116-神待ち

 徳井健吾の家は、まさに地獄だった。
 まず父親が暴力を振るい、子供たちを平気で殴るのだ。その暴力は周りが児童相談所に通報するほどで、何度か児童相談所に預けられた。
 しかし、そのたびに母親が泣いて子供を返せ、夫とは別れるといい、本当に別居して健吾を引き取るのだが、そこにまた父親が押しかけてきて同じことを繰り返す。
 そうした問題が多い家だったので、転校は一年ごと。児童相談所に目を付けられ始めると引っ越すを繰り返した。
 そして高校生になって健吾は実家を出た。寮がある学園に教師の薦めで入学し、やっと父親の暴力からは解放された。それをきっかけに両親とはほぼ縁が切れた。
 しかし逃げた健吾の面倒を両親は見てくれず、健吾は何とか奨学金と中学の教師たちの助けで何とか卒業した。
 だが、高校を出た健吾を両親は連れ戻しに来た。
 やっと働ける年になった健吾に、親は今までの養育費を返せと迫り、自宅で軟禁して暴力を振るった。
 体力が付いたことと抵抗したせいで、健吾はとうとう父親に殺されかけた。
 幸いそこは近所の人が見つけて止めに入ってくれたが、健吾は二度と家に戻らないつもりで家出をした。
 戸籍を動かすと親がついてくるので、ほぼ保証のない逃亡生活になってしまったが、ネットで知り合った人の家を渡り歩いた。
 知り合いと言ってもコメントを二、三回した程度の人のことで、家出少年たちの間では「神待ち」という行為で、相手が提示する条件次第で泊まるところを確保することだ。
 中には酷い人もいるが、いい人もいて、ものすごく親切な人に当たることを「神」と思い、そういう人を探し選ぶことを「神待ち」という。
 けれど、いつまでもそのままではいけない。
「そういう生活を続けていると、死ぬよ?」
 そう言ったのは、一人の男性だった。名前は江澤。ネットで知り合い、何度か飯を食べたことがある人で、その人は正直神様のように親切だった。
 健吾がすごく困っているといつでも泊めてくれたし、飯も奢ってくれた。
 しかし健吾は余りに人に頼りすぎて、他の宿泊先も段々と消えた。親切な人も頼りっぱなしで成長のない健吾を見限り始めたのだ。ボランティアもただではない。
 基本的にこういう家出少年などを泊めてくれる人は、女性を好む。まあ強姦が目的の場合が多く、ほとんどの神待ちの子は被害にあっているが黙っている。
 強姦されて回されることよりも実家に帰る方が地獄なのだ。
 まだ黙っているためにお金を貰えて、食べ物が貰える方を選んだだけだ。
 健吾もまた、その人たちと同じ気持ちだ。
 けれど、健吾はそういう被害に遭ったことはない。たまたまいい人ばかりを選んでいて被害を免れていたからだ。
 そういう生活を諭してくる江澤に健吾は真剣に答えた。
「分かってるけど、でも就職するとその人たちが親に許可取りに行って、それで会うのがいつも母親で、その母親がいい人だって言うんだ。帰ってあげなさいとか言って母親の演技に騙されて。で、一月したら父親がその給料を取りに来るわけ。職場荒らして俺の息子を許可なく働かせたって慰謝料だせって。母親が許可しても父親が知らないっていうのがいつもの流れで、母親はいつも私は許可を出してないって言い出すんだ。それで警察を呼ぶよりも俺の給料渡して、同じ額の慰謝料を払えば、黙って帰るから皆そうするんだ。それで、お前の親に騙された、あんな人が来るならうちにはおけない、首だって。勝手に騙されて、俺が違うって散々いっても親はいい人だって言い張ったヤツが、俺に当たり散らして出てけっ言うんだ。こんなこと五回も繰り返したら、俺あの親から逃げられないんだなって思うよ」
 そう健吾が言うと、さすがに江澤も理解した。
