138-優しい悪人


 放課後の忙しさは他の部活に比べれば、それこそ簡単な会議と今後の放送予定などで話合い以外のことがほぼ起こらない放送部では、活動時間である昼の放送がない期間はそれこそ暇だった。
 特に試験期間に入る頃には、部活動の終了の放送なども毎日同じテープを回すだけでよく、人が喋る自体はそうそう起こらない。
 しかしテープを回す人と、緊急事態に備えてもう一人が放課後の当番になる。
 毎日同じ事の繰り返しで、喋るのも得意ではない藤内にとって、この時間こそが自由になる時間だった。
 家に帰れば親が口うるさく勉強しろといい、塾まで通っているというのにまだまだしつこく言われる毎日に辟易していた。
 だからこうした放課後の用事で家に帰る時間が遅い日はそれなりに楽しかった。
 タイマーを用意してテープをセット。これだけで放課後の用事は終わってしまう。
 あとは携帯ゲームを取り出して、そこで放送が終わるまでいるだけでよかった。
 その日もまた同じような時間を過ごすのだと、藤内は思っていた。
 それが予定外が起こった。
 まず、一緒に部活動で放課後を一緒にしていた部員が、今日は休みだった。
 その代打で堂園という先輩が藤内の今日の話し相手になってしまったことだ。
 藤内はその堂園という先輩が苦手だった。
「あ、今日はよろしくお願いします……」
「うん」
 そう入り口で挨拶をすると、その後は二人ともだんまりだ。
 テープをセットしたことを告げると、二人はお互いに話もせずに携帯を弄り始めた。
 他の部員なら、携帯をいじったとしても話はした。噂話や教師のこと、同じ学年なら授業の進み具合やクラスごとの話。進学についても話せることならなんでも話していたと思う。
 けれど、この堂園という先輩にはその話が通じない。
「今日、掃除してる時に一年がガラス割ったんですよ。なんかサッカーしてたみたいで……」
 そう話を向けても堂園は。
「そう」
 と、話をする気はないという態度で話を打ち切ってしまうのだ。
 そんなに嫌われているのかと思っていた藤内だが、最近、どうもこの堂園に見られていることに気付いたのだ。
 藤内がふと目を上げると、堂園が藤内を見ており、何かと聞くと何でもないと視線を反らす。この繰り返しが一ヶ月ほど続いている。
 本当に意味が分からない。
 そんな先輩の堂園は見た目はそれなりに整った人で、美形の部類に入る人である。
 しかし、その外見とは裏腹に内向的な性格のせいで友人はほぼいない。
 どうして放送部に入っているのかという理由は、ただ単に顔で部員を集めるための勧誘に使われているだけだと前に他の先輩に聞いた。
 女子部員を集めるのには役に立っていたようで、藤内が二年になってその勧誘時に女子部員が一気に増えたのを覚えている。
 もちろん、堂園の性格を知ると興味が薄れた部員はやめてしまうが、中には放送部自体に興味を持って残っている女子部員もいるから、堂園は役には立っているようだった。
 そんな理由で堂園は部活に参加しているから、もちろん他の作業は一切合切他の部員が代わりにやっている。
 いつも堂園は部長と組んでいるので、他の部員も不満はないらしいが、時々急に休みになってしまった部員の代わりに入る堂園には、不満を漏らす部員が多くいる。
 基本的に堂園は何もしない。
 部活に参加しているのは言われたから参加をしているだけで、放送部の仕事に興味があるわけでもない。なので話は合わないし、何を言っても人を馬鹿にしたような態度だから堂園が原因で退部する人もいる。
 藤内もまた退部を考えている一人だった。
 放送部自体は嫌いではないが、堂園の視線がだんだん気味が悪くなってきたのだ。
 そして今日は堂園と一緒に作業をさせられる羽目になり、抵抗はしたけれど緊急である以上は仕方ないと押し切られた。
 そんな部長には堂園は普通に接しており、皆が堂園を嫌がる理由が一切理解できていない。だから部員との間には深い溝ができている。
 そして最近になって、元放送部がアナウンサー部として部活を立ち上げ、そこに元放送部員が集まっていた。
 ここに藤内が残っている理由は、放送部としての活動が気に入っているというだけのことだった。
