119-悪食

 その日の恋人の帰りは遅かった。
 志岐は食事を作り待っていたが、何度も恋人の中沢の携帯に連絡を入れても反応が返ってこない。
「たくっ、あいつまた携帯を切って酒を飲んでいるな?」
 大体のことは想像が付く。酒を飲んでいるときは大抵携帯は見ない。恋人がそういう性格なのは知っていたし、最近はお互いにお互いのことを熟年夫婦だと思っている。
 つまり、セックスも何もかもまったりとしていて、お互いに他の趣味を持ってしまい、お互いのことに気が回らなくなってきているのだ。
 けれど愛し合っていないわけでもなく、いなくなれば困るのでお互い別れることもせずになあなあで暮らしている。この生活のルーティンに入るとなかなか別れ辛くて、多少のことも流してしまえた。
 志岐も中沢もお互いに干渉し合うことをしたくないのに、一緒に暮らしている手前、干渉をせざるを得ない部分を確認し合っている。
 それでも中沢のこうした部分は恋人になってからはずっと志岐が気に入らない部分でもあった。
「飯作ってないと機嫌が悪くなるのに、飯作ったってメールすると無視するんだからやってらんない」
 そう言いながらも作ったご飯は夜食用に作り直して冷蔵庫にしまった。そうしておくと朝方に帰ってきたりしたときにこっそり食べていることがあるのだ。
 しかし今回はその出番はなかったようだった。
 インターホンが鳴り志岐が出てみると、男の人がカメラに写った。
『すみません、中沢さんの後輩で黒部っていいます。中沢さんが酔い潰れたので、送ってきました。中まで運びますので開けてください』
 そう言いながら寄って潰れたであろう中沢がぐったりしたまま肩に抱えられているのが見えた。
「今開けます」
 すぐにスイッチを押して入り口の鍵を開けてやる。
「今日は酔い潰れて終わりか」
 とにかく玄関まで言って、ドアを開けて待っているとエレベーターが辿り着いて、二人の後輩に抱えられた中沢がやってくる。完全に酔い潰れていて意識は飛んでいるようだ。
 中沢からの連絡が来なくなったときは大抵このように酔い潰れていて、翌日の昼間で爆睡してしまうのだ。
「あ、どうも中までお願いします……」
「はい、靴を脱がせてやってください……すみません」
「いえこちらこそ、中沢がお世話になっています」
 とにかく簡単な挨拶をして中沢の部屋に運んで貰い、ベッドに寝かせてしまってから志岐は礼を言った。
「すみません、あのお疲れでしょうからお茶でもどうですか? お腹が空いてません? 残りでお茶漬けしますけど?」
 志岐がそう言うと、後輩二人は顔を見合わせてから頷いた。
「じゃあ、お願いしようかな……実はその噂を聞いて期待してきたんです」
 黒部がまずそう言って白状した。
 もう一人の須原も同じように頷いている。
「あ、なるほど……だから?」
 志岐は察したように頷き、すぐに食事を用意した。
 テーブルには中沢のために用意したおかずを出し、お茶漬けを用意した。二人はそれをあっという間に平らげ、デザートも平らげた。
「美味しかったです……」
 そう男が言うと志岐はにっこり笑ってお茶を出した。しかし男たちはここまで経っても帰ろうという素振りを見せない。それに志岐が少しだけ警戒したように言った。
「そろそろ終電もなくなるでしょうし……」
 そう志岐が言った瞬間に二人が席を立った。帰ってくれるのかと志岐がホッとしたとたんだった。
 黒部が急に志岐の側に走ってきて、志岐の身体を押さえつけたのだ。
「な、何をっ……!」
「須原、手伝え!」
「あ、はい!」
 黒部がそう言い、須原はすぐに志岐の身体を押さえつけ、居間の方へと引き摺っていく。志岐はすぐに暴れたが、二人の男に押さえつけられると身動きは自分の思い通りにはならない。あっという間に居間に引き倒されて二人の男にのしかかられた。
「やっ……うっあっ……」
 暴れようとする腕を取られ、床に縫い付けられるように押さえつけられると身動きはそれだけで取れなくなる。バタバタと暴れてもそれでも男に身体をいいようにされる。
 その動きを利用して黒部は志岐の服を乱暴に剝ぎ取り、前のシャツは引きちぎられてボタンが飛び、下の方もスラックスと下着が同時に剝ぎ取られた。
「ああっ!」
 黒部が志岐のペニスをすぐに握ってから言った。
「握りつぶされたくなかったら、須原のペニスを舐めるんだ、いいな」