「そうか……じゃあ、許可取らないで仕事すればいいよ。大丈夫、俺が紹介するよ。もちろん、事情も説明して親には知らせない方法で」
 そう江澤が言うので、健吾は驚いて江澤を見た。
「今日は焼き肉にいくんだけど、いいよね? 俺は久々にいきたくて、一人だとちょっとね」
 そう江澤が言うので健吾はごちそうになることにした。
 その日の江澤は機嫌がよくて、焼き肉はいいところのいい肉を食べさせて貰った。
 たくさん食べた後は、江澤の家に行って、その就職先のために履歴書を書いた。
 江澤はそれを手伝ってくれて、明日にはそこを紹介してくれることになった。
 ホッとした健吾は、江澤が手渡してくれたラムネのお菓子を食べて、一緒にゲームをした。
 そして夜になって眠くなったので借りた布団で寝た。
 そこまでは健吾も普通だと思った。
 
 その夜中だった。
 健吾は体中を舐め回すようなくすぐったさにふと目を覚ました。
 目を開けると周囲が明るくて驚いた。
「う、まぶし……何で?」
 目を細めていたがやっと視界が光になれてくると、健吾の周りに人がたくさんいることに気付いた。
「……え? な、何?」
 健吾はハッとして周りを見回してみるが、知らない人ばかりだ。
 しかもベッド周りには照明がたくさんあり、それが健吾に向けられている。
 そしてベッドの上にいる健吾の周りには裸の男が六人ほどいる。
 どの人もペニスを半勃起させていて、とても異常な光景だった。
「起きちゃったよ……効いてないんじゃない?」
「あれ、ちゃんと食べてたのに」
「どうします? これじゃ駄目っぽいんだけど」
 そう男たちが見ている先には椅子に座った人がいる。
「ああ、もういいよ、睡眠系は人気だけど、強姦物の方が根強い人気なんだよね。幼気(いたいけ)な少年を大の男が回してペニスに狂うやつ。それでいいよ。どうせ、次のやつはそれでやろうと思ったしね。とりあえず強姦物でやって、それから百発のやつで、あとは淫乱少年の三本でお願いね」
 監督らしい男がそうプランを変えると、男たちが盛り上がった。
「お、それいいね」
「この子は淫乱系が似合うと思ってた」
「これで初物らしいから、がっつりおま○こに仕上げてやろう」
 男たちはそう口々に言うと健吾に襲いかかった。
「や、やめろっああっ……江澤さん! 江澤さん!」
 さっきまで一緒にいた江澤の名前を呼んで、江澤に助けを求めたのだが、それに男が笑う。
「江澤なら、もういないよ。君、江澤に売られたんだよ。こっちは履歴書もらって就職させてやってんだから、しっかりセックス頑張ってね」
「いやだ、なんでっ……やだっやめろっ!」
 必死に逃げようとしても六人もの男にベッドに仰向けに押さえつけられてしまったら、幾ら健吾が元気な少年でも逃げることはできない。
 圧倒的な力の差に健吾は抵抗できず、男たちによって身体を弄られた。
「ああ……やめろ……あっやだぁ」
 身体を折り曲げられてお尻を高く上げられて、男たちに次々にアナルに指を入れられた。
「……あ゛っやっ、いやだっ、ぅ……」
「さすがに硬いな」
 ドロドロとした液体をたくさんアナルに入れられて、男たちの指がどんどん健吾のアナルに挿入っていく。それが様々に動いてアナルを広げるように指でアナルを引っ張っている。
「あ゛ああっ……ひぁっ、んっ、あんあんあんっああっ!」
「指マンで結構感じてるし、もうちょっと広げたら挿れていいんじゃね?」
「あ゛っあ゛っあああああっあ゛~~っああっあんぉっあっあひっ」
「きついな……間違いなく処女だな。でも感じてるから大丈夫。いいね、エロい顔して」
 健吾はすっかりアナルで感じてしまい、顔も嫌がっている顔ではなく、恥ずかしいという照れの方が強かった。
「んあああっ……あ゛っんあっあ゛ーっ……」
