104-似たもの同士

 昨今の出会いは、簡単だ。
 ネットで日常生活の愚痴を垂れ流していると、共感した誰かが会話をしてくれる。そうして毎日同じ事を繰り返していると、やがて相手に興味を持って実際に会うこともある。
 最初は数人で飲み会だ。
 知らない同士でも、日常を話していた人たちだから自然と知っている気になる。そしてそこでも気が合うと、週末に会うことも増える。
 こんな関係でも自宅に行き来するような友人ができる。
 それまでの友人のように、接点がなくなり消えるなんてことはなくなる。ネットで繋がっているから、日々繋がっているような気になって、いつでも会っているような気がするのだ。
 峯には、そんな友人ができた。
 奥原という男は、ネットで峯が愚痴を漏らした時に一番初めに反応してくれた人だった。峯が珍しく愚痴を口にしたことを気にして、わざわざダイレクトメールで大丈夫?と聞いてくれた人だった。
 その時の峯は上司にセクハラをされていた。
 身体の関係を持ちかけられ、会社でも人がいないのをいいことに身体を触ってきたりと、とにかく峯の貞操が危なかった。
 ある日、残業で一人残っているところに上司が戻ってきて、峯はその上司に襲われた。
 幸い、上司を撃退して逃げたのだが、その後上司は峯に嫌がらせをしてくるが、性的なことを求めてくることはなくなった。
 その嫌がらせが本当に酷く、悩んでいるというのが愚痴の内容だった。
 その時に奥原は、上司の行動をすべて思い出しメモし、その奇行の全てを記載しておき、まとめて上司ではなく、更に上に上司に相談するように持ちかけてきた。
 その通りに峯が行動を続け、二ヶ月ほどの様子を書き込んだものと証拠をいくつか持って更に上の上司に相談した。
 最初こそ峯のことを信じてくれなかった上の上司だったが、聞き込みをした結果、峯に対してだけではなく、別の社員からも同様の訴えが起こっていた。性的な被害者は峯だけではなく、四人ほどいた。全て男性で、被害を訴えてももみ消されるだけだと泣き寝入りしていたという。
 事態を重く見た上の上司は、社長に直談判し、被害者が望むのは上司が消えてくれることだという最も分かりやすい要求だけだったので、峯の上司は社長たちに事情を聞かれた。
 その時、誤魔化せばいいものを言い訳を続け、社長は激怒、そのまま上司はセクハラやパワハラを繰り返したことによる懲戒免職になった。しかしそのまま懲戒免職になると、今後の仕事時に困るという上司の泣き言から、上司の個人的な事情による自主退職という方法に落ち着いた。
 実は自主退職だと退職金が出るらしいのだ。
 会社としてもそんな上司がいた記録を残したくないのだろう。
 納得はいかないが、上司は事情を聞かれたその日にそのまま退職していなくなった。
 新しい上司には、上の上司が暫く様子を見てくれることになり、やがて事情を知る外部から上司になる人が転職してきて落ち着いた。という経緯がある。
 こんな状態なので峯は上司の報復を恐れて奥原の助言通りに家を引っ越した。
 すると元上司は峯の元自宅マンションに押しかけ、既に別の人が住んでいるにも関わらず迷惑行為をして警察に捕まったという話が舞い込んできた。
 結局上司は自分で未来を潰して、不法侵入や殺人未遂で逮捕された。
 峯は奥原に命さえ助けて貰ったことになった。
 だからなのか、峯は奥原の言うことは何でも信じた。
 その奥原はとても静かな人間だ。いわゆる酒の席で盛り上がっていても一人冷静で、周りに気を遣い、幹事の助けも気がついたらやってくれるような人だった。
「でもさ、奥原って峯にしか興味ないよな」
 そういうのは、同じくネットで知り合った山本だ。
 峯と山本は会社が近いことで、時々昼休みに食事を一緒にすることがある。それはその時に言われたことだ。
「……え? 何で?」
