128-Detective
恋人が浮気をしているようだ。
そう気付いた時は、かなり深刻な状態だった。
牧瀬は付き合って二年になる恋人がいる。名前は宅間といい、会社の取引先の宴会で出会った。
とてもいい男で、世間一般的にはイケメンになる。そんな人が男の牧瀬を恋人にしてくれるなんて奇跡と言ってもよかった。
けれど一年が経ち、だんだんとその宅間の仕事が忙しくなってきたのを機に、二人の中は急速に冷めていったようだった。いくら牧瀬が尽くしてもそれに宅間の方が乗り気ではない態度。
それなのに別れ話は出ずに、ズルズルと付き合っている。
一度は喧嘩をして他に恋人がいるのではないかと問い詰めたことがあるが、それはないと言い切られて別れる気はないとさえ言われた。
なのに恋人としてはセックスもしなくなり、セックスレスになった。
これが牧瀬の欲求不満度を上げてしまい、牧瀬はとうとう探偵を使って、忙しいという宅間のことを調べることにした。
探偵は浮気調査を得意としている事務所で、額田という探偵事務所の所長が他の社員が空いてないからと、社長自ら担当してくれることになった。
「よくありますね。忙しいと言って不自然な距離を取り始めた時は、大抵何かありますよ。仕事がずっと忙しすぎるなんてことはありませんしね」
「そうなんですか……」
探偵が完全に宅間が浮気をしている可能性が高いと言うので、牧瀬はやはりという気持ちと、嘘を吐かれて悲しいという気持ちが溢れてしまった。
「それじゃ明日から一週間調べます。それから牧瀬さんとこの宅間さんが忙しいと言った日を重点的に調べましょう」
一ヶ月も調査をするのだが、最初の一週間と個別日程で、基礎金額十万円が先払い、残りの必要経費が週間で払い込みが確認されれば、延長するか調査を打ち切って結果を出すかという内容になった。
こんなことはしたくはないけれど、そこまでしないと宅間が何をしているのか分からない。
一度、会社に訪ねたことがあるのだが、その時は残業と言っていたのに早く終わったと言って、家には帰らずにどこかに消えていた。本人は居酒屋で飲んでいたというが、それが深夜の帰宅になるほど一人で飲むことなんてあり得なかった。
酒には弱く、一杯くらい飲んだだけで顔が真っ赤になって飲めなくなるのに、居酒屋料理を食べるためだけに深夜まで居酒屋にいるなんておかしいだろう。
そのことでもめてからは、更に宅間の仕事は忙しくなったという言い訳で深夜を過ぎて帰ってくることになった。
本当に仕事だとしても、いくらなんでも残業のし過ぎだった。
牧瀬が探偵に仕事を頼んでからも、宅間は忙しいと言って深夜まで帰ってこなかった。
一週間後に事務所に呼び出されて調査結果を聞いた。
会議室で探偵が調べてきた話は、意外な結果をもたらした。
「たしかに宅間さんは仕事の残業で遅くなっているのは嘘です」
やはりな結果に牧瀬は溜息を漏らした。
それは分かっていたからなのか、それでも少しの期待もあったからなのか、勘違いであればいいと願っていたからなのか。少しだけ脱力した。
「……やっぱり……それで宅間は何をしているんですか?」
牧瀬が問うと、まずはと探偵は数枚の紙から一枚を取り出した。
「まず月曜日ですが……普通にバーに通っています。ただそのバーはハプニングバーと言われているバーで、中に入ることはできなかったのですが、中で飲んでいるだけということはないと思います」
そう言われて牧瀬はそんなところに宅間が通っているとは予想外だった。
「ハプニングバーって……中でその、セックスをしたりもあるんですよね?」
「ありますね。ただここは男性のみ一人で入ることはできないので……どういうコネがあるのかは、今後の調査次第です」
そう言って探偵は次の資料を出した。
「こちらは火曜日です。その日も残業ではなかったです。定時に終わって電車で繁華街にでかけて、違うバーに入りました。そこは普通に飲むバーだったのですが、最初は一人で飲んでいて、後から誰かが話しかけ、その人と話が盛り上がってバーを出ました。そして近くのホテルへ。深夜まで四時間ほど休憩で入ってました」