 志岐がハッとすると目の前で須原がペニスを突き出してきている。腕を押さえつけたままなので須原が志岐の顔に跨がった形だ。
 身動きもできず、自分のペニスまで握られている。抵抗をすれば酷い目に遭うのは明らかだった。しかしそれでも志岐が顔を背けていると、黒部がペニスを強く握った。
 それに根負けするように志岐が口を開くと、その志岐の口の中に須原が待っていたとばかりにペニスを突っ込んできた。
 急に口に広がる男臭さに目眩がしそうなほどであったが、涙目になりながら志岐が口を開いているだけでいると須原が自分で腰を動かし始めた。
 当然逃げられない志岐であるが口をすぼめて須原に早く絶頂をして貰うように努めた。
 それに気分を良くした須原が激しく腰を振り、それはイラマチオになった。喉まで打ち付けるように激しい犯し方に、志岐は苦しさに涙するも須原は激しく腰を振り、先走りをまき散らすかのようにして志岐の口を犯している。
 そんな粘り気のある音が部屋中に響く中で、黒部はさっきの台所から持ってきた食用の油を少しだけ手に垂らして、それを志岐のペニスやアナルに塗った。そして指をアナルの中に突き入れてきた。
「んっ……んぅ、んっんっ」
 急に感じたアナルの中に異物が入る感覚に志岐が起き上がろうとするも、須原がその志岐の頭を手で押さえ込んで更に激しく腰を振ってくる。
「んっ、んむ……っんんっ……んん~……んっ、ふ、んむ」
 喉まで犯される感覚は久しぶりで志岐の身体の力が抜けると、黒部は指を何度も出し入れしてアナルを広げていく。
 さすがに男と付き合っているだけのことはあり、日々の手入れなどからアナルはしっかりといつでも挿入可能なほどに弄ってあった。
「んっぅんっんんん~~っ!」
 指が二本に増え、良いところを擦りあげてきて志岐の身体が跳ね上がるのを黒部は見逃さなかった。
 そこを何度も避けるように周りを擦りあげ、周りから馴染ませていく。それに志岐はいいところに当たったのに避けられているのが少し不満になった。
 こんな手管でやってくる相手に出会ったことがない。まずいいところを擦りあげてイカせるのが手のはずだ。それが黒部はそこの辺りは慣れているのか、そこを意図的に避けている。
「んっんっぅんっんっむっんん~っ……んふっんん!!」
 そうして周りが完全に馴染んでしまい、アナルが自分で手入れするときよりも広がったとたん、黒部がいいところを擦りあげてきたのだ。
 ガクンと腰が跳ね上がり、一気に絶頂まで擦られ続ける。
 志岐はイッテはいけないと思いながらも黒部の手管に完全に翻弄された。
「んっふぅっ、んぅっんっんんんっ……!」
 指でいいところを撫で上げられた上に、喉をしっかりと犯してくる須原の精液の匂いが鼻に抜けて、志岐はそのまま絶頂をした。
「んっふあっああぁっ……はぁっはぁっ……あ゛、ひあっ……」
 身体を反らして絶頂をすると口からペニスが抜けたが、そのペニスはすぐに志岐の口を塞ぎ込んでまた口を犯してきたが、十回ほど喉を突き上げたところで須原は射精をしてきた。
「ぐふっ……んっんん!」
 口の中に精液が逆流してきたが、須原はペニスを抜かない。志岐は須原のペニスを咥えたままで須原の精液を飲み干す羽目になった。
「んふ……んっんんんっんふっ」
 上手く鼻で息をしながら、精液を飲み干していく。しかし口の中にある須原のペニスはまだ勃起しており、またゆっくりと口の中を犯している。
「俺のおちんぽほしい?」
「んふ……んっんっ」
 志岐は須原に見下ろされて言われ、須原のペニスを咥えたままで頷いた。
 だってそうしないと怖いから。
「ほら綺麗に舐めとって、これがまたあんたを犯すからな、しっかり覚えておけよ」
 須原がそう言っている間に黒部が服を脱いで全裸になっている。
 自分のペニスにも油を垂らし、ペニスを志岐のアナルに押し当てている。
 志岐の身体はまだ痙攣をしており、さっきの絶頂で射精をしたのにまたペニスが少し勃起している。
 ゆっくりと黒部のペニスが志岐のアナルに入ってくる。
「あぁあっ……おちんぽ挿れられたら、おかしくなっちゃうっ……」
 須原のペニスを口から出して貰ったが、志岐が言ったのは抵抗の言葉ではなく、それに対する期待だった。
 明らかにペニスを待ちわびているような言い方に、黒部は言った。
「こんな淫乱おま○こにじゃ、もう取り返しがつかないくらいおかしい変態に決まってるじゃん」
「そんなっああっあ、あぁ……!!
