139-無意味な時間



「あ……あれ? ない?」
 栗崎はいつも携帯を入れている胸元のポケットに手を伸ばす。
 ポケットには何も入っておらず、手は底まで探ってからジャケットのポケットやパンツのポケットまで探って見るも入っていなかった。
 駅の改札を抜けた時は携帯決済を使ったので確かに持っていたのだが、それがない。
「マジで? うわっ!」
 慌てて駅までの道を戻り、落ちていないかを探したが見つからなかった。
 仕方がないので駅の隣にある交番に紛失届を出す羽目になった。
「まあ、携帯決済の方はチャージした分は諦めるしかないかもね」
 警察官にそう言われて栗崎は落ち込んだ。
 携帯には認証キーをして使っているのは携帯に付いている簡単なキーのみだ。指紋も暗証番号も付けていなかった。そもそも落とすつもりさえなかったし、落とすわけないと高をくくっていたのが徒になった。
「あーあ、チャージした二万……消えてるよなあ」
 一応は携帯で使えるクレジットの方は止めて間に合ったようだが、携帯本体にチャージする形式のものは止めようがない。
 舐めていたと言っていい状態だったため、警察にもあまり同情はされなかった。それどころか、戻ってくる可能性すら低いと言われた。
 ちょうど携帯が最新機種に買い換えたばかりで、それが人気の品薄になっている携帯だったのだ。別にそれを選んだわけではなかったが、その時はその機種が一番マシだったのでそれを選んでしまった。
 それがさらに徒になるとは思いもしなかった。
 携帯も使用される可能性がある決済などは止めてもらったので、SIMカード経由で通話も使えないだろう。
 だから使えない携帯としてそのままゴミ箱に捨てられるか、本体を売られるかのどちらかくらいしかないらしい。
 戻ってくる方が稀だとも言われてしまい、絶望して栗崎は自宅に戻った。
 自宅に入ってすぐに部屋の隅にある電話の留守電が光っていることに気付いた。
 今日もくだらない電話か、無言ガチャ切りの何かの勧誘かと思って電話の留守電を聴きながら服を着替えた。
 すると三件はガチャ切りとされる電話だったが、さっき入った電話が男の声で入っていた。
『あのー、こちらの番号の携帯を拾いました。すみません、仕事に遅刻しそうで持ってそのまま仕事にでてしまって、それで、僕は芳村といいます。駅の奥の方の繁華街、○○ビルの四階○○っていうバーで働いています。あの、自宅と書いてある番号に電話させてもらいました。仕事が朝までなので、交番に行く余裕は明日の朝になります。それまでに必要でしたら、バーまで取りに来ても構いません。えーと栗崎さんですよね』
 そう言われて栗崎は電話に飛びついた。
 すると相手はバーの電話番号を教えてくれ、取りに来るなら電話をして欲しいと残してくれた。
「ああ、なんだ、そういうことか……てか、○○繁華街って駅の向こう側じゃん、歩いてちょっとだし、取りにいくか」
 時計を見ると午後十時過ぎだった。
 まだまだ時間はあるし、取りに行って戻ってくるだけでも今日中になんとかなりそうだった。
 とにかく電話をバーにかけて取りに行く旨を伝えた。
「よろしくお願いします」
『はーい、待ってまーす』
 明るい声で出た芳村は少しオネエ風な声で答えてきた。
 どうやらそういうバーのようで、後ろからはきゃーっと言う野太い声が聞こえてきていた。
「流行のオネエバーってやつか?」
 よく解らないまま住所をメモして電話番号も書いた後、パソコンで地図を調べてから出かけた。
 外はまだ暑く、熱気が溜まっている。
 初夏に入ってから雨が続いていたが、今日は晴れたせいで気温が上がっていた。背広も夏用になる前で、今日はほとんど脱いでいたなと思い出す。
 さすがに暑さはあっても半袖でもちょっと寒さが戻ってきた時間なので、栗崎は七分袖くらいの服を着ていた。
