176-秘密の小屋

 名村冬馬は、大学時代に恋人ができた。
 奥住卓也と恋人になり、そしてそのまま付き合い続け、冬馬の方は親に勘当されてしまったけれど、卓也の方は親に受け入れて貰え、さらには勘当された冬馬に優しくしてくれ、実家に身を寄せることを許してくれた。
 都会ではなく、地方の都市部ではあったけれど、山沿いの田舎で隣近所は皆知り合いの村に住みながら、卓也は農協に勤め、冬馬は建築デザイナーとして在宅で仕事をしていた。
 建築デザイナーとして図面を引くだけではあるが、それは出社しなくてもパソコンさえあれば在宅でできるので、その方法を取った。
 一年ほどその生活を持続していると、だんだんと生活には慣れてきたけれど、問題は夜の生活だった。
 卓也の実家である奥住家の離れではあったけれど、そこに住んでから卓也がセックスを家ではしてくれなくなったのだ。
 だから、セックスをするために外出をしなければならず、最初の方こそホテルなどに行っていたけれど、次第に卓也の方が仕事が忙しくなりそれが減った。そして母親がそれに勘付いていたのか、外出する二人をなるべく外出しないように付いて回り、邪魔をしてくるようになった。
 表向きは冬馬を気に入っているからと言うけれど、実際は違った。
 在宅の冬馬と母親は一切の関わりがない生活をしている。
 お互いに干渉もせず、食事すら一緒にしない。
 けれど、間に卓也を挟んだとたん、母親はいい母親になり、冬馬も母親とは仲がいい振りをする。
 けれど、何度か卓也がいない時に、冬馬は母親からゴミを見るような軽蔑を込めた視線で見られたことがあるのだ。
 決して男同士に理解があるのではなく、息子の卓也に実家にいて貰うために仕方なく関係を認めているという態度である。
 そしてそれはある形となって現れた。
 どうやら隣の奥さんの話によると、母親は卓也に女性の見合い相手を探しているらしいのだ。今のところ事情を知っている人にお願いをしているらしいのだが、最近のご近所さんは理解ある母親の振りをして実は理解する気がない母親が付いてくる結婚になると判断して断っているらしい。
 男同士だから気にいらないのではなく、自分の思い通りの嫁が欲しいだけで、卓也の意思も何もかも無視して話を進めているのだと誰もが分かっていたから、断られていることに気付いていないらしい。
 同居必須で口うるさくはないけれど息子大好きの母親が付いてくるのが確定している結婚を昨今の女性が見合いとはいえ、するわけもなかった。
 そういう話が隣の奥さん経由で冬馬の耳に入るのは、隣の奥さんもそうであるが、周りの井戸端会議の話題になるもめ事が欲しくてわざわざ騒動の火種を冬馬に撒いているだけに過ぎない。
 田舎というのは話題がない。近所の夫婦喧嘩などが些細な出来事が歪曲されて広まってしまうくらいには、話題は常に他人のプライベートばかりだ。
 それにあーでもないこーでもないと言うのが常で、自分が影で話題になっているとすら思いもしないらしい。
 そういうわけでゲイのカップルが引っ越してきた家である奥住家はその噂としてはいろいろと言いたいところがあるのだろう。
 誰もがうまくいくわけもないと思っていたのに、意外に一年も持ってしまったから
業を煮やして動き出した母親の行動で見える騒動を待ち望んでいるらしい。
 そんな話を聞かされて、冬馬はこの村の実態を知った気がした。
「皆、面白がっているだけでもめれば良いとわくわくして待ってる。僕らが別れたらほれみたことかって言うだろうし、別れないならまた騒動の種を撒く。面白いことなら他人事だからもっと起これって思ってる、嫌な性格をしているよな」
