヶ月もしないうちに寝たし、大人になったらその場限りの付き合いもあった。そういうものだと思っていたけれどそうではないのだ。
「君とデートをしているととても楽しくて時間もあっという間に過ぎてしまう」
椿原はいつもそう言ってくれて、圭吾もそれは同じだと答える。
「俺も、椿原さんといると楽しい」
二人ともお互いに居心地の良さを知っていたから、お互いに失望をさせたくなくて、セックスまでなかなかたどり着くことができなかったのかもしれない。
けれどそこを避けて通れる関係でもなく、とうとう圭吾が先に切り出した。
「あの……今晩、よかったらうちにきませんか?」
そう圭吾が告げると、椿原は驚いた顔をしたけれど、少し考えて首を横に振った。
「今日は、やめておくよ……それじゃ出ようか」
食事の後だったからか、圭吾は椿原に断られた上にはぐらかされた。
その後はいつものように別れて、圭吾は自宅に戻った。
今日は誘うつもりだったから、家も気合いを入れて掃除をしたし、買い物もしておいたのだが、それらは全部無駄になってしまった。
「ああ……もしかして、俺、浅ましかったかな……引かれてないかな……どうしよう……もうきっと俺からは誘えない……」
がっくりと玄関先で膝をついて座り込んでしまった。
しばらく動けなくてじっとしていると、急にチャイムが鳴った。
それでも対応する気分ではなかったので、そのまま無視をしていると、今度は玄関ドアがガンガンと乱暴にノックされた。
「圭吾くんっ! 圭吾くん! 大丈夫かっ! 何かあったのかい!」
聞こえてきた声は明らかに椿原の声だった。
門前まで送って貰ったから、家は当然椿原は知っている。けれど、どうして戻ってきたのかが分からずに圭吾は慌てて玄関の鍵を開けた。
キョトンとして立っている圭吾を見ると、大慌てだった椿原が圭吾の肩を掴んで真剣に言った。
「なかなか部屋の電気が付かないから、何かあったのかと心配になって……」
そう言われてしまい、圭吾は更にキョトンとしてしまった。
「え、部屋の電気? 付くまでずっと見ていてくれたんですか?」
まさかそこまでしてくれているとは思わずそう返すと、椿原はハッとして顔を赤らめた。
「いや、その、ちゃんと部屋に入ったのかどうか、それが心配で……それで、いつも居間に電気が付くまでその先で確認してから帰っていたんで……」
まさか椿原がそんなことをしてくれているとは思わなかったので、圭吾は顔を赤らめた。
「そんな心配までしてくれて……。あの、大丈夫です……今日はちょっと玄関で座り込んだら考え込んじゃっただけで……」
「そ、そうならいいんだ。何もないのなら、私はこれで失礼……」
大丈夫なことを確認した椿原が帰ろうとするので、それを圭吾は慌てて引き留めた。
腕を引っ張り、急いで玄関から出ようとする椿原だったけれど、引き留められて真っ赤な顔をしている。
「待ってください」
「いえ、離してください。こんな押しかけるようなことをして……」
「駄目です、帰らないでください!」
必死に腕を掴んで圭吾が叫んだ。
「……圭吾、くん?」
あまりの必死さに驚いた椿原が出て行くのをやめると、圭吾はそんな椿原を見上げて言うのだ。
「帰らないでください……お願いします……帰るなら……もう会いません」
圭吾の言葉に椿原が動揺した。
「圭吾くん……」
「あ、あなたに断られて落ち込んでいました……だから、この手を振り払って帰られるのなら、俺に興味がないのなら、そうおっしゃってください……あ、諦めますから」
ここまでしてくれる相手に我が儘を言っているのは分かっているけれど、望みがないのなら、ここで振って欲しいと圭吾が訴える。
それに椿原はハッとしてから、圭吾の方を見て真っ赤な顔をした。
「ここで、圭吾くんの言う通りにしないと……もう私は圭吾くんに会う資格がないってことなんだね?」