牧瀬はそう言われて、ショックは更に大きくなったが、それだけではなかった。
「水曜日木曜日も同じく、バーで誰かをひっかけてはホテルへという流れで……」
まさかそこまでセックスがしたいような人だったかと思うほど、宅間は日替わりで別の人を誘ってはホテルに通う生活をしていた。
だからこそ、牧瀬となんかセックスをしている余裕なんてないどころか、他で満足をしているから牧瀬とセックスをする必要がなかったのだ。
「何てこと……それで週末はどうしているんですか?」
ここまできたら土曜も日曜も同じことだろうと牧瀬は思ったが、探偵は言った。
「実はこの二日で意外なことが分かりました。土曜にホテルに行ったのですが、そこはちょっと特殊な人たちが利用するホテルで、その複数人が入ることができる施設で、いわゆる乱交をするために貸しているホテルなんです」
そう言われて牧瀬はそれに宅間が参加しているのだろうと思ったがどうも事情が違った。
「調べたところ、その二日間は一人に対して相手が十人ほどの客が泊まっていて、その一人に話を聞くことができたので聞いたところ、宅間さんはそのタチとして参加しているのではなく、ネコとして参加をしているそうです」
そう言われて牧瀬はキョトンとした。
「……え? 宅間がネコ?」
「そうです。宅間さんはあなたと同じ立場で参加しているのです。だからハプニングバーに行って一人で入ることができたのも、彼がネコだからで。バーで相手を探して話しかけられてホテルに行っていたのも、ネコがタチを探していたから可能だったわけで」
まさかの展開に牧瀬は混乱した。
宅間が牧瀬とセックスをしなくなったのは、半年前である。その頃には既に宅間はネコに目覚め、自らその性欲を満たすために夜な夜なセックスをしに出かけていたわけだ。
「そうだったなら、そう言ってくれたらよかったのに……」
浮気だったら責められたし、これがタチとしての行動だったなら牧瀬は呆れを通り越してすぐに別れられるのだが、まさかネコであることを隠してまで牧瀬と付き合う意味が宅間にはあるのだろうかと不思議になる結果だ。
それにネコになったと言われたら、牧瀬はそのまま責めることもなく別れてあげたというのにだ。それなのにそうしない理由だけはまだ分からない。
「理由は直接聞くか、話し合われた方がいいかと……もし何かもめそうであったなら、私がそこにいてもかまわないならそうしますよ」
仲裁中にもめることはよくあることだが、大抵の人は探偵がそこにいると暴力には踏み込めないらしい。弁護士と同じで不利になる証拠を挙げられてしまうからだ。
「お、お願いをしてもいいでしょうか……」
牧瀬は自分が混乱してしまうので、冷静に話を進められる人がいる方が話を早いだろうと思ったので、探偵に仲裁をお願いした。
一週間であらかたのことが分かってしまうと、牧瀬は完全に抜け殻も同然だった。
浮気をしていたなら、わき上がってくるであろう怒りが一瞬に消えて、空しさが残ってしまった。
恋人がまさかの趣向替えをしていたなんて、思いも寄らない出来事だった。
牧瀬は週末にどうしても話があると言って、宅間にメールを送ったが案の定断られたので、しばらく家に帰れないことと、話し合いに応じないなら問答無用で別れることを切り出した。すると宅間はその日を空けてくれた。
どうやらいつものようになあなあではいかない牧瀬のように焦ったのか、宅間からの連絡すらほぼ無視されていたメッセージが頻繁に届くようになった。
大丈夫か、帰ってきて欲しい、というような、それまでに牧瀬が同じことを書いて送っても無視され続けた言葉が並んでいる。
「自分の都合でそうするんだ……」
宅間の勝手な様子に、牧瀬は次第に心も冷めていった。
必死になって追いすがるほど好きならば、何故ネコになった事実を隠し続け、別れようともしないのかが理解できなかった。
一緒にいる意味はもうなかったし、牧瀬の心は一週間離れているだけで、遙か彼方に気持ちすら消えてしまった。