 身体は小さい方でジムにも通っているが、未だに筋肉は普通にしか付かないことが悔しいままである。少し小走りで駅まで行き、そこから地図を頼りに通りを歩いた。
 繁華街は今こそ最高に盛り上がっているようで、客引きがどこからともなくやってきては話しかけてくる。
「お安いよ~」
 明らかに片言に近い言葉であるから、外国の人だと分かる。
 それらを断って抜けていくと、やっと言われた通りに出た。
 そこは繁華街から少し入った場所で、街灯も少なく暗いので栗崎は怖かった。
「甘かった……かな」
 繁華街の中心地に近い路地だから大丈夫だろうと思っていたけれど、そういう問題は一歩路地に入ると雰囲気が変わってしまう海外の町並みそのものだった。
 普段入ることがない路地に入ると、一気に怖さが増す。人は数人歩いているだけで、周りには屋台のような小さな食べ物屋があるのだが、そこに浮浪者のような人がたむろしている。
 しかしその路地の中間辺りにある店のビルまでたどり着くと、やっと街灯があり看板が見えた。
 あちこちのドアが開いているようで、笑い声が聞こえた。
 階段を意を決して登っていくと、階段の踊り場で何故かセックスをしている人がいた。
 さっきから聞こえていた笑い声だと思っていたのはこの人たちだったらしい。
 一人の青年に二人がかりでセックスをする。しかもこれは半青姦に近い状況だ。
「あーっ……あっ、ぁあん……っも、おま○この奥、っぉく、おちんぽ……!」
 青年は喜んでアナルにペニスを突き入れられて腰を振っている。
 膝に抱えるようにして男が壁に青年を押しつけて下から突き上げるようにしている。それが気持ちがいいのか青年が嬌声を上げている。
「ひ、ひぁああああっ ひっひぃ、っひ……ぁあんぁ、あ、ぁあ……っひ、ぁ、ぁあうっふ、ふひ……っんっぁ、あーっあ、あっ、あっあっ……ぁあっ!」
「おらっ腰振れっ、いくぞっ」
「ひああんっあ―――っ!! いい……いい、イクっイクイクイクぅ……い、っくぁああ―――っ!!」
 青年が射精をして達すると、男も遠慮なく青年のアナルの中に精液を吐き出している。 それが一気に溢れ、男がペニスを抜くとドロドロと一気にアナルから精液が溢れている。そんな状態でも次の男がペニスを青年に突き入れ腰を振り始めた。
 そこで栗崎はハッとしてそそくさと、その脇を通って階段を上がった。
 帰ろうかどうしようか迷ってしまったが、逃げるにしても携帯を取り戻したかった。
 幸い男たちは青年を犯すことに夢中なのか、はたまた気にもしていないだけなのか、栗崎には興味を示さなかったので通り過ぎることができた。
 四階の指定の場所まで上がりきると、やっと普通に看板が出ている一軒だけ開いているバーがやっている。
 名前を見ると電話で携帯を拾ってくれた人が言っていた店の名前だった。
「あった……よかった」
 ホッとしてとにかく店の中に入りたかった。外は怖いくらいの異常さでここが日本なのかさえも分からないような場所だ。
 さすがにバーの中は普通の光景だろうと思ってドアを思いっきり開いた。
「はーい、いらっしゃーい。あら、若い子ね、初めてかしら~」
 店の入り口辺りに座ってお酒を飲んでいた一人のスタイルがいい金髪のオネエが話しかけてきた。ステージにでも立っていそうなくらいの美人なオネエだった。
 店はカウンターしかないような店で、そのカウンターも四つの席と、奥にあるテーブル席が一つだけの小さなバーだった。
 壁にはお酒がたくさん並んでいたが、どれもボトルがキープされているのか、名前が書かれた名札が付いていた。その数が圧倒的だった。
 酒棚の三列がそれで埋まり、四列目には店で使う酒が並んでいるだけだった。
 この異様なキープの多さからこの店が何故か流行っていることだけはうかがい知れた。
 カウンターには話しかけてきたオネエ、カウンター内にはオールバックの髪をした筋肉隆々なロシア人らしいバーテンダーが一人。テーブル席にはオネエ一人と客が一人だけいるようだった。