「……資格とか、そういうことではなくて……今までも楽しかったし、嬉しかったし、大事にして貰ったけれど……俺は、椿原さんと、滅茶苦茶セックスがしたいんです!」
圭吾はとうとうはっきりと自分がしたいことを伝えた。
もちろんそれははしたないと言われてもおかしくはない告白であるが、椿原はそれを聞いてやっとふっと息を吐いた。
その息に圭吾はハッとして椿原を見上げた。
困らせているのだと思ったのだが、椿原の顔を見たらそれは呆れた溜め息ではなかった。
椿原は顔を真っ赤にして、泣きそうな顔をしていたのだ。
「つ、椿原さん……?」
「き、君に、こんなことを言わせるなんて、私はどこまで臆病だったのだろうか……」
椿原がそう言って凄く自分の不甲斐なさを嘆いているのが圭吾には分からなかった。
「臆病なんですか?」
「そうです。君に飽きられたらどうしようと思う反面、過去にあったような出来事がまた起こったらどうしようとか……色々と考えてしまって……」
そう言われたので、圭吾は思い当たることを思い出す。
「ま、待ってください。えっと、ここにあるので、これ見てください……」
そう言って圭吾が椿原の前に差し出したのは一冊の通帳である。
「俺は、椿原さんのお金目当てに近付こうだなんて思ってません。確認してください、きっと思った以上には入ってると思うので」
そう言って圭吾はその通帳を広げ、現在の総資産が幾らなのかを見せた。
もちろんそこには数百億の記載がされている。
時々減っているのは家の維持費などの金額くらいだ。
さすがにそれを見た椿原は、圭吾の行動にホッとしたような息を吐いた。
「……それじゃ、私の方も見てください。決して圭吾くんのお金目当てではないです」
そう言われて差し出された通帳には、同じく数百億のお金が入っている。
それはほぼ使うこともないのか、全くと言って良いほど減っていない。寧ろ利息分が増えているようだった。
これには圭吾もホッとした。これならもう絶対に付き合うなら椿原以外にあり得なかった。
「圭吾くん、私が今日断ったのは、ただ勇気がなかっただけで……君のことは心の底から好きなんです。でも……ずっと裏切られてきたから、人を信じることができなかった。圭吾くんが好きだから、裏切られたくなくて、ほどよい距離を保っているなら、それもいいかもしれないと思っていた……けれど、違う」
椿原はそう言うと圭吾をしっかりと抱きしめた。
「私は、君が望んでいるように君を抱きたいと思ってます。本当です。ただ怖かった。君を失うのが怖かった……」
椿原の言葉に圭吾は胸が熱くなった。
お互いに臆病だったのだ。
ただ圭吾だけが先走り、椿原の気持ちを置き去りにしたことは間違いなかった。
「ごめんなさい……嬉しいけれど、俺が急かしたせいで椿原さんを不安にさせて……ごめんなさい……俺も椿原さんが好きです……好きですっ!」
そう言いながら圭吾は泣いていた。
初めて相思相愛になれて、そしてお互いの気持ちをはっきりと知れた。
望んでいた相手に好きだと言われ、そして抱きたいと言われることは、これまでの軽い恋愛とは比べものにならないほどに充実していた。
「謝らないでください……ここまで圭吾くんを不安にさせて、私こそ、ごめんなさい。今晩、君の家に泊まってもいいですか?」
優しく抱きしめられて耳元で囁かれたら、圭吾は嬉しくて笑って返事をした。
「はい、もちろん」
それは二人がちゃんと確かめ合うための時間が始まる合図だった。
2
二人は玄関先でキスをした。
「んっ、ん、……んむっ」
そして圭吾は椿原の股間をまさぐって、既に勃起しかけているペニスを口に咥えた。
「んっ、んっ……ぁっ、すごい、おっきぃ……、んんっ」
「ああ、圭吾くん、ああ……」