 アナウンサー部に行ったところで、放送機器に触らせてもらえなくなることの方が藤内には辛いことだった。
 けれど、この間の職員会議で放送部の顧問とアナウンサー部の顧問が対立し、放送部の部員が十人を切ったことで、同好会扱いになることが決まってしまった。
 アナウンサー部には元放送部員も多く、放送を任せる形になる可能性が出てきた。
 そしてアナウンサー部は更に部員を引き抜きしてきて、藤内にも打診はされた。
 それは昨日のことなのだが、ごっそりと女子部員が本日付でアナウンサー部に移動し、今日休んだ部員もまた移動を決めているという話だった。
「とにかく、今日の活動はしないとさすがに俺の責任になるから……」
 部活動をいい加減にして放送部の役割をおろそかにしたら本末転倒だと藤内は思っていたのでそう言って、明日部活を辞めてアナウンサー部に移ることを決めた。
 部長はのんきで、放送部にはもう部長と堂園、そして今日の放送担当の藤内しか残っていないことすら気付いてないという。
 部長のことは人としては嫌いではないが、部長としては駄目な人だと思った。
 堂園のことで部員が辞めている事態を放置した結果だから、部長としては一番駄目な部長であろう。
 明日からは放送部の役割はアナウンサー部に移るだろう。
 だって部員が部長と堂園しか残らない放送部に、学校の重要な放送を任せるなんて、教頭がまず許さないはずだ。
「……そういえば、堂園さんってどうして放送部に入ったんですか?」
何となく沈黙が耐えられずに藤内が堂園に聞いた。
 堂園は携帯を見ていたが、ふとその指が止まる。
「……部長が勝手に名前を書いて出してた。何か部活に入ってないといけないから、面倒だしそのまま入ってる」
学校の方針で帰宅部はほぼいない。帰宅部の人は部活に入れない理由を学校側に提出しなくてはならないという決まりがある。
 もちろん、それに反発する親御さんもいるようだが、学校内規則に従えないなら退学処分になることもあるらしい。
 けれど、何となくどうでもいいけど部活動に参加した生徒の大半は、堂園のように興味もないけれど運動部は嫌だという程度で選んだ部活に在籍しているだけであることが多い。
 もちろん部員が多ければ多いだけ、部活動費も増えるからそれでもいいという部も多くある。
 だから堂園の行動を責めることはできないけれど、そうと分かっているのに作業分担に堂園を組み込ませてくる部長のお節介が現在は問題なのだ。
「あの、こういうのは何ですが……すごく居辛いので、堂園さん先に帰っていいですよ」
 藤内は堂園にそう言い出した。
 何もしないのに空気だけ悪くしている人にはいて欲しくない。
 いない方がマシだと言ったわけであるが、堂園は動じた様子はなかった。
「帰っていい、か……お前も俺が邪魔ってこと?」
 堂園がそう言ってきたので、藤内も少しヒートアップした。
「そうですよ。何人の部員があなたと一緒にいたくなくて辞めていったと思ってるんですか? 少しは場の空気を読んで欲しいですよ」
 そう藤内が言うと、堂園は少しだけ笑った。
 その笑いは今まで見たこともないほど、凶悪は笑みだった。
 堂園の表情が変わることなんて今までなかったけれど、この変貌に藤内は地雷を踏んだのではないかとびっくりした。
「場の空気は読んでるよ。皆が俺を嫌いなのも知ってる。でも、俺がいる意味はちゃんとあるよ」
 そう堂園が言うので藤内はびくりとした。
「あのな、俺だって好きでここにいるわけじゃない。学校の方針でそうなっているから仕方なくいるだけだ。部長が名前を勝手に書いて、何もしなくていいから部員でいて欲しいと言うからそうしている。けれど部活動をやりたいわけじゃないから、何もしないでいる。それで全員が納得していたことだ。そういう約束だからな。けど、お前たちが入ってきて馬鹿みたいに部活動に熱心なせいで、俺の意味をはき違えた」
 堂園がそう言うと携帯を何か操作している。
「お前みたいに面と向かって、役立たずだから消えろと言ったやつ、たくさんいたんだよな。むかついて辞めたやつはまだいいよ、八つ当たりして騒がないし。けど、面と向かって言うやつなんかに俺が優しくしてやる必要はないよな?」
 そう堂園は言って、何かを移した携帯をこちらに向けた。