「いっぱい指マンして、広げたらおち○ぽ挿れてやるからな」
 そう言われて男の指が更にアナルを広げて中にまで入り込んできた。
「あ゛あっああっんっあっあひっあんっあんっあぁんっ」
 どこからこんな声が出るのかと自分でも驚くほど嬌声が出てしまい、周りはそれを聞いて興奮している。
「すごい声……おま○こで感じてるな。いい声出して。しかし、中が熱くて指に吸い付いてきてる。こいつ当たりだ」
「あ゛っあああっだめっだめっ……あーっあ゛ーっ……」
「エロい顔して説得力ないよ。健吾くん」
「ああああああっ!あ゛っああっんっっあ゛っんぉっ」
「ここ。すっげぇ、指食いちぎられそうなほど締め付けてくるな」
「あ゛うっやめっあ゛っあああっひゃああんっ!」
 指を三本挿入れられて、ズコズコとアナルを擦りあげられて、健吾はこんなのは夢だと思った。
 父親の暴力のせいで、オナニーすらほぼしたことはない。そういうところを見つかったら、きっと性的暴力も追加されたいただろう。そうなる前に家を出られたのはよかったのだが、唯一信用していた江澤に裏切られた。
 そのショックも冷めやらぬ間に、アナルを数人の男たちにいじり回されて自分はそれに快楽を感じて嬌声を上げている。
 それが不思議でならない。
「あ゛ーっ……あ゛っあっんああああっんはあっ!」
「指マンで感じてるのにまだ抵抗する部分があるみたいだな、でもそれも今日の三本でどこまで壊れちゃうかな~」
「うああっやっ……あんっふあっあ゛っあ゛ああああっんはあっあああん!」
 ガンガンとアナルを指で突かれて、とうとう健吾は射精をした。
 あっという間に追いあげられて、自分でも驚くほどだった。こんなに早く射精をしたことはなく、またここまでの快楽を得たこともなかった。
「ほーら、おま○こだけでイケた」
「エロま○こだ」
「エロま○こだよ、これは」
「いいね、エロま○こ」
 口々に男たちがそう言い、開いた健吾のアナルを見つめている。
 言葉攻めのようにアナルをおま○こだと言い、その言葉を健吾に植え付けている。
「ほら、処女を頂くのは誰? じゃんけん」
 男たちはそう言ってじゃんけんを始めた。六人全員が参加して一人が勝った。
「ラッキー、久々に犯し甲斐のある子だから、処女頂くのは記念になるね」
 そう言いながら男は大きなペニスを健吾の中に突き入れてきた。
 内壁が開いたところまでは簡単に挿入できたが、そこから先はペニスによってこじ開けられた。
「んああっあああっ……そんな、あ゛っ……あっんぉっあっ……あんっ……あぁあんっ」
 ペニスは奥まで挿り込むと中で馴染むまで少しだけ待ってから、挿入を開始した。
「お……やべっこいつマジで……すげっ」
「何が凄いんだ? エロま○こなのは分かってるだろ?」
「想像以上、中身トロトロすぎる……ああ、これすぐ出る」
「確かに指でも凄かったけど、おち○ぽ大好きな子でよかったよ」
「あ゛あああっ……あひっあ゛っうあっあんあんあんあんあんっ」
 ガンガン男のペニスで犯されて、健吾の口からは嬌声しかでない。自分でもどうしてこうなっているのか分かってなかったし、どうして江澤が裏切ったのか分からなかった。
 でも健吾は自分が神待ちをしている女性たちと同じように、男たちに裏切られ回されていることだけは理解していた。


「あ゛ーっ……うあっあっあっああっひあんっ」
「いきそう? いくの? おま○こが痙攣してきた。イって、ほら、ほらっ」
「あ゛あああっ……いやああっあ゛うっんっあああああっ」
 奥をガンガンと突かれて健吾は追い上げられる。もう我慢の限界であったし、絶頂をすれば楽になるのは分かっていた。
 その最後の抵抗も、男たちの手によって奪われた。
 挿入が強く速く乱暴になって追い打ちを掛けてきたのだ。
