164-神をあおげ
1
周藤計(すどう けい)が子供の頃、神様はいるのだと知った。
神社に行くと、皆神殿に神はいると思っていたけれど、意地悪な子が言う。
「誰もいないし、あるのは木で作った小さい家だけだよ。あとは紙が置いてあるだけ。文字は読めないけど、何にもならない紙だよ」
それを持ち出して捨てたと平然と言う悪戯っ子たちに、計は正直、何故平気なのか理解ができなかった。
子供心に神様がどんな姿をしているのか、誰も知らないのにその神に対して何かをして、どうして大丈夫だと言えるのだろうか。
そういう漠然とした恐怖があった。
一ヶ月後、その子が死んだ。
交通事故で車に閉じ込められて逃げられず、焼け死んだと聞いた。
「なんかね、あの神様のところから盗んだ紙、燃やしたんだって」
女子たちがそんな噂をしていて、計は「ああ、そうかやっぱいるんだ」という認識ができた。
けれど、計にはある疑問が常に付きまとっていた。
神様がいるというのなら、今計に見えているものはなんだと言うのか。
計には物心が付いた時から、ずっと見えているモノがある。
それを母親に言った時、母親は恐ろしい顔をしてから具合も悪くないのに計を病院に連れて行った。
医者が計に色々聞いてくるのだけれど、計は「ああ、言ってはいけないことだったのか」ということだけ理解した。そしてあれは驚かせようとしただけだと嘘を吐いた。
母親はそれからは普通になった。
計はこれはきっと誰にも言ってはいけないんだと理解して成長をした。
そんな中、小学生の時の悪戯っ子が死んだ。
それが神様絡みだったために、計はふとこれもそういうものなのではないかという期待をした。
けれど、計に見えているものは何もしなかった。
いるだけ。
そしてその形状は美しいとは言えなかった。
でっぷりとした豚のような身体は膨れあがり丸く太っている。大きさは最初こそ小さかったけれど、だんだんと育って車ほどの大きさになっている。
顔はなかった。
物心ついた時からそれがいるため、計は怖いとは思ったこともない。
ただ、これが他人には見えていないこと、これは何もしないこと、そして何のためにいるのかが分からなかった。
そのため計は沢山の医学書を読んだ。子供には理解できないことでも必死で意味を調べて自分の脳みそに原因があって、幻覚を見ているのではないかという結論に達した。
しかし、見える以外に害はなかったので、計はその存在を目の端に置いておくに止めていた。
中学生になった時、その異変は訪れた。
計は野球部に入ったのだが、連日のシゴキの上、上級生からの執拗ないじめを受けた。
服を隠され、靴も捨てられ、とうとう計はその身体を狙われた。
女みたいな顔をしているから、男でもいけるだろうというのが上級生の言い分だったと思う。
その時になって計は、本気で助けを求めた。
何に対してではなく、そこに見えたいつものあいつにだ。
それは初めて「あー」という音を発した。
すると大きな地震が起きた。
部室にいた全員が慌てて部室から飛び出ていく。
計は部室のドアがロッカーで塞がってしまい外に出られなかった。
だが、出ないでいることが正解だった。
外からぎゃーっと悲鳴が起きて、轟音が鳴り響く。
計を犯そうとしていた上級生が、全員、地震で倒れた鉄柱の下敷きになって死んだ。
「……」
その惨劇を部室から眺めていた計であるが、この時はまだ自分のせいだとは思わなかった。
部活はその後、部員のほとんどが死んだけれど、意地悪なシゴキをする先輩がいなくなったことで皮肉にも平和になった。
けれど計はその事件のことがあり、部活は辞めてしまった。
その後、何事もなく過ごすのだが、高校に入学をした時にまた計はいじめにあった。
所謂カツアゲで金銭を奪われてしまい、昼食用のお金が毎回奪われた。
成長期の昼食抜きは、本当に危険だった。
ある日、同じようにお金を取られそうになった。
この時、計は抵抗を初めてした。
「触るな……」
そう言った気がする。
そして目の端にいた塊が、「あー」と言った。
その後に、目を疑う出来事が起きた。
いじめっ子たちが全員吹き飛ぶように廊下の端まで飛び、そこにあった窓を突き破って次々に三階の高さから落ちていき、地面に叩き付けられた。
計の周りには人がいなかったため、計が突き飛ばしたわけでもないことは証明はできなかった。
腰を抜かして座り込んでいる計だったが、現場からは三十メートルも離れていたため、第1発見者として教師に見つかった。
「どうしてああなったんだ?」
そう聞かれて計は正直に答えた。
「……勝手に落ちていった……」
それはその通りで計は何もしていない。
そして計一人では自分より大きくて重い彼ら抱えて外に放り投げるどころか、ガラスを割ることすら出来もしないことだけが証明された。