 堂園が向けた携帯の画面は動画らしいが、そこには衝撃的な内容が再生されている。
「……え?」
【いやあああっあああっ! ああんっ!】
 向けられた映像は、誰かに犯されている前に放送部員だった男子生徒だ。
【ひああああっ、ああぁっ、らめえっ、いってぅの、いってぅからぁっ、もっ、おちんぽゴリゴリってしちゃやらあああぁっ】
男子生徒が後ろから誰かに犯されて、テーブルの上に押しつけられてアップで喘いでいる。
【ああぁんっ、あんっ、んっ、はふぅっ、いいっ、いいのぉっ、おちんぽぉっ、もうらめっ、あああっ】
気持ちがいいのか嬉しそうに笑顔になっている。
 その顔を藤内は知っていた。
 今日来なかった部員だった。
【はあぁあんっ! おま○こいい……っ、ああ……! おちんぽ気持ちがいい――……っ……!】
絶頂をして気持ちよさそうに倒れた部員の向こう側に、大きなペニスから精液を吐き出して部員にかけている男がいる。
 その男が誰なのかは顔が写ってないので分からないが、大きな凶悪そうなペニスをしていることしか分からない。
 そしてあり得ない量の精液を部員にかけている。
 それでもまだ勃起をしていて、反り返っているのが凄かった。
 藤内が硬直していると、堂園が言った。
「こうすると皆、黙ってくれるんだ。中には俺の家まできて、またしてって言うやつもいる……藤内はどっちかな?」
 そう堂園がいい、いきなりポケットからナイフを取り出すと藤内の制服のワイシャツを掴んで、ボタンごと一気にワイシャツを裂いた。
「……ひっ!」
 急変した堂園に驚いてしまい、恐怖で藤内は動けない。
 どうやら堂園の地雷を踏み抜いたどころか、怒りに火を付けてしまったようだった。
「やめろ! やだ!」
 必死に抵抗しようとすると、すっと二の腕にナイフが当たり、そこが熱くなった。
「いたっ!」
「ほら、動くからいけない」
 堂園はそういうと薄らと笑っている。
「こ、こんなこと犯罪ですよ」
「だろうね? でも捕まる気はしないよ」
「お、俺は黙ってませんよ!」
「そうなると、お前が俺に犯されている動画が世界中に配信されるだけだよ」
「は? 何言って……」
 そう言うと、放送室のスタジオの方に無理矢理入れられた。
 放送室には机が一つと椅子が一つあるだけで、物は片付けられているのだが、部屋の隅に大きなボストンバッグが一つ置いてあった。
 ガチャリとスタジオのドアが閉まると、放送室のブースにすっと部長が現れた。
「ぶ、部長……? 助けて、部長!」
 ガラスになっている部分からブースが見えるので部長に向かって助けを求めるのだが、部長は遠い目をしていてこちらの問いかけには一切反応しないでブースにある遮光カーテンを一気に閉めてしまった。
「そ、そんな、部長! どうして!」                       絶対に見えないはずもないのに部長は助けてはくれなかった。           藤内にはそれがどうしても理解できずに何度もガラスを叩いた。
 すると、堂園に後ろから殴られた。
「ぐっ……あっ」
 大きな痛みと同時に視界が揺らいだ。
 倒れそうになったのを堂園が支えてきて、置いてあった机に藤内を仰向けに寝かせると、その両手足を机の脚に何かで縛り付けている。
「……う、やめっ……」
 まだクラリとする視界をあちこちに向けながら藤内は考える。
 どうしてこんなことになったのか。部長はこれを知っていて堂園の味方をしているのか。それとも脅されて従っているのか。
 あの堂園の豹変ぶりからして、普段と違う堂園の行動からも部長が脅されて従っているとみるのが正しい気がした。
「ま、大人しく最初から従ってくれるとは思ってないから痛い目見てもらったけど。これからは、気持ちよくなる一方だから気にするな」
 そう堂園が言うと、堂園は液体の入った小さな瓶を取り出した。栄養ドリンクのような入れ物で、蓋は普通に閉まっている。それを同園は開けて一本を自分で飲んでいる。
「はあ、久々に使うけど、ぶっ飛びそうだな」
 そう堂園はいいながらもう一本を開けると、それを藤内の口の中に無理矢理流し込んできた。
「うぐっうっ!」
「おら、飲めよ。俺も飲んでるから死にゃしない」