 その客はサラリーマンのようであるが、鋭い視線が栗崎を睨んでくる。
「あ、あの。携帯を拾ってもらった栗崎です……芳村さんは……?」
 そう栗崎が切り出すと、客ではないと分かったからなのか最初に対応してくれたオネエの機嫌が悪くなる。
「あ、そうなの。よっしー、お客さんよ~」
 興味をなくしてすぐに椅子に座ってしまうも、奥からよっしーこと芳村が出てきた。
「あー若い人だぁ。ほら、私の勝ちよ~早く払ってね~」
「もーなんでこういうのは負けるかなあ」
 奥から出てきたのは、バーテンダーの姿をした女性だった。しかし声が圧倒的に男であり、のど仏もしっかりでているからオネエなのだろう。しゃべり方もそうであるが、どうやらバーテンダーでもあるらしい。
 なにやら落とし物をしたのは男手あることは分かっていたらしいが、年齢までは予想しておらず、何歳くらいの人がくるのか賭けていたらしい。
 そうした雰囲気が伝わって、周りが笑ってやりとりしているので、栗崎はホッとして言った。
「それで、携帯電話……は?」
 なかなか用件である携帯を出してくれないので、思わず急かしてみせると、芳村ことよっしーが奥に人を呼びに行った。
「まあ、座って~。お茶くらいは奢るわよ~」
 そうオネエが言ったので、断って揉めるのは嫌だなと思い、栗崎はカウンターに座って大人しく出てきたお茶に手を付けた。
「いただきます」
「いいのよー買ってきたお茶だもの~。ここじゃ、シメの酔い冷ましに飲むくらいだもの~」
 笑ってそう言われてしまい、栗崎は曖昧な笑いを浮かべてから一気にそのお茶を飲んだ。
 それからしばらく周りの客が酒の注文を入れ始めてしまったので、オネエは忙しくなり、裏に人を呼びに行った人はなかなか戻ってこない。
 そもそも携帯を拾ったのはこのオネエの芳村ではなく、他の誰かということになってしまうなと、栗崎はこのとき気付いた。
 十分経っても戻ってこないので、手持ち無沙汰でコップを触っていると、またオネエがお茶を入れてくる。
「未成年じゃないわよね?」
「成人してますけど、お酒は悪い酔いばかりしてしまうので、飲んでないんです」
「あらー、残念、引き延ばしてお酒飲んで貰おうと思ったのにぃ」
「あの、本当に、ちょっと急いでて。それで携帯は何処ですか?」
 そう栗崎は二十分も待たされてしまったことに腹を立て始めていた。
 これなら警察に届け出てから警官と一緒に来れば良かったとさえ思ったほどだ。
「あらやだ、よっしーってば、どこまで行っちゃったのかしら?」
 さすがに遅いとオネエまで裏に入っていくと、急に店のライトアップが薄暗くなっていく。
「え?」
「ごめんねー、電気触っちゃった~」
 そう言うと、今度はスポットライトが栗崎に向けられてしまい、栗崎はその明かりで目がくらんだ。
「うっ……、なんだこれ?」
 そう口に出して文句を言おうとした時だった。スポットライトで周りが見えなくなっている間に、誰かが栗崎の身体を羽交い締めにしてくる。
「な、何するんだ! 離せ!」
 そう言うのだが、どういわけか身体が思うとおりに動いてくれない。
 そのくせ、触られたところから妙な熱が伝わってきて、ビクリと身体が跳ねた。
「あ、は……あぅ、あうぅ……」
 妙な声が口から漏れてしまい、栗崎も混乱していると、身体はスポットライトから暗闇に運ばれてしまった。
 目が光りになれていたせいで、暗闇に入ってしまうと目がまったく見えず、真っ暗で怖かった。
「ほら、はやくしろ」
 ガチャガチャと金具が鳴る音が聞こえて、手首に痛みが走る。
「な、なにっ! やめろ!」
 驚いて暴れたのだが、手首に巻き付いた何かが暴れる栗崎の行動を阻んでくる。
 身体は押さえつけられ、無数の手が栗崎の服を切り裂いて、衣服をむしり取っていく。