「この期に及んで抵抗する? もうおま○こされるのにな、遠慮せずイケって」
「あ゛ああああっ……! だめっいくっいくっやらっいっちゃうっ! らめっあ゛っんあっあ゛っあ゛っ」
 健吾は派手に絶頂して、精液をペニスから吐き出した。
 それがビューッと長く吹き出し、男たちが笑っている。
「あ゛~~っ……あ゛っんあっいってぅ……っあ゛ああっいくの止まらないっ……いっちゃってるひうっやっあ゛っああっん゛っああっ……」
「あーエロいな健吾くん」
「たまんないわ、この子」
「エロま○こ最高……悪いな出ちまった」
 健吾のアナルからペニスが抜かれたのだが、処女を奪った男が申し訳なさそうに言った。
「お前、出してんじゃねーよ」
「いや、すげぇ絞ってくんのよ。もうマジ神ま○こなわけ……」
 そう男が言っている。
 健吾は絶頂をして意識が飛びそうなほど感じたが、これで終わりだとは思ってなかった。
 さっき後ろの男が言っていた。強姦だと。そしてそれは三本分。つまりAVのことなのだろう。
 大体の契約でこういう世界は一本の契約ではなく、三本分が一回の契約になる。だから健吾はその三本分の撮影をこれからされるのだ。
 男たちは汁男優であるが、本物の強姦をしているのだから有名人でもなさそうだ。
「あうっ……ん゛っあっはぁっはぁっ…ああっ…んふっあん」
 頭の中で何とか考え事ができるほどに意識が戻ってきたのだが、次の男がまたペニスをアナルに挿入してきて、考える力を奪った。
 そうすると、別の男が健吾の口にペニスを突っ込んできた。
「んんっ……ふっ、んっん゛っ」
「噛むなよ、ほら、そう、もっと舌絡めてっ……」
 正直、ペニスは噛み切ってやりたいほどであったが、それをしてもきっと特はしない。この男たちが言うように契約が三本であるなら、それを完遂した方が早くに解放されそうだ。
「んんっ! ん゛ぶっ、ん~~っ」
 健吾は大人しく男の言う通りにして早く解放されようと心がけた。
「お~下手だけど、口の中もたまんねぇな」
「ん゛んん~~っ……んぶっんふっんんんっんっんっ」
「あーっ口に出すよっ」
「んんふっ……んんっん――――――っ!!」
 男は健吾の口の中で射精をして達した。精液が喉まで突きれられたペニスから吐き出されて、それを健吾は飲むしかなかった。吐き出したいけど、ペニスが邪魔でできなかったのだ。
 精液なんて美味しいわけもないのに、健吾はそれを何故か美味しいと思ってしまった。
「わ、飲んだ。マジで」
「すげ、素質あるんだな、この子」
「じゃあ、がっつり犯させて貰おうかなっ――そんな物欲しそうな顔をしなくても、すぐあげるからね」
 まあ男のペニスが口に入れられ、フェラチオではなくイラマチオをされる。
「んふっ……んんんっんんっふっんっ」
 喉を使ってのそれは、酷く苦痛だったし辛いので、涙が出るのだが男は健吾の頭を掴んで腰を振り続けあっという間に健吾の喉の奥に射精をした。
「んふん――――――!」
「ああ、出る出るっ気持ちいい、口ま○こだろ、これ……」
「……ふっあっああっぁ、……っひ、あっ、あああっ……」
 ペニスが出ていっても次のペニスが口の中に入ってきて喉まで犯していく。
 精液はお腹がいっぱいになるほど飲み込んでしまって、もう無理だと許してくれと言った。
「ひっ……もむり、あ゛っ……あっ……あたまおかしくなるっ」
「おま○こ突かれながら、口ま○こも犯されて、おかしくなっちゃったんだね。おま○こももうとろっとろだよ。気持ちがいいよね?」
「んっん~~っ……あっ、はあぁ……」
「ほら、おち○ぽ締め付けて精液を誘ってる。もう奥までずっぽりハメハメしておち○ぽで突いてやるよ」
「あ゛っあ゛ーーっ……うあっあ゛っうぉっあ゛あああっうあっ……ああっう、動かないでっ……ひっ、こわれるっあっああんっ」