話し合いをする日には、もう牧瀬は別れることを念頭に置いて話を進めることにした。
そうして一週間が過ぎて、牧瀬は宅間と二人で暮らしている部屋で話し合うことになった。
宅間は牧瀬が帰ってきたことに喜んでいたが、その牧瀬の後ろに男がいることに眉を顰めた。
「この人誰?」
「話し合いがもめないように止めてくれる人」
「浮気じゃない? それ」
「浮気というか、そういうことも全部話し合うつもりだから」
牧瀬がそう言うと、宅間は不審な顔をしたが、探偵が真っ先に名刺を出した。
「探偵?」
宅間が不審がってそう言うと探偵ははっきりと言った。
「あなたが浮気しているのではないかと牧瀬さんが疑って、私に調べるように頼んできたのです。ですからあなたのこと知ってます」
そう探偵が言うと、宅間はハッとしたように目を見開いて牧瀬を見た。
牧瀬は先に部屋に入って台所でお茶を用意している。そのお茶を宅間側と牧瀬と探偵側に分けておいた。
牧瀬が席に座ると探偵が牧瀬の隣に座り言った。
「宅間さん、座って下さい。今日は牧瀬さんが探偵の私から調べて知ったことの説明をしてもらいます。説明をしたくない場合は、牧瀬さんの荷物を全部引き取っていくだけですので、拒否はしない方が賢明です」
探偵がそう言うと、宅間は渋々椅子に座った。
舌打ちでもしそうなほどに苛立っているから、牧瀬は何だか怖くなった。ここまで不機嫌な宅間は見たことがなかったし、いくら探偵とはいえ、あからさまに態度を悪くするのも初めてだった。
「残業って言っても、残業じゃなかった。一体何してるの? 俺を放ってまで、誰かとセックスする方が大事なの?」
牧瀬がそう切り出すと、牧瀬がほぼ正確に事の自体を把握していることを宅間は知る。
「知ってるって何を。浮気していること?」
宅間がそう足掻くのだが、牧瀬は言った。
「宅間がネコであることは知ってるよ。たくさんの知らない人と寝ていることも知ってる。一体何してるの? ここまでやっておいて、俺と別れたくないって一体何なの? 俺を馬鹿にしてる?」
牧瀬がそう言うと、宅間の顔が青ざめる。浮気をしている程度だったなら、牧瀬を言いくるめられるとでも思っていたのだろうか。さきほどまでの余裕は一切なく、唇を震わせている。
「……牧瀬を馬鹿にはしてない……けど、寝ないといけないから……してる」
宅間がそう言うので牧瀬は眉を顰めた。
「しなければいけないって何で?」
牧瀬がそう言うと、宅間は何か言いかけたが探偵の姿を見ると口を閉じてしまった。
「そう言ってくれないんだ? じゃあ、もう別れるしかないよ」
「それは嫌だ!」
牧瀬が別れを切り出すと、宅間は必死になってそれだけは死んでもしないと言い切る。どうして別れる別れないにこだわっているのかが理解できない牧瀬は、話を進める。
「だったら納得できるように言ってくれる?」
「その人を追い出してくれたら言う」
探偵の存在を気にしている宅間だったが、それを探偵が遮った。
「悪いけど、二人っきりにはしないよ。だって私がいなくなって君が暴力か何かを使って牧瀬さんに言うことを聞かせることだってできてしまうからね」
「そんなことしない! ふざけるな!」
探偵の言葉に憤った宅間は、まさに探偵に殴りかかりそうなくらいに怒りを露わにして怒鳴った。
これで二人っきりにしてくれるはずもなく、宅間の言い分は通らない。
「理由は言わないけど、牧瀬さんとは別れない、けど、もうそういうことはしないとも言わない。理由だよ理由、分かってる。どうしてそうしているのかという理由だよ。それが解らない限り、君は牧瀬さんとは別れることになるんだよ」
そう探偵が言うと、宅間が立ち上がって探偵に殴りかかった。
「うるせえ! 黙れ! クソ探偵ごときが!」
探偵はいきなりのことで座ったまま殴られ、椅子ごと床に倒れ込んだ。
「な、何やってるんだ、宅間! た、探偵さん!」
そう叫んで牧瀬は立ち上がると、宅間は肩で息をしながら叫んでいた。
「あ、あいつらの仲間だろ、こいつ! 牧瀬、騙されるな! こいつは牧瀬のことをどうにかしようとしている!」