外から騒ぎを見ていた人は、計の姿を見た人はいなかったし、全員がほぼ同時に落ちたことを証明したため、彼らが廊下を走ってやってきて止まりきれずに窓に突っ込み落ちたというのが事故の原因とされた。
しかし計は知っていた。
あの塊は、計が助けを求めて抵抗をすると、どういうわけか助けてくれるということだ。
それも助けるときは相手を殺すまでやめない。
計はそれに守られているのか、それともたまたま見えていただけで、向こうからは認識されているかどうかも分からないと悩んだ。
結局、高校は転校して別の高校に入ると、そのまま大学まで進んだ。
塊はその後沈黙を守ったまま、計の目の端に常にいて、計はそれを刺激しないようにして行動を慎重にした。
なので、計は慎重で真面目でちょっとした悪戯もしない人という認識だったが、計の過去に関わった人は、計のことを不気味な少年だと言っている。
二度も計は自分を虐めていた人が死ぬ現場に遭遇しており、計が殺したのではないけれど、計には何か呪い返しのような何かがあり、いじめたり気に入らないことをすると、殺されるとさえ噂された。
「……その方がいいかもしれない」
噂が本当か嘘かなんてどうでもいい。
計に近づいた誰かが死ぬというのは計も気味が悪いと思っている。
大学に入ると、計はただ学校と家を往復した。
家では父親と母親が毎日喧嘩をしている。
父親が不倫をして、母親がそれをずっと妬んでいて喧嘩に発展する。
父親はだんだんと帰ってこなくなったけれど、計は苛立つ母親によって嫌みを沢山言われて、さらには変なモノが見えていたという過去、たった一回だけあった塊が見える話をほじくり返されて気味が悪いと言われ続けた。
そして父親が離婚届を送ってきた日に、母親は計にその塊で父親を殺してこいとナイフで刺されかけた。
計は、母親を殺させたくなかったので必死で逃げ、マンションの階段を降りて逃げている途中で母親が階段で転び、手すりを乗り越えて五階から地面に落ちて行った。
それは近所の人が見ており、母親が勝手に転んで落ちたことを証言してくれるほどに、計には関係がないくらいの事件だったが、計には見えた。
母親の足を塊が普段は短い手を伸ばして掴み、その勢いで手すりの外に投げたのだ。
計はそんな現場を見て、動けなくなるも警察にすぐに保護された。
その事件はすぐに事故であるとされ、計は父親に引き取られることになり、すぐに引っ越した。
計は、もう自分を常に助けてくれていたのは、あの塊であることをはっきりと認識した。
「ああ……そういうことなんだ」
全部自分が殺していたのだと計は知り、けれど塊に感謝こそすれ、憎しみも怖さも感じなかった。
ただ、塊にとって計は何なのか、どうしてずっと動かずにそこにいていざというときだけ計を助けるのか、それだけがまだ謎だった。
計は大学を編入という形で父親が住む田舎の大学に通い始めた。
平和な田舎の大学は平和そのものだった。
計は誰にも関わらずに時間を過ごした。
父親の田舎はさらに奥深くにある寂れた村であるが、昨今は少し都会の手前の村に全員が移り住んで廃村になったという。
それを祖母に聞いた時、塊が身動きをした。
塊が動いたのは母親を殺した時以来のことだった。
何かあるのだろうかと気になり、計は大学で村について調べた。
すると村に関する資料と研究論文が幾つか残っていた。
いわゆる氏神という土地に由来したものの資料が多くあり、それを計は全て読み込んだ。
村には、氏神様が存在し、それが石の塊だとされた。
塊の名はすでに失われているようで、村の祭事に詳しい人に聞いても分からないというほど、古い時代から祭っていたという。
その氏神様は、五十年前に雷が落ちたことにより、ご神体が破壊され、意味をなさないとされた。
村人はそれを知り、一斉に村外に引っ越しを始める。
たった二十年で五つの家族を残して全員が引っ越し、五年前には残っていた村民が相次いで死に、廃村となった。
氏神は、塊様と呼ばれ、特段何かあるわけもなかった。
ただ村民は中に魂が入っているのが分かるほど、ご神体は息をしていたと言う。
触ると音が鳴り、それが心音に聞こえるのだという。
その塊様が割れた時の村民の話がある。
『あの日は晴れた日だったのに、雲もないのにいきなり雷が落ちた。皆慌てて神社に行くと、ご神体が割れていた。中を確認したところ、神がいなくなっていると神主が言い出した。それはもちろん村民なら誰にでも分かることだった。何故って、分かるからだよ。生まれた時からあの音を聞いてきたんだ。それが聞こえないなんておかしなことだからね』
