130-肝試しロマンティック


「今日は、夏休み恒例の肝試しだ。予定していた通り、鬼になるのは二年の一部と三年の先輩諸君だ。一年生は全員存分に楽しむがいい」
 寮生たちが一斉に戻ってくる八月も終わりに近い日。近所の寺にある墓のない裏山で、毎年恒例の肝試しが始まろうとしていた。
 二年になった三堀は、今年は脅かす側に回ることになってたため、夏休みのお盆以外は寮に残りお化けの格好の準備などを手伝っていた。
 事情があって残ることができない人は脅かされる側になり、残れた二年生が脅かす側に回るのもいつも通りだ。
 三年がいる寮の部屋のある三階に籠もって、その準備をする期間もそれなりに楽しいのが、この企画が続いている理由でもある。
 夜中まで消灯する十二時まで、皆が持ち寄った食べ物を食べたり遊んだりと、やりたい放題で、脅かす側になりたいからとわざわざ夏休み中、寮に残る人もいるほどだ。
 三堀の家はこの街にあるのだが、学生は寮生になることが決められているので残っていた。昼間に実家に戻ることもできたからわざわざ寮を出てまでして戻る必要もなかったし、友達とずっと一緒にいられる寮の方が楽しいに決まっていた。
 だから脅かす側には自然となったし、店などには知り合いが多かったので、そのパイプ役として幹事の手伝いをしたりしていた。
 さらには裏山のことはずっと遊び場だったのもあり、よく知っていた。だからコースを変えたり、複雑にしたりと様々なことが可能だった。
 その時の幹事だった徳野という三年の先輩とはこの時から親しくなり、一週間ほどで付き合うことになった。
 この寮にはゲイになる人は多くいて、寮生になったが故に目覚めたという人も多いらしい。三堀も目覚めたクチだ。
 買い物と称してはデートに出かけたし、食事も一緒にした。
 こっそり親が旅行に出かけている日を狙って自宅に戻って初体験もした。
 親には先輩と付き合っていることはとっくにバレてしまい、既に公認の仲になっている。今時の親はそこまで子供に理想を持ってないのか、三堀の親はあっさりと三堀の性質を受け入れてくれた。
「だって、あなた小さいときからイケメンにしか興味なかったじゃない」
 という母親の言葉に三堀は唖然としたし、徳野は苦笑した。それは徳野が三堀にとってイケメンであるという証でもあったからだ。
 この夏はいろんな事があったが、その楽しさが凝縮した行事が行われる。
 寮長が挨拶をして、けだるそうな一年生が「高校にもなって肝試しとか」と呆れているのだが、これが盛り上がる理由がちゃんと発表される。
「えー、最終面までいき、折り返しでくじを引きます。えーそのくじは景品のくじカードなので必ず持ち帰って下さい。えー途中でお化けやゾンビがそれを奪いに来るので、逃げ切って下さい。持ち帰れなかったら景品なしの参加者のみに送られるコーラ一缶となります」
「景品って何ですかー!」
「コーラ一年分ですかー!」
 三年生が茶々を入れるのだが、一年生はちょっとだけ興味を持ってくる。
 三年が盛り上がっているのは、その景品横取りをすると横取りに成功した人がもらえる仕組みだからだ。
「景品のカードは、奪われた時点で肝試しをクリアできなかったことになり、その場合も景品のコーラ一本となります。えーお待ちかねの持ち帰った場合の景品の発表になります」
寮長がそう言うと、幹事の徳野と三堀がその景品の写真と順位で決まる景品を発表する。
「肝試しはタイム競争になります。短い時間でクリアした順に決まります~」
「横取りした場合はその人の物になりますので、二年、三年の皆さんは複数所得可能です!」
条件を言うと、三年と二年の脅かし側は一斉に盛り上がってきた。