「ほら、俺の大きなペニスもすっかりおま○この中だ」
 奥までゆっくりであったが黒部がペニスを突き入れたが、さっきまで散々慣らしていたのと、志岐が自分で弄っていたお陰で簡単に大きなペニスすら飲み込んでしまった。
「んああっああっああっ!」
 奥まで突き入れてから更に奥に叩きつけるように黒部が腰を動かしてくると、志岐の脳天まで電気が走るように快楽が突き抜けた。
「あ゛あぁ~っ……ひっ、あひっいいぃっ……あんあんあっあぁっ」
 もはや嫌だという否定の声は出ておらず、これで嫌がっていると言う人はいない状態だ。
 まだ犯し始めてそれほど経っていないのに、志岐の身体はその快楽に打ち勝てないほどセックスによる快楽を求めていたことになる。
「はぁすげっ……中が熱くてうねってる……」
 黒部は夢中になりながら、志岐の中を犯してくる。黒部の太いペニスが奥まで入り込み、抉るようにして引き抜かれる。そしてまた奥まで乱暴に突き入れられる。
「ひっあ゛っあっあんっあんっあんっあんっああっんっ!」
 油のお陰でまったくの引っかかりさえなく、スムーズに挿入が繰り返される。ペニスが根元まで入り込み、それが中を押し開いてきて、志岐にはそれが気持ちがよかった。
 自分でするよりももっと得られる快楽が大きかった。
「マジでこのおま○こ名器だ。男にハメられるためのおま○こって感じ」
「あぁんっ、あっうぁっあうっあんっあっあっあっ」
「ここ擦るとめっちゃ締まる。ガンガン犯してやるよ。待ってたんだろ」
「あ゛ぁあっ! そこっひっあっあんあんあんあんあんあんっ!」
 さっき指で擦りあげられた場所をペニスで擦られて、志岐の身体が跳ね上がった。ペニスによる挿入で既に絶頂を迎えられそうなほど志岐は高められてしまった。
「ほら、もうイクんだろ? 身体がそう言っているぞ」
「あ゛ひぃっあ゛っらめっあ゛っい゛ぃっあ゛っあぁあーっ!!」
 言われた通り志岐は絶頂をした。しかし精液を出さないドライオーガズムで達したせいで、絶頂感や得られる快楽が長続きした。



「すっげ……空イキしたぞ」
「ふあぁっんっそこっ……あっああっんっいいっ……あっあっ」
 黒部はまだ腰を止めないで、志岐を犯し続ける。その強引さに志岐はすっかり参ってしまった。
 ああどうしよう、気持ちいい気持ちいい気持ちいい。志岐の頭にあるのはその言葉ばかりだ。セックスを恋人の中沢としなくなって二ヶ月ほど。一人で寂しい気持ちを慰めてきた。セックスがあまりになかったので自分でバイブを買ってしていたが、最後に浮気をしてみようかと思ったほどに至っていた。
 そこにこの二人だ。どこでどんな噂を聞いてきたのか知らないが、志岐にはちょうどよい相手だった。これなら浮気を疑われることはないし、無理矢理だったと言えば何とかなる状況だ。
「あ゛あぁっ……ひっあっおちんぽっ……いいっあっひっあぁっおま○こいいっ」
 この台詞だって言わないと酷いことをすると脅されたと言えばいい。本当の気持ちなんて言い訳には必要ないのだ。
「ひああぁっ……おっぱいっ……おっぱい擦って、ズリズリしてぇっ……おま○こいいっあっあ゛あぁんっ」
 そう言う志岐に合わせて須原が志岐の身体にむしゃぶりついた。
 乳首を舌で舐めて転がし、吸っては噛み、さらには指で捏ね回して引っ張り上げた。
「あ゛あぁ~っ……ひっあっい゛ぃっ、きもちぃっ、おっぱいとおま〇こおちんぽで犯されて感じるっ、あっひあぁぁっ」
 ああ、犯されてるのに感じていると志岐は思うのだが、それが何倍にも罪を重ねている気がして身体が興奮した。恋人と違う男とセックスをすること自体が五年ほどぶりだ。一筋に生きてきたけれど、脅されて犯されるなんてことは実際にはないと思っていた。
 しかし妄想では常に誰かに無理矢理犯されるのを望んで妄想し、一人でオナニーをするときには大抵相手は侵入してきた知らない誰かだった。
 まさに今、それが叶っている。
 現実は無残だと知っているのに、これはどうだ? 望み通りにして貰っている。
「あ゛ひっあっあっあんっあんっらめっ、あぁんっ」
 駄目だなんて一ミリも思ってない。けれどそう言って淫らにした方が男が燃えることは知っている。
 案の定、黒部のペニスが一段と大きく勃起したのを感じた。
「はぁっ……、おま○こに中出ししてって言ってみて。俺に種付けされたいって」
 そう言われて志岐はそれ以上を言った。
「あぁっ僕のおま○こ中っ……あっあんっおま○このなかに出して、んはっああっせいえき、精液っ種付けしてほしいっ……中に出してあっあんあんああぁんっ!」
「また締め付けて……出すぞ、中に全部……っ」
「あ゛ひっあっあんっあ゛あぁっあぁあっんっあんっ、中っああっいくっいくっあぁっあっああ-っ!!」
 同時に達して黒部は志岐の中に精液を吐き出した。それを感じて志岐は絶頂をして精液を吐き出す。