椿原はきっとこういうことをして欲しくてもして欲しいとは言わないと思い、圭吾はしてあげられることは何でもしてあげるつもりでフェラチオをした。
「んんっ……! んっ、むぅっ、んっ、ぅんっ、んっ」
大きく凶悪なほどに反り上がってくる椿原のペニスを美味しそうに咥えて扱いてくる圭吾を椿原は頭を何度も撫でてくれた。
「くっ、……はぁっ、くっ、……!」
「んんっ!? んっ、ぅんっ……」
椿原も感じてくれているのが分かり、圭吾は嬉しくてしっかりと舌を使って椿原のペニスを丁寧に舐めて勃起させた。
「ふぅっ……、んっ、んんーっ……」
見事に椿原のペニスは勃起してくれて、圭吾は嬉しかったが射精まではもっていけないままで椿原に止められた。
「んっ……ぁっ、や、ぁんっまだ」
「いいんだよ、私は君の中でイキたいよ」
「あ……っ、はぅ……」
椿原の言葉に圭吾は頷いた。
そしてリビングに入り、二人は全裸になって圭吾はローションやスキンを持ってきた。
それらを使って、まず椿原は圭吾の乳首を弄りながらアナルを弄り始めた。
「あっ……はあっ……、あああっ……!!」
椿原は気を使って丁寧にしてくれているようであるが、圭吾はもっと早く椿原のペニスが欲しかった。
「あぁあ……!はあ……ちくびっんうっ……あ……あっ……ぁはあっ……!ああぅ……」
丹念に乳首を舐められて既に圭吾のペニスは勃起しているし、アナルの中は椿原の指を締め付けている。
「ああぁぁあっ……んっあっあっ、やっ、ちくびっんあっ……あぁっ、ふあっあんっあんっああぁっ……だめっ、こんなのっ、やらしすぎっ……あっひっぅんっ」
いやらしい触り方をされていると思えるほどに、椿原は圭吾の全てを楽しんでいるようだった。
「あぁっいいっ……きもちいっ、乳首ペロペロで、舌で感じるっ、いいっ……ああんっ、あっあっんんっ、ふああぁっ」
乳首だけで絶頂しそうになってしまい、圭吾はそのことを告げる。
「ああっ、あんっんっあっひっああっあぁあっ……いっ……いきそう、ちくびでいっちゃうっひああぁっ」
そう言った瞬間に絶頂させられてしまい、圭吾はペニスから精液を吐き出した。
「あ、は……あぅ、あうぅ……んんっ……は、あー……っ」
「可愛くイッてくれたね。圭吾くん、可愛いよ……ああ、こっちも準備はよくなってきたかな」
絶頂する圭吾を見て喜んでいる椿原は、圭吾のアナルをしっかりと拡張している。
「ひ、んっ……あぁっ……うあ……あぁっああっ、あっ、あっ……く、ふう、ううぅん……っ」
中がだんだんと気持ちよくなってきて、圭吾は嬉しくなってきた。
自分でもアナルを弄ってみたけれど、そこまで気持ちよくはならなかった。
もしかしたらやり方が違ったのか、それとも椿原が上手いのかは分からないけれど、ちゃんと圭吾は感じている。
「も……っ、だめ、それ……っはあっ……だめ……あぁ、あんっ……っ」
「まだだよ、もっと大きな物が入るんだからね……もっと中を抉って」
「ああぁ……っ、んあっ、はぁ、はぁうっ……あぁんっ! ぁあっ、らめっ、やっあああぁっん、らめっ……ひああぁっ」
そうは言っても腰は動くし恥ずかしい。
それでも椿原はそんな圭吾に失望なんてしていないようで、先にどんどん進めていく。
「やっ! あっ、ああんっな、はあんっは……っ、はぁ……っ、あん、ああぁ、んあぁあ! ああん、……あっ、あぁん……っああっ! あふ、ぅ……っ」
椿原のペニスはまだ勃起しているし、ガチガチのままを保っている。
どうやら圭吾の体を弄り回しているだけでも興奮しているようだった。
「んあぅ……! んああんっああっ……んぁ、ぁふっ……ん、やらっ……! ぁ、や、やめ、あんっ!」
今度は指マンで絶頂をしそうになって慌てるも椿原が言った。
「今度も可愛くイッて見せて……圭吾くんのイク顔、とてもエロいんだ……好きだよ」