 ブツブツ言いながらも冬馬は一日に一回のジョギングに出る。
 正面に見える山道を走る、クロスカントリーみたいなコースであるが、中学時代からやってきただけあり、そのコースは気に入っていた。
 大学時代はなかなか山にはいけなかったけれど、ここに来てからその走りは一層自分に合っている気がしたほどだ。
 とはいえ、選手ではないので三十分走っては山の上の方まで出て、そこで暫く寛いで日が暮れる前に山を下りる生活である。
 朝早くから仕事をして、午後一時にはコースに出て、山頂で一時間ほど軽い運動をして山を下りる。それで午後三時過ぎくらいだ。
 ただこの山は山菜採りに春頃は賑わうけれど、それ以降は人は上らない山だ。だから人に会うこともなかったし、イノシシや熊もいない山なのでせいぜい会うのは狸くらいである。危険もないし、一人でいる時間も欲しかったのでだんだんと頂上で寛ぐ時間が延びていき、気付いたら四時くらいまでいることもある。
 最近はリュックサックを背負って飲み物などを持ち込み、朝には弁当まで作ってそれをもって午前中に山に登ってしまうことさえあった。
 仕事さえ一日分やってしまえば、後の時間は自由だったから、起床時間は朝の四時くらいになり、六時まで仕事をしてから朝食弁当の準備をして洗濯物をして干したら八時くらい、そこから仕事に没頭して十一時にはその日の仕事が終わってしまうスケジュールができた。
 そしてクロスカントリーをするから夜はぐっすりと寝られてよかったけれど、その生活が一年も続けば、性欲をもてあますようになった。
 もちろん月一くらいで卓也はホテルにデートに連れ出してくれるけれど、それすらも今月は残業のある卓也は断ってきた。
 そのせいで冬馬の性欲はあふれにあふれ、とうとう冬馬はアダルトな道具を持って山に登り、その山の上にある小屋の中で一人でオナニーをするようになってしまった。
 誰も来ない、一人きりの山小屋。
 山小屋は奥住家のもので、山菜採りの時に祖母などが使っていたのだと聞いた。
「あれはおばあちゃんのおじいちゃんが建てた家なのよ。山菜採りも昔はすごかったみたいで、山で三日くらいとり続けてたから、そのときに山の木を使っておじいさんが建てたのよ。今は誰も使ってないけど、中を綺麗にしたら使えるみたいだから、好きに使って良いわよ。山頂まで登っているなら休むところも必要でしょ」
 卓也の母親からそう言われて、卓也の勧めもあったので使わせて貰うことにした。
 その小屋は平屋の小屋であるが、ロフトにベッドルームがあり、部屋の中も綺麗だった。その部屋を仕事が休みの時に泊まり込んで掃除をしたら、意外なことが分かってしまった。
 この小屋はかなりきっちりと作られており、建ててから三十年以上経っているのに修復もされているようで、綺麗だった。それは意外ではなかったけれど、その部屋から古びたアダルトグッズが出てきたのである。
「……うそ……これって……まさか」
 どうやらそこで祖母たちはお楽しみだったらしい。
さらには祖母は祖父が死んでからは近所の人と不倫密会に使っていたようで、そんなメモ帳がでてきてしまった。
 どうやらそのまま亡くなってしまったけれど、本人も相手の人も山に登れなくなる日が来るとは思わなかったのと、奥住の母親も山菜採りはしないらしく、小屋にはこなかったことでこの秘密はそのまま残っていたようだった。
 それらを全部燃やせるものは裏にあった焼却炉で燃やし、日記系のものは処分した。今更それでもめるのもかわいそうだったし、面倒くさいのもあった。
 そして部屋中を綺麗にし、持てる荷物を持って何度か上がっていると綺麗な場所になった。