 ドロドロに溶けた状態になったところで、須原がまだ絶頂で感じている志岐を立たせる。すると黒部が志岐を後ろから足を持って抱え上げ、それを須原が志岐を抱え上げるようにして向かい合って立ったままでペニスを挿入し始めた。
「俺のおちんぽの味はどうだこの淫乱!」
 須原のペニスは大きさは黒部ほどではないが、長さが明らかに違った。さっきまで届いていなかったところまでしっかりとペニスが挿り込んで志岐を犯してくる。
「あ゛っい゛いっ、おちんぽでおま○こ感じるっあ゛っああっんあんっ」
「だろうな……黒部いくぞ」
「オッケー、簡易に片付けたからいいぞ」
 黒部たちはそう言いながら、玄関に向かっている。もちろん、須原に抱えられてペニスを挿入したままの志岐も連れて行かれる。
「ま、まって何処に……ああっんっ」
「声出すなよ、外に丸聞こえになるぞ」
 そう言いながらも須原は何度も下から志岐を突き上げてくる。それを我慢するために志岐は須原の肩に噛みついて声を漏らさないようにした。
 黒部と須原は外を確認し、黒部が先に出ていく。そして戻ってきてドアを開けると、外は大雨が降っている。もちろん外に人がいるような天気ではない。それを確認した須原は、わざと志岐の身体を手すりに押しつけて、そのまま何度も挿入を繰り返した。
「あ゛んっらめっ、おま○こらめぇっ、あっあひっあ゛っあんっ!!」
 大きな声が雨の中に響いた。マンション中に聞こえる大きな声が出たのだが、それを雨音が綺麗に消し去っていく。
「あんっあっっ、あぁっいい、おま○こきもちいいっきもちいいのっ」
 ザンザンと打ち付ける雨が志岐を濡らしてくるのが気持ちよくて、志岐はそのまま外であることを気にせずに喘いだ。
「あ゛っ、あ゛あっ……ひあああんっ……いいっあああんっいくっああっんっあ……っ!!」
 二十回ほど突き入れられる感覚を味わった後、志岐は絶頂をした。
 もちろんそれもドライオーガズムで身体が痙攣している。快楽はそれまでのセックスの中では最高に良い絶頂の仕方だった。外であることを忘れてしまうほどのセックスであるが、それと同時に頭の片隅にある外であるという事実が興奮を高めたと言えた。
 志岐はそこで完全に堕ちた。
 すぐに黒部が須原を呼び、隣の部屋に入った。
 この部屋は過去に志岐が暮らしていた部屋で、今は空き室になっている。なかなか入居者が決まらないままであったが、どうやら鍵を閉め忘れていたようで、誰でも中に入れる状態だったようだ。
 室内に入ると誰かがいた気配がして、奥には布団が敷いてある。
 どうやらここに忍び込めることに気付いた二人が、最初から志岐をここに引き入れるためにあらゆる物を持ち込んでいたらしい。
 玄関を入ってすぐに玄関に下ろされ、玄関の扉に手を突いたままで挿入される。
「あぁんっおちんぽ、おちんぽっはぁっんっもっとおち○ぽ頂戴……はあんっああっ」
 志岐はズルズルと入ってくる須原のペニスをゾクゾクと身体を震わせて受け入れた。
「あ゛っ、あ゛あっひあああんっいいっあああんっ」
「淫乱ま○こ、犯しまくってやるよっ……」
 そう言うと強引に腰を動かし始める須原。それに志岐は身体を仰け反らせて快楽を受ける。
「あっひあああんっああんああっっあああんっ」
 もう既に志岐には抵抗する意思はない。寧ろ喜んで須原たちの物を受け入れる。だってここはもう別空間で、恋人が起きてくるかもしれない心配をしなくていい。どんなに喘いだって誰も気にしない。
 この更に隣は海外に短期出張で誰もいない状態だ。上の部屋は常に爆音で音楽を鳴らす学生が住んでいるし、防音はちゃんとしているマンションだ。
 また今日は豪雨で雨音や風が全てを消してくれる。実際、さっき外で叫んだときだって誰も外には出てこなかった。それくらいに聞こえない気象状況なのだ。
 ガンガンと後ろから突き上げられて、志岐はその行為に夢中になった。
「ギチギチに締め付けやがって……そんなにチ○ポが好きなのか」
「あ゛っひっ、す、好きっおち○ぽ、すきっいいっ、い゛あぁっあんあんああっあっあっあ!!」
 彼氏の中沢よりも長く太いペニスで奥までこじ開けられて、志岐はもっとと強請った。こんな状況でなければ、この人たちだって犯してくれないだろう。今は酒も入っているだろうし、理性も大分低い。そうでなければ、先輩の付き合っている男に手を出そうだなんて考えやしないだろう。
「あーすげ、この淫乱マ○コ。最高じゃん……」
「あひっあっああんっ……い゛っあんっあぅんっ」
「このチ○ポなしじゃ生きられない体にしてやるっ!」
「あ゛っあっあっあああんっらめっそれはっああっひあああんっ!」
 腰を掴まれて強引に突き入れられるペニスに翻弄され、志岐は自分でも腰を振った。もっともっとこの快楽が続くように。そしてもっと欲しいものがあった。
「はぁっ、言ってみろよ、チ○ポ気持ちいいって、チ○ポが大好きですってなっ」
「やっあ゛っあぁっんあっあっいいっああんっだいすきっ……ああんっおち○ぽだいすきっはあんっ!!」