「一位は、三年は三月まで、二年一年は来年の七月までの食堂のうどん、ラーメン、カレーライス、カツ丼、毎日の日替わり定食、五品の一日一食の自由券。食堂との共同企画になります!」
 それを発表すると、一斉に一年生が興味を示した。
 食べ盛りの年代だ。食事は家族からの仕送りで決まっているが、この一食が増えるだけでも腹ペコの時間が減ることは間違いはなかった。
「二位、ご近所の○○レストラン、週末土日限定の一日一食定食券! ○○レストランとの共同企画になります! お好きなお肉も食べ放題になりますが、こちらは年末までの利用となります!」
 ○○レストランは焼き肉が主体のレストランで、学生には月に一度くらいにある食べ放題の時は寮生で埋まるほどの人気を誇っている。その寮生のお陰で食べ放題の肉が綺麗に捌けるらしく、店には繁盛しているように見えて更に繁盛しているらしい。
 高すぎる肉は対象ではないが、ステーキはありらしい。
 こうなると一年生は全員が食いついた。
「三位は、コンビニ店との共同企画、牛乳一リットルを毎日受け取れます! こちらは来年三月までとなります~」
 普通なら牛乳かとなるが、ほとんどの人は水ばかり飲んで過ごしていることが多いので、味のある飲み物はたとえ牛乳であろうが神だった。
「四位の本数は三本。ポテトチップス一ヶ月分。五位も三本、五十円袋菓子セット。六位は十本、コーラ五百ミリ五本。残りは参加賞のコーラ五百ミリ一本となりまーす!」
 寮生総勢、百名。全員が最高潮に盛り上がった。
「まじかよ、俺焼き肉がいい!」
「くそ、食堂のやつも捨てがたい!」
「三位も意外に地味に効くな!」
「上位は争奪戦が怖いから、四位あたりが狙い目か?」
 欲しい賞品をどうもらうのかが問題になってくる。
「くじに関しては、引いた人にしか分かりません! ので一年生は引いた時のリアクションを工夫して景品を守るなどしてください。三年、二年の人は暴力はいけません、発覚した場合は景品を没収し、なかったことにします! また三年二年による景品を取った後の脅し又は暴力による横取りは、景品交換はしません! 過去にそうしたことがあったため厳重に監視をいたします! また報告や目撃情報も随時受け付けていますので、何かあった場合は泣き寝入りせず、幹事まで申し出て下さい!」
 幹事の徳野がそう言っているが、盛り上がっているので聞いている人はいるのかと疑うほどだ。
「肝試しとか余裕」
 一年の一人がそう言い出して、二年、三年は更に盛り上がった。
 そうこの肝試しは異様に凝った変装や装置のせいで、そうした余裕をかましている人間が脱落する肝試しだったのだ。
 早速順番を決めて準備をしているさなかに進行役は寮長に任せて三堀は徳野と一緒に指定された場所で脅かす役になった。
 三堀は歩いてきた人を脅かす、鬼のメイクをしてもらったのでそれで脅かす。徳野は音を鳴らしたりうめき声で参加する。
 しばらく待っていると肝試しの最初の組がやってきた。
 かなり先の方から悲鳴のような叫び声が聞こえてきているので絶好調らしいが、三堀の脅かしは笑われてしまった。
「あ、三堀先輩じゃん」
「鬼ですかね?」
 二人組を脅かしてやったら普通に対処された。
「あーさっきから本当に怖かったから、落ち着いた」
 などと感想を漏らされてしまい、三堀は落ち込むも逆にそのほっこりとした気分が次の装置を使った幽霊の布石であることには誰も気付いてなかった。
「ひぎゃあああああ!」
 さんざん三堀を馬鹿にしていった後輩たちが先の出来事に悲鳴を上げている。
 もちろんカードを持っていない人を脅かしても意味はあまりないのだが、帰りは別装置を使ったりして脅かし方が豊富なのがこの肝試しが今まで続いている理由だ。
 しかし、その脅かす側としての三堀は、屈辱を受けている形になっている。