 何となく別荘を持てた気がして、そこで寛ぐためにクロスカントリーをしたほどである。
 誰も来ない秘密の場所が気に入ってしまい、更に冬馬はここでオナニーを思いっきりできることに気付いて、オナニーをするためにこの小屋に通ったほどだ。
 雨の日は憂鬱になったけれど、仕事をどんどん進めて休日出勤する卓也に断って、山小屋で泊まり込んで過ごしたりし始めた。
 それが同居してから一年間不満だった冬馬がその後は大して不満も持たずに家で過ごせた理由だった。
 山小屋で過ごすと冬馬が機嫌がよくなるので、卓也はもっと泊まってもいいと言い出したくらいだ。
 卓也は農協での仕事にやる気を見いだしていて、仕事命のようになっていき、レスが続いてもこの生活は気に入っていたらしい。
 卓也は母親に結婚を勧められることもなく、恋人からもあれこれ言われないで暮らせている今の生活が気に入っていてそれを壊したくないらしい。
 母親は不満に思いながらも、真面目に暮らしている二人の欠点が見つからずに文句も言えない。
 それから一年半ほど過ぎると、生活は更に落ち着いた。
 その日も冬馬が小屋でオナニーを楽しんでいると、誰かがそれを覗いている気配がした。
 最初は気のせいだと思っていたけれど、気のせいではなかった。
 その日から覗きは続き、それでも冬馬はオナニーをやめなかった。
 というのも、相手は覗きだけで、それで何か脅されるわけもなく、それ以上触れることもせずにただ見ているだけなら、危険はないと思えたのだ。
 そして覗かれているという緊張と興奮は、最高潮に達して、冬馬は嬌声を上げてオナニーを繰り返した。
 声はかなり大声を上げないと外には漏れず、更にドアや窓に張り付いていないと聞こえないくらいにこの小屋は意外に防音が効いていた。
 どうやら不倫に使っていたこともあり、補修をした時に防音のものを使ったようだった。
 今日も覗かれているのは分かる。
 窓の外に人影が見える。
 相手もこっちが覗かれているのに気付いているのも分かっているようだった。
 だから見せつけるようにいやらしく誘うようにして、オナニーを見せつける。
「ひっあっあんっ、いくっ……はぁっ、いっちゃうっ……、いっちゃう……ぁんっあんっあひっああっいくっやぁっ……あ゛っひっああぁんっ!」
 全身を震わせて絶頂をすると、相手も絶頂をしたのが分かった。
 その後、誰かが去って行った後を見ると、その誰かがいた場所の壁に精液がぶっかけられているのを見つけた。
 その濃く大量の精液を見た冬馬は、もうこれ以上の我慢はできないと思った。
 むせかえる臭いと、欲しかった精液がここにある。
 卓也はセックスレスでも平気で、もうホテルにも誘ってくれない。農協の仕事が楽しすぎて残業ばかりで家に帰ってきても疲れているといい、ご飯を食べて風呂に入って寝てしまう。もう冬馬の機嫌を取ることすらしない。
 卓也の母親は冬馬のあら探しはやめたけれど、虎視眈々と卓也に新しい嫁を探している。
 冬馬は運動と称して小屋にやってきては、覗きにオナニーを見せつけて絶頂をする変態行為を楽しんでいる。
 それら全てが壊れても、冬馬には何の未練もないことに今更ながらに冬馬は気付いてしまったのだ。
平穏で何の障害もないように見える生活だけれど、セックスが大好きな冬馬にとって今やここにいるメリットが何もないのだ。


その日は小雨が降っている日だったけれど、冬馬は着替えを持ってクロスカントリーに出た。幸い山の中だと木々のお陰で濡れることがほぼないことを知っていたのもある。