 そう言うと、堂園は藤内の口を塞ぎ、飲み込むまで鼻も摘まんでしまう。
「飲めって」
 堂園がそう言うのだが、何か分からないものをすんなりとは飲めない。だから藤内は抵抗して飲まないようにしているが、口を塞がれている上に仰向けに寝かされているから、液体をはき出せなかった。
 とうとう苦しさに負け、藤内はそれを半分ほど飲み込んでしまった。
「よーし、それでいい。ちょっとでも飲んだからこっちのもんだ」
 さっきまでの大人しさとは一変した、乱暴な様子の堂園に藤内は恐怖を覚えた。
 本当にさっきまでこんな様子は一切見せてなかったし、堂園が乱暴を振るうなんて聞いたこともなかった。
 しかし今は、見ている顔は始終笑っていて、口の端が避けるほど笑っている。
 まるで別人が乗り移ったかのような変貌に、藤内は混乱を極めた。
「さーて、全部脱がせようか」
 そう堂園は言うとナイフでいちいち制服を切り刻んでいく。まるでそれが楽しいと言わんばかりの行動に、藤内は逆らったらもしかしなくても刺されるかもしれないと思った。
 ここは耐えて、解放された後に教師か親に助けを求めればいい、そう思えてきた。
 下手に逆らって刺されるのも怖かったけれど、さすがに殺人はしないという確証もある。この年で殺人を犯して、死体の始末ができるほどの経済力が堂園にはないと思ったからだ。犯罪者になりたいわけではなく、誰にも訴えられないから捕まっていないと言っていた通り、あの動画で見た通りのことをするだけだろう。
「ぁ……っ、ぁ……あ……あ……っ、あ……」
だんだんと藤内は息が上がっていき、口から声が漏れ始めた。
「はふっ……は、ぁん……っ、や、だ……っ、なんで……っ」
 身体がだんだんと熱くなってきて、あちこちがうずいてくる。
 すると堂園が何か道具を出してきて、その道具を藤内の乳首に取り付けた。
「いや、だ……っ! ゃだぁああっ!」
それは吸盤のようなもので胸に張り付き、堂園が手元のスイッチをオンにすると、吸盤の中で何かが回転して乳首を舐めているような感覚が襲ってきた。
「や、ぁ、あっ! や、め、……っだ、あ、ぁ、あっあっあっ!」
乳首なんか感じるわけもないのだが、急に腰に何かがズンときてしまい、藤内は声を上げてしまう。
 助けを求めるように堂園を見ても、堂園は次の作業に移ってしまっている。
「お前がどこまで耐えられるか、試してみようか? これでイかなかったら、すぐに解放してやるけど、そうだな三十分耐えられたらにしよう」
 そう言うと、堂園はその手にオナホールを持って立っている。
「ゃ……っ、はぁっ、はぁ……っ、だめ、……だめぇ……っ」
 藤内はすぐに察してやめてくれと頼もうとするも、堂園はそれを藤内のペニスに被せてきた。
 もちろん藤内のペニスはまだ勃起すらしていないのだが、堂園はそれを楽しそうに動画を撮りながら、容器を上下に動かし始める。
「はんっ! ぁ、やあぁ……っ、やめ、いやあぁ……っ」
 擦り上げられた瞬間、一気に藤内のペニスが勃起したのが分かった。
 意に反して強制的に勃起をさせられ、それを扱かれたら、とても三十分なんて持つわけもなかった。
「ぃや……っん、はっ! は、ぁん! ぁ、ぁ、ぁっ」
「即勃起とか、反応良すぎるよな。ずーっと藤内のことは狙ってんだよな~。本当に、最後に取っておくデザートみたいなもんで、楽しみにどうしてやろうか四六時中考えてたんだ」
藤内はペニスをリズムよく扱かれているうちに、乳首の振動がだんだんと気持ちよくなってきてしまった。
「ひぅっ!? っひ、ゃ、やめ、そこっ――! や、そんな、ひっあっ……!」
 ビクリと何度も藤内の身体が跳ねる。それを縛り付けた机が音を立てて振動するも、ここは放送スタジオ内。外からの物音が入らないように本格的に作られた部屋だったために、当然内部からもどんな音を出しても外には漏れない。
「ぁっ……ぁ、ぁ、ゃ、ゃだ、もっ……やだっ助けてっ!」
そう言うと強くペニスを扱かれて、藤内は助けを求める声を奪われた。
「ぁふ……っ、はっ……っ、はぁ……っん、ん、んぅ……っ、おね、が……っ、やめ、も……むりっ……」
 モノの十分も経たないうちに藤内は音を上げてしまう。