「先輩、やっぱ脅かしても皆笑うんですけど?」
 三組目あたりまでいってしまうと、三堀もあまり意味がない気がしてきたが、徳野は違うぞと言った。
「お前が可愛いから微笑んでしまうんだ」
「はぁ?」
 何を言っているんだと、三堀が驚いて徳野の方を見ると徳野は三堀にくっついて、三堀の尻を触っている。
「んふぅ……っぁふ、ぁん……っ」
「相変わらず、いい尻をしてるなあ」
 徳野はそう言うと、三堀の尻に股間を押しつけてきた。
「ぁっ……せんぱい……っ」
 その徳野の股間は既に勃起しているではないか。
「せんぱ……おっきくなって……」
 何でだと三堀が慌てると、徳野は興奮したように息を吐きながら三堀の耳に向かって言った。
「お前の尻ばかり見ていたからな……興奮してきた」
徳野はしっかりと三堀の尻を手で掴んで揉み始めた。
「は……っぁ、ぁあう……っ! も、もう……っふ、っぁん!」
その揉み方にだんだんと三堀の方もテンションが上がっていく。
「ん、ん……っは、んん……っ、あんっ!」
「気持ちがいいんだろ?」
 徳野は三堀の耳を舐めながらそう言い出して、逃げられない環境に置かれている三堀は興奮しながらも徳野から少しだけ体をずらせて逃げようとする。
「あーっあ、もう、何か痴漢みたいに! あ、あ、……ぅぁ……あー……!」
 徳野はそう言いながら、三堀の短パンを一気に膝まで脱がした。
「ひいっあぁっ……あ、あっ……ぁ……!」
「可愛い尻だな」
 そう言うと、徳野は三堀の尻を広げて、アナルを舌で舐め始めた。
「やっんだめっあーっぁっあ、はぁ……っん、ぁん!」
 徳野はアナルを広げ、襞を舌で舐めしっかりとアナルを解していく。
三堀は徳野にピシャピシャとアナルを舐め上げられ、押さえている性欲がわき上がってくる。
「ぁっあぅっ、ひ、ひぃ……っも、いいっ……!」
顔だけが草むらから出てしまい、台の上に倒れ込んだままで三堀はアナルを徳野に舐め上げられ続けて、蕩けた顔を人前に晒した。
「ひ、ひぃっ……あーぁんっあぅうう! あっあっあっ! ひぁっ……あーっあーっ!」
 急に草むらにいたお化けの格好をした三堀が声を上げてしまうと、通りがかった一年生が驚いた顔をして悲鳴を上げて走り去っていった。
頭からフードを被っていたため、顔を晒したとはいえ、三堀だと気付かれたかどうかは分からなかった。
「ひぁあ……っ! あんっゃ……っぁうん!」
 それでも徳野はやめてくれないから、三堀は嬌声を上げ続けていた。
それは悲鳴として周りに響いているのと重なっているからなのか、誰も心配して見に来ることもなかった。
「あぁあうっ……っあっはっいひ……っいいぁああ……っふ、ふぁ……っ!」 
 徳野はしっかりと三堀のアナルを舐めて舌をアナルに入れてから中まで舐められるところを全部舐めてきた。
「ふぁあんっ、もっ、らめぇ……んあっああんっ!」
 そう言って三堀が腰を振ると、徳野はやっと舐めるのを辞めた。
 しかしアナルに指を挿入て、三堀には休憩を与えてくれない。
「ゆび、ぁっ……ふうっあぁっ……まって……んっ、らめぇっ」
 徳野の指で深くまで突き入れられ内壁を抉られて、三堀は嬌声を上げた。
するとそこに肝試しの一組がやってきた。
 その組はおっかなびっくりと嬌声を上げている三堀を見て、立ち止まって驚いている。
 そして後輩と三堀は目が合った。
 二人は真っ赤な顔をしてこっちを見ており、何をしているのかバレていた。
「んぁっ……や、ああんっ! やっ、んっ、あっ、らめぇっみないでっ……」
 そう言っているのに気付いた徳野は指を引き抜いてから、三堀のアナルにペニスを突き挿入れた。
「あああんっ!! あっ、らめっそれはっみちゃらめっひぁっ、んぁっはぁんっ!!」