 その前日に大雨が降っていたのもあり、オナニーができなかったことでストレスがたまっていたし、卓也も仕事が休みで家にいたが。
「小雨だし、走ってくるよ。今日は小屋の方に泊まるね」
 そう言いながら着替えや食事をたくさん詰めていると、卓也は大した関心もなく飯だけ用意しておいてくれと言っただけだった。
「うん、用意してあるよ。冷蔵庫と冷凍庫にあるから、好きなのチンして食べてね」
「ああ、分かった」
 卓也はテレビでやっているサッカーの試合を見ながらこっちを見もしないで答えて、冬馬の様子にすら気にもとめない。
 冬馬はそれにニヤリとしてクロスカントリーに出た。
 幸い雨が上がっていたから、その間に山の山頂まで急いで上った。
 そして山頂の山に到着すると雨が土砂降りし始めた。
 だから、冬馬は小屋の入り口を開けたままで着替えをして、小さな水着を着けた。
 乳首には辛うじて布があり、ビキニのようになっている。もちろん股間のペニスははみ出ている。
 こんな姿を冬馬は卓也の前でもしたことはなく、このために注文した。
 道具も一新して運び込み、充電するために発電機も修理をしたくらいだ。
 そのお陰で、電気も付くけれど、冬馬は電気は間接照明だけしか用意しなかった。
 雨がザンザンと降っている中、その開けたままの入り口から黒い人影が中をのぞき込んで、そして入ってきた。
 雨に全身が濡れている。
 けれど、その股間は完全に勃起しているのが見えた。
 髪が濡れて顔に張り付いているから、誰か顔は分からない。
 村人は大体誰か分かるくらいに知っていると思っていたけれど、その大きな百八十以上ある男を見たことはなかった。
 筋肉隆々でがっしりとした体、大きなその体には当然、大きなペニスが付いていた。
 勃起したペニスを隠しもせずに、男はその場で服を脱ぎ捨てていた。
 声は一言も発しなかったけれど、興奮しているのは分かる。
 ハァハァと荒い息を吐いて、男が近付いてくる。
 間接照明は顔までは照らし出してくれないけれど、下半身のペニスだけはしっかりと照らしていた。
 完全に?けているペニスが大きく勃起し、それがガチガチに堅いことが分かる。
 冬馬はそれを見て喉を鳴らし、そこにあるソファで尻を向けて男を誘った。
「は、早くそれを……ここにぶち込んで……あなたのペニスがおま○こに欲しいの」



「あぁあうっ……っあっはっいひ……っいいぁああ……っふ、ふぁ……っ!」
男は遠慮なくアナルを見せるようにして足を広げて誘っている冬馬のアナルに勃起しているペニスを一気に突き挿入れた。
「ひ、ひぁああああっ ひっひぃ、っひ……ああぁ、あ、ぁあ……っひ、ぁ、ぁあうっふ、ふひ……っんっぁ、あーっあ、あっ、あっあっ……ぁあっ!」
とんでもない大きさのペニスは、冬馬の恋人である卓也の物とは比べものにならないほど大きかった。そして長く、奥まで届き、更に奥をもこじ開けるくらいに反り上がっている。
「ひ、あ、あ、あっ……っひっあっぁあっぁひぃっあっ……ああぁっあっひぁあっあぁあっ……やっ! あっあっあぁうっひぁっぁあん!」
「うおおおおおおおおおおっ!」
高速で出し挿れをしてくる腰使いと、獣のようなうなり声で完全に興奮した獣の男は、冬馬を遠慮なく犯してくる。
「あぁあうっ……っあー! あっあひぃっひっあっあっ……あ――っ!! あああんっ!! あっ、ひぁっ、んぁっはぁんっ!!」
感じたこともないほど強く求められて、この一年セックスも真面にできなかった冬馬はこれだと感じた。
 もう愛情すら薄らいでいる卓也への期待はここで完全に打ち切られた。
 冬馬が求めていたものは、安穏した生活ではなく、この激しさで求められることだった。