 男として、これは当然のことで、ペニスをこうやって扱かれてしまえば、誰でも射精はしたくなるものだ。
 さらには今の藤内は何かおかしな感覚に襲われていて、身体がいつものようではなかった。
「やめっ……ゃ、ぁ、……っはぁ……っ、こわ、れ……っ」
「イケよ」
 追い上げられるようにペニスを扱かれ、乳首まで感じるのか刺激で追い上げられ、とうとう藤内は堂園の手によって絶頂をさせられた。
「あ゛あああっ! ひあああああっ……!!」
机がガタンガタンと音を立てるほどに藤内の身体は跳ねてしまい、ペニスからは精液が大量に吐き出された。
「あぁ、あ、ぅ、う、う……っ、あ……!」
弛緩する身体をなおも堂園は弄り続ける。




「ひっ……! ん、ぁ、ああ……っ、ゃ、ああぁ……っ!」
 堂園は藤内のアナルに道具を入れ、巧みにアナルを広げた。
それは慣れた手つきで、藤内に痛みを与えないままにあっという間に小さなディルドまで入れられるようになってしまった。
 あり得ないところから快楽が得られるようになってしまい、藤内は気持ちが全然付いてこないまま快楽に翻弄される。
「あ、は……あぅ、あうぅ……んんっ……は、あー……っ」
 いつの間にか嬌声が上がるほどになってしまっていた。足だけは紐が取られて、足を広げて曲げたままで固定され、ひたすらアナルを拡張される。
「ひ、んっ……あぁっ……うあ……くぅ、あぁっ」
 その間も堂園は黙ったままで藤内の身体をいじり回し、アナルにはバイブを突き入れて固定をすると、それで悶える藤内を動画に撮っている。
「ああっ、あっ、あっ……く、ふう、ううぅん……も……っ、だめ、それ……っ」
 藤内のペニスにはオナホールを改造したバイブ付きのものを被せ、それが振動して勃起したペニスを刺激している。
「はあっ……だめ……あぁ、あんっ……ああぁ……っ、んあっ、はぁ、はぁうっ……」
全身を機械で攻められて、藤内はもう何も考えることができなくなっていた。
「あぁあ……っいや、それはいや……やっ、ちくびっ……!あぁっ、だ、だめぇ……っ」
乳首にはまだ吸盤の装置が取り付けられていて、常に刺激が繰り返されたせいで痛みという快感が生まれてきてしまっていた。
「だめ……!やめて、ちくびだめっ、やめ……っ、あぁっ、あ――――っ!」
自然と絶頂に導かれて、射精をしながら絶頂しているのに、まだ快楽が引かずに藤内を襲ってくる。
「ひいいいぃ……い……った……あぁっ、いったから……ひぃっ……!いやだ、触らないで……っ」
やっと絶頂をしても刺激は止まることなく藤内を攻め立てて、連続ですでに三回も藤内は絶頂をしている。
「むり、むり、むりぃ……っやだ、ぁああ……!あっ、あっ……」
もう精液はでないまま絶頂をしているようで、ドライオーガズムまで身体が覚えてしまっている。なので何度絶頂をしても、気持ちがいいだけで不快感はなかった。
「やだ、なんで……っ、こんな……ああ、ぅああああっ! ぃや、いやああ! ゃっ、ああっ!」
 ただ絶頂する度に苦しさが伴うほどになってきて、嬌声を上げながらも藤内はドライで何度も達した。
「ああんっひゃあああん……! いやあああっ! あぅ、や、あっ、あはぁんっ、あああっ! あぁっ……ああんっ! ゃら、ああ……っ」
「辞めて欲しいなら、ほら、これを舐めるんだ……」
 そう堂園が言いながら、藤内の頬に完全に勃起した黒いペニスを当ててきた。
「ほら、舐めるだけでいいんだ。そしたら機械はとってやる」
「ああ、あああ! あぁあっ……! あぁあっ、はぅん……っ、あ、あ、あっひぁあああっ! あぁっ……、あ、ぁんっ、あっ……っん……っ、んは……っ」
 このまま嬌声を上げ続ける苦痛から逃げるために、藤内は堂園のペニスを口に含んで舐めた。
 しかし最初は舐めるだけだったのが、堂園が激しく腰を使い始めイラマチオになっていく。
「んぁ……んぶっ!? んっんーっ!」
「おら、喉までしっかり入れてやる。舌もちゃんと使えよ」
「んぐぅ……っん、んっ、んぁ……ぁくっん、ぶちゅ……っくち、むちゅっ」
 大きくて圧迫するものが口の中どころか喉まで押し入ってくる苦しい感覚に、吐きそうな感覚になるも、藤内は必死にそれを咥えて言われた通りにした。
「んんーっ! んぐっぶ、くちゅ……ちゅ、んん……っ」