「動くなよ、死にたくないならな」
 そう言われ、はいそうですかとはいかなかったが、頬に少しだけ切りつけられた痛みが、ナイフであることを察するのにほんの五秒もかからなかった。
「……や……なんで……」
「物欲しそうに、セックス眺めてたじゃねーか」
 そう言われ、栗崎はハッとする。
 それはさっきまで下で青年を犯していた人の声だった。
 さっきの行為が終わったのか、裏口から店に入っていたらしい。
「やだっやめっ……あうっ」
 男たちは何人居るのか分からないが、明らかに手の本数が多く、五人ほどがいるような気配がした。手は服を脱がし終わって、栗崎の肌に何かを塗りつけている。
ねっとりとした香りのいい液体で、その匂いに栗崎はだんだんと酔ってきてしまった。
「あんんっ……う、あっ……ああっ」
無数の手が栗崎の身体を弄っている。
 乳首を捏ねて勃起させて、指で押し込んでは摘まんで指先で転がしている。足は大きく広げられて、閉じようとしても間に誰かがいるのか、何かに当たってしまい閉じられない。
 そして別の手がペニスを掴んでその先に何かぬるっとした液体の付いた筒を被せてきて扱き始めた。
「ひ、んっ……あぁっ……うあ……」
 この感覚が間違いではないなら、男性のマスターベーション補助器具、オナホールだ。
「くぅ、あぁっああっ、あっ、あっ……く、ふう、ううぅん……っ」
 こんな時にそんなもので感じるなんて、おかしいに決まっているのに、身体がどうしても快楽を追ってしまう。
 乳首は完全に勃起していたし、押さえつけられているのはせいぜい腕程度なのに、オナホールで激しくペニスを扱きあげられたことで、逃げる力がどうしても湧いてこない。
「も……っ、だめ、それ……っ」
「おお、可愛いね。オナホール全開に動かされるとヤバイってか」
「イケイケ~、いっちまえよ~」
「はあっ……だめ……あぁ、あんっ……っ」
 普通のオナホールでは味わえないほどの射精感が押し寄せてくる。
「ああぁ……っ、んあっ、はぁ、はぁうっ……」
 そうしている間にも、男たちの手は止まらない。
 アナルには指が入っていたし、それが抜けると何か丸い道具を入れられた。
 ゴリゴリとアナルを擦りあげられても、射精をしまいと頑張れば頑張るほど、オナホールによって絶頂感が押し寄せてくる。
「あぁあ……っいや、いや……っや……っ、だめっ……!あぁっ、だ、だめぇ……っ」
「ほら、三点攻めでイケよ」
 そう言われ、アナルの挿入は速くなったし、オナホールでペニスを強く扱かれ、乳首をはとうとう人の舌が舐め上げてきて、歯で噛んできた。
「だめ……!やめて、ちくびだめっ、やめ……っ、あぁっ、あ――――っ!」
痛いはずの衝撃で、栗崎は訳も解らず絶頂をした。
 身体が硬直してから弛緩すると、男たちの手も止まった。
「イッたな」
「派手に出したな~、抜いてなかったんか? べっとり出てる~」
 そう言っている間に、敏感になっている乳首にニップルクリップが填められた。
「ひいいいぃ……っ」
「ああ、乳首感じるような子だったんか? 遠慮いらんね」
 どこの言葉か分からないことをいいながら、男がニップルクリップを乳首にさっと填めてしまい、その先に付いている重りになっている部分が乳首を引っ張ってくる。
「あ……あっ、や……っだ……あぁっ、だっめっ……っ」
「ああ~乳首弄る子なんやな、そんでこんな時に目覚めちゃったってか?」
 そういうと男が笑った。その瞬間に乳首の重さになっている部分が振動を始めてしまい、乳首に衝撃が走る。
「ひぃっ……!いやだ、むり、むりですっ、むりぃ……っ」
「まだまだこんなもんじゃねーぞ。外でケツ降ってたやつみたいにしてやるから、安心しな」
「やだ、ぁああ……!あっ、あっやだ、なんで……っ、こんな……ああ、あー……っ」
あんなセックスに狂っているような青年と同じにされる。