「ああああーっ! あああはっふぅっ……あっ、ああぁっひぃっああああぁー! やっあぁっ、あんっ、ふぁっ、ん……はあんっ!あああっ、ああぁっ、ああっ、あっ、ひぁんっひああああっ!? あぁっ、あんっ、ひぃあっ! あっ、ああああーっ!」
とんでもない性欲があり全力でぶつかってこられて、激しく乱暴に腰を動かす獣に襲われて、冬馬は嬉しくて嬌声を上げた。
「あぁんっあぁっ……そ、そんな、あんっあっ、あっ、はぁんっ……ひゃっ、あぁっああっ……あひぃっ! あっあんっ……ぁんっ、はぁっ……ああんっあっ……あぁん……、やらぁ……は、ぁ……ああんぁ……あぁっあぁっ、やぁああんっあっ、やらぁっ……んっ、あっふぅっやっ……、そこは、やらぁ、んっ、はぁっ……」
「うおおおおっ……おおおおおっ」
「あぁんっ! あっ……はぁっ、はぁっ……あぁぅっ! やっ、あんっあんっあぁんっああぁあっ、あっふぅっ、あっあっ……ああーっ! やっらぁっ! あっはぁっ……んぁっ……はぁっはぁっ……あっぁあっ、んっひゃぁっ……」
ただ肌をぶつけ合うだけの時間、言葉は一切必要なくて、二人は体だけ求めた。
「ああああぁーっ! あっ、あっ、あんっ、あんっぁあんっ!! ひゃああっ! あぁっ、あっあっ……はぁんっ、ぁあんっ」
とてつもなく激しいセックスは、明けない夜の始まりだった。
外は暗くなっているけれど、明かりはランタンのみ、もちろん相手の顔は見えないように気を使った明るさだ。
 せっかく襲って貰うのに、相手が誰か分かったら面白くないというだけのことで、相手が知りたかったわけではなかったが、思いの外明るかったので相手の顔は見えてしまったが知らない人ということだけが分かり、それはそれで興奮したものだ。
「ああぁっんっはぁっ……あっあんっあんっひあぁっあんっはげしっ……あっああっあっあんっあんっあひっあっやっああっああっ……あっあひっい゛っあっあんっあっあんあんああっああんっひっああっいっちゃうっ……あぁっいいっひっああんっ! あっああぁあっあひっあんっああーっ」
あっという間に男のペニスで追い上げられて、冬馬は絶頂をした。
 精液を吐き出している間も男は腰を止めることはなく、遠慮なく攻め立ててくる。
「やっあっあっあぅん……あぁふぁっはぁっもっやらぁ……ぁあ、んっ、やっ……、あぁんっあっああぁんっ! んっ、んぁっあぁっおちんぽっ……あっあぁああっあ゛ひっ、いっあっあんっらめっ、あっあんっあんっひああぁっい゛ぃっあっそこっだめっ……あっあうっひああっあ゛ひっあっらめっああああんっ」
その激しさに冬馬の性欲が更に解放された。
 淫乱でどうしようもないほどセックスが大好きだった頃、相手は誰でもよかった時くらいにペニスだけを求めた頃を思い出した。
 結経大きなペニスなら誰でもよくて、今もそれは変わらないままだったようだ。
「あああっひあっらめっ……あっああぁっああんっ! あひっあんっあっあっあっあんっああんっいいっ、きもちいっ、いいっ……あっい゛っあひぃっあああぁーっ……! あひっ、あ゛っひああっ……あっあんっあんっ」
男の激しさは、正に飢えているとしか思えないほど強く、強引で自分よがりな腰の振り方は、恐らく妄想を膨らませ続けた結果の爆発だろう。
「ひあっあっあんっあんっらめっ……あっあっああっあひっらめっ、あっあっあんっああぁんっ、あんっ、ああぁあんっあっああっやあぁっ……あ゛っああっ……あ゛ひっああっ、やっらめっ、あんっあ゛ああっ……ひっ、あ゛っ、らめっ……あ゛っうぁあっ、おちんぽっおおきすぎっ…あっああっ……ふあんっああっ!」