 健吾が喘ぐほどに周りは健吾の身体にのめり込んで次々に健吾を犯した。六人の男たちは入れ替わり立ち替わり健吾のアナルを突き続け、中で精液を吐き出してくる。
 AVではてっきり偽のスペルマを使っているのだと思っていたが、この男たちはそういうものは一切使わずに精液を射精している。
 もう健吾のアナルは精液でベトベトであったし、男たちが出してペニスで掻き出していくので、ベッドの上では精液塗れだ。
 男たちは平然としてセックスを続けた。
「あ゛っっあ゛っうあっあ゛ーっだめっ、あ゛っんっひああっんああっ!」
「あー気持ちいいよ、ぎゅうぎゅう締め付けてきて……エロま○こだね……」
「あ゛ーっ……んっあっい゛っあっうぁっあんっあんっあんっあんっ」
「喘ぎ声凄いね、淫乱っぷりが増してるよ……おま○こいいよね? 強姦されてるのに感じちゃうような淫乱だもんね、おま○こ濡れ濡れでおち○ぽ足りないでしょ?」」
「あああっ……ひっあっおま○こっぐりぐりだめぇっ……あ゛っうあっあっあ゛ーっ……」
「ほらっまたイッた。意外に言葉攻め好きでしょ? 誰かにそう言われてそのまま育ってきちゃったんだね……分かるよ~妥協した方が何事も上手くいったんだよね?」
「ふあああっ……あ゛っうっんっあああっ」
 ペニスで突き上げてくる男が分かったような口を利いていた。
 健吾がふっと目を開けると男が耳元で言った。
「君が児童相談所にいるのみたことある。俺もそこにいた。いつもお父さんに暴力ふられてて体中傷だらけだったよね……でもセックスはしてなかったんだね……勿体ない」
 そう言われて健吾はゾクリとした。
 自分の過去を知っている人がここで自分を犯している。
「ふああっ……あっひっあ゛っあ゛ぅっ」
「ああ、乳首弄ってあげる」
「んん~~っ!あ゛っあ゛っひあっあぁんっ」
「あはは、乳首もビンビンじゃん……勃起していやらしい」
 そう言うとその男は乳首を他の男に舐めさせながら健吾を犯した。また口にペニスが挿り、それを舐める事にも慣れてきてしまった。
 指で両方の乳首を吸われて弾かれて、快感が乳首から下半身に突き抜けてくる。
「あ゛あああっいくっいくっい゛っ……!あ゛っんぉっ……はあんっあ゛ああっ……!!」
「ふっくっ……すっげイッたな……」
「あ゛あああっ……おっ、あぁっ、や、だめっあっひあああ」
「おま○こ犯されながら乳首弄られていっちゃった」
「うあっあ゛っいいっおま○こっきもちいっ……おち○ぽでズボズボされるのよすぎて、いっちゃった、男なのにおま○こでいくの止まんないっ……あ゛っい゛ぃっあっあ゛っ……」
「……ああ、目覚めちゃったなあ。やっぱり素質ありじゃん」
 突き上げている男がアナルの奥で射精をしながら健吾の耳でこっそりと言った。
「ようこそ、こちら側の世界へ」
 それは新しい世界が健吾の前に開けた言葉だった。


「あ゛っああぁんっ! らめっ、おちんぽがっ、奥までぇっ……あひっうっあ゛っああーっ」
「おちんぽ気持ちいいねえ? これからいっぱい突いてあげるからなっ」
「あ゛っんっだめっ……あ゛んっ、い゛っんっああっおちんぽっあ゛っおちんぽっすごいっ……あんっあんっだめっだめえぇっ」
「もうおちんぽのことしか考えられないって顔して!」
「あ゛ああぁーっ……! おちんぽハメられないとっ、生きていけない、おま○こっおちんぽでゴリゴリされていっちゃうっ! あ゛ひっあ゛っいいっい゛ぃっいいっあーっ、あっんああっ」
 三本目の淫乱地獄という題名の作品のために、健吾は一日中男たちに回された。男たちは最初の六人が終わり、二本目に突入すると別の男たちがやってきて健吾を犯した。