 明らかにセックスをしているのは見ている二人にも分かっているだろうが、あまりの状況に固まって動けないでいる。
 三堀が顔だけ出して嬌声を上げているのは分かるし、暗闇にかこつけてセックスしているのも理解できた。
「ああああーっ! やらぁっ、みちゃらめっ、はっふぅっ……あっ、ああぁっ」
でもあまりに良さそうにしている三堀を見て、興奮しているようだった。
「あぁっ……やら、おちんぽぉっ入ってるのみちゃやらっ……あっ、あぁんっ!」
 そう三堀が言うと、一人が動いた。
 ズボンからペニスを取り出して、勃起したペニスを三堀の口に突っ込んできたのだ。
「んふっん……ん、ん……んうっ……っ、んっ」
「三堀先輩……っ! ああ気持ちがいいっ!」
 後輩は腰を使って三堀にイラマチオをしてきた。
「んっ!? ふぁっ、んっんっ、んっぅんっ」
 喉まで犯されながらも、後ろから徳野に犯されているから身動きが取れない。
「んっんうっ……んふ、んんっ……ふむぅっ、んんっ、んっ」
喉までペニスを突き挿入れられて、三堀は涙目になるもそれでも気持ちがよかったから、しっかりと後輩のペニスも吸ったし、アナルも絞めた。
 そうしていると後輩が喉の奥で射精をした。
「ぅんっ! ふぁんっ、んっ、んぅっ、んんーっ!」
「ああ、三堀先輩……すごい……よかったです……」
 後輩は涎をたらして興奮しているようだったが、もう一人いた後輩までもが三堀の口を犯しに来た。
「ふぁいっ、ん、ぅんっ、んんーーっ!」
 強引にイラマチオをされ、強引に喉の奥で扱かれて、後輩は絶頂する瞬間に口からペニスを引き抜いて、三堀の顔に精液をかけてきた。
「ぁっ……そ、そんなこと、あんっあっ、あっ、はぁんっ……ひゃっ、あぁっ」
「三堀先輩最高……じゃ、俺らいくわ」
 二人は満足してそのまま先に行ってしまう。
 彼らが最後の組だったようで、次は来ない。先の方ではまだ肝試しは続いていて大きな男の悲鳴が響いている。
「ああっ……あひぃっ! あっあんっ……ぁんっ、はぁっ……ああんっ」
 徳野は三堀が口を犯されたり、顔射されたことにも気付いていないようで平然とピストンを繰り返していた。
 三堀のタンクトップの上から三堀の乳首を徳野は弄り始める。
「あっあっあんっあぁんっ!はぁっ……ひぁあんっ……ちくびぃ……らめぇっ……ぁんっ、あぁあああん……」
 指で摩って引っ掻いて、そして摘まんでと、服の上からやられるといつも以上にいやらしさが増した。
「やらぁっ……はぁんっ……あっあっあひぃっ! あっあぁっ、あひぃっ……、らめっ、あーっ……」
 気持ちよくて三堀は喘ぎ続け、徳野も調子に乗って行為をやめない。
「もっ、やらぁっ……ああっ……、あぁっ、こんなっ、はぁっ、はぁっ……こんなとこでこんなっことっ……あっぁんひぃっ! あんっ……あっあっあああぁぅっ」
三堀は気持ちよすぎてここが野外で、青姦をしていることや、まだ肝試しの途中であることすら忘れてしまった。
「やぁっ……おちんぽいいっ……あっ、あぁんっ、あんあんあぁんっ! あぁあんっ! ちくびぃっ……またっいっちゃうっ……あああーっ! いくっ、いっちゃうぅっ! はぁあんっ、あっあんっああぁー!」
三堀が射精をして絶頂をするも、徳野は三堀を突き続ける。
「あぁっ、もう、むりっ……あんっ、なんで、またおちんぽ大きくなってるの、あ、もっおちんぽいいから……あぁんっあっあっ……や、らめぇっ……おま○こ壊れるっはぁんっおま○こっ、せいえきっ、んっぁ、なかにっ、いっぱいらしてぇっあっあんっふぁああんっ! おっぱいこりこりして、ぁんっ、おち○ぽぐりぐりして、精液をおま○こに出してっああぁっ! ぁっあっいくっ、いくっ……あぁあんっ!」
絶頂している途中でまた絶頂に導かれて、三堀は全身を震わせて派手に絶頂をした。