男のことを考えるけれど、村で見た覚えがない。
 噂で何処の誰というのは知りたくなくても知れるから、この男が住んでいたなら知っているはずである。けれどそれを知らないということは、この男は村外れに住んでいるという変人の陶芸家だろうと当たりは付いた。
「ああっあんっあんっあぁあっやっ、ああぁああああぁーっ、やぁっ、ひっ、ふぁっ、あんっあんっ、ぁんっ! やぁんっ、いぃっはぁっ、あっふぅっあんっひ、はぁ、あっ、ああんっ! あぁっ、あ、あぁっ……」
村外れの山はこの小屋の少し離れたところの山の中にある作業場兼家になるアトリエを持つ陶芸家。噂では大した物を作っていないと言われているが、その人は県展に作品を出せば賞を取り、都会では人気の作家で時折作品を売るために展覧会も開かれていると聞いた。
 名前は興味がなくて調べなかったが、もしこの男がそうだとすると、それはそれで冬馬には好都合だった。
「おちんぽいい……あぁんっあっあっ……や、らめぇっ……おま○こ壊れるっはぁんっあぁあっ……あっぁんっあっあぁっ……んんっ、らめぇっあっあんっひあぁああーっ……! あひっ……あ゛っあぁあっ……はぁっいいぁあああ゛ああぁんっ! あぁっ、あっあんっあんっいいっいいっ! はぁっあんっあぁああんっ……」
とうとう男も性欲を爆発させて射精をしてきたが、その精液はアナルから溢れるほど吐き出され、淫らな音を立てて床に飛び散った。
「ん――っ! あ゛あああぁっあひっあひぃっ! あっあんっあんっあぁあんっ!! はぁああああぁんっ! やぁっもっやらっあっあんっはぁあっふぁああっ……らめっあーっ……あふっあっんんっ……はぁんっ! あああっやっ、あっあんっあんっあんっ」
それでも男の腰は止まらず、勃起もすぐにまたしてしまい、大きな体の男は簡単に冬馬を抱え上げたままで挿入を繰り返す。
「あひっあっあんっ、んっふああっいいっ、あぁんっんっあっあっあっあんっあっいっちゃうっ、あんっあひっあ゛っいっああっあっやっ、やめっぁっはぁっ、あぁ……」
後ろから抱え上げられたままで足を開かれて持たれ、下から突き上げられて冬馬は自らの乳首を自分で弄りながらその衝撃と与えられる快楽に身を委ねた。
「ああっ! んっあっはぁっあぁっ、んっ、あ゛ひっあひっあんっあんっあんっふ、ぅ……ん、ん、んっんっん゛っんんっ……んっふ、んっんっんん……ふぁっ、はあっ、あっはぁっんあっあぁんっあひっあっらめ、んっああっ」
こんなセックスができるなら、一生ここで暮らしてもいい。
 けれどきっとそれは叶わない。
 だからこそ冬馬はただこの環境を楽しむことにした。
「やっあっあっああっあひっあひっやっああぁっもっらめっ……ああっあああんっ! あ゛あ゛ああっ! い゛っ……あっ、ああっあ゛っあんっきもちい、あんっ舐めながらおちんぽでゴリゴリ気持ちいいっあっひあぁんっ」
遠慮をしないセックスで、お互いに求め合い、ただ体を合わせるだけ。言葉は必要ではなく、体が反応するままに態度でお互いを知る。
 きっと一回で終わるものではないことを冬馬は悟った。
「あっいいっ……きもちっいいのっひっあっあっあ゛あああっあひっい゛いっあっあっあっあんっ!あひっらめっあ゛っあんっあんっあんっあっひっあああんっあ゛っひっらめぇっ……あっあんあんあんあんあんっ!」
「うおおお、おおおおっ」
「あんっあんっあんっ! あ゛ひっんっあぁああーっああぁっ……、んっあっあっ、あうっ……あ゛ひっあひっんっあっあんっんっやぁっんっあ゛はっうあっんんっ好き、きもちい、ふぁっ……ひぁっあっあ゛っいいっ……あぁんっ」
 男のペニスがまた膨らんで射精をするのだろうと分かった。
