086-愛の選び方
1
吉森は、会社の同僚からあるパーティーの入場券を買わされた。
「せっかくいいパーティーの抽選に当たったんだけどさ、これが今日、ほらやらかしたじゃん、その謝罪でこれに出てる余裕がなくなったんだよね。捨てるとか使わないのも勿体ないし、一応誰が行ってもいいみたいだから、五千円で買わない?」
これが職場の同僚も言葉だった。何人か欲しがって手を上げたのだが、条件が一つだけあり、それで半分以上の候補者が消えた。
独身であること。結婚しているのはもちろんのこと、恋人がいても駄目なのだという。更にもう一つの条件が付いた。
「男しか駄目なんだって、何かパーティーの主催側で多分出会いがあるんじゃないかな? で、この券に男性のみって書いてあるから」
というのである。
どうやら出会いの見合いパーティーらしい。
同僚は適当に申し込んでいたら、当たったのだという。
船上で二泊三日、そこにいる人たちで盛り上がるのだという。しかも豪華客船で調べてみると、世界一周をしている豪華客船で、このために借りたのだという。主催も有名な旅行会社で、怪しいところはない。ただそれはweb上で公表はされておらず、登録会員で当たった人の当選ページでしか確認できない。
吉森はそのチケット争奪戦に参加はしていなかった。
皆が盛り上がってチケット争奪戦をしている時にこの部署にやってきたところだった。この部署に用事があって、書類を届けに来たのだが、異様な盛り上がりに不思議な顔で尋ねた。
「何やってんの? もうすぐ終了時間だよね?」
そう同期の同僚に尋ねると、笑って言われた。
「何か見合いパーティーのチケット争奪戦だってさ、二泊三日の」
「へえ、二日三日も暇な人がいるんだ。この部署に」
吉森がそう言うと、その場で全員がフリーズした。
この部署は部下一人のやらかしにより、全員ではないが部署自体がその失態の補填のために右往左往しているはずである。我関せずな人たちもいるだろうが、とてもじゃないが、二、三日の有休を取れるような状況ではないはずだ。
吉森は関係ないので思わず言ってしまったのだが、全員がそうだよなと唸り始めた。
「まず、あの怒り心頭の課長から、有休を貰うことがそもそもできないだろうな……」
「そういや、忘れてた……おれ、この間親戚の葬式で有休を取ったばかりだから、このネタ使えないし」
「雰囲気的に、取れても後味悪そうだな」
場の雰囲気からして、休める状況でもないのを全員が察した。
「じゃ、じゃ……吉森、お前暇か!?」
「え? まあ、暇というか明日から有休を取ってるけど?」
たまたまであるが溜まっていた有休を一週間取るように言われていた。それで明日から一週間取ってあるのである。
「じゃ、五千円でいいから、これ買って!」
「えー」
最初は嫌だったが、豪華客船という言葉に釣られて、さらにはその会員専用のページで客船の様子を見せられて、吉森は行く気になった。
しかも五千円で、見合いパーティー。見合いが駄目でも客船旅行はそのまま続けられるらしくて、とうとう吉森は五千円でそのチケットを買ってしまった。
自宅にいても暇だし、何処かへ行こうにも旅行計画を立てることができなかったので、近場の温泉辺りで一泊二日くらいしか予約は取れなかったのだ。
しかしこのチケットの温泉旅行の三日間には引っかかってないので、ちょうど良かった。
その日の夜の七時には、吉森は既に船上の人になっていた。
会社は隣の部署が大変であったが、吉森たちが何かできるわけではないので、予定通りに休みを取るように言われた。帰宅時間も他の部署は用事が無いので、午後五時には業務の終了時間になった。
「はあ、どうなるかと思ったけど、想像以上に凄い船だな」