 信じられないほど快楽を得て、アナルでここまで感じたことはないほどの快楽で志岐は涎を垂れ流しながら知らない男のペニスで腰を振って、その男のペニスをもっと欲しがった。
「あはぁん、あはぁ……突いてっ……もっと突いて、黒くてイヤらしいおちんぽで、僕のおま○こ突いてぇっ……」
「……なんだって?」
「気持ちいいからっ、おちんぽでおま○こグリグリされてきもちよくなっちゃったから……、もっとおま○こ犯してほしいっ、あっあああんっ!」
「そうかじゃあ、もっとやってやるよ。もちろん、この後は黒部のペニスも待っているし、とりあえず出しておこう」
「あああぁっい゛ぐっいっちゃうっあっあんっああぁーっ!」
 散々攻められて志岐はすぐに達した。射精を伴う絶頂がやっと訪れたのだが、その絶頂の余韻に浸る暇もないままにまだ須原のペニスは動いている。
「イキながら中出しされたらどうなるんだろうな? っ出すぞっ!」
 絶頂している最中に中出しをされたことは無い。そんな気持ちが絶対にいいだろう瞬間にされたら、とてもじゃないが持たない。
「あ゛ひっあ゛っらめっいってぅ、い゛ってるからあ゛っあああ――――――っ!!」
 絶頂している中で須原に中出しをされた。精液が奥まで入り込んできて、通常では得られないところまで液体が届いている。
「すげ、この淫乱おま○こがっ……すげえ、締め付けてきた、おお搾り取られる!」
 志岐のアナルはそんな須原のペニスをしっかりと締め付け、最後まで射精を促した。
「あ゛んっあんあんっあ゛っあひぃっ! あ゛ああぁんっ!」
 アナルにたっぷりと精液を注ぎ込まれて志岐は須原から解放された。
 開いたアナルからは須原の精液が溢れ漏れ、ダラダラと垂れて床を汚している。それも構わずに須原は志岐を部屋の中まで連れて行った。
 そこには敷き布団が敷いてあり、志岐はその上に引き倒された。
 するとすぐに待っていた黒部が志岐にのしかかり、すぐにペニスを志岐の中に突き入れた。
「あんっ、あっあっあっ……ふあっ、んっああっ」
 黒部が志岐を突き上げていると、そこに須原が座り込み志岐の乳首を弄ってくる。
「あ゛っ、あ゛あっあああんっちくびっあああんっ」
 乳首を両手で片方ずつ弄り、捏ねてくる。それが気持ちが良いのは挿入されている途中でされるのが志岐が好きだったからだ。
「やっぱり想像以上に感じるんだね。開発されたんだな?」
「ひああっ、あぁっ、乳首っ……いぃっ、あっあぁんっ」
「いじられるのが好きか? それでこんなに感じまくるなんて、生粋の淫乱体質だね」
「あぁあんっ乳首いじられて感じちゃうっ……あっあっひあっいいっきもちいっ……あぁんっ」
 気持ちいい気持ちいい気持ちいいと何度も志岐は首を振った。乳首が性器になってると感じるのはこういうときだ。自分でオナニーするときも乳首を弄るし、正直ペニスを弄るよりもアナルと乳首の方が好きだった。
「乳首じゃなくておっぱい。おっぱい気持ちいいって言ってみて」
「ああぁっおっぱいっ……おっぱいきもちいっ……あっひあっあっあ~……っ」
「エロいな、本当に。しかも本人大満足だしね、襲って良かった」
 黒部がそう言う。須原もここまでとは思ってなかった。最初の躊躇は何だったんだと思うほどに志岐は乱れ、自ら腰を振って喜んでいる。
「あああぁっ……いいっいいっっ……はぁっはぁっ、きもちよすぎて、あっらめっ……おっぱいもおま○こもきもちよすぎておかしくなるっ、あっあんあんあんっああん!」
「恥ずかしいね……乳首感じて、おっぱい気持ちいいっおま○こ気持ちがいいって言いまくるなんて、淫乱変態」
「あぁあんっいいっ……あっあっおっぱい、おま○こいいっあぁあ~っひあんっおま○こあああんっひああんっ」
 黒部が激しく志岐を突き始め、志岐が悶えながら少し逃げようとする。
 そんな志岐を押さえつけて黒部は腰を振り、須原は乳首に吸い付いて舌で嬲った。
「あひっあっあっあっぁあんっらめっちくびっ……あはんっおま○こっやあぁっ」
 快楽が与えられて想像を超えるほどになって、志岐は初めて快楽を怖がって逃げようとした。それでも快楽はどんどん押し寄せ、志岐はだらしなく涎を垂らしながら喘いだ。
「はあ? 気持ちいいんだろ? こんなに腰振っておま○こでペニスしっかり締め付けて、こうやって無理矢理おま○こ犯してほしかったんだろ」
「あああぁっ……ひああっおま〇こっ……ひあっあっあんあんあんっ!」
 パンパンと激しく音が鳴る。部屋中には電気が付いてないので外の雷の明かりが時折光っている。目は暗闇になれてきて男の顔は分からないが、それでも何となく姿が分かる。
 その端でカメラが動いているのが見えた。赤いランプが付いている。どうやら暗視用の撮影らしく暗闇でも作動している。
「ああぁ~っ……ひあっ、あっあっ、あぁんっ」
 あのカメラには今までの志岐の痴態がしっかり映っており、これからもこれは脅しに使われるのだろうと分かっていたが、志岐はそれらを気にもせずにひたすら快楽に身を投じた。