「やぁっいくっいっちゃっうっあぁっひっああっあぁあっいくっなんかきちゃうっ……あっああああぁんっ!」
そんなことを言われたらイクところを見せるしかない。
派手にまた絶頂をして精液を吐き出すと、その精液を椿原が舐め取っていった。
「うん、美味しいね、圭吾くんの精液……」
「あん、ずるい……俺も欲しい……」
「あはは、大丈夫だよ、これからたっぷりとこの中に出してあげるから」
そう言われて椿原に四つん這いにされた。
「顔は見えないけれど、大丈夫ほらそこのガラスに映っているから」
カーテンを閉め忘れている窓にしっかりと二人の姿が鏡のように映っている。
外からは塀が合って見えないけれど、塀を乗り越える人がいたら見られることになる構図である。
「やらぁっ……はぁんっ……あっあっあひぃっ! あっあぁっ、あひぃっ……、らめっ、あーっ……」
急いでカーテンを閉めようとして動く圭吾の腰を素早く椿原が掴み、そしてアナルにペニスを挿れ始めた。
「あああぁ、あぁ、ん……あひぃっ、ああーっ、おま○こにおちんぽ挿入ってくる……ああっ…!」
「圭吾くん、ここをおま○こって言うんだね。おちんぽもいいよ……どこで覚えたの、そんないやらしい表現……っ」
「あぁんっ……、漫画見たのっ男同士の……それでそう言ってたから……あぁ、ああっあぁんっ! ぁっ、らめぇ……あぁんっあああぁーっ!」
「ああ、最近女性に流行ってるあれですか、いいね、圭吾くんらしい……それじゃその範囲を出ないくらいで最初はいきましょう」
そう言われたけれど、最近の物は昔よりも結構派手な描写が多いのである。
「あぁっ! あっあっあひぃっ……おちんぽっすごっあんっはぁっあぁんっ」
「私も気持ちがいいです……ああ、圭吾くん」
奥まで挿入ったら即座に椿原は動き始めた。
その早急さが椿原に余裕があるように見えたさっきの言葉よりも余裕がないところが見えて、圭吾は嬉しかった。
「あ゛ああんっああっ!! ああああっあっぁっあっ、いいっ、椿原さんのおちんぽっきもちいいよぉっ……、あああぁんっ」
「圭吾くん、智徳(とものり)とよんでください……」
「あぁあっ……智徳さん……あぁっ、おっきいっ智徳さんのおちんぽっ……おま○こ、ごりごり擦ってっはあぁっ……んっあぅっ、きもちっ、いいっ……!」
名前を呼ばれて椿原は興奮したのだろう。腰の動きが力強くなっていた。
「あぁっ……ん、はぁっ、あっああぁんっいっちゃうっ……らめっあっあひっあああっ」
たたこれだけでも圭吾は絶頂しそうだった。
もう既に二回もイカされているから、これ以上はと思っていたけれど、椿原は何度でも圭吾をイカせる自信があるのか、また圭吾を絶頂させた。
「あああっ……もっやらぁっ……あっまたっいっちゃうっ……あっあぁんっイってるからっ、らめっっあっあぁああーっ……」
圭吾が絶頂をしているのに前立腺を突き上げられて連続でイカされる。
「あぁああんっ、また、いっちゃう、おちんぽっやらっいくっやらっあああんっあああんっあああんっ!」
抉られるようにして求められて、絶頂もさせられると圭吾は完全に蕩けた顔になった。
それは目の前のガラスに自分の顔が映っているからはっきりと自分でも分かった。
「あぁんっ、あんっ、あんんあんっんっ、あぁっ、あぁん……きもち、い……おちんぽ、いいっあひんっ」
卑猥な言葉を発しながら、椿原の攻めに堕ちた圭吾であるが、椿原も嬉しそうに微笑んでくれているから、これが正解なのだと分かった。
鏡はそのままを映してくれる。
椿原は嬉しそうに圭吾を犯しているし、圭吾は椿原に犯されることで満足している。
これが相愛のセックスであり、また見られるかもしれないという緊張感と興奮のたまものらしい。
「あぁあっ……あっぁん……あぁあっあんっいぃっ……もっおちんぽっらめぇえはぁああっ……」