甲板に出て見れば、船上にプールがあったり、あっちこちにサービスで飲めるドリンクがあったりと、至れり尽くせりである。
部屋はシンプルなホテルの部屋と変わらなかったけれど、一人で寝るには大きい方だった。どうせ部屋にはそんなにいないだろうなと今なら思う。
すっかり暗くなってしまった海であるが、東京の街に明かりが見えて綺麗だった。乗っている人たちが夜景を楽しみに甲板に出てきているのだが、吉森はそこで奇妙なことに気付いた。
「……男しかいない?」
女性の姿を一切見なかったのだ。甲板は危ないから出てきていないのかと思っていたが、夕食なども自由に取れるので、そこに向かっていっても女性はついぞ見なかった。
わざわざ見合いパーティーなので分けているのかと思ったほどだ。
「船のさ、地下二階とか三階とかの方面って通行止めにされてるよな?」
「何か人が立ってて、近寄るなって言われた。入るのも駄目っぽいよ」
「じゃ、女たちってそっちにいるのかな?」
「そうじゃね? こっちで女を見ないし」
そういう話し声が聞こえてきて、吉森は周りを見て思った。
見合いする前に男性と出会ってはパーティーをする意味がないのは分かる。だから 女性と出会わないのは仕方はないと思うが、搭乗する時に一切見なかったのは少し不思議だった。
男ばかりだから、誰もが不安になってくるのだろうが、それにしても殺気立っているような気がしてならない。
よく見回してみると、男性たちは同じグループや友人知人というわけでもなさそうなのに、妙に皆仲が良さそうに寛いでいる。カップルのようにくっついている人や、三人だと取り合いのような会話をしているのが気になった。
一人の男性を巡って、二人の男性が言い合いをしていたりと、なかなかにカオスな状態だ。
見合いとは言うが、周りの状況では違う出会いの場のようである。
「君、一人?」
そう話しかけてきたのは、参加者の一人だ。
可愛い顔をした人で、まだ大学生くらいだろうか。そんな軽い感じがした。
「あの、悪いけど、ちょっとだけ助けてくれない?」
普通に話しかけてきた青年だったが、すぐに吉森に耳打ちをした。
何だろうと思い見ると、青年の後ろから若い青年がおってきており、吉森に気付いて舌打ちをして逃げていった。
「助かった~。もう何か、あちこちからアタックされてて、これパーティー会場を間違えたのかと思ったんだ」
青年がそう言うので、吉森もクスリと笑う。それは同じことを思っていたところだったので、吉森も頷いた。
「まさに、俺もそう思っていたところだったんだ。知り合いにチケットを貰ってきたから、填められたのかと思ったほどだよ」
吉森がそう言うと、青年は笑った。
「俺もそうだよ。友達がいけなくなったって言って、券をくれたんだ。だからまさかこっちのパーティーかよって辟易していたところだけど、違うよねこれ?」
「ああ、私はちゃんとお見合いパーティーだと聞いたけれど」
「そうだよね。間違いないよね。ああよかった。違ってたら海に飛び込まなきゃいけないヤツじゃん」
青年がそう言うので、吉森も笑って受け流すのだが、少々不安になってきた。
誰もがそう思っている状況なのではないだろうか。その状況を楽しんでいる人もいるようだから、もしかしてもあるかもしれない。
吉森は少し不安になってきた。
しかし船は既に出航して、二時間以上経っている。夜はこれからが本番で、周りは酒が進んでいる。浴びるように飲んでいる人もいれば、吉森たちと同じように場違いを感じながら小さくなっている人もいた。
そうした人達が吉森たちだけは普通なのだと察したのか集まってきた。
吉森と大学生の青年と、サラリーマンの青年たち二人だ。この四人だけが、今の状況について行けていない。もしかすると、他に違和感に気付いた人は部屋に篭もっているかもしれないが、ここではこの四人だった。