 それは恐怖でありながら、それでも栗崎は少し見惚れた部分でもあった。
 男同士の行為において、気持ちがいい部分はそれほど多くはなかった。相手が下手とまでは言わないが自分本位だったりと、あまり碌な事がなかったので、栗崎はどちらかというと女性と寝る方が好きだった。
 それでもアナルに何かを入れる行為も、乳首を弄る行為も好きで、オナニーはだんだんと過激になっていた。
 だから男たちが今してくる行為は、自分でオナニーとしてやっている範疇である。けれど他人にされて気持ちがいいと絶頂までしたのは初めてだった。
その先はきっと堕ちるだけだ。
 そう思えるほど怖くなってきた。
 しかし栗崎は何度も絶頂をさせられ、人形の下半身にオナホールを使って腰を振るまで強要された。
 男たちはそれを面白がってさせ、栗崎はこうしないと解放してもらえないと男たちの要求にはなるべく応えていた。
 死にたくはなかったし、生きて返りたかった。
「んんっ、んーーっ、んむううぅふうっ……!っ、んぐ……うっ、っはぁ、ああっ……!」
喉の奥まで男のペニスを突き入れられてイラマチオでされても、自分で人形のオナホールで腰を振るのを止めさせてもらえない。
 アナルには大きなディルドが入っていて、それが中にバイブが入っているのか振動してきて、アナルは完全にほぐれていた。
「う……っも……やだ、やだっ……いきたくない……ううっ」
「泣き出したぞ~、射精すんの疲れたってさ」
「もうやだ、いくの、いや……っ、いやだ……いきたくない、っ、いかせないでぇ……!」
 そう懇願すると、アナルに入っているディルドが抜かれた。
「も、だめ……いっちゃう……っ、このままじゃ、いっちゃ……はあぁっ」
 そう言うと同時に、男が後ろから栗崎のアナルにペニスを突き入れてきた。
「ああっ……、いっ……く、いく、からっ……やだぁ、いっちゃううぅ」
男の腰使いに追い立てられて、とうとう栗崎は射精をして絶頂をする。
「いやだ……っああっ、ひいぃい……」
ビュービューと勢いよく吐き出される精液をもっと吐き出させるようにオナホールを扱き上げられて栗崎は悲鳴を上げて泣いた。
 それでも男たちは気にした様子もなく、栗崎の身体を開いてアナルをペニスで抉って犯してくる。
「ひ、っぐ、ううっ……やだ、もうむり、壊れる……こわれる……っ」
男たちはそれを聞いて笑っている。
「壊れろよ、お前はそういう運命だ。淫乱野郎」
「ひああぁっ……あひっ、ん゛っあっあああっ、ひあぁっ、ああああぁ……っ」
 奥まで男のペニスで抉られて、栗崎はもう狂い始めていた。
「おちんぽが気持ちがいいんだろ? 淫乱くん?」
「んっあぁあーっ、おちんぽっだめっ……あ゛ひっ、んっあ゛っあんっあんっあんっ」
「はは、言いやがったぞ。おちんぽだってよ~」
「あ゛っあ゛あああっ! あ゛ひっ、そこっ、らめっ、あ゛ああっ、だめっしんじゃうっ、そこばっかゴリゴリしないれぇっ……! あ゛ーっ、あ゛ーっ、んっあああぁっ……!」
 あり得ないほどアナルの中で感じてしまい、栗崎はもう完全に先の通路でセックスをさせられていた青年になっていた。
 こんなに感じてしまったら、ああなってしまうのは仕方がない。
 だって気持ちが良くてどうしようもなくて、ただただ嬌声が上がるのだ。
 それを止める術はもうなくて、ただ流れに身を任せるしかなかった。
「そこ、じゃねえ。おま○こだって。ここは俺ら専用のおま○こなんだよ」
「あ゛あぁーっ、あ゛っあ゛っあ゛っあ゛っ、んっおま○こ、らめっあひっあんっうああぁっ」
「おま○こが気持ちがいいんだろ?」
「あ゛ああぁっ! おま○こでいぐっいくっ、イっちゃうぅっ! あ゛へっ、おちんぽっ、あ゛ーっだめっあ゛ひっあんっあっああああぁっ!」
「中で出してやるよっうっ!」
「あ゛ああぁっ、せいえき、おま○こに中出しっ……! ひあっあ゛うっんっあ゛っあ゛っあああ~っ……!」