宅間が急に狂ったことを言い出し、牧瀬は怯えながらも刺激しないように話を促した。
「あいつらって誰? 仲間って何?」
「あ、あいつら、あいつらは……牧瀬の……ことを……」
「俺のこと? 俺もそれに関係があるの?」
牧瀬は宅間のあまりの激高具合に、話を合わせる。これ以上暴力は必要なかったし、宅間も何か喋りそうだった。
宅間は興奮したままでその場に座り込んで言った。
「牧瀬のこと、レイプしたやつら……また同じことをするって……」
そう宅間が言った。
「な、何を……言って……」
牧瀬は目を見開いて宅間を見た。宅間は座り込んだまま床を睨んでいる。
あまりの宅間の動揺している姿に牧瀬は驚いたが、そもそもおかしな話だった。
「宅間、落ち着いて。その人たちは俺をレイプしたって言ったの?」
「……言った……写真も見た……」
「……でも、俺、レイプなんてされてないよ……」
牧瀬がそう言うと、宅間が信じられないような顔をして牧瀬を見た。
「……動画も見せられた……確かに牧瀬だった……」
宅間が信じるほどに間違えるはずもない情報を宅間は教えられていた。
それでも牧瀬は身に覚えがない出来事だ。
「俺、本当に誰かにレイプなんてされてない……」
「……え? だって……だから俺は……」
そう宅間が混乱すると、牧瀬はそんな身に覚えがないことだから嘘は言えなかった。
「何、俺がその人たちにレイプされてたから、宅間はそんな人たちの言うことを信じたってこと? それで……その人たちとセックスをしてる?」
牧瀬がそう言った。
宅間はそれに頷いて、テーブルの上に置いていた携帯を取り出して一心不乱に何かを探り始めた。
そして何かを見つけると牧瀬に向けた。
「これ……牧瀬じゃないのか……」
宅間が見せてきたものは動画だった。一人の男が複数人に押さえつけられて、腰を振っている。事態は終盤だったのか、疲れ切った様子であったが、確かに犯されている男の顔は牧瀬と同じ顔をしている。
「……確かに似てる……でも俺、こんなの全く身に覚えがないよ……」
牧瀬がそう言うと、全く傷ついた様子もない牧瀬の顔を見て、宅間はやっとそっくりな別人の可能性に思い至ったようだった。
「……そんな、まさか……」
宅間がそうショックを受けていると。
「なんだ、もうバレたのか」
そんな声が玄関側の廊下から聞こえてきた。
ハッとして牧瀬と宅間が振り返ると、そこには宅間を夜な夜な呼び出していた男たちが立っている。
2
「どういう……こと?」
呆然としている二人の前に男たちが部屋に上がり込んでいる。
「うわー動いているのを見てもここまで似ているのは、案外親戚とか血のつながりがあるんじゃない?」
「マジそっくり」
「いいね、再現もできそうだし、こういうのは初物が美味しいしね」
男たちは口々にそういうと、牧瀬と宅間を押さえにかかった。
「どうして! 玄関!」
鍵は閉めたはずなのにと叫ぶと、玄関から探偵がやってくる。
「探偵さん、早く警察を!」
牧瀬がそう叫ぶと、探偵は一人の男と握手をして封筒を受け取っている。
「知らせてくれて助かった」
「危なかったですね。これでお互い痛いところは探らないってことで」
二人がそう言い合っていて、牧瀬は驚愕する。
「悪いね牧瀬さん。調べていたらヤバイ人たちだったんで、あんたの情報を引き渡すことで見逃してもらうことにしたんだよ。お金ももらえたし、ラッキーだよ。あ、牧瀬さんの後払いの分はこれでチャラにしてあげる。じゃね、楽しんで」
探偵はそう言うと、牧瀬たちを置いて部屋を出て行ってしまった。
「た、助けて!」
「あーあいつ、あくどいことしかしてないって有名の探偵じゃん。牧瀬ちゃんてば、よりにもよってアイツ選ぶから、こんなことになってる」
そう男たちは言うと牧瀬を押さえ込んで、暴れている牧瀬の服をナイフで引き裂いた。「やめろ! 牧瀬に触るな!」
宅間がそう叫ぶと、その宅間にも男が三人ほど群がっている。
「健気だけど、元はといえば宅間ちゃんの勘違いのせいだって分かってる?」
「……え?」