「ひああぁっ……あひっ、ん゛っあっあああっ、ひあぁっ、おま○こっおかしくなりそうなのに、おちんぽいっぱいハメられてっ……んあんっだめっああああぁ……っ」
「おま○こでキメるところ見たいな、イッてほらっ」
「んあっあぁあーっ、だめいくっ……あ゛ひっ、んっあ゛っあんっあんっあんっ」
 健吾はどんどん絶頂して、ドライオーガズムを覚えてしまった。精液を出さない絶頂は快楽が長い。それを教え込まれ精液を出さずに絶頂ができるようになった。
 男たちは更に尿道に管を差し、健吾の尿道まで犯した。
「あ゛っあ゛あああっ! あ゛っ、おま○こっ、らめっ、あ゛ああっ、だめっしんじゃうっ、おま○こばっかゴリゴリしないれぇっ……! あ゛ーっ、あ゛ーっ、んっあああぁっ……!」
 健吾は尿道に管を入れられ、射精を制御されたままで犯されて、ドライの感覚を徹底的に覚えさせられた。射精感に頼る絶頂ではないから、ペニスに痛みが出ない。それが楽なので健吾はそれを身体で覚えた。
「はーっ……すげえ……おま○こに精液出してって言ってる」
「あ゛あぁーっ、らめっ、せいえきはっらめなのっあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っ、んあっあひっあんっうああぁっ」
「どんどん中に出していくからね……中出しで種付けだっ」
「あ゛ああぁっ! いぐっいっちゃうぅっ! あ゛っ、おちんぽでごりゅごりゅされていくっ! あ゛ーっだめっあ゛ひっあんっあっああああぁっ!」
「ん、このおま○こ、本当に名器すぎて、濃いザーメんたくさん出してやった……!」
「あ゛ああぁっ、中出しっ……! 精液きたっうっんっあ゛っあ゛っあああ~っ……!」
 連続中出しを五十人ほどにされ、アナルにはその精液が堪っている。漏れないように
体勢を保たれて犯されていたので、最後にアップでアナルを撮影されて、四つん這いになってカメラにアナルを見せながら、その精液をひねり出して絶頂をした。


「はーっ……、はーっ……よかったよ、最高だった」
 カメラマンと撮影が下がっていってやっと終わった。
 団体の汁男優が部屋から出て行ったのだが、健吾はベッドに放置されたままだ。
「あ゛っ……ああっ、う、おま○こいっぱい……んふんああ」
 ドロドロとまだ溢れる精液を感じながらも、健吾は妙な満足感に包まれていた。
「はい、これ出演料。またハメたくなったらおいで。君は絶対こっちの世界が向いてる。おま○こ、またしたいよね?」
 そう言われて精液まみれのアナルに指を挿入れられて弄られた。
「あ゛っあああぁっ……!? あ゛ーっ……だめっいってるからっあ゛っうああぁっ!」
 アナルの中を掻き回されて、健吾は喘いだ。
「あの時は、まさかこんなエロま○こだとは思わなかったけどなあ。もうちょっと弄ってあげる。なんならペニスいる?」
「あ゛ひっ、いいっ、あんっあんっあんっああーっ……」
 指で乱暴な挿入をされ、それでも中は激しく感じてしまっている。
 もう戻れないのだ。健吾はそう思った。
「あ゛ーっ……あーっ……おっき、おちんぽで、ごりごりしてください、もっとおま○こしてないと……だめなの……」
「いいよ、飼ってやる。ここは天国だよ、あんな掃き溜めよりはずっとね」
 そう言うと男はすぐに健吾の中にペニスを突き挿入れた。
 そのペニスをしっかりと健吾は味わい、何度も絶頂をした。
 
 その日から、健吾はアダルトデビューをした。
 ネコとして出した、先の三作がその年の売り上げのトップスリーを飾り、年明けに出した最新作が脅威の売れ行きを出してアダルトのDVD販売とダウンロード記録の二冠で記録を作った。
 もちろん親にも知られることになったが、健吾の周りはヤクザが占めており、子供を殴って悦に入っていただけの小物な父親には太刀打ちできず悔しがりながらも引き下がった。