どういう理屈で音が反響していたのかは、岩を調べても結局分からなかったらしい。地面から響いているという話もあったが、そこを調べても何もなかったという。
村民が移住を始めたのには、一部の信者が厄災を恐れて怖がって逃げたことで、それが周りに恐怖を与えてしまい、どんどん人が出て行っただけだという。
つまり意味はないらしい。
そう思って何気なく、計はそれを祖母に聞いた。
「塊様って何?」
そう聞くと、祖母は何かに取り付かれたように話し始めた。
「塊様は、荒神様だから。封印をしておかないといけなかったのに、私は、あの日じいさんと二人で面白がって、塊様の注連縄を外してしまった」
祖母は少しぼけていて、突拍子もない話をすることがあるのが、それが今日は思い出したように昔話になった。
注連縄を外したのは、祖母が気味が悪い声が聞こえたと言ったせいだった。それを祖父が大丈夫だこんなものと言いながら注連縄を外してみたところ、雷が落ちた。
二人は音と打撃音に驚いてそのまま社に逃げた。
雷が落ちたなら外にいる方が危険だと判断したからだった。
やがて村人が集まったのに合わせて、遠巻きに様子を見たらご神体が割れていたのに気付いて、慌てて二人で逃げ帰り、村から引っ越したのだという。
東京に出て計の父親を産んだ後、急に村に戻りたくなって祖母は父を連れて戻ったけれど、祖父は戻らないと言って出ていったらしい。
その後、祖父はヤクザに刺されて死んだ。
祖母と一緒に貯めたお金の入った貯金通帳を持って出ていってしまっていたけれど、死んだ後に祖母に警察から返して貰った。
計の父親はここから大学に通い、その時に母親と出会い村を出た。
そして計が生まれてしばらくすると、母親がおかしくなっていき、父親は不倫をし、離婚に至った。
計を置いて行ったのは、母親に養育実績があり、裁判で負けたのだという。
しかしそのせいで計は母親に殺されかけたのだから、結果は裁判所の間違いだった。
けれど、祖母の話を聞いていて計は気付いてしまった。
どの人もそうなのだが、塊様は明らかに邪魔な方を殺しているという事実に。
2
何にとって邪魔なのか。
そう塊様にとっての邪魔。それだけだ。
塊様には目的があって、そのために計の周りの人を助けている。
では、塊様の目的は何なのか。
計はその夜、塊様に向かって話しかけた。
「何が目的? 僕の祖父さんが注連縄を駄目にしたから怒ってる?」
そう聞いても塊様は反応がない。
「じゃあ、村に戻りたい?」
祭られていた村はもうないけれど、戻りたいのだろうかと思って聞いたが反応はなかった。
では、塊様にとって何が利益なのか。
計は色々と調べてみたけれどやはり分からなかった。
結局、計は塊様が見えることを祖母には言わないまま、祖母は肺炎で死んだ。
葬式を全て済んだあと、父親は不倫相手だった女性と結婚、計は村に置いて行かれた。
計に何の相談もなかったけれど、家や祖母の遺産は計に残してくれたので、計は父親を追わなかった。
けれど、それからたった一ヶ月で父親が会社のビルから落ちて死んだ。
建築士だった父親は、屋上で解体をするビルの点検作業をしている最中に突風に煽られたのだという。
その父親が死んだという日に、計は塊様が「あー」と言うのを聞いていた。
唐突にそう言い出した塊様に驚き、自分の身の回りを気をつけていたが、まさか出て行った父親だとは思わなかったのだ。
しかし父親は祖母の遺産が遺言ですべて計に残されていたのに、勝手に遺言状を捨て、遺産の半分をせしめていたことが分かった。
遺品の中から祖母の遺言状が出てきたのだ。
父親もまた塊様の邪魔をするものとされたのだ。
計はもうこれは自分が人と関わってはいけないのだと理解した。
大学は何とか卒業をして、計は廃村になった村に戻った。
塊様にとって、ここが故郷で、もしかして戻りたいのだろうかと思ったのだ。
幸い廃村とはいえ、代々伝わった周藤家の敷地は計の財産である。
ぎりぎりに祖父母が住んでいた家を修復しながら暮らし、計は自給自足に近い生活を送り始めた。
幸い、電話線などはつい数年前まで人が住んでいたので通っていたため、そこから引いてネットも繋げられた。
Webデザイナーをしながら細々とお金を稼いで、一人でなんとか暮らせた。
塊様はそれから一年以上何も言わなかったので、何も起こっていないだろうと思った。
それから計が二十四歳の時、村から出るように前村長が尋ねてきた。
「老朽化が進んでいてな。道路も封鎖されるかもしれない。君一人のために道路の維持はもったいないと思わないかい?」
村への唯一の道路があるのだが、その修復に隣村のお金が使われるのが嫌だったようで、村議会で計に出て行って貰うように話し合うことにしたらしい。
計は焦った。
出て行くことが正解なのだろうが、塊様が何と言うかだ。