「こんな写真と動画を信じちゃって、たくさんの男に股開いてる間があったら、さっさと牧瀬ちゃんに確認しておけばよかったのにねえ。そうしたらこうはなってないよ」
そう男が言って、宅間を押さえつけながら、牧瀬が男たちに本当にレイプをされているところを見せられた。
「いやだああっ! 助けて!! 誰かっあああっああっ!」
牧瀬は男たちに押さえ込まれて、既にペニスまで挿入されている。無理矢理突き入れたようだが、牧瀬は普段からアナルを弄っていたために、飲み込みはよかったようだった。
「うわ、牧瀬ちゃん、いいおま○こしてるなっ中がうねって絡みついてくる」
男たちは自分たちで持ち込んでローションを垂らしながら挿入を繰り返し、生で突っ込んで平然としている。さすがに犯し慣れているのか、痛がる前にローションを与え、挿入で気持ちよくなるように乳首もニップルクリップで摘まんでしまった。
「ひぃっ、ひっ、ひっ、あ、やぁ……あっ、んああっ」
予想もしない出来事に完全に牧瀬はパニックに陥ってしまい、必死に暴れていたが、それすらも押さえ込まれるように犯された。
「うああぁ……っ!ああっ、ひ……ゃあ……あっ、あっ、あ……っ!」
牧瀬が泣きながら犯されているのを見た宅間は自分のせいで牧瀬がこんな目に遭っているのをやっと実感した。
こんな間違いで守りたかった牧瀬を傷つける羽目になるとは想像だにしなかった。だって全ては牧瀬を守るためにしていたことだったはずだ。それが全て嘘だったなんて、信じられないほどだ。
「あぁあ……っやめろ……っ! 牧瀬に手を出すな! 俺が代わりに!」
「もちろん、代わりどころか宅間ちゃんはメインだ」
男たちが笑いながらそう言った。一気に宅間の服も引き裂いて、泣いている宅間を犯しにかかる。
「や……っ、おちんぽっ……!あぁっ、だ、だめぇ……っ」
慣れた様子で犯してくる男たちのペニスには宅間は慣れていた。
「宅間ちゃんもちゃんと準備して待ってたよな……相変わらずこれでタチって嘘でしょ」
そう言いながら男たちは腰を振っている。宅間は必死に暴れて牧瀬を助けようとするのだが、力で男たちの集団に叶うわけもないことは最初から分かっていた。
「だめ……!やめて、ちくびだめっ、やめ……っ、あぁっ、あ――――っ!」
近くで牧瀬が男たちに犯されているところを見ながら、宅間自らも犯される羽目になった。
「ひいいいぃ……っ、ひぃっ……!いやだ、触らないで……っ」
泣きながら牧瀬は抵抗しているが、それを完全に押さえ込んでいる男たちが笑っている。
「やだ、ぁああ……!あっ、やだ、なんで……っ、こんな……ああ、あー……っ」
「全部、宅間ちゃんのせいだよ……あんな似てるだけのもので騙されて、悪い男たちを引き寄せたんだからな」
「ひ、っぐ、ううっ……やだ、もうむり、おしり壊れる……こわれる……っ」
宅間とは違う、大きく長い凶悪なペニスが抉るように牧瀬の内壁を広げる。
「あぁ――っ、あぁっ……ぃやあっ!おねがい、だめ、だめぇえ……ああぁ……っ」
「さすが宅間ちゃんが別れないだけのことはあるな。ネコになってるはずの元タチが手放したくないネコって希少価値あると思ってたけど、たまんないなあ」
「うぅ……っや……やっ……っは……っく……はあっああああぁ、あっ、あああ……!」
「そろそろおちんぽにも慣れてきただろ? おま○こがいい感じに馴染んでるぞ」
「ひああぁっ……あひっ、ん゛っおっあああっ、ひあぁっ、ああああぁ……っ」
男の言う通りに牧瀬の内壁は次第に男たちのペニスに慣れてきていた。
宅間のしか知らないはずであるが、宅間とセックスレスになってから、ずっと自分でディルドオナニーをして慰めてきた。
だから生のペニスがアナルに入っている感覚が久々過ぎて、嫌なはずなのに体がそれを待っていたとばかりに喜びだしてしまったのだ。
脳内が快楽であると判断して、体が必要以上に気持ちよくなってしまった。
「んっあぁあーっ、おちんぽっだめっ……あ゛ひっ、んっあ゛っあんっあんっあんっ」
「ここだろ? みっけ」