 男は腰を打ち付けて中で精液を吐き出し始めた。
 それは熱かったけれど、それでも栗崎は感じた。
「いやだ、やめて、せいえき出さないでっ……いやあっ、おま○こにせいえき出さないでぇえ……! あ゛っ……ああっ、う、あ、はぁっ、ああぁ……」
 そう言っても精液はたっぷりと吐き出され、届いてないところまで入り込んできている。
「おら、変われよ。ほら淫乱くん、これからが始まりだぞ」
 そう男が言うと、さっきまでのペニスが抜けて次のペニスが挿入り込んでくる。
「あ゛っあああぁっ……!? あ゛ーっ……だめっ、今はぁだめ、いってるっあ゛っあ゛っうああぁっ……!」
 絶頂をしている途中でまた抉るようにペニスで奥を擦られて、それだけで栗崎は絶頂をまたしてしまった。
 今度はドライオーガズムで達してしまい、快楽がずっと押し寄せてきて脳天まで突き抜けた。
「あ゛ひっ、いいっ、あんっあんっあんっああーっいいっ」
 脳天まで快楽で貫かれた時、栗崎は完全に壊れた。
 クスリでおかしくされている上での快楽は、それまでのオナニーやセックスとは違った最上級の快楽であり、それで狂わない人がいるとは思えなかった。
 男たちも栗崎をそうやって壊すためにクスリを使ったのだろう。
「んぁっひぃいいいいっ!! おちんぽぉ……んっ! 美味し……おちんぽ美味しいよぉっ!」
 後ろから押しつけられてパンパンと突き上げられながら、栗崎は蕩けた顔でそう叫んでいた。
「あー、もう淫乱くん、完成したんか?」
「はえーな、さすが素質ありじゃん。携帯拾って呼び出して正解」
「拾ったっていうか、スッたんだけどなー」
 男たちがそう言いながら笑っている。
 酒を取りだして飲み始め、どんどん栗崎にも飲ませてくる。
 前後不覚になった栗崎はだらしなく床に寝転がらされて男たちを次々と受け入れている。
「あっあっ、んはぁあっ!ぁっんひ! もっとぉっぁん! おちんぽ、いいのぉっあひぃああんっ!」
「そうか、おちんぽが好きか?」
「ああっああっぁはっ……はぁんっんっぁん! おちんぽぉっ……おちんぽ凄いぃいい……っ」
「こいつ、反応いいな。さすが選ばれただけのことはある」
「退屈しねえな、これ」
「あっ、あっ、ぁん! んふぅっぁおま○こっひ! ひぁっ、あーっあーっ! あぁああんっ……もっと、もっとっん、はぁんっあっあぁああっ! おちんぽ……っ凄いい、いいのっ!」
「おちんぽ大好き淫乱くん、マジ最高なんだけど」
 男がそう言いながら栗崎の中で精液を何度も吐き出している。
 それは溢れて外に掻き出され、白い泡になっている。体中にも掛けられては、誰かが酒を掛けて流してしまい、身体から吸収される酒でさらに栗崎はおかしくなった。
「はぁっあっあっあっ! せいえききたっおちんぽ好き……っおちんぽしゅきぃいいっ! んぁあ……ったりな、よぉっ……もっと、おちんぽ、おま○こにもっとぉっ……あっ……あぁ……ん、だめ、はーっ、はーっ……おま○こ気持ちがいいの」
 とうとう自分で男に跨がって騎乗位で腰を振り始める栗崎。
 男たちは栗崎の好きにさせてくれ、栗崎は様々な体位で男たちに犯された。
「ひぁっ……あああっ、あんっ、うぁ、あっあっおちんぽよすぎる……ああんっあぁんっ……きもちぃっ……あうっ、ん、はぁっ、あっあっ……おま○こされて気持ちがいいのっああん」
「もっとよがれよ淫乱」
「ああんっ……らめ、おま○こ壊れちゃうっあっ、あぁっ……あああぁっ……らめ、らめ、ひっ、おま○こでいくっあっああぁーっ……」
「もう、精液でねえのな」
 どんなに絶頂をしても精液は出なかったし、ドライオーガズムの方が絶頂からの快楽が長くなり、気持ちがよかったので、栗崎はそっちの方が好きになった。
「あ゛あぁーっ……だめ、おま○こにまだはいって、あ゛あぁっ……、おちんぽこすれてるっ……、おま○こ、いっぱいになってる、あ゛っあんっあああぁっ……!」