「いやさ、奥原って誰にでも優しいけどさ。それはいいことだと思うけど、峯に対してだけは異様という感じ。峯がさ、コンビニでどの酒を買うか~って書き込んだ時さ、みんながあれだこれだで盛り上がっているのに、奥原は峯に今日は休肝日にした方がいいって言い出して、いついつ酒の量がこれくらいで、休肝日を作らないと通風になるよって諭しててさ」
「あーうん、あったね」
 それがどうしたというのだろうか。
「でも、同じ感じで別のヤツが盛り上がってた時は、奥原はさ、なーんも言わないわけ。そいつ通風になりますよって医者に脅されているって言ってるやつなのに、忠告は誰もしなかったけど、奥原もしなかったというか、コメントもしてなかった」
「たまたま、見てなかっただけじゃないのか?」
 峯がそう山本に言うと、山本は言いにくそうに言う。
「ううん、実は俺、あんまりに気になったからさ、奥原のコメントを見てみたんだ。そしたら、俺らに対して一日一回程度しか話しかけてこないのに、峯のコメントには全部コメントしてるんだ。夜中でも早朝でも話が何でもしっかり話しかけてる。で、重要そうなことだとダイレクトメールしましたんで~って裏で何かやってる、そんな感じ」
 それはたぶん上司の問題でいろいろあったことだろう。
「あーうん、それは俺が奥原に相談というか、ちょっといろいろあって助言貰ってた時だと思う」
「ん? 会社の愚痴なのに?」
「その詳しくは言えないけど、その俺上司にパワハラ受けてて。最初はちょっとした愚痴だったんだけど、そしたら奥原が助言くれて、その上司を何とか追い詰めて会社から追い出したんだ」
 そう峯が言うと山本は驚いた顔をした。
「マジ? そんなことあったのかよ」
「うん、その時に奥原が凄く助けてくれたんで、俺、その生きてるというか」
「え? 殺されそうになったの逆恨みで?」
「あー、うん、まあ俺自体は被害にはあってなかったんだけど、奥原が引っ越せと言うから、上司が辞めた辺りで用心して引っ越したら、元上司が俺の元自宅に襲撃して、今住んでいた人を襲ったって警察から連絡がきて……いろいろ修羅場だったんだ」
「あー元上司ってやつ、峯が上に訴えたから自分がこうなったと思って、仕返ししようと峯の個人情報持ち出ししたんだ……こええ」
 山本がそう言って震えている。さすがに知り合いがそうなっていると想像すらしてなかったらしく、事情を聞けば奥原が構う理由も分かったらしい。
「ああ、だから奥原は峯の気分が塞がないように気を遣ってるのか……まあ、そうだよな……俺だってそうするわ……」
「奥原は俺が大変なの知っているから、俺がまだ落ち込んでいるのも知ってて、いろいろしてくれてるだけなんだ。だから、皆とどうこうというのはないんだ。ただ俺が奥原を頼っていて、奥原もそれに応えてくれているだけだから、あんまり奥原のことは……悪く言わないで欲しい」
 そう峯が奥原を庇うと、山本ははあっと溜息を吐いた。
「……悪かった。知らなかったとはいえ、峯にも奥原にも気分が悪いことをした。探偵気取りで、コメントを見ただけで知った気になって……何か俺、恥ずかしい」
「いや、山本も俺を心配して調べてくれたんだから、理由も分かったし、誤解も解けたから、その心配かけてごめんね」
 そう峯が謝ると、山本も謝った。
「俺こそごめん。でも良かった、峯が無事で」
「うん」
 山本は峯が奥原に何かされているのではないかと、疑っているようだったが、その誤解は解けた。
 お昼休みはそれで時間を潰して、山本と別れ、その後仕事が終わった後にまた山本と合流した。それは奥原もそこに呼び出されて、山本が謝るというものだった。
「ごめん、本当に邪推して……お前のこと悪く言った」
 山本は影で奥原を悪く言ったことに対して、素直に謝った。
 事情を聞いた奥原は別に起こった様子はなく、笑って言う。
「まあ、俺が峯のこと気に入ってて、構ってるのは事実だし。それを山本が怪しむのもまあ分かるけど。コメントって自分が気になるものにするものだから、誰それにコメントが集中してるからおかしいと言われても……そりゃまあ興味あるものにしかコメントしないかなって」
 奥原は皆仲良くという気持ちはない。自分が気になる人のコメントしか見ていないとはっきり告げた。