「はああっ……あっあ゛あっ……ひあっおま○こっ……おかしくなるっ……あっあぁっあああああ!!」
 アナルはさっきの細長い須原とは違い、大きさだけは一回り大きいペニスでアナルをこじ開けられる苦しさがあるが、それが段々と快楽に変わる。この太さでいいところを何度も擦りあげられて志岐は何度もドライオーガズムを迎えた。
「あ゛あっあっいいっおま〇こっきもちいっはぁっあっそこっぐりぐりしたらっあっあっあんあんあんっ!」
「ああ、ここ突くと吸い付くみたいに締め付けてくるな……」
「ひあっおま○こっきもちいいっ、おま○こでいっちゃうっばかになっちゃうぅっあっひあっあぁんっ」
「馬鹿になるといいぞ……ほらもっとおち○ぽ欲しいだろう? 今日は二つだがこれからもずっと可愛がってやるぞ」
「あぁあんっきもちいっ……おま○こハメられるの恥ずかしいのに、あっあっいいっはぁんっきもちいいっああっんっ」
「本当にどうしようもない変態だな……知らない男のおちんぽ大好きってぎゅうぎゅう絡みついてきてる」
「ひああぁっいいっ……あっそこっおち○ぽでおま○こぐりぐりすごいぃっ……ぁああっあひっあんっあんっ」
 ガンガンと犯され、何度も精液を中で出されても黒部もペニスが萎えずずっと犯され続ける志岐。その心地よさに志岐は完全に堕ちた。
「ほら、中出ししてやるぞ。たっぷりとな」
「あぁあんっらめぇっ……また中出しされたらっ孕んじゃうっ……あぁあっあ゛ひっあっひぁあああぁ~~っ!」
「孕めよ……っ、はぁっ出すぞ、おま○こに種付けしてやる。孕めっ!」
「あ゛っあ゛っああああっあひっあっふぁっふかいっ……あっあんっあぁんっ」
 奥まで突き入れられて精液を大量に吐き出される。それは先までの精液と混ざり合い、奥まで入り込んで志岐を狂わせる。
 志岐は中出しされることがここまで気持ちがいいとは思ってなかった。今までは一回すればいい方でコンドームを付けているから感じたこともなかったのだ。
 でも今は乱暴に突き入れられて無理矢理精液を注がれる。まさに犯されているだけなのに、異様に感じてしまい中出しでドライオーガズムに達した。



 完全に志岐が堕ちたと気付いた黒部と須原は代わる代わるに志岐を犯した。
 様々な体位を試し、志岐は中出しを何度も強請り、男のペニスも咥えて腰を振った。
「ひああぁっ……いっちゃう……乳首とおちんぽでっ、潮噴いていっちゃうっ、あっあっあぁっ」
「見せてみろ、ほらよ」
「あんっあんっあぁんっ……潮っふいちゃうっ、らめっ、あっあっああぁ!!」
 ペニスからは液体がビシャリと吹き出て尿ではないような吹き出し方をする。
 こんな絶頂があるなんて志岐は知らなかったし、誰も今まで教えてくれなかった。こんなことがあるなら我慢しないでさっさと犯されていればよかったとさえ思うほど、志岐は性欲を持てあましていた。
「あぁんっいいっいいっ……おっぱいとっおま〇こきもちいっ……、あひっあ゛っあっああ~っ……」
 志岐はそう言いながら淫らに乱れて見せた。
 黒部は志岐をベランダで犯して見せて、志岐はずぶ濡れになりながらも自ら腰を振った。雷が激しく鳴っていて、外は真っ暗でたぶん停電になっているのだろう。街明かりが一切無い中で志岐は黒部や須原だけを感じて快楽に身を投じて腰を振った。
「もっとおちんぽハメて、おま○こをずぼずぼ突いてっ……あっあ゛ああぁーっあ゛あああっ……あひっ、あっあ゛っ」
「すっげ……絡みついてくる……淫乱なおま○こだ」
「あ゛あっ……ひっあっああぁんっ!」
「自分でペニスに跨がって腰振るほどだからな。好き者でよかったよ」 
「ひあっあっあ゛うっあひっおっあ゛っあぁっ」
「もう淫乱な雌犬だな、蕩けた顔して」
「あひっあっあ゛あっらめっおま○こっ……あっああぁんっ! あんっあ゛っいいっ……ひあっあうっんっああっ」
 また玄関の廊下まで行って四つん這いで犯される。
「俺のおちんぽ気持ちいい? 犯されて感じる?」
「あぁんっきもちいいっ……硬くて大きい……っひあっあっこのおちんぽ好きぃっおま○こ突いて、ああんっああっ!」
 まるで獣の交わりのように勢いに任せてセックスをする形になり、志岐はその全てに応じた。どんな形だろうと平気で受けた。どんな形だろうと気持ちが良かったから何でもよかったのだ。
「あああぁっ……またいくっ、いっちゃう、おま〇こでっいっちゃうっ……あっあ゛ひっあぁあんっ」
「イく? 俺のおちんぽで犯されて、おま〇こでいくんだ……淫乱変態っ」
「ひああんっあうっあっあっあっあんっああぁ~っ」
「いや、まだだ、ほらもうグズグズだから二本入るだろ?」
「ひあああっ! あ゛うっあ゛っあっあああっ」
 立ったままで突き入れられていた志岐のアナルに、黒部と須原のペニス二本が入り込む。あり得ないほどの苦痛かと思ったが、本当にアナルが拡張されていたようで、きつかったが入ってしまった。