「あ゛っあ゛あああっ! あ゛ひっ、そこっ、らめっ、あ゛ああっ、だめっしんじゃうっ、そこゴリゴリしないれぇっ……! あ゛ーっ、あ゛ーっ、んっあああぁっ……!」
「死なない死なない……いいところ擦られて気持ちがいいんだな」
「牧瀬ちゃん、可愛い~気持ちよくなってて腰動いてる。相当飢えてたんだな。セックスレスだっけ? 宅間ちゃんひでーな」
「あ゛あぁーっ、あ゛っあ゛っあ゛っあ゛っ、んっあひっあんっうああぁっ」
いいところを擦り上げられて、牧瀬は抵抗することができなくなった。
快楽を追い上げることに関しては男たちは短時間で達成してくる。レイプされているという気持ちをなくしていくのが上手かった。
どうして自分はこんなに喘いでいるのかと思うほどに息が上がってきて、嬌声しか発していない上に、聞こえている甘い声が自分の物だと気付くことができなかった。
「あ゛ああぁっ! いぐっいくっ、イっちゃうぅっ! あ゛へっ、おちんぽっ、あ゛ーっだめっあ゛ひっあんっあっああああぁっ!」
「一発目、中出し~お先」
男がそう言うと、牧瀬の中で射精をした。
「あ゛ああぁっ、せいえき、おま○こに中出しっ……! ひあっあ゛うっんっあ゛っあああ~っ……!」
それに追い上げられた牧瀬も絶頂を迎えてしまった。
「あ゛っ……ああっ、う、あ、はぁっ、ああぁ……」
「牧瀬ちゃんもイッたな~。知らない男に犯されて、絶頂できるなんて、案外あの動画の主は牧瀬ちゃんじゃねーの?」
男たちがそう言って笑っているが、それは違うことを男たちが一番よく知っていた。
牧瀬と動画の過去にレイプした男が似ていることは話題になっていたが、ちゃんと相手の名前も把握していたために、似た人違いであることは分かっていた。
けれども男たちはそれをネタに、牧瀬と一緒にいた宅間を脅して、牧瀬がレイプされた被害者であることを持ちかけ、詳しい話をすると呼び出し、牧瀬をまたレイプするのをやめる代わりに身代わりになると言ってきた宅間を犯した。
それは一回で済む話ではなく、一年くらいは続いていた。
男たちはちゃんと宅間との約束を守って牧瀬には近寄らなかったが、それは当たり前のことで牧瀬は被害者ですらない。
「さっさとこっちも脅しておけばよかったなあ」
一人目が終わると二人目が牧瀬にのし掛かり、すぐにペニスをアナルに挿入して腰を振り出した。
「あああぁっ……!? あ゛ーっ……だめっ、今はぁだめ、いってるっあ゛っあ゛っうああぁっ……!」
「はいはい、そのまままたイッてしまえっ」
「あ゛ひっ、いいっ、あんっあんっあんっああーっあ゛ーっ……あーっ……おっき……っ」
牧瀬が何度も絶頂を迎えてしまうと、宅間もまたいつも通りに男たちに調教されたように嬌声を上げ始めた。
「あっ……あぁ……ん、だめ、はーっ、はーっ……おま○こ気持ちがいいの」
「宅間ちゃんもおま○こをおちんぽで犯されるのすきだよな~」
「ちんぽないと生きていけないからな~」
「ひぁっ……あああっ、あんっ、うぁ、あっあっおちんぽよすぎる……ああんっ」
「宅間ちゃんは素直でいいね~」
「あぁんっ……きもちぃっ……あうっ、ん、はぁっ、あっあっ……おま○こされて気持ちがいいのっああん」
宅間は早くも陥落して完全に男たちの調教されたままであった。
それを見た牧瀬は、もう宅間が戻ってくることはないのだと分かった。
こうなった事態が宅間の思い違いによる、男たちの罠だったのだが、それでも宅間が牧瀬を守ろうとしてくれた事実は変わらない。
「ああんっ……らめ、おま○こ壊れちゃうっあっ、あぁっ……」
ああなってしまった宅間を放って、このまま逃げることは牧瀬にはできなかった。
「あああぁっ……らめ、らめ、ひっ、おま○こでいくっあっああぁーっ……」
宅間が嬌声を上げているのを眺めていると、男たちが牧瀬を攻め立てた。
「はいはい、牧瀬ちゃんもああなろうな~」
そう言い、激しく牧瀬の中にペニスを突き立ててくる。
「あ゛あぁーっ……だめ、おま○こにはいって、あ゛あぁっ……、おちんぽこすれてるっ……、おま○こ、いっぱいになってる、あ゛っあんっあああぁっ……!」
「駄目じゃないだろ~気持ちよくてどうしようもないくせに」