 これは奥原が正しい。もともとWeb上にはコメントは自由に気に入ったモノにするものだ。全員と密に付き合うなんてことは正直言ってできない。リアルな生活もあるから、大抵構えても五人ほどだ。それ以上だと浅くなり、今のようにリアルで会うこともなくなるものだ。
「……だよな……俺、こうやってリアルで集まるようになってから、皆仲良くって強く思いすぎてたみたいだ。クラスメイトじゃないし、裏には自分の知らない以上だってある。だから端から見てどうこう言えるもんじゃないって……そう気づいたから謝ってる」
 山本がそう言うのだが、奥原は別に謝る必要はないという。
「俺は広く浅く誰かと付き合うことができない。まあWebコメント向きじゃないんだろうな。話す気がないのは繋がりを外す。鍵も掛けるし、コメントも気をつける」
「あ、いや、そこまで……」
 奥原はそう言うと、ここ最近繋がりが薄い人を切り、コメント欄も非公開にしてしまった。
 それを山本が止めるのだが、奥原は言った。
「まあ、俺に向いてないのが分かったし、周りから見て不快に見えるような行動を探られるのも何かだし、こうしておくのが良かったんだ」
 そう奥原がすっきりしたように言うので、山本も止めることはできなかった。
 山本の発言で奥原がコメントをしなくなったのは、それからである。
 やがて峯も元上司に見つかるかもしれない行動は控えるようにと会社の弁護士に言われ、コメント欄を閉じた。
 山本は責任を感じていたが、双方が理由があってそうした結果だから気にすることはないと何度も言われる羽目になった。
 そしてその山本とも付き合いが薄くなっていった。山本が二人を追い詰めてしまったと思ったのか、気を遣いすぎてコメントからもほぼ消えた。峯も奥原もWeb上の誘いには一切乗らなくなって付き合いも切れた。
 所詮はそういう薄い繋がりなので、リアルがなければ簡単に切れるものだ。
 けれど、山本の疑いのせいで二人の繋がりが切れたわけではなかった。
 山本の疑いのせいで、その疑いを周りに広めるわけにはいかない事情ができたのだ。


「ほら、上手に咥えろ。もう慣れただろ?」
 奥原がそう言って、座っている峯の口の中にペニスを突っ込み、その奥原のペニスを口に咥えた峯が一生懸命それを舐めている。
「んふ……ふふっんっんんっ」
「そう、上手くなったな……今度は喉で扱くんだ」
「んふっ……んんんんっんんふっんふっ」
「上手に飲むんだ……喉で出してやるからな」
 そう奥原が言い、本当に喉のにペニスを突っ込んで射精をした。
「……っ!!」
 喉の奥で射精され、精液を強制的の飲まされた峯は、言われた通りにそれらを飲み込んだ。
「……けほっ……んっん」
「ほら、お前のおま○こを出せ。勃起が治まらねぇな」
「……ああんっ……あんっ」
 座っていた峯は腕を掴まれて立たされた。
 ここは玄関を入ってすぐの廊下だ。帰ってきてすぐに峯は奥原に襲われた。半分合意で半分は強姦になる。
 奥原は峯のアナルにすぐにペニスを突き入れて腰を振った。



 峯は今まさに奥原に犯されている。
 こうなったのは、峯の上司による事件が終わった後だ。
 奥原に言われるままに勧められたマンションに引っ越した後だ。
 そのマンションは、防音が効いているマンションで、セキュリティもしっかりしている。上司が襲ってきてもそうそう峯のところには辿り着けない。
 マンションでは管理人が厳しく見張っているし、宅配便を自宅玄関に届けることはない。マンションのセキュリティの問題で宅配便などはすべて宅配ボックスに入れ、入らないものは管理人が管理することになっているからだ。
 そうしたところに引っ越してきて、峯は同じ階に住んでいる奥原は部屋に何度もやってくるようになった。
 最初こそ心配しての行動だったのだが、やがて上司の事件が解決すると峯は酒に酔った時に奥原に犯された。