「圭吾くん、もっといやらしい淫乱な君を見せて……私はそういうのが好みなんだ……」
「はぁっ、はぁっ……あっ、もっと、おま○こして、あん、智徳さんのおちんぽでっもっとおま○こしてっああんっあんっぁあああぁんっ」
腕を持たれて、後ろから突き上げられる形で、しっかりとガラスに圭吾が犯されている全身が映り、それを見て椿原が興奮している。
「あぁあっああんっ……あああっ……おちんぽっああっ……あっ、あああぁっ……らめっおちんぽハメるのきもちいいっ……智徳さんのおちんぽ……ああんっいいっいいっああああっ!」
「ああ、圭吾くん、圭吾くん、いいよ淫らな君はとてもいいよ」
「いいっああっ……ああんっ……んっあっあああっああっああっんっああっんあっあっあっああっ!」
「もっとだイキ狂う君がみたいよ……」
「あ゛あっ……んっあっ、あ゛っ、あっあっあっあああっ! んあっん……あっあああっ……あんっあっああっああっんあっあっはあっんっあっ、ああっあぁんっ」
そう言われてまた絶頂まで持っていかれるくらいに突き上げられた。
「あっあっ、い゛っいくっあっああああぁーっあああっ……あひっ、あっ、あああぁーっ! イく、イっちゃうっ!! でちゃうよぉぉっ!」
そう叫んだら圭吾のペニスから精液が潮を吹くように吹き出ている。
ビシャッと床を塗らしても止まらず、椿原が突き上げるとまたビューッと吹き出てしまう。
これがもうイキっぱなしなのだろう。
圭吾は全身で感じてしまい、もう鏡に映っている自分を見ても恥ずかしくもなくなった。
だって鏡に映っている椿原を見ていたら、彼が微笑んでいるのが見える。
その顔だけを見ていたから、彼がこれを喜んでいるのが分かり、どんどん圭吾は淫らになった。
「いいっああんっおま○こっいいっきもちいいっああんっああ……ああんっ……ああんああいいっ」
「圭吾くん、もっとしましょう……」
「あ゛あっいいっ、らめっあ゛あっ、らめっ、おま○こゴリゴリしてるっ……ひっあっ、あんあんあんあんあんっああんっ!!」
椿原の精液を受け止めながら圭吾はこのセックスは、きっとこのまま終わらないのだと感じた。
「おまんこ……ああっ……らめっゴリゴリしちゃっ……ああんっおちんぽっおおきいいっああんっ……ああんっ」
椿原は絶倫らしく、その後も圭吾は椿原が五度の中出しを終えるまでひたすら突き上げられて犯され続けた。
「あっあっ、いくっあっああああっあああっ……ああっ、あっ、ああっ……」
椿原が五度もイクまで圭吾が十回以上も絶頂をさせられ、そしてドライオーガズムまでをたった一回のセックスで覚えてしまったのだった。
それから二人は交際を続け、やがて圭吾の家に椿原が一緒に住むことになった。
椿原は家でできる仕事になり、圭吾も家でできる仕事だったから、二人はお互いに暇ができればセックスに興じた。
「あっあ゛っ激しぃっ……ん゛ああんっあ゛っあっあひっ……あ゛っあっあんあんあんっああっすごいっおちんぽっすごい……ああんっきもちいいっああんっあああんっあああっ!」
「圭吾、ほら、奥の奥で出すよ……」
「あ゛あああっ……あぁっあっいいっ、きもちぃっ、おちんぽ、大きくて、おま〇この奥まで届いてるっあああっあぁっあっあっ」
そう言われて何度も中出しをされる。
「ああ……おおきいっおちんぽっきもちいいああんったあんっあああんっ……きもちいいっああんっいくいくっ」
椿原の精液を受けて圭吾は絶頂をする。
もう椿原がいないと圭吾はセックスで絶頂しなくなり、一人オナニーでも絶頂をしなくなったくらいに、椿原に依存した。
それでも椿原はそうしたかったのか、今の状態に満足しているらしい。
二人は仲睦まじく、ずっと甘い日々を暮らしたのだった。
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