 健吾はネコとしてゲイのアダルトで活躍した。
 作品の数は百タイトル、ジャンルはあらゆる物があり、年間で十作以上出ることもあった。だんだんと年を重ねると最初の頃の勢いはなくなったが、落ち着いた演技で年下タチを食う役で人気が再沸騰してからの引退だった。
 けれど健吾の性欲は既に完成されていて、一人で相手ができるものではなかった。
 健吾はあの事件後から、健吾の過去を知っている野島と一緒に暮らしている。
 健吾の全てをサポートしてくれた野島は、今でも健吾の世話をしていた。
 政界や業界の人間を相手に商売をしている野島は、健吾を使ってその地位を築き上げている。健吾はネコとして、そういう業界の人とセックスを毎晩している。
「あっひぁっ、らめっ……あっやぁっあぁんっ」
「ああ、ずっと君を犯してみたかったんだ……」
 代議士先生が健吾に覆い被さり、健吾のアナルにペニスを突き入れて腰を振っている。
 それはもう夢中で、健吾もそれで気持ちよくなっていた。
「ひゃっあぁんっ! あひっあっあんっあぁっ」
 政治家や業界の人はセックスに慣れていて、特に犯すのが得意だった。
「あっあんっ、んっやっ、やらっあんっ……っ」
「ああ、いいね、その嫌がり方。最初の作品の強姦ってのを思い出すよ……あれは本当に興奮した作品だったよ」
 大抵の客は、最初の三作品のうち、本当に健吾が襲われて強姦された作品が好きだ。それは権力者にとって弱い物を虐げている気持ちがあるからだと健吾は思っている。
 自分は偉くて凄いと尊敬されたいのに、周りを見下してこうやってしてやりたいと内心思っているからだ。
「ひっあぁんっ! やっあぁっあぁああんっ……やらぁっ、おま○こっこわれちゃうっあっぁんっ、あんっ」
「壊れやしないよ、気持ちよくなるだけよ……ほら中出しでいこうね」
「ひっあっあんっ、いくっ……はぁっ、いっちゃうっ……、いっちゃう……ぁんっあんっ」
「でるっ!」
「ああぁっらめぇっ、ぁんっ、いっちゃうっ、やっあっあひっ、あっぁんっあんっあああんっ!」
 健吾もちゃんと感じて絶頂はできる。ただ少しだけコントロールは必要だ。自分で腰を振っていいところにペニスが当たるようにするだけでイケるのでそうする。
 一緒に絶頂をするとこういう人は悦ぶ。
「ああ、とてもよかったよ、健吾くん、君が引退して寂しかったけど、こうやって本物が抱けるのはよいことだね。また頼むよ、今度は一日借りたいものだ」
 そう政治家が言うと、それを受けて野島が次の予定を秘書に聞いて入れる。
 こうやって野島は権力を手に入れて、健吾は身の安全を手に入れた。

 そうして、やっと父親が死んだという噂が健吾の耳に入った。
 不摂生がたたっての病気だったらしい。
 健吾にとってのこの世の悪そのモノだった人が死んだことで、健吾もやっと前を向いて歩く気になった。
 だから健吾は野島の家を出た。
「本当に行くの?」
「うん、今までいろいろとありがとう。落ち着いたらまた連絡するよ」
「そう、分かったよ。元気でね」
「うん、そっちもね」
 健吾はこれからアメリカに行く。
 ハワイに屋敷を買ったので、そこに永住しようかと思っている。
 お金も貯まったし、一生働かなくても凄い贅沢をしなければ死ぬまで何とかなるからだ。
 このために免許も取ったし、色んな資格も取った。英会話も習って太鼓判を貰った。
 やっと落ち着いた時間が訪れる。
 健吾はドアを閉めると、ドアに向かって一礼をしてからタクシーで空港に向かった。
 そして、その日のうちに何の未練も心残りもなく、健吾は日本を去ったのだった。

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