「さっきから他の参加者に誘われてて……何か場違いな気がして。部屋に戻ろうとしたんだけど、付いてこられて怖かったんで戻ってきたんです」
サラリーマンの一人がそう言った。
どうやら目を付けられてしまって、部屋まで付いてきて押し入るつもりだったのかもしれない。何が目的で近づいてくるのか分からないので、ここから動くことができないのだが、それでも部屋に戻りたいのだという。
「それじゃ、一緒に戻りましょうか」
吉森がそう提案して、サラリーマンを部屋に送った。もう一人のサラリーマンは一人で部屋にいるのも怖い、誰かが尋ねてきたらその人が主催の人なのかさえ分からないし、判断もできないから、一人でいたくないと言う。
仕方ないので、ラウンジに行って誰もいないのを確認してから三人揃ってそこで過ごした。お互いに信用できないのでお互いの部屋にはいけないから、こうなってしまったのだが、午後十一時を回ったところで、船員がやってきた。
「そろそろお部屋に戻って下さい。夜はラウンジなど封鎖します」
そう言われたので、先にサラリーマンを送り、部屋が近い吉森と大学生の青年が最後まで一緒にいた。
「部屋、同じフロアですね。じゃ、誰もいないのを確認してから入りますか」
青年と二人で同じ通路に立ち、誰もいないのを確認した後、吉森は部屋に入った。
どうしてこんなことになったのか分からないが、見合いパーティーが始まれば、何とかなるだろうと気楽に考えていた。
楽しむはずの旅行が少し気まずい形になっているので、吉森は溜息を吐いた。
「そりゃ、悪くはないんだけど……誰でも言い訳じゃないしな」
男性と寝ること自体は嫌ではないのだが、その目的できたわけじゃないので、少々困っている。更に大学生には懐かれ、サラリーマンには頼りにされ、今更自分も実は男もいけるのでとは言えなかった。
あそこまで信用されるのもおかしいのだが、それでも信用している人を裏切るのは悪い気がしたのだ。
「仕方ないかな……」
ここは大人しく彼らを守っていくしかない。
そう吉森が思った時、部屋ドアがノックされた。
「すみません、当ツアー主催の弓場(ゆば)と申します」
そう言ってきた人は、確かに弓場だった。乗船するときに案内してくれた一人なので、覚えている。部屋まで案内をしてくれたし、親切だった。
「はい……」
しかし深夜に近い時間に何の用なのか。そう思いながらドアを開けると、弓場はニコリとしてサービスワゴンを押しながら入ってきた。
「当主催からのサービスになります。コーヒー、紅茶、ホットミルク、ココアなどがございますが、いかがなさいますか?」
美味しそうな飲み物がたくさんあり、どれか飲みたくなった。
「それじゃ……ココアでお願いします」
「はい、畏まりました」
弓場はそう言ってココアを用意してくれた。
「どうぞ、冷めないうちにお召し上がりください」
弓場はそう言うと、サービスワゴンを押して部屋を出て行く。そして隣の部屋に同じようにサービスをしている。
「大変だな、こんな時間まで」
そう思いながらもドアを閉めて、吉森はココアを飲み干して布団に入った。
明日になれば見合いパーティーが始まる、それまでの我慢だ。
船の揺らぎが酷く心地よくて、吉森は眠りに中で暫くは気持ち良く過ごしていた。
寝る前に飲んだココアが眠気を誘ってくれたようで、深いわけではないが眠り午後地はよかった。
「よく眠っているようだ」
「よし、運べ」
そんな声が消えてきたが、吉森の瞼は上がってくれない。起きなければいけないと思うのだが、目を覚まそうという意志がくじかれていく。
眠気が酷くあって、躰も上手く動かない。
どうしたというのかと、吉森が思っていると、運んでいる男たちが言った。
「こいつ、意識あるぞ」
「そりゃ急がなきゃな。上に連絡入れろ」