「一日、考えさせて……ください」
そう計が塊様の意思を聞こうと穏便にしようとした瞬間だった。
「あー」
と後ろにいる塊様が言った。
珍しく目の前にいないと思っていたが、後ろに回り込まれたのは初めてだった。
「え、なんだって?」
そう元村長が言うので、計は驚いた。
「あの、聞こえたんですか?」
計がそう言うと、元村長が言う。
「なんか気の抜けた声でしょ? 他に誰か住んでいるの? ほら……なんか横切ったみたいだし」
そう元村長が言い、計はこの人には見えているのだと気付いた。
思わず計が振り返ると、塊様が居ない。
ずっと目の端にいたはずの塊様が消えている。
「……いない……です。たぶん、ネコかと……」
生まれて初めて目の前から塊様が消えた事実に計は動揺した。
これは何が起こっているのか理解できず、計が驚いている間に元村長は。
「できれば、すぐに出て行って欲しいんだよね。頼むよ、村に住居もあるみたいだし、すぐ引っ越せるでしょ?」
そう言って帰って行った。
計はその日、塊様を一度も見ないまま暮らした。
どうして急に消えたのか理解できず、計は朝目を覚ますと、いつもの視界に塊様が居るのに気付いた。
けれど塊様の様相が変わっていた。
車ほどの大きさだった塊様は、顔を蛇のように長くしていて、四つん這いになっている。今までは本当に岩のように足もなかったはずだった。
微妙に成長をしている気がして、一日で塊様が何かの目的で動いたことだけは分かった。
それから一週間後、何の変化もなく計は隣の村に行った。
調味料や米はさすがに自給自足とはいかず、買いに出るしかなかったからだ。
すると村は黒と白の様相をしていた。
村の入り口には葬儀場への案内。
それだけならばまだ普通であるが、その葬儀場への案内の看板には五人ほどの名前が書かれているのだ。
苗字も違うから同じ日にこれだけの人が死んだということだ。
しかも家庭ではなく、合同葬儀と書いているので何かあったのだろう。
その瞬間、塊様がまた言った。
「あー」
それが何を意味するのか分からず、計はそのまま買い物だけをした。
スーパーでは店員以外は客はおらず、店のレジ二人が話している。
「なんか村議会も五人も一緒に亡くなるなんて思わなかったよね」
「でも車の事故でしょ? 五人一緒に乗ってて近くの温泉宿で会食だっけ? その帰り道でしょ?」
「なんか、運転手がうちの親戚なんだけど、黒い塊があってそれを避けたらダンプカーが突っ込んできたとか言ってて、ダンプカーも黒い大きな塊が見えて避けたらバスが突っ込んできたとか言い合ってるらしいよ」
「えーなにそれ。なんか、塊様みたいじゃん、ほら高校の時に自転車で肝試し行ったじゃん」
「ああ、あれね。塊様って隣村の岩の神様でしょ? でも、あれ割れてからご神体じゃないとか言っていたよね?」
「案外、抜け出せたやったーっとか神様思ってそう。だってあそこ何もないところじゃん」
そう話しているのを聞きながら計は買い物を済ませた。
どうやら心霊スポットになるくらいには塊様も有名ではあるようだった。
論文ばかり調べたせいで、都市伝説レベルの話を調べてこなかったなと計は気付いた。
そして塊様は封印されていただけだという、根本的な問題にも気付いた。
もしかしなくても、今が自由であり、塊様にとっては順調なのかもしれない。
そうしてスーパーから出ると、目の前の道を大きな音を鳴らして消防車が二台走っていった。
風が吹いたら煙の匂いがして、計は匂いの先を見た。
すると大きな火柱が上がっているのが見え、大きなドンと言う音が鳴った。
「ええーなに、どこ?」
「あっち」
レジをしていた店員が出てきて同じように火事の現場を見ている。
「あそこって葬祭センターがあるところじゃない?」
「え、じゃあ、今日の葬式の場所? マジ?」
「爆発してる……何があったんだろう」
計はそれで気付いた。
村議会が計の邪魔をした。
すでに五人が亡くなっていて、残りの村議会の人も葬式には出ているはずだ。
まさか一掃したのか。
計は目の前の塊様を見た。
塊様は形をさらに変えていて、短い足が六本、腕が前に二本、背中から四本、首が伸びてとうとう顔ができていた。
顔は能面の翁のように少し微笑んでいるのが不気味に見えた。
塊様が顔すら持ったということは、殺した数が多ければ塊様は形を変えるだけの力を持ち、一声泣くだけで災いを持ってくるということだ。
計は焦った。
この化け物をどうやって押さえ込んだらいいのか。
何かに封じ込めて、過去に村がやってきた通りに荒神として収めるしかないのか。
けれどその方法は失われていて、もう二度と復活もできないだろう。
計は急いで車に乗った。