「そろそろ、出すぞ。飲めよ、藤内っ」
「んん……っぶ、んぶ……んぐぁんっ……んぁ、うんんっ……っ!」
 喉の奥で堂園が達すると、大量の精液が藤内の口の中に溢れる。半分は強制的に喉の奥に入っていったが、半分は口に逆流してきてしまった。
「おおっと、そのままペニスを舐めて綺麗にしろ。お前が汚したんだからな」
 ちゃんと飲まなかったせいで堂園のペニスが汚れたと言われ、藤内は訳も解らないままにそれを必死に舐めて綺麗にした。
 もう意味も分かってないほどに、必死に堂園のペニスを咥えていた。気付いたら腕の固定も足の固定も取れていた。それでも抵抗する気力は一切なくなってしまい、藤内は跪いて必死に堂園のペニスを口に咥えて舐め回した。
 藤内のアナルにはまだバイブが入っていて、それが蠢いているし、乳首の機械は取ってくれたが、ニップルクリップが填められて重しのバイブがぶら下がっている。それが絶妙な振動を与えてきて、また乳首で感じた。
「はぁあっ……や、め……っあ、あっ、ゃんっ! んぁあ! らめっ」
 とうとう堂園のペニスを咥えている余裕もなくなり、その場に倒れ込んだ藤内は、自らペニスに付いているオナホールを上下に動かし始めた。
「ぁぁ……っ……ぃ、や……っ、いやぁ……っ! ぁあ……いや……嫌ぁ……っ! も、許して……っ」
自分でしているのはこれで終わりにしたかったからなのに、手が止まってくれない。許してと言いながら自ら攻め立てて、藤内はドライオーガズムを迎えた。
「はっあっ! あっあっあっ、あ、あ、あっ! ひぁあ……っあぁあっ! はひ……っひぁあぁっ! んゃあぁっ!」
 その様子を堂園はしっかりと見つめてから、機械を藤内の身体から取り除いた。
 もうすでに下校時間は過ぎていたし、誰かが見回りにきてもいい時間なのだが、誰も来ない。
 放送室は完全に外から入ることはできない状態にされ、見回りは当然こない。
 そんなヘマをやる堂園ではなかったし、誰も来ないことが分かっているからこんなことをしているのだろう。
「やっといい感じになったな……そろそろ頂くとするか」
そう言うと、堂園は床に倒れている藤内の腰を掴み、腰だけ立たせると後ろから凶悪な真っ黒いペニスで一気に藤内を貫いた。
「あぁっ! あぁっ! あぁ、やぁっ! らめ、あぁっ……! やめて……っ、ぁ、あひぃ……っ! いっ、ぃんっ……! んはぁ……っ!」
 奥の奥まで突き入れられて、藤内はまた絶頂をした。
 脳天まで快楽が突き抜けて、あり得ないほど感じた。
 さっきまでの緩い攻めではなく、乱暴で強引な腰使いに変わり、藤内は混乱した。
「はぁっ、はぁあんっ! 、ぁ、は、あっあっやっ、だめ……っ、も、あ、ああ……っあぁああーっ!!」
さっきの機械よりも物体よりも何よりも堂園のペニスが気持ちが良かったのだ。
 藤内はそれが分かってしまい、混乱したのだ。
「んは……はぁ……っは、ふっ……ふ、ぁっ……ぁ、ま、待て、やめっ……あ、ぁんっ、そ、そんなっ……!」
「ああ、感じるんだろ? こことかここが!」
 いいところを凶悪なペニスで擦り上げられて、藤内は嬌声を上げた。
「ひぁあ! ひぁっ! ぁっひぅ……っう、ぁ、あ、あぁっ、ひ、ぃんっは、ぁあっ……あっあんっ……! あんっ! あああっそこっがっそんなっ……!」
「そこじゃない、おま○こと言え。ここはおま○こだ」
「あっや、あぁ、ああんっおま○こが……っ! あ、あぁん……あっあっ、あぁあっ……!」
「そうだ。それでいい、藤内のおま○こ最高だな。やっぱり狙った通りだ!」
「は、はぁあんっ! ひぁっ! ぁ、あ、あ、やぁっ! あっあっ、おま○こがっや、めっ……あああんっ……それっ……らめっあああっ!」
「それじゃない、おちんぽと言え。おちんぽでおま○こ突いてやってるんだ、もっと感じて乱れろ、お前は淫乱なんだ」
 そう言われて奥まで突き入れた状態で更に奥を突く形にされて、藤内は嬌声を上げて悶えた。
「ひぁああっ?! っぁひ、ひぃんっ……! あっあっ……! は、あぁあんっ嫌ぁっ! 嫌ぁっ! おちんぽ、やらっ……!」
「嬉しくて腰を振ってるくせに、嫌なことはないだろう? 気持ちがいいと言え!」