「あっすきっいっあんっあっ、すき、い゛っあああっあっんっんんっ種付けっ中出しっああんあぁああ、おま○こされて、精液中出しでイカされるっ……ん、はぁ、ひっあっはあん」
二人は同時に絶頂をした。

 その後も暗い時間、ずっとセックスに興じ、小屋の中だけではなく、雨の降る外に出て体に付いた汗や精液を洗い流すために青姦をして、雨に打たれながらでも二人は繋がったままで獣のようにもつれ合った。
「あ゛っあ゛っうあっあ゛ーっだめっ、おちんぽっいいっあ゛っんっひああっあ゛あぁっ……んっあっい゛っ……あっうぁっあんっあんっあんっあんっあああっ……」
山には大雨で雨音しかしないことをいいことに、嬌声を上げても誰の耳にも入らない。だから遠慮なく冬馬は嬌声を上げた。
「あ゛っあっんあっあっあんっあぁあんっあ゛あああっ……あひっあ゛っあああっあんあんあんあんあんっあ゛ーっ……あっんっあっあひっあんっあんっあぁんっ」
足りなかった分を犯して貰い、明るくなるまでセックスに興じた。
 そしてそれは冬馬が気絶するまで続けられた。


 朝になって冬馬が目を覚ました時には、男は既にいなくなっていた。
 これで終わってしまうのだろうかと冬馬は憂鬱になりながらも、小屋通いを辞められなかった。
 性欲は強まってしまい、オナニーで抜かないとどうしようもないほどで、冬馬は毎週卓也が家に居る時間は小屋に居着くようになった。
 卓也は冬馬が機嫌がいいことを、仕事が順調だからと思っているようで、セックスレスでも気にせずに、一人週末のサッカー実況や長時間のゲームを楽しんでいる。
 卓也の母親も冬馬が仕事の合間に家の事をきっちりとやってしまうので、もう文句も言えないでいるうちに病気になって簡単にこの世を去ってしまった。
 卓也は母親が亡くなったことは一瞬の悲しみで終わり、これでうるさく言う人はいなくなったと気楽だと言い、冬馬が干渉しないことをいいことに一人暮らしのような時間を楽しんでいる。
 そして冬馬もそれをいいことに、週末の三日間は小屋の方に泊まり、男との密会を続けていた。
男は冬馬が小屋に泊まった時の夜だけやってきて、冬馬を好きに犯す。
「ひあっ……、あ゛っん゛っあっおちんぽらめぇっ……あ゛っあんっあぁんっん゛あっあっ、あんっあんっ、あんっ……おちんぽっ、すごいっ……あ゛っ、んあああああっ!!」
その性欲はいつも貯めているのか、冬馬を使って発散しているようだったが、それは冬馬も同じなので目的のために二人は性欲をぶつけ合った。
「あぁあんっ……らめぇっおちんぽっ気持ちよすぎてっ、おま○こ馬鹿になっちゃう……ひあっ、あ゛っ、あっ、あぁんっああんぁんっ……や、おち○ぽ、きもちぃ、はぁっんんっひゃっあんっ強いっ……らめっ、あっ、あっ、あんっ」
お互いに強い性欲を三日間もぶつければ、さすがに疲れるので冬馬は家に帰るし、男も仕事に没頭しているのだろう。けれど週末になると体が疼くのは同じなようで、小屋に来る冬馬を必ず犯しに来るのだ。
「あぁっくるっ、あああっぁあっ、ぁんっいっちゃうっ……ぁっんっやぁあっおち○ぽ、いい……あっ、おま○ここするの、きもちいい、んっあああいくいくっああああああっ」
「うおおおおおっ!!」
 男とは一生言葉を交わすことはなかった。
 冬馬は性欲が収まるまで小屋に通ったし、男も夜に明かりが付いている小屋を見れば通ってきた。
 それだけの関係で、それだけのことだった。
 あそこは秘密の小屋。そういうことをするだけの小屋なのだ。

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