すると視界の塊様が視界から出て後ろに回っているのに気付く。
そしてその塊の半分以上が車から透けて出ていて、乗っているのが顔くらいになっていた。
殺しすぎたのだ。
あの火事できっと十人以上が死んでいるだろう。
それが何となく察せられてしまい、計は急いで隣村を出た。
3
家に帰り着いた計は、ネットで隣村の惨劇を知る。
葬祭場で使っていた蝋燭が引火してのストーブ数台が爆発、その場にいた村人二十人が即死したというニュースだった。
計はあまりのことに胃の中のモノを吐き出してから、塊様に向かって叫んだ。
「あんた、一体どうしたいんだ! なんで人を殺すんだ! 僕を守っているわけじゃないんだろ! 何なんだよ!」
そう計が一気に怒鳴ると、塊様の顔がすーっと計の前に来る。
塊様がこういう意思表示をしたのは始めてで、計は目を見開いた。
『お前の一族は、我の封印を解いたもの……代々、その血に流れ、その血に憑く』
塊様が喋った。
どうやら今まで意思表示もしなかったのは、塊様の形がしっかりしていなかったからだ。口がなければ喋れない。耳がなければ聞こえない。
けれど「あー」と時々言っていたのは喋っていたわけではなかったようだ。
塊様の頭の上に鈴のようなモノがある。あれが揺れて「あー」と言っている。
あれが声の正体であり、あれが力が発動する時に動いていたのだ。
「ま、待て、何して……それが鳴ると、人が死んで……」
あーっと言う言葉が幾つか鳴っているのは、火事でぎりぎり助けられた人が死んでいるのだ。
それが鳴る度に塊様は大きくなり、腕どころか触手のようなものまで生えてきている。
もはや塊ではなく、不気味な醜いモンスターである。
『我の形を成す、人の命よ……我は完成する……』
最後にまた「あー」となると、塊様が変化をする。
視界から出て行くのが計には分かり、それが家の庭にある岩を潰して立つ。
まるでドラゴンのように羽が生え、ドラゴンのような外見になった。
しかし、腕は人の腕の形で六本あり、身体はまだ重そうにしているが人間の足の形ででちゃんと自立をしている。
顔は翁のままで胴体もでかく、飛べそうには見えないが、たぶんそういう概念で飛ぶわけでもないのだろう。
その翁の顔の周りには触手が沢山生えていてチロチロと蠢いている。
それが一気に延びたかと思うと、計に絡みついてきて身体ごと引き摺っていく。
「や、やめろっうわっ!」
塊様から何かされたことがなかったので、計の反応が後れるも、塊様は計を引き寄せて六本ある腕で計を掴むと、着ていた服を一気に切り裂いてきた。
ボロ切れのように服が切り裂かれ、前が全て全裸になる。
「な、何をっ……っ」
計がそう叫ぶと塊様が言った。
『我の……番よ。我のために生まれ、我のために捧げられた子よ。我と一つになる』
そう塊様が言った。
計はそれでやっと塊様が計の貞操概念に対して厳しい意味を知る。
最初から番である計は、生まれた時から塊様のための存在だったのだ。
祖母が犯した罪の代償に父親が生まれた。
幸いなのは、男子家系だったことか。
女であったなら塊様の子を産むことになっていただろう。
計はそれで聞き返した。
「僕がお前の番として、抱かれてやれば、お前は他に害を成さないのか?」
『否、我の邪魔をするものは血肉とする。お前の一族はお前を産み届けるために生かして置いただけのこと……』
計はそれを聞いて絶望する。
塊様はずっと自分の番を守っていただけだ。そして環境を整えて邪魔なモノを食って成長をした。
奇妙な塊なのに、人の形も半分持っているのは、本質は塊寄りであるが、人に成り掛かっているのではないだろうか。
そのうち人の形をして、堂々と世間を歩くことすらあるのかもしれない。
人の流れにすらない命なのに、人間と番というのはたぶん茶番だろうと計は思った。
きっと計が死ねば次の番に取り付いて同じ事をしていくのだろう。
だから封じられていたのだ。
それを計の祖父母が封印を解いた挙げ句、その場でたぶんセックスをしていたのだろう。そしてそこを塊様に付け入られてしまい、父親が生まれた時に塊様の形を作ったのだろう。しかし父親は見える体質ではなかったので、見ずに済んで、やがて計が生まれた。塊様は血筋に憑いたから、計に取り憑いた。そうやって依り代を変えていたのだ。
「ぁっ……んひぃっふ、ぁんっ」
塊様はさらに形を変えて、計を逃がさないように押さえながらも、身体の形を溶かして周囲を覆い、特別な空間を作る。
「ぅあ、ぁっ、ちょっ、ま、ぁ……っ、あ、やぁ……っ」
塊様の触手や腕が計の様々な場所を触りまくり、ぬるぬるとした液体が塗りつけられていく。
その液体のせいで身体中を触手が擦り付けるように這い回り、人肌に触れてこなかった計はそれですらゾクリとするほど、奇妙な感覚が生まれる。