 奥原は酒に酔った状態の峯の言質を取り、さらには直腸に酒を入れて完全に泥酔させて身体を犯したのだ。その執拗な調教は二日間に及び、峯はその後も度重なる奥原の脅しに屈しては、自宅で奥原に犯される日々を送っている。
「……たくっお前、山本に何も言ってないだろうな?」
 そう言われてペニスで奥まで突かれると、峯は嬌声を上げながら必死に答えた。
「あぁんっ! やっぁっ、言ってな……はぁっいってないっ……あふ、あああぅんっ」
 もう峯はペニスを突き入れられるだけで、体中で感じるほど、奥原に調教され尽くしていた。
「あいつも峯を狙ってたんだろうね……普通、他人のコメントを掘ってまでして峯に印象が悪くするような言い方しないしなっ」
「ふぅっ……んっ、んん! んうっ……んっふぅ……ひぁっ! や、あっあっ……んぁっ」
 廊下の壁に手を突いて、玄関前の廊下で犯されるのだが、防音が効いているせいで、誰にも助けが求められないのは、峯が身をもって知っていることだ。
「あぁんっ……ふぁっ、やらぁっ、んっふ、ぁんっ」
「もっと喘げっほらっこのペニスが好きだろうっ」
「ああああぁんっ! ああぁっ、あんっあんっ、ふぁっ、らめえええぇっ」
 いいところを擦りあげられて、峯が全身で感じて身体を振っている。
 腰だって自分で振れるようになった。


 こうなったのは、どうしてなのか。
 奥原は最初から峯を狙っていて、コメントから操りやすそうだと思ったのだ。
 何でも奥原の言う通りに行動し、それが最悪の結果から峯を救うことになって、峯は完全に奥原を信じた。
「やぁっ、おちんぽ挿入って、るっ……おっきいおちんぽがぁ、おま○この中に、ぁっああんっ」
「ほらほら……喘げっこれが好きなんだろっ」
「あああぁーっ! やぁっあ、あんっあんあぁんっ! いいよっいいっ、いいよぉっはああぁあんっ!」
「中出しするぞっ 出るっ!」
「ひぁんっ! あぁっ、くださいぃっ、せいえき、おれのっおま○こにぃっああぁっあっもういくっ、おちんぽ精液がおま○こにきたっ! んんっ、あんっあんっぁあんっあああああぁっ!!」
 絶頂を射精によってされ、峯はそのまま玄関先で嬌声を上げて絶頂をし、放り出された。
 倒れ込んだ峯のアナルから自然に奥原のペニスが抜け、射精している精液が峯の身体にかかる。
 奥原は峯の顔に向かって精液をぶっかけて峯にマーキングでもするかのように、まだ出る精液を体中に振りかけた。
「……はは、まだ治まらねぇ」
 奥原は射精をしたはずなのに、まだペニスが勃起したままだった。
 奥原は射精をしてしても、峯の身体を見ると自然と勃起してしまうようになった。
 峯を調教したはずなのに、まるで自分が調教されたかのような気がしたほどだ。
 どうしてもペニスが峯の身体に反応する。「くそっ……」
 奥原はその場でまた峯を犯した。
「ひゃああっ! あぁっ、あっあっ……はぁんっ、ぁあんっ」
 峯は床に寝転がったままで、足を上げられてアナルにペニスが突き刺さる。
「あ゛ひぃぃんっ!! やっああああっ」
 体中を精液だらけにされてもなお、犯されることが止まらない。
 奥原は乱暴に腰を振り続け、峯はそれによって嬌声をあげる。
「あっぁっあっ、いいっ、きもちいいよぉっ……、あああぁんっ」
 こう言わないと奥原の機嫌が悪くなるから言うようになったが、峯は今や本当に気持ちよくてそう言っていた。
 奥原だってそんなことは気づいている。
「あっあんっあんっ、もうっ、いっちゃうっ、ぐりぐりされてぇっ、いっちゃうよぉっ!!」
 そのまま絶頂に導かれて、峯は絶頂をするが、奥原はそのまま峯を俯せにすると、腰を上げさせて乱暴に峯をペニスで突いた。
「あぁーっ、いくっ、おちんぽでいくっ! ひぃあああんっ、れてぅよぉっ! あっはぁあんっ!」
 卑猥な単語を言わせるのが奥原の気分を良くさせるらしく、口にしているが、それも段々と慣れて自然に気持ちが良いとでてくるようになった。
 峯はもう奥原に言われたままの嬌声を上げているのではない。自分の気持ちのままあげている嬌声だ。