「あ゛ひぃいっもっらめっおかしくなっちゃうっ……あひっあ゛っあ゛っあ゛ぁんっ!」
「くっ締め付けすぎ。おま〇この中に、たくさん精液出してあげるからなっ」
「ひああっおま○こに出ししたらっ孕んじゃうっ、あひっあっあんっあんあんあんあんっ!」
 最後の追い上げだとばかりに志岐は突き上げられ、二人に追い上げられた。
「あ゛ああぁーっ……ひあっあ゛っああぁっ」
「はぁっ……いくっ……孕めっ」
「あひっあ゛っあんっあっあっあっあんっあ゛あああっ……!」
 二人の精液が奥まで叩きつけるように射精されて、志岐はその感覚で絶頂をした。
 すぐに二人のペニスが出て行ったが、抱えられたままの志岐のアナルからは精液が勢いよく吐き出されて床を塗らした。
「あ゛ああっ……あひっ、あ゛っうっあ゛っああっ……」
「はぁっ……はぁっ……」
「いっあ゛っあっうぁっあ゛ーっ……あ゛ああぁーっ……」
「あーすげえイイっ……おま○こ最高っ」
 黒部はそれが終わるとすぐに帰っていった。
「彼女が待ってるしな」
 と名残惜しそうにしたが、雨風は大分収まったのでタクシーが呼べたのだ。
「あひっ、いっあっあんっあんっらめっ……あああっ」
 そんな話を二人はしていたが、志岐は須原にまだ犯されていた。
「ひああぁんっ! あひっ、おま○こっ……あんっあっああ~っ」
「もう完全に堕ちたし、いいよな」
 黒部がそう言うと須原は志岐を突き上げてから笑った。
「んふっおちんぽで、もっとおま○こガんガん突いてほしいっ……。もう、おま○こ疼いて辛いからっ、おちんぽハメハメされないと、おかしくなるっ、ああぁっ! あ゛あ゛っ!」
 志岐は完全に堕ちており、須原のペニスだけでも満足したように乱れている。
「ああ……望みどおりくれてやるよ、おま○この奥までガんガん突いて完全なメスま〇こにしてやる……っ」
「あ゛あああ~っ……! あ゛ひっ、い゛っ、あっあああぁっあ゛あ゛ーっ……もっ、だめっだめっ、ぐりぐりっしないでっ……あんっあっあ゛っあああっ」
「中痙攣してきた……。イきそうか?」
「あ゛ひっやっあ゛っあんっああぁ~っ……あーっ、ああぁーあ゛ーっ、あ゛ーっ……もっ、だめっ、ひあっおかしくなぅっ……! あ゛ひっあ゛っああああっ」
「いいよ、イけよ、ケツま〇こでキメて、突っ込まれないとイけない淫乱になれっ」
「あひっあ゛ーっ……いっちゃうっ……! いぐっいぐっ、おま○こだけでイって、メスになるっ……! あ゛っあ゛っああああっ!」
「ほら中出し好きだろ! 中出しだ!」
「ひあ゛っ、あっ、ん゛あっ、あーっひあ゛っ、いや、あ゛っ、あああぁっ……!」
 須原が志岐の中に精液を中出ししたところで黒部は部屋を出て行った。
 須原はまだ志岐の中にいて、まだ腰を動かしている。
 何度やっても性欲は萎えず、須原はすっかり志岐にハマっていた。
 最初こそ先輩の彼を奪うつもりはなく、軽い気持ちで犯したのだったが、今ではやってよかったと思うほど志岐にハマっている。何度も突っ込んで腰を振っても疲れない。もっとハメてやりたくて懸命に腰を振った。
「あ゛ああぁっ……! あひっ、あ゛っん゛ああっ」
「あーっ、きつい、すげ……っ」
「あ゛っああぁんっ! いいっああんっおちんぽがっ、奥まできてぇっ……あひっうっあ゛っああーっ」
「はぁっ、おちんぽ気持ちいいねえ? これからもっと突いてあげるからなっ」
「あ゛んっ、い゛っあ゛っあ゛あああっ! あ゛っ、おま○こっ、らめっ、あ゛ああっ、だめっしんじゃうっ、おま○こばっかゴリゴリしないれぇっ……! あ゛ーっ、あ゛ーっ、んっあああぁっ……!」
「また中出しっ……するぞ」
「あ゛あぁーっ、らめっ、せいえきっあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っ、んあっあひっあんっうああぁっ」
「んっふうっ」
「あ゛ああぁっ! いぐっいっちゃうぅっ! あ゛っあ゛ああぁっ、中出しっ……! 精液きたっうっんっあ゛っあ゛っあああ~っ!」
 志岐はそのまま須原に犯されまくり、朝が来る間に気を失った。
 須原は気を失った志岐を何度も犯したが、明け方付近になってからやっと性欲が尽きて行為を辞めた。
 志岐はそのまま寝かせ、自分はビデオなどを片付けて部屋を出て行った。
 
 志岐はその後、喉の痛みを覚えて目を覚ました。
 さすがにあれだけ喘いだら喉もかすれるだろうというほど、淫らに喘いだ結果に、起きた瞬間に志岐は笑ってしまった。
 新しい世界を知ってしまった。
 我慢して我慢して、その結果、その彼氏の同僚に犯された。
 散々嬲られてとうとう目覚めてしまったらしい。
 志岐は自分のアナルから溢れる男たちの精液を掻き出しながら、その精液を身体に付けてオナニーをした。たぶん狂ってしまったのだろうと思う頭があるだけ、正気を保っている自分が志岐には信じられなかった。