「ふぁ、ぁ、ゃ、だ……ぁっ、やめ、んんっ……ああっ」
股の周りから脇の下、首にもまとわりつき、様々なところを撫で回る。
まるで可愛がっているかのように、慈しむかのように優しい撫で方で、計は戸惑った。
今、自分は異形の化け物に犯されるという事態なのに、その塊様はずっと計と共に生きてきた唯一の味方だった。
「あぁあ、ぁ、あ……っあぅく、く、ぅ……っ、う、うぅ……っ」
触手はペニスに巻き付き、乳首もザラリとした瘤が沢山付いている触手の先で擦り付けられて、計は感じたこともない快楽に戸惑いながらも、甘い声が漏れた。
「あっぁっ、ぁん……んっ!? ふっ、んぅっ……!」
目の前には翁姿の顔があり、その口からは長い舌が出ている。
無理矢理人間のようなキスをするように口付けられて、その舌が計の口の中を舐め回してくる。
「ふぁっ……んっ、ん……んぁっ……んぁっ……ぁっ、ふっ……、んっ、んっ」
そうしてキスをしている間に触手の先の細い部分がアナルに入り込み、さらに数本が中を蠢いている。
こんなことをしても、計は男だ。
子供すら望めない行為に何の意味があるのか。
計は塊様が何をしたがっているのか分かるけれど、それに意味がないことも分かっただけに、本当にどうしたいのかが分からなかった。
「ひゃぁっ! あっ、あんっいぃっ、はぁっ、ぁっ……ぅんっ」
アナルの中の触手が増えてくるけれど、違和感はあるが痛みは感じなかった。
計は一応は塊様も計を壊す気はないのだと思った。
「あひ……ひ、あああっだめっんっあ……ぁ……ん……っ」
そうして喘いでいると、アナルに入っていた触手が出て行き、塊様の顔がアナルに近づく、そして長い舌がアナルに挿入り、ジュルジュルと音を立ててアナルを舐め始める。
「んぁ……っ、ぁん、やら、ぁ……っ、やめ、やめて、ああぁ、ひぁん、あぁ、ああぁ、や、あ……っ、んあ、やぁ……っひあ……あぃ、ん……あっあ、あぁぅ……ひぃあ、ぃい……っ」
足を塊様の腕で捕まれ大きく広げられて、股間には塊様の顔が張り付き、アナルに舌が入り込み、ペニスには頭付近にある触手が絡みついて扱いてくる。
「あぁん、ああ……っぁん、やぁ……っ、やめて……やめて……っ、あゃ、あ、ぁ、あっんひゃ、ひあぁあ……っぁふっ、ゃ、ぁ……っあ、あぁ」
乳首を瘤のついた触手で撫でるように擦られ続け、抵抗ができないように腕は後ろ手に触手で縛られてしまっている。
逃げることも抵抗することも封じられたうえに、塊様の身体の変化で異空間を作られて、その中で計は犯され続けるのだ。
「あぁ……っ、ぃ、いやあっ……はぁっ……もぉ……あぁ、はあぁっ……こ、こんな……っ、だめっん……あぅあ、あぁ、んあ、や、やめ……っ、ん、はぁ……ああっあっ! ぁひっ、ひんっ! ゃ、やぁっ、っあっ、あっ、い、ゃ……っ、やめ……ああんっああっあはぁ……っ、あぅ、んあ……ふああん……はぁっ……はぁ、あん……あぁ、やぁ……っ、あぁんっ……」
執拗にアナルを舐められ続け、計は嬌声を上げて喘ぎ続ける。
こんなことに意味があるとは思えないけれど、それでも塊様が計と繋がりたがっているのは確かだ。
ここまで丁寧に身体を開いて、傷を付けたり痛くしたりをしないということは、それなりに塊様にも感情があるということなのだろう。
「あぁはんっ! あっ……あゃん……っあんっああ……っぁ、ひぁ、はぁ……あぁん……ああん……んっ……ひゃぁああっ! あぁっ、あっあっ、ああ……っ、あ、あ、あ、あぁ……っ、あぁあっ……! んぁああっ! あぁっ、あっぁ、あっ」
今まで塊様に見られているというだけで、オナニーすらせずに生きてきた計には、行為の全てが初めてであり、こんなことを他の人がやっているのが信じられなかった。
「ああっ! ぁ、あ、あっ! あぁっ! あ……っやめて、っぁっあぅ、はぁんっ! ん、んぁ……っあ、お、おかひ、なるぅ……あっあぁっ、あ、ぁ、ぃ、いい、からぁ……っ、あぁ゛あぁあっ! ああぁあ……っ! あぁっ、ああぁっ! や、やらぁ……っ! らめぇえ……!」
やがて塊様の舌が出て行くと、塊様が呻いて首の中間辺りに人のようなペニスが生えた。それには瘤が沢山付いており、その瘤は触手の一部らしく瘤になったり、引っ込んだりとしている。
あんなものが挿入るわけもないと計が思ったけれど、塊様はそれを計のアナルに突き入れられるように身体を蠢かせる。
「ああ……っ、あっ、あっ、ひぅっ! あ……っ! あぁっあっあっやっ、やぁ……っ、ぁん、ぁ、ふぅ……っんあぁ、あぁ、あぁ、はっ、はぁっ……ひぁ……っ! あんっ! あっ、あぁあ――……っ!」
俯せにされて塊様に覆い被られて、塊様のペニスをアナルに突き入れられる。