「あぁあっ……ぁっ、おっきいっおちんぽがぁっ……おま○こ、ごりごり擦ってっはあぁっ……んっあぅっ、きもちっ、いいっ……!」
「お前は、本当に淫乱で、どうしようもないなっこうやって犯されるのがお似合いだったじゃないか」
「やぁっ……おちんぽいいっ……あっ、あぁんっ、あんあんあぁんっ!」
 峯は奥原に正直に言ったのだが、峯は上司に犯されている。これは会社に報告はしなかったが、会社の残業中に飲み物にしびれ薬を入れられて、オフィスで峯は上司に犯され、射精を強いられてペニスまで口にした。
 ほぼ動かない身体で犯されながら、峯は感じていたのは事実だと言った。
 だからこの強姦については、抵抗して逃げたと言ったが、その後峯は上司に仕事中に上司のペニスを咥えさせられたり、トイレでレイプされたり、残業ごとにオフィスで犯された。
 何度も何度も犯されて、気がおかしくなりそうな時に、奥原が助けてくれたのだ。
 それは峯にとって救いの手だったのだが、そうではなかったことはこの結果の通りだ。
 峯はどうやら支配欲がある男に性的に見られる傾向にあり、今まではそうした強引な人間には出会わなかったのだが、上司や奥原という用意周到な人間に犯される人間になった。
「あぁあんっ! ちくびぃっ……またっいっちゃうっ……んんっ、やあぁっ!」
 床に乳首が擦れてそれだけで峯は絶頂して、射精をするがまたそのまま乳首が床に擦れてペニスが勃起する。
「あああーっ! いくっ、いっちゃうぅっ! はぁあんっ、あっあんっああぁー!」
 ペニスを深く突き入れられて峯が絶頂すると、奥原も奥で精液を吐き出してくる。奥原は中出しすることが好きで、峯もそれに慣れると中出しされるだけで絶頂できるほどになった。
 奥原は用意周到だった。
 上司に犯された峯の気持ちがいいと感じたことを聞き出し、それを実行した。
 峯は酒に酔わされて抵抗ができないままそれを受け入れてしまい、とうとう陥落した。
 奥原は合い鍵を用意して、峯を抱きたくなると家にやってきては好きな場所で犯した。 部屋中どこに逃げても奥原はやってきて、好き勝手に峯を犯した。
 峯の気持ちが良いところを何度も扱きあげ、上司すら開発しなかった乳首も、乳首を弄られるだけで射精ができるほどになった。
「やぁっ! もうっやらぁあああぁんっ!」
「噓を吐くな、抜かず十発は耐えられるくせに、気持ちよすぎて堪らないんだろう!」
「はぁあああっ……ふぅっ、うっ、あぁああぁんっ……」
 気持ちよすぎて頭がおかしくなるのはいつものことで、奥原に犯されている時も上司に犯されている時も、それは同じだった。
 誰に犯されても感じるような身体で、それを人は淫乱と呼んだ。
「やぁああっ! あっいいぃっひぅっ、あひぃっ、あぁんっ!」
 仰向けにされて激しくペニスで内壁をこじ開けられて犯される。それが脳天を突き抜けるほど気持ちが良くて峯はしっかりと奥原を足でフォールドした。
「あぅっあっあんっいいっ、んっ、ひああぁっいいよぉっ」
「好き者がっほら、イけよ何度でも。何度でも犯してやるよっそれがお前の望みだろう?」
「やああぁーっ、んっ、いいぃっ、もっ、いっちゃうっ、いくっ! あっあぁあんっ!」
 結局のところ、峯は上司の代わりを奥原に求めた。
 身体の関係になってからの上司は、峯を支配したがった。
 けれど、峯が怖がって逃げたことで上司は腹を立て、何度も峯を犯した。
 峯はそれに耐えられなくなって、コメントで愚痴った。
 もう上司に付き合ってられない。そう言った。
 たったこれだけで、奥原は峯が上司と関係を持っていると勘付いたのだという。
 だから峯の顔を知っていたから、好みだったのもあり、ダイレクトメールでまず上司の物理的排除をした。上司は奥原が考えるように行動する人間だったため、奥原には手に取るように次の行動が分かった。
 似たもの同士だったから。
 上司の執着が限界に達したのを見て、峯が上司を訴えた時、上司は目が覚めただろうが、峯が関係を口にしたわけではないと気付いた。