「あ゛っ、あああーっひあ゛っおっあっあんっあぁっあひっいっあああっ!」
乱暴に突き上げられて牧瀬は嬌声しか上げられなくなる。
男たちのペニスを口に咥えさせられて、乳首にもペニスを擦り付けられ、牧瀬はどこもかしこも気持ちがよくて喘いだ。
宅間も完全に牧瀬を巻き込んだことを悔やむまもなく、男たちに調教された姿を牧瀬に晒した。男たちに好き勝手に一年弱を調教されて、とうとう完全なメスに成り下がったのだ。
「あひっ、しゅごいっ、おま○こっ、犯されてるっ……! おちんぽでごりごりされて、あぁっんっあ゛っ、いいっきもちいっ、ああぁっ、だめっ、あっ、あーっ……」
「宅間ちゃんのメス化、完了だな~。最後の関門がやっぱり牧瀬ちゃんだったか」
「ああぁんっ、いっちゃう、おま○こでっ、おちんぽ、おま○こで、……イかされちゃうっ……! ひああっいぐっ、おちんぽでおま○こぐりぐりされて、いくっ……あ゛っあ゛ひっうああんっ」
「ああ、派手にイッてるなあ~。いつも以上に感じているんじゃね?」
「元々おちんぽ大好きだけど、ここまで乱れてるのは初めてだな」
「あ゛ああぁーっ……あひっ、あ゛っいっあ゛っんっいいっ、あああっひっああぁっ! あーっ……」
「ドライのままイキッぱなしだな」
「ああぁっ……ふーっ……あっ、あっ……あ゛っ、あああーっ……!」
宅間は射精を伴わない絶頂を何度も繰り返し、体を痙攣させて嬌声を上げている。
「あ゛っ、あ゛っ、ああぁっ……! あひっ、い゛っ、あっあ゛っいまっ動いたらっ……あっあ゛っあんあんあんあんっ!」
「イッてる時に突っ込んでやるとイキッぱなしになるから面白いよな~」
「あ゛あーっ……あひっ、んっあ゛っああっおま○こいいっ、きもちいっ……うぁっんっあっあぅっ」
こうなると宅間はもう男たちが飽きるまでセックスのことしか考えられない頭になってしまう。
長い調教は宅間の体を作り替えしてしまった。
「ふあぁっあ゛っあんっセックスっすきっすきっ……! ああっい゛いっ……おちんぽきもちいっ、んっあ゛っああっ」
「宅間ちゃん、絶好調~」
「あぁんっおちんぽいいっ……あひっ、いっあ゛っあーっ、あーっ……」
宅間は男に跨がって自ら腰を動かして、男のペニスを受け入れた。
「あぁあんっ、おま○こ気持ちがいいっ、らめっ、きもちいっ……おちんぽいいのっあ゛ーっ、あ゛あぁんっ」
激しく腰を振り、男たちはどんどん射精をさせては違う男に跨がった。精液をまき散らして、男のペニスを口に銜え込み、ただひたすらセックスに興じる。
宅間は既に狂っていた。
「あ゛うっ、おちんぽ、はげしっ……いっあ゛っあんっふあぁっ」
牧瀬もそんな宅間を見て、とうとう狂っていく。
もう抵抗する意思はなかったから、男たちは牧瀬にも宅間にしたのと同じ調教を始める。腰を自分で振らせて、下からも突き上げてやり、セックス狂いにする。
「ああぁんっ、イって、このおま○こでイってっ……っ ふあっあ゛っあんっあんっああーっ! ひあ゛っああっいいっ! おちんぽはげしすぎっあ゛っひっあんっあんっあんっ……あぁっあ゛っうあああっ」
嬌声は悲鳴に似た声に変わっても男たちは牧瀬を犯すのを辞めない。
絶倫の男たちは平然と代わる代わる牧瀬と宅間を犯した。
「はぁっ……はぁっあぁーっ……ふあっ、すごいっ……あぁっ、あ゛、あ゛ああぁっ……だめぇっ、セっクスっよすぎて……こわいっ、ひあっあ゛っあーっ、ああぁんっ!」
「大丈夫大丈夫、そのまま気持ちよくなってな!」
「ひっあ゛ああーっ……いぐっ、おま○こでっ……! ふあぁっあ゛っあああんっ!」
「ほら、空イキしてっと気持ちがいいだろう?」
「あ゛あああっ……はひっ、ああっあっうああぁっ……」
射精を伴わない絶頂に牧瀬の頭の中は真っ白になる。もうまともな考えなど頭の中にはなかったし、宅間の存在すら頭の中から消えていった。
「あ゛あああぁんっ! あひっいっあ゛っあ゛っああああっ! ひあ……あっあーっ」
夜が更けてくると、さすがにマンションないに人が戻ってきてしまい、こんな嬌声を上げ続けたところ、さすがに直接苦情が来た。