神による性交が何の意味を持つのか分からず、計はそのまま塊様に犯された。
「あぅっ、ぁっあっあっあっ、やっ、おちんぽ……っあっ! あぁん……っ! あ、あぁああっ! あああっ! はぁっ、はぁっ、は、あぁああっ! あっあ、はふっ……ん、はぁあんん! んあ……っ、ああ……っあ゛ああぁんっ! あぁっ、あっあんっあんっいいっいいっ! はぁっあんっあぁああんっ……」
塊様のペニスを入れられたとたん、計は快楽を一気に浴びて心が歓喜した。
それは自分でも分からないほどに、生まれてきた中で感じた一番に嬉しいと思う瞬間だった。
さすがは腐っても荒神でも神である。
その神から与えられるものが苦痛であるわけもなかった。
「ん――っ! あ゛あああぁっあひっあひぃっ! あっあんっあんっあぁあんっ!! はぁああ……らめぇ……ぁんっあぁっ……ひあああぁんっ! やぁっもっやらっあっあんっはぁあっ」
計は塊様のペニスで嬌声を上げて喘いだ。
どうしよう、気持ちが良い、気持ちが良いと心が支配され、もうこの行為自体の意味を考える余裕すらなかった。
「ふぁああっ……らめっあーっ……あふっあっんんっ……あああっやっ、あっあんっあんっあんっあひっあっあんっ、んっふああっいいっ、あぁんっんっあっあっあっあんっあっいっちゃうっ、あんっあひっあ゛っいっああっあっああああ!!!」
塊様のペニスで絶頂をし、精液どころか透明な液をペニスから吹きだして計は身体を痙攣させるも、塊様の行為は止まらない。
「ひああっ! んっあっはぁっあぁっ、んっ、あ゛ひっあひっあんっあんっあんっふ、ぅ……ん、ん、んっんっん゛っんんっ……んっふ、んっんっんん……ふぁっ、はあっ、あっはぁっんあっあぁんっあひっあっらめ、んっああっ」
奥深くを抉り、大きなペニスで喜びを与えられて、計はもう幸せであった。
「やっあっあっああっあひっあひっやっああぁっもっらめっ……ああっあああんっ! あ゛あ゛ああっ! い゛っ……あっ、ああっあ゛っあんっきもちい、あんっおちんぽでゴリゴリ気持ちいいっあっひあぁんっ」
番という言葉に意味があるのなら、きっと相性の問題なのかもしれない。
中には父親のように見えず聞こえず、存在すら知らないまま育つ人だっていたのだ。計も見えなかったらきっとそうした人生を歩んでいたのかもしれない。
「あっいいっ……きもちっいいのっひっあっあっあ゛あああっあひっい゛いっあっあっあっあんっ! あひっらめっあ゛っあんっあんっあんっあっひっあああんっあ゛っひっらめぇっ……あっあんあんあんあんあんっ!」
計はそんな人生でなくてよかったと思った。
この気持ちよさはきっと一生味わうことが出来なかっただろう。
これを知ってしまったら、もう戻れない。
人として終わる。
けれど、計はそれでもいいからもっとしてほしかった。
「あんっあんっあんっ! あ゛ひっんっあぁああーっああぁっ……、んっあっあっあ゛ひっあひっんっあっあんっんっいいっんっあ゛はっうあっん好き、きもちい、ふぁっ……ひぁっあっあ゛っいいっ……あぁんっ」
塊様の舌が愛撫するように計の背中を撫で回している。
それすらも気持ちよく、計は絶頂をする。
吐き出される精液は触手が吸い取ってしまい、計のペニスには蓋をするように吸引器のような形の触手が張り付いて精液を搾り取ってくる。
「あぁあん……んんっ、ふぁっ、あん、ん……あぁっ……あ゛っらめぇっ……あっあんっあっぁあっ、んっひゃぁっ……あ゛っひっ、あぁっ、そんなっ、あんっあ゛ひっ……ぅあ、あっあぁんっ! あひっ、ぁあっ、あっあっあっ」
全身を舐め回されて擦られ、気持ちが良いところを執拗にされ、アナルには塊様のペニスが縦横無尽で出入りする。そんな状況でもう何時間しているのかも分からない空間で、計はひたすら犯され続ける。
「あひっ、あっぁっ、ふぁっ、あぁんっ! あぁんっいいっ、あんっあんっ、あっふぅっ、ひあぁっんっあぁっあぅっ、おち○ぽでおま○こゴリゴリされるの気持ちいいっ……あっあひっあ゛んっあっあっんっ!」
もうこのままでいい。
計はそう思った。
「ひっあっ、あんっいいっ、あぁっおま○こっ、おちんぽハメハメされてっあんっきもちいいっひああっんっ! あんっ!ぁあっ、あっ、あひぃっひあぁっあひっ、あ゛っ、おちんぽらめぇっ……おま○こ壊れるっあぁっあっ」
異形のモノにずっと犯され、おかしくなったとしても計はそれでいいと思う。
だって世間と繋がることは、その死を見ることになる。
塊様と共に生きるということは、そうした理不尽な死を見ていくということなのだ。
それを計はもう知りたくなかった。