 だから峯さえ脅せばいいと思っていたらしいが、その上司は峯だけではなく他の社員も襲っていた節操なしだったので、詰んだわけだ。
 奥原は峯を手に入れるために自分のマンションに住まわせた。
 ちょうどいい物件だからだ。防音で防犯も厳しく、外部から峯に接触ができないようにと選んだ場所だ。
 山本の登場は正直に言うと危なかったが、峯はどういうわけか山本に助けを求めなかった。
 それを良いことに山本たちを切るように誘導し、峯にもコメントを閉じるように命令した。峯は仕事関係のことを書き込むと支障がでるのでと当たり障りないことをいい、コメントに鍵を付けたが、それ以降コメントは使っていない。
 もう峯は手に入ってたから、峯に周りを切るように誘導し、自然と周りとは切れた。
 峯にリアルな知り合いはいない。リアルで充実していれば、コメントなんて使わない。使う暇はないものだ。
 周りだっていつでも流され、峯の存在など「ああ、いたね」くらいの感覚しか残っていないだろう。誰も峯を気にもしない。やがて忘れる。
 峯もそのことに気付いたようで、誰にも助けが求められないと分かった時から、身体を素直に開くようになった。
 奥原が求めるがまま峯は答えるようになり、従順さは増した。その結果、奥原の欲望は増すばかりだった。
「犯しても犯したりない……どうなってる、お前は何なんだ」
 まるで峯が悪いかのように言う。
 それは元上司の言葉と同じで、お前が淫乱だから悪いと言っているかのようだった。
 峯はそれはそういうことなのだろうと最近は思うようになった。
 この身体を開いた者達は、同じように言うのだ。
「お前、本当に淫乱でどうしようもないな……ほら、また勃起している」
 奥原は止まらない性欲に戸惑っている。
 ここまでだとは自分でも思っていなかったのだろう。
 不安そうに攻めたてるのを峯はぼんやりと聞いていたが、やがて吸い寄せられるようにして奥原のペニスを口に咥え、しっかり口で扱いた。
 奥原はそれで達して精液を吐き出すが、それでも止まらない。
「収まらない……何故なんだ……」
 そう言う奥原を峯が廊下に倒して、その上に跨がった。
 勃起している奥原のペニスをアナルに自分で誘い込み、しっかりとアナルで咥え込んでから峯は満足そうに笑うのだ。
「お前がそれを言うの? お前がそれを望んだのに?」
 峯を犯して犯し尽くしたのに、まだ足りないのを怖がっている奥原を、峯は見下ろして笑いながら犯し返した。
「今更、逃げようだなんて、絶対に許さないからな……奥原のおち○ぽは、俺のおま○こがないともう駄目なんだよっんあはあっ!」
 ペニスを銜え込んで腰を振る峯は美しかった。
「ふぁあっ、おま○こっ、せいえきっ、んっぁ、なかにっ、いっぱいらしてぇっあっあんっふぁああんっ!」
 峯が強請って腰を振ってくるのを奥原は一緒になって腰を振った。
「やあああぁっ! ぁっあっいくっ、いくっ……! んっあっあっあっ精液おま○こにでてるっあぁあんっ!」
 犯したはずなのに犯されている。
 峯を脅していたはずなのに、今は奥原が脅されているようなものだ。
 奥原は峯を犯した状況を取った映像を沢山持っていて、それを峯にも渡している。
 脅すためにやったのだが、今や奥原が峯を脅した証拠にしかならない。
 峯がこれを公表したら、人生が終わるのは奥原だった。
 峯は奥原の顔を掴んで言うのだ。
「こうなったのはお前が原因だろう? 人のせいにしてないで責任取れよ。そうすれば合意で済む話なんだ。分かる? 人を騙して犯すしか脳のないペニス野郎」
 峯はそう言っていた。
 完全に壊された峯は、自分を守るために作った皮を脱いだ。
 そこにあるのは、奥原以上に凶悪な存在だ。
「お前を信じるものは、いないからな」
 そう峯が脅してくる。それは本当のことだ。
 奥原には峯以上に人との付き合いがなかったからだ。
 捕らわれたのは奥原の方だったのだ。

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