男たちは平然と対応に出て。
「あと一回で終わるので、我慢してください、大丈夫十分かかりませんので」
そういう後ろでは二人の嬌声が聞こえているはずだ。さすがに何で騒いでいるのかまで解ってしまったようで、それ以降代わる代わるに人が来るも、一回の対応で追い払えた。
「ひあ゛ああっ、ぁはあっ!だめ……っそれだめぇ……おま○こいぃいっ……おま○ここわれっああんっはげしすぎるっおちんぽいいっあんっ気持ちがいいっああっいいっ!」
牧瀬も完全に男たちのペニスに狂い、男たちにいいようにされた。
「はあっ、はぁあん!も……っ、もう……おま○こ、あ……っ! 気持ちがいいっのっいくっいっちゃうっ」
宅間も牧瀬の存在を忘れてセックスに興じ、男たちに甘えて強請った。
「っふぁあ!あっ……! おちんぽで犯されておま○こでイクっ……も、イクぅうう!!」
「ほら、二人とも、イケッ!」
「ぁああん! あっあっあ―――……!!」
二人はそのまま絶頂をした。
そんな男たちは二人の動画や写真をしっかりと残し、今度は本当にレイプした証拠を残した。
「これで、二人とも何処にも泣きつけないな。いいか呼び出されたら、すぐに来るんだ。もちろん、こうやって疲れ果てるまで皆で気持ちよくなるだけだしな」
男がそういうので、牧瀬は思わず頷いていた。
「いい子だ。牧瀬ちゃん」
「宅間ちゃんは言わなくても分かってるよ。さて、今日は予定通りに引き上げだ」
男たちは入れ替わり立ち替わり入っていたので、二人は十人以上の男を相手にしただろうが、最終的に残っていたのは五人ほどの男たちだった。
その人たちが帰ってしまうと、周りはシンッと静まり返って、やっと宅間は正気に戻った。
「……まきせ……」
やっと起き上がって牧瀬を見ると、牧瀬は精液塗れで台所に倒れている。
近づいて起こしてやると、牧瀬はまだ夢の中にいるようで、宅間を押し倒してきた。
「牧瀬! もういいんだ……!」
そう言うと牧瀬は一瞬で正気に戻り、宅間を見た。しかしそれでも牧瀬は宅間に跨がって宅間のペニスをアナルに入れようとしている。
「だめなんだ……もう、牧瀨ではもう俺は無理なんだ……」
ネコに作り替えられた今、宅間は牧瀨の体では勃起すらままならなくなっていた。それがセックスレスの原因であることに牧瀨も気付いた。
「なんで……なんで……」
「俺が悪いんだ。騙された俺が……」
二人はそのままで抱き合って泣いた。
どうにもできない関係になってしまった二人は、過去には二度と戻れない。まして恋人関係にすら戻ることができない。やり直しすらできないのだ。
それからでも二人は一緒に住み続けた。
男たちからの脅しは止むことはなく、二人は言われたままに脅され続けた。
世間に知られるわけにはいかなかったので、さすがにマンションは引っ越したが、同居は続けた。
仕事は順調で、男たちがそこを邪魔することはなかった。
男たちの言い分では飼うつもりはないので、生活くらい自分で自立してもらわないと困るという。
何もかも失うと、人間は自暴自棄に陥って男たちに制裁を加えるために無茶をし出すのだという。男たちはそこまでは望んでいない。彼らとて生活と立場があるらしい。
なので夜に呼び出され、深夜ぎりぎりに解き放たれるまでは好きにされたし、土日は乱交に呼ばれたけれど、そこまでの苦痛は感じなくなっていった。
牧瀨も宅間も男たちがいつまでも二人に構っていることはないと知っていたからだ。
いつかは飽きて、他の誰かに標的を変える。それが分かっていたので二人は耐えた。
そして二年ほどで男たちは標的を変えて、牧瀨と宅間を解放した。
恐怖が終わったところで、二人はやっと不毛な関係を終わらせた。
その後はお互いに関わり合いのない、生活をすることになり、宅間はすぐに新しい恋人と暮らし始め、牧瀬は特定の人を作らずにバーに通い、気の合う相手を見つけて気ままにセックスをする生活に落ち着いた。
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