 その途中で徳野も絶頂していたので精液を奥で吐き出しているのに三堀は感じてまた絶頂をした。
「あひっ……あっあんっあっ……はっ、はぁ……あぁあっ……また、いっちゃう、でちゃうっんっはぁんっひぁああっ!あーっ、いくっ、いっ、んっあっああああぁんっ!」
今度は三堀はとうとう尿を漏らした。
「やぁっ! もうっやらぁあああぁんっ!」
やっと徳野が三堀の中からペニスを抜くと、三堀はぐったりとその場に倒れた。
「ぁあん……はぁっ、はぁっん……ぁ、んっ……はぁっ……、う……」
 そこでやっと徳野は三堀の顔が精液に塗れていることに気付いた。
「み、三堀、どうしたそれ」
 そう言うのだが三堀は疲れてしまい答えがでない。
「ふ、……ぁっ……あ、ん……ひぁっ! んっ、ぁあんっ」
 まだ絶頂の快楽の中にいる三堀には、それに答えるだけの余裕はなく、しばらく絶頂が続いてしまい、それを見た徳野は興奮してしまい、また三堀を絶頂させるしかなかった。
「やああぁっ! あっあぁんっ……おちんぽっらめっ、あっあっあっ……あぅんっすご、いっ……ひゃぁっあっはぁっあんっあんっ、ぁんっ!……らめっ……あっぁんっあっあぁっ……んんっ、らめぇっあっあんっあぅっあっあんっいいっ、んっ、ひああぁっいいよぉっ」
 人に穢された三堀を見ながら徳野は変な性質に目覚めてしまい、三堀が誰かに襲われた事実に興奮していた。さっきよりも乱暴に突き上げてあっという間に絶頂に達した。
「やああぁーっ、んっ、いっちゃ、いっちゃうっ……あっあぁっいいぃっ、もっ、いっちゃうっ、いくっ! あっあぁあんっあっあんっ、あぁああああぁあっあっ!」
三堀も何度目かの絶頂を迎えて、全身を痙攣させて頭の中が真っ白になった。


 肝試しはそれから三十分で終わった。
 後輩たちはほぼ全員が商品を先輩に奪われ、あまりの恐怖にまだ怯えている人もいるほどで、先輩のお化け役を舐めていた後輩たちは悔しさを隠しきれないでいた。
 その中で一組だけがその競争に勝ち、商品をゲットした。
 その一組は、三堀と目が合い、イラマチオをしていった一組だった。
 その二人は三堀に近寄ってきてから、受け取った食堂の毎日一品の商品券の権利を三堀に渡した。
「あの、凄くよかったです……だからお礼です」
「僕も、そのよかったので、お礼です」
 そう言って三堀と徳野に商品券をくれた。
 こういう譲渡もありなので、皆が驚いていたが、三堀は真っ赤な顔をしてからその後輩に言った。
「あの、秘密でお願いします……」
 そう三堀が言うので後輩は察した。
 どうやら徳野は三堀と後輩のことを知らないらしいと。
 そしてそれを三堀は言うつもりもないことと、徳野も詮索はしないらしいことも察した。
 しかし一応三堀は商品券は貰った。
 さすがに見知らぬ後輩にイラマチオはこれくらいでないと割に合わないからだ。
 徳野は三堀が普段から世話をしている後輩だと勘違いしたようで、商品券は貰えないから三堀の分だけでいいと言って、二人に半分して商品券を戻した。
 二人はそれで三堀が納得してくれという顔をしていたので、それで納得して引き下がってくれた。
「何だか、律儀だな、お前の後輩は」
「あ、うん、そうだね」
 何とかごまかせたけれど、あれはあれで興奮したなと三堀は思ってしまった。
 もちろん徳野にそんなことは言えないので、それ以上は言わなかった。
 肝試し大会は大成功のうちに終わり、三堀は残りの夏休みを徳野と楽しんだ。
 徳野との学生生活はそのまま続き、何事もなく徳野は卒業をした。
もちろん、その後も二人の付き合いは続いている。

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