男たちがそう言い合い、連絡を取ると一言で帰ってきた。
「三号室に運べだってさ」
「へえ、こいつ。ラッキーだな」
「そうなんですか?」
「地下に送られてたら、出てくるころには廃人さ」
男たちがそう言っているのを聞いて、吉森はこれは夢なのかと不安になった。躰は動かないし、何かに乗せられた自分が運ばれていることしか分からない。
ただ最悪な部分を脱したらしいというのは、この男たちからの会話で分かった。
けれどもその三号室に何があるのか分からない。
エレベーターを出て、三号室にはすぐに着いた。
「お待たせしました。○○様からの指示で、こちらに運ぶようにと」
そう男が言うと、ドアを開けた人物が言った。
「奥に運んでくれ。ゆっくりベッドへ」
「はい、畏まりました」
男たちはベッドまで吉森を運び、吉森をベッドに寝かせた。
「他の作業を急いでくれ、少し遅れていて、客が苛立っている」
「はい!」
その声を聞きながら、吉森はふっと気付いた。
声を聞いただけで分かる。この声は、あの弓場だ。親切にしてくれた人だと覚えていたので、声だけでも分かるほど特徴のある低い魅力的な声の持ち主だ。
2
「……あ……あ」
やっと口が動かせて、声が出始めた。
すると弓場がやってきてベッドに座ったようだった。床が沈み込むような感覚になり、側に人が座っているのが分かる。
「君は、意識がなくなりはしなかったようだね。大丈夫、酷いことはしないよ」
弓場はそう言うと、吉森の頬を触って言った。
「君だけは」
そう弓場は言って、部屋の明かりを落とした。
暗い中であるが間接照明が明るいのだが、静かになるとテレビの音が聞こえてきた。
『さあ、待ちに待った出会いの日。お気に入りなら、百万から。それでは一番、矢守くん。身長は百七十ほど、体重は五十。趣味はロードバイク。運動もしっかりとしており、筋肉もついております。体は細身、柔らかい肢体ですのであらゆるプレイが可能』
その先は音が小さくなったので分からなくなったが、明らかに何が起こっているのか吉森には理解ができた。
ここは見合い会場ではない。見合いパーティーだと嘘を吐いて男たちを集め、その男たちをオークションにかけているのだ。
「どうして……」
こんなことが起こっているのか。
無作為に選んだわけではなさそうで、手違いで券を貰った吉森はターゲットではなかったことが分かる。元々は当選したヤツが狙われていたのだ。
こんな時なのに、吉森はあの大学生が心配になった。
自分と同じように譲って貰った券できてしまった子だ。
明るくて、いい子だったのに。彼も被害に遭っているのだろうか。
「……かわいそうだ……あの子」
吉森がそう言うと、弓場が聞きに来た。
「どの子のことだい?」
「俺と……一緒に食堂で……いた子。俺と同じで、譲って貰った券できたんだ……」
確か名前は、金崎だったか。
「金崎……彼が心配?」
「……うん……」
そう吉森が言うと、弓場が何処かに電話をしていた。
しばらくして、吉森の視界がしっかりと見えてきて、ベッドから起き上がれるようになると、チャイムがなり、人の騒ぎ声が聞こえた。
「お待たせしました。ご要望のものです」
「ご苦労、君たちは元の持ち場に戻ってくれ」
「分かりました」
そういうやりとりがあって男たちが去って行くと、弓場が人を抱えてやってきた。
「心配した彼だ。まだ無事だったらしい」
どうやらオークションの順番が最後の方だったらしく、金崎は無事な姿で吉森の隣に 寝かされた。目隠しや鎖などで拘束されているが、それを吉森が外していくのを弓場は止めようとはしていなかった。
「金崎くん、俺だよ、吉森だ。今から外していくけど、騒がないでね。騒いでもきっと事態は悪くなるだけなんだ、お願い」
吉森がそう言うと、金崎が頷いた。