「あんっ、あぁっ、はっいいっ、おちんぽいいよぉっ……あっひああぁっすごい……っ、おちんぽっおっきくて、びくびくして、きもちいいよぉっあ゛ああっいいっいい、おま○こきもちいいっ……あんっあんっあんっ、いくっあああっあああぁっ! あああぁっ、あんっあんっ、い゛いっあぁっいいっ気持ちいっ……ぁあ、はぁんっいいよぉっあんっあんっあんっ」
この空間でずっと塊様と一緒になっていたい。
計はそう願い、塊様もそれに答えるかのように、いつまでも計を犯し続ける。
「ああぁっすごいぃっ……ぁんっらめぇ、あっあんあんあんあんあんっあっん、んっんんあんっ! あっあんっあんっ、おち○ぽっいい、よすぎるっ……」
塊様のペニスはもう人の腕ほどの大きさになっているが、それでも計のアナルにしっかりと収まっている。そしてそれはさらにふくれる。
もう計も人の身体ではないのだろう。それを受け止めてもまだ平然と喘ぎ続けられた。
「ひああぁんっ! あっあんっあんっいいっあっああっあっああっ……いいっあっあっあんっんっああぁっあああっ! あひっあっあっあ゛っあ゛ああっひああっあっあっあんっ」
計はまた追い上げられて塊様のペニスで達する。
そしてまだ快楽が続く中、さらに犯されて連続で達する。
「ひああぁっ! あっあんっあんっあんっああんっあっらめっ……ひあっあっあっああぁんっ、おれ、おちんぽで、おま○こぐりぐりされてっああっきもちいっあんっあんっいいっ」
もう完全に狂っているように突き上げられるたびに計は絶頂をし続けた。
「あぁんっ……あぁっもっとしてぇっ、おちんぽハメハメいいよぉっ、ああっはああぁ……おち○ぽ、おっきぃ、ああんっあぁっまた、いっちゃう……っあっあっあんっあぁっいいっ……おま○こぐりぐりっいいっ……あっああっおま○こっ、おま○こぐりぐりいいっ、あひっあんあんあんあんっあぁあっ! あんっいくっあっあっいっちゃっ……ああぁーっ……!」
計は絶頂をしながらそのまま気を失った。
計が目を覚ましたのは二日後であった。
身体中にドロリとした液体を纏った状態で庭に倒れていた。
何とか起き上がってみると、ドロリとした液体はすーっと消えていく。
そして計が顔を上げると、自宅を覆い隠すように塊様がいる。
もう山と言っていいほどの大きさになっている塊様は、計の視界だけでは収まらず、現実に腰を据えたみたいだった。
計が視界を別の方向にしても塊様は映らない。
どういうことなのか分からないけれど、見上げていると「あー」と塊様が言っている。
どうやらこの周辺地域の死にそうな人から魂を先に吸い上げ、余分な寿命を頂いて大きくなっているらしい。
「これが見える人とかいるのか?」
計にははっきりと見えるけれど、他の人に見えたらきっとパニックである。
それでも計はその場所に住み続けることにした。
きっと塊様は付いてくる。どこまでも番として。
ならばここに沈めた方がいいと計は判断をした。
計の村への道は、特に相談もないまま修復されて崖も直されていた。
どうやら前回の村会議の人間が死んだことで、新しく議会の人間に選ばれた人たちは思いやりはあるらしい。
大きくなった塊様は、分身を計の側に置き、人型に近い塊様が毎夜計を犯しにやってくる。
どうやら、塊様は計の隣に立つために人型を作ろうとしているようだった。
けれどまだ上手くいっていなかったため、人型は大抵崩れて泥のようになりながら計を犯している。
「ああっんっいいっ……おま○こっ……ああんっらめっおかしくなる……ああんっああいいっきもちよすぎるっああんあぁあっああんっ……もっおかしくなっちゃうっ……、おま〇こ、馬鹿になっちゃうっあああっ……おちんぽっああっ……あっ、あああぁっ……らめっおちんぽハメるのはっ……おちんぽ……ああんっいいっいいっああああっ!」
計はそれに犯されながら、だんだんと人でなくなっていく。
その人型はだんだんと数が増えて、計は十体以上の塊様と交わり合うようになっていた。
「いいっああっ……ああんっ……んっあっあああっああっああっんっああっんあっあっあっああっ!」
そんな計は年を取らなくなり、村には誰も来ないことから、計のことは忘れられ、塊様の大きさが家を覆って山のようになってしまうと、人との世界と隔離された。
人には見えないことは計が望んだことだった。
外との繋がりも消えてしまったからか、計は人に対しての感情はなくなった。
「あー」
今日も塊様の鈴のようなモノが鳴っている。
村のどこかで人がまた死んでいる。
けれど人で無くなった計はその音に何の感情も沸かなくなっていた。
感想
favorite
いいね
ありがとうございます!
選択式
萌えた!
面白かった
好き!
良かった
楽しかった!
送信
メッセージは
文字まで、同一IPアドレスからの送信は一日
回まで
ありがとうございます!