「あぁああっ、あぁっあっあっだめっ! あぁだめ、やだっ! っはぁん……っんゃ、やぁあっ! あっおっおま○この奥までっ……ひゃああっ! ああっいやっ、ぃぁああっ! あぁっやっおま○こ壊れるっ……!!」
「それがいいってことだ。お前は淫乱で、どうしようもない身体をしている。こうしてやるのが一番似合っている。お前はこれからも俺にこうやって犯されて喜ぶような淫乱なんだよっ!」
そう堂園に言われ、とうとうあまりの快楽に気持ちがいいことを隠せずに、藤内はそれを認めて素直になった。
「あ、ああっ! おちんぽっ! おま○こっいいっあああっひぁああ! やっあぁっああ――っ!!」
 その変貌は一瞬だった。
 時間にして一時間。それまで堂園のことを嫌って邪魔だと発言していた藤内はそこにはいなかった。
 堂園のペニスで快楽を得て、自ら腰を振ってペニスで突かれることを望む男がここにいるだけだった。
「やっと堕ちたな」
 満足した堂園の声に、何故か藤内は安堵した。これで堂園の機嫌を損ねることはなかったし、殺されることもない。
 ただ今は気持ちがいいだけで、それに身を委ねている方が楽しかったし、嬉しかったのだ。
 たった一時間でそこまで藤内を変貌させた堂園は、尚も藤内を突き上げている。
 そして藤内は嬌声を上げ続ける。
「あぁあっ! んひ、ひぃんっ! あぁっあふ……あ、ぁんだめっ気持ちいぃ……ひゃああぁんっ! んぁあっ! ああっ、ああんっ、おま○こいいっああんっ……おちんぽっすきっああんっいいっあああんっ!」
「おら、まだ俺は出してもいないぞ?」
「ひぃああぁっ! んはぁああっ……! 気持ちいぃ……っぁ、あぁあ! や、ぁ、あ……っ あぁ、あん、おま○こに出して……っはぁ、おま○こ、ヘんになっちゃったっ! あぁっ……おちんぽ、気持ちいい……よすぎるっああんっ! はぁあん! あぁっ! おま○こでイくっ! ああっあ、あっ! あぁっあぁっああぁっ、あ、ぁ、ぃ、いい、からぁ……っ、あぁ゛あぁあっ!」
「精液が欲しいなら、もっと腰を振れっ」
 堂園がそう言いながら激しく腰を振ると、それに合わせるように藤内も腰を振りまくった。
「あっあっあっ、おちんぽっ、おちんぽ、もっとぉ……あっ、んっ、んっ、ぁ、おちんぽ、もっと……あっ! あっ! らめ……っ、ぁっ、んっ、――っ!!」
何度も絶頂しようとも、ドライオーガズムで達しているせいで、快楽だけが襲ってくる。もちろん達した感覚ではあるが、快楽が続いてしまうために、藤内には終わりのないセックスになってしまう。
 しかしそれがどんどん藤内を壊していく。
「あっ、おま○こがっ、あっ、いいっいいっ、あっあぁっ……んっ、んんっ、きもちいいおちんぽっ、もっとおま○こして、おちんぽちょうだい……あああ、あ……っ!、あぁっぁっ、きもちいい……ああぁっ、ああっ、あぁあんっ! きもちぃっ……! きもちぃよぉ……っ!」
 完全に堕ちた藤内は腰を振りながら堂園のペニスを求め、更に中で堂園のペニスを締め付けながら精液を強請った。
「あああ……んっああんっ……っ、ぁ、はんっ! おちんぽでグリグリ、してっきもちいい……っ! あ、あぁっ、あ、や、おちんぽもっとぉ……ふぁあ……!あ、おま○こ!……おちんぽで突いて……もっと突いて……そこっ……、そこぉ……!もっとちくび擦って!もっとおちんぽで突いてっもっと……もっと!! おま○こして、そのいやらしいおちんぽでおま○こを犯して下さい」
自ら望むままのことを堂園に口で伝え、それが堂園を更に興奮させていることに気付かずに藤内は追い上げられていく。
「やっぱり淫乱だろ? 藤内、お前は淫乱だ。男のペニスでよがる変態だ」
 堂園がニヤリと笑い、凶悪な笑みを浮かべている。
 最後に言わせたい言葉がある。それをとうとう藤内が口にする。
「俺は……淫乱で、変態、です……!恥ずかしいのも、気持ちいいんです!だからもっと……、もっと激しくして! おちんぽでおま○このいいところ突いてぇ……っ!」
「いいだろう、もっと突いてやる、精液も中で受け止めろよ」
「ああんっ! ああっ!いい……っ、おちんぽっ気持ち、いい……っはぁあん……っ!もっと!おま○こ突いてぇ……! いぃ……っ、おま○こいいのっ! おちんぽっいいっ! あうっ……!あああ!」