 そして盛大に精液を吐き出して射精をして絶頂し、志岐は残されていた水などを使って体中を綺麗にして、置かれていた自分の服を着て部屋に戻った。
 風呂に入る前に部屋を覗くと、恋人はぐっすりと寝たままだ。志岐は部屋の様子を調べてから、昨日の名残がないうちに片付けをして風呂に入って汚れを落とした。
 身体は熱を忘れられず、風呂に入ったのに熱が抜けない。
 身体を拭きながら服を捨てようとしていると、ポケットに名刺が入っていることに気付いた。その名刺は須原のものだった。
「あいつ……須原っていうのか」
 一瞬だけ苛立ちが出てしまい、名刺を握りつぶして捨てた。
 それから部屋に戻ると、恋人が起きていた。
「あーごめんな。また酔い潰れて帰ってたらしい」
「あ、うん、後輩の人が送ってきたよ……」
「そうか、悪かったな」
 そういう恋人に寄り添ったところ、恋人がすっと離れていく。
「あ、ごめん、寝て起きたのにまだ眠くてな、そんな気分じゃない」
 ピシャリと性欲が余っている志岐の様子を悟った恋人の中沢が断ってきた。
「あのさ、これでもう二ヶ月なんだけど?」
 今までの苛立ちが急に溢れてきて、志岐はそう中沢に言っていた。
「は?」
「僕たちさ、一緒にいる意味ある? 恋人なのに一緒にいないし、仕事って言いながら飲んで帰ってくるだけで、僕は何のためにここにいる? 家政婦が欲しいなら、そういうのと付き合えばいい」
「ちょっ……何でそういう話に」
「そういう話を今まで極力避けてきただけで、ずっと思ってた。セックスも二ヶ月してない。話だって真面にしてないよね。昨日でいい加減頭にきたから、もう出て行くことにする」
 志岐はそう言うとすぐに荷物を用意し始めた。
「え、志岐? 本気?」
「本気。当面は隣の部屋を借りるけど、そのうちちゃんと出て行くから」
 志岐はそう言うと、簡単な荷物を持って部屋を出た。そのとき、さっき捨てたばかりの名刺を拾った。
 いきなりの志岐の行動を中沢は全く慌ててはいなかった。たぶんすぐに戻ってくるだろうと思っているのだろう。
 それでも志岐は戻らなかった。
 その日のうちに須原の紹介ですぐに別のマンションに引っ越しが決まり、そこへと引っ越した。
 中沢が慌てたときにはすでに志岐の心は完全に中沢から離れており、周りの友人にさえも放っておいて連れ戻す時期も見余った中沢を慰める人はいなかった。
 引っ越した志岐はリミッターが外れた状態になり、常に須原や黒部と寝た。
「あああぁっ……! あ゛ーっ……だめっ、今はぁいってるっあ゛っうああぁっ……!」
「イキながら突かれるのが好きだっただろう?」
「あ゛ひっ、いいっ、あんっあんっあんっあ゛ーっ……あーっ……おっき、おちんぽ、ごりごりすごすぎ、もっばかになっちゃう……っ」
「馬鹿になったくらいでちょうど良い。普段ができすぎるくらいだからな」
 志岐は仕事も変えてしまい、心機一転した。身体を使って会社でのし上がり、取引先も増えた。会社の志岐の味方とは平気で寝た。会社の社長や副社長まで相手をしたほどだ。
 完全な地位を築き上げていて、世界は変わった。
 志岐は自由に身体を使う方が向いていた。
「あ゛ああああっ……!だめっいくっいくっやっいっちゃうっ……!あ゛っんあっあ゛っあっあ゛っ……」
 須原や黒部と寝るのは、彼らのペニスが気に入っているからだ。ただそれだけで二人は寝てくれる。何の損得も無かった。
「あ゛~~っあっおま○こいってぅ……っあ゛ああっいくの止まらないっ……いっちゃってるひうっああっん゛っああっ!!」
「相変わらず、すげえ身体だ。淫乱すぎてめちゃいい」
「開き直ってから更によくなってて、堪らん」
 二人は交互に志岐を抱いてくる。飽きることなく乱暴に犯してくるのは変わっていない。
「あうっ……ん゛っあっはぁっはぁっ…ああっふあぁっんっそこっ……あっああっんっいいっ……あっあっ」
「飽きるまで相手してやるからな……」
 黒部は最近結婚をしたのだが、それでも志岐の元に通ってくる。須原も彼女ができたらしいが、性欲が強すぎて抜けないために通ってくる。
 志岐はそれでいいと思っている。
 求められるがままに抱かれて、後は構わないでほしいのだ。そういうのは前で懲りた。
「ひああっらめっ、そこっあひっ……おかしくなるっあっい゛っあっあっあんっあんっあんっあぁんっ!」
 絶頂しながら志岐は次の算段を考える。
 この二人の代わりをそろそろ用意しなければならないだろう。さすがに子供ができたら呼ぶわけにもいかない。
 そう思いながらつまみ食いをしている相手を頭に思い浮かべる。
 体力がありそうな若い子が良い。でも貪欲な中年でも良い。
 どんな人間でも志岐を抱くと志岐の思い通りになった。
「あひっああっいくっいくっやぁっ……んあ゛っひっああぁんっ!」
 身体だけを求め続けた志岐が愛を求めるようになるには、後十年ほどの時間が必要だった。

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