ドライオーガズムで何度も達しながら男たちが入れ替わり立ち替わりで栗崎を犯していき、二時間以上ひたすら中で精液を出されまくった。
「あ゛っ、あああーっひあ゛っあっあっあんっあぁっあひっいっあああっ!」
 最後には店から追い出されて、栗崎はさっきの青年のように階段の踊り場で男たちに身体を貪られた。
「あひっ、しゅごいっ、おま○こっ、犯されてるっ……! おちんぽでごりごりされて、あぁっんっあ゛っ、いいっきもちいっ、ああぁっ、だめっ、あっ、あーっ……」
その栗崎の淫乱さに、訪れる客が次々に栗崎を襲ってきてしばらく栗崎を犯すために客が列を作っていたほどだった。
「ああぁんっ、いっちゃう、おま○こでっ、おちんぽ、おま○こで、……イかされちゃうっ……! ひああっいぐっ、おちんぽでおま○こぐりぐりされて、いくっ……あ゛っあ゛ひっうああんっ」
 絶頂しながら精液を中出しをされるのが栗崎は好きになり、誰にでもそれを強請った。
「あ゛ああぁーっ……あひっ、あ゛っいっあ゛っんっいいっ、あああっひっああぁっ! あーっああぁっ……ふーっ……あっ、あっ……あ゛っ、ああああ゛っ、あ゛っ、ああぁっ……! あひっ、い゛っ、あっあ゛っ」
栗崎の身体はたった三時間で生まれ変わり、男のペニスで狂い腰を振りながら絶頂できるようになった。
 男たちはどんどん密に群がる虫のように栗崎を犯し続けた。
「あ゛っあああっ! いまっ動いたらっ……あっあ゛っあんあんあんあんっ! ああぁんっ……すごいっ、おま○こっ、犯されてるっ……! 知らない人とせっくすしてるっ……あぁっあ゛っああひぃっ、あ゛っうっんっ、あんっあんっあんっあんっあ゛あーっ……あひっ、んっあ゛っああっおま○こいいっ、きもちいっ……うぁっんっあっあぅっふあぁっあ゛っあんっセックスっすきっすきっ……! ああっい゛いっ……おちんぽきもちいっ、んっあ゛っああっ」
「淫乱くん、可愛いな……お前、本当に淫乱すぎる」
 もう三回ほど栗崎を犯すために並んでいる男が最後の最後まで残って犯してきた。
「あぁんっおちんぽいいっ……あひっ、いっあ゛っあーっ、あぁあんっ、おま○こ気持ちがいいっ、らめっ、きもちいっ……おちんぽいいのっあ゛ーっ、あ゛あぁんっあ゛うっ、おちんぽ、はげしっ……いっあ゛っあんっふあぁっああぁんっ、イって、このおま○こでイってっ……っ ふあっあ゛っあんっあんっああーっ」
客も減っていき、最後に残ったその男によって栗崎は連れ出されてビルの裏口に連れて行かれ、そこでさらに犯された。
「ひあ゛っああっいいっおちんぽはげしすぎっあ゛っひっあんっあんっあんっ……あぁっあ゛っうあああっはぁっ……はぁっあぁーっ……ふあっはあぁっ……んっ、あっ、あっ……んっ……んんっ……んーっ……んぅ、んっんっ、ふっ、んっ……ふああぁっ……セックスいいっ……好き大好きっあーっ……ひっ、あっ、あぁあんっ」
「ああ、本当にセックスが好きになったんだね、よかった、君を犯して貰って本当によかった……ずっと見ていたんだ。君がこうやって淫乱になることが僕の願いだったよ」
 男がそう言っている。
 携帯を落としたのではなく、男の依頼でスリにスられ、取りに来たところを襲われて、調教されて完全に堕とされたというのが真相だったらしい。
 しかしそれを明かされても、栗崎はもうどうでもよいことだった。
 だってセックスは気持ちが良くて、ペニスがどうしても欲しかった。
「ひあ゛っ、いいっ、あんっあんっあ゛ーっ……きもちいっ、おま○こっ、あ゛あぁっ、おちんぽでっ、犯されてるっ……あああっああ゛ああぁっ……もっとっ、セっクスっよすぎて……こわいっ、ひあっあ゛っあーっ、ああぁんっ!」
「大丈夫だよ、これからは僕がずっと犯してあげるからね」
「ひっあ゛ああーっ……いぐっ、おま○こでっ……! ふあぁっあ゛っあああんっ!あ゛あああっ……はひっ、ああっあっうああぁっ……」