「もっと望むままに挿入てやるさっ」
「あんぅ! ああぁっ!ああっ!あ、おちんぽきた! ああんっああいいっきもちがいいっ」
「どうして欲しい? 藤内?」
「ああっ……もっと欲し……っ、おちんぽっで突いて……! おま○こでズポズポしてぇ……おま○こに精液をたくさん出してくださいっああんっ!」
「いいだろう、出してやろう」
 そう言うと同時に堂園は藤内の中で精液をありったけ吐き出した。
「ひいぃっ!あ……!ぅああ!あぁ――!! あ!あ……!ああひいっ……ひいっ……!あああああっふぁ……あ……おま○こにっきたっああっ、あ―――!!」
 その精液の量は多く、一気に奥の奥まで届いて、藤内を満足させた。
「ひっ、あっああぁ……ああああっああ……っ、……おま○こ、精液……あっ……ぁ……んっ……ふ、う……っ」
スポンとペニスが抜けると、精液が藤内のアナルから溢れて大量にこぼれた。
それがドロドロを溢れている感覚でも藤内は達してしまっていたが、まだ足りなかった。
アナルを自分で弄りながら藤内は堂園に言っていた。
「あっ、ぁん……!ああっ……ああ……あっ、もっとおちんぽ入れて……っ、おま○この奥まで入れてぇ……!」
それは先に見せられた動画で、最後にあの部員が言っていた言葉と同じだった。
「もちろん、挿入てやるさ。可愛い藤内」
「あああんっ!ああっ! あっああぁっ……!!」
堂園はもちろん二回しか射精をしていないので、まだまだ藤内を犯した。
 それは藤内の声が出なくなるまで続けられ、気を失うまで続けられた。
 堂園の絶倫っぷりに藤内は耐えられなかった。

 次の日に自宅付近で解放されてからは、藤内は自ら堂園から貰ったディルドやバイブでオナニーを繰り返し、足りない気分を抱えては堂園の元に通った。
 堂園は毎回藤内を受け入れ、気が済むまで抱いた。
 放送部は翌日に同好会になり、アナウンサー部に部室である放送室を取られてしまったために放送部は解散になった。
 堂園は図書部員になり、藤内はアナウンサー部に予定通りに入った。
 けれど学校内でも、堂園による藤内への性的なことは止まず、呼び出されてはセックスに耽っていた。
 もちろん、放送部の鍵は持っているので、放送部が使っていない授業中に入り込んでセックスに耽ったほどだ。

 やがて堂園が卒業をしてしまうと、藤内は堂園と縁が切れた。
堂園は海外の大学に行ってしまったのもあり、自然と切れる形だったらしい。
 そして部長から意外なことを藤内は言われた。
「あいつ、本当にお前のこと、好きだったんだ。だから俺らは変わりだったし、その役目もあまり果たせてなかったけどな。まあ、お前はセックスに溺れただけで、堂園のことを一ミリも好きじゃなかったんだろうけど……」
 その言葉に藤内は納得してしまった。
 堂園のことは本当にどうでもよかった。彼のペニスが好きだったのと絶倫なのがよかっただけで、好きですらなかった。
 それは堂園もずっと付き合っているうちに分かってきたのか、最後は藤内のために遠くに行ったのだという。
「誰か好きな人を作れ」
 それが堂園の最後の言葉だったのも藤内は腑に落ちた。
 きっとこのまま堂園が藤内を手に入れることはできただろうが、藤内が人の心が分からないまま生きてしまうと気付いたらしい。
 そしてそれは一生、堂園を好きになることもないという事実に堂園は耐えられなかったようだ。
 要は最後の最後で逃げたのだ。
「変なところで優しさを見せるなら、犯さないで欲しかった。もうどうにもならないんだから」
 藤内は人の心がもう分からなかった。
 快楽で進むしか道はなかったし、堂園に変な遠慮もせずに次の相手を探そうとしている。
 堂園の本気があそこにあったなら、きっと藤内の心もあそこに置いてきたのだろう。
 だから過去には戻れない。
 堂園の望む未来はきっと見られない。
 あの狂気を持ってしても、藤内の心は完全に堕ちず、更に遠くに心をやってしまっただけだ。
「堂園さんに言っておいてください。無理ですって」
 藤内は部長にそう告げると、新しい相手との待ち合わせに急いだのだった。

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