男はそう言うと一段と強く腰を突き上げて栗崎を犯し、中で精液を吐き出した。
「あ゛あああぁんっ! あひっいっあ゛っあ゛っああああっ! ひあ……あっあーっひあ゛あっうあっあんあんあんあんあんあんあんっ!」
 その熱さでまた栗崎は絶頂をした。
 その日一番の絶頂をして、栗崎は意識を失った。


 次に目が覚めた時は、栗崎は自宅に戻っていた。
 体中に精液を浴びたまま玄関で呆然と座っているところで正気に戻った。
「ひ……う……」
 ドロリと中で散々出された精液がアナルから溢れて出てきている。
 男たちはそこにはいなかったが、自宅は知られてしまった。
 しかし携帯電話は玄関の床に置かれていた。
 どうやら、男たちはこうやって人を犯して遊んでいるだけらしい。
 そう思うと、栗崎はゆっくりと立ち上がって風呂に入った。
 アナルから精液を吐き出すも、何度掻き出しても奥からドロドロと精液が溢れてしまい、とうとう栗崎はその感覚に感じてしまい、風呂場でひたすらオナニーをした。
 やっとアナルから精液が掻き出されてしまうと、栗崎はベッドに戻って寝た。
 これできっと終わったことだ。
 そう信じていたのだけれど、けたたましい携帯の着信音で起こされる。
 時間はすでに昼を回っていた。
 しかし携帯の相手は知らない番号どころか、知らない名前で登録されている。
 ゆっくりと電話に栗崎ができると、聞こえてくる音は昨夜をよみがえらせるには十分な卑猥な音だった。
『ふぁあ……!あ、おま○こ!……おちんぽで突いて……もっと突いてそこっ……、そこぉ……!もっとちくび擦って!もっとおちんぽで突いて、ぁあ!もっと……もっと!! おま○こして、そのいやらしいおちんぽでおま○こを犯して下さい! もっと激しくして! おちんぽでおま○このいいところ突いてぇ……っ!」
 誰かが犯されている。
 激しく、それも複数人の男たちに乱暴に。
 それが伝わってきたとたん、向こうから映像が送られてきた。
カメラに映るのは知らない青年。昨日の男たちに栗崎がされたように犯されている。
 しかしカメラに映る青年は蕩けて笑顔だった。
『ああんっ! ああっ!いい……っ、おちんぽっ気持ち、いい、はぁあん……っ!もっと!おま○こいぃ……っ、おま○こいいのっ! おちんぽっいいっ! あうっ……!あああ! ああぁんっ! ひぃいい……っ!!ああああああぁ!! あっ……ぁあーーっ』
あれは昨日の自分だと栗崎はすぐに分かった。
同じように犯されて、同じようになっていたはずだ。
 ああ、どうしよう、アナルが疼き、ペニスが勃起を始めている。そして乳首が完全に勃起をした。
ああ、犯されたくて仕方ないと頭がそう考え始めた。
『あんぅ! ああぁっ!ああっ!あ、おちんぽきた! ああんっああいいっきもちがいいっもっと欲し……っ、おちんぽっで突いて……! おま○こでズポズポしてぇ……っひいぃっ! ひいっ……ひいっ……!あああああっふぁ……あ……、あああんっ!ああっ! はあぁあんっ! おま○こいい……っ、ああ……! おちんぽ気持ちがいい――……っ……!』
 そう欲しいのだ。
 栗崎はゴクリと唾を飲み込んでから言っていた。
「何処にいけばいい? 犯して欲しかったら何処にいけばいい?」
 栗崎に電話を掛けてきた人は何も喋ってはいなかった。
 ただ行為を見せつけるだけで、とうとう栗崎から望む声を引き出した。
『昨日のところで待っている、淫乱ちゃんまた犯してやるよ』
 そう言うと電話は切れた。
 栗崎は携帯をベッドに放り投げると、簡単に服を着替えてから荷物も持たずに部屋を飛び出した。
 外は雨が降ってきていたが、濡れたまま栗崎は駅から繁華街のある方へと走り出した。
 ただ男たちに犯されるために、必死に走ったのだった。

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