吉森はまず目隠しを外して、口のボールギャグも解いた。
金崎はそれでやっと吉森を見て、ほっとしたように息を吐いた。
「……吉森さん……良かった、あなたも無事で」
「無事かどうかはまだ分からないけど……少なくとも最悪の事態にはならないようだ」
吉森がそう言って金崎の両手両足の拘束を解いた。
やっと自由になった金崎が言った。
「これ、俺が標的じゃなかったってことですか?」
「多分、そうだと思う。意図的に選んだ人をオークションにかけているらしい。それでどういうわけか、俺と君は弓場さんに助けられた形になってる……手違いらしいけど……」
弓場は近くのテーブルに座り、周りにあるモニターをチェックしている。
どうやら責任者の立場にあり、会場中をチェックしているらしい。
「俺たち……どうなるの?」
「分からないけど、ここを出てもきっと危険しかないと思う……終わるまでここにいるしかないかも」
船は動いているし、逃げる場所はない。船の中には船員がうろついている。見つかったらオークション会場に連れて行かれるだろう。
「あの人、乗船の時にチェックしていた人だよね」
「うん、そう」
「そうか……うーん、めちゃくちゃ危機感あるけど……実は俺さ、タチなんだよね……」
金崎が急にそう言い出した。
「え……そうなの?」
ちょっとびっくりする吉森だったが、特に引くことはしなかった。
「だから、ネコにされるところだったのは、かなりショック。タチで用があるならよかったんだけどな。買ったヤツを掘るとか、そういうの」
金崎の言葉に、少しドキリとする吉森は我慢できずに言っていた。
「俺は……ネコなんだよね……でも誰でもいい訳ではなくて……」
「そうなの? じゃ俺駄目? 吉森さんなら可愛がれるよ? 好みだもん。優しいし助けてくれたし」
「え……え……」
「んー可愛いね。初めて見た時から、可愛いと思ってたんだよね~」
そういうと、了承もなしに金崎が吉森にキスをした。
「んふっ……んんっ」
最初こそ触れるくらいのキスだったが、金崎の何かがスイッチが入ったようで、深いキスになっていく。それを拒否できず、吉森はそれを受け入れた。
「んっ……んふ……んん……はっん」
「やばい、吉森さん、エロい」
体の動きが鈍いのか、頭の中が少し靄がかかっているのか。キスだけで吉森はすっかりその気にさせられた。金崎のキスが上手いのもあり、ひどく感じたのだ。
「あ、勃起しかかってるね」
座っている吉森を引き寄せて、金崎は吉森の股間を弄った。着ていた服は寝間着用にもってきたスウェットだったので、簡単に股間に手を入れられてしまう。
「あぁんっ……いいっいいっ……あんっあっ、ふああっ」
「こんなに硬くして……俺とキスしただけでこんなにしちゃったの?」
「ひあぁっんふっ……あんっきもちいいっ……あんっあっあっああっ」
「吉森さん、可愛いね……」
金崎は吉森のペニスを擦りながら吉森をベッドに押し倒し、スウェットを脱がせた。
「あ、いいね、吉森さん、Tバックなんだ? これはこのままにしておこうね」
そういいながら金崎は吉森のペニスをどんどん擦り上げて、とうとう吉森は達した。
「あ゛あっ……ひっあっああぁんっ!」
「うーん、イッたね。じゃ上着も脱いじゃおうね」
射精して呆然としている吉森から金崎が服を脱がせていく。Tバック一枚にされた。金崎はそうすると吉森の体を舐め始めた。
唇から這うように首筋、鎖骨にと舐めていくのだが、乳首を避けるようにして臍まで舐めた。
「ひああっ……あんっ、ふぁっ……乳首も、疼いてっ……あっあんっ」
「乳首……? ああ、勃起してるね。どうしてほしいの?」
金崎は分かっているのに、吉森の答えを待つ。
言わせるつもりなのだ。そうしないとしてはくれないのだ。
そう思った吉森は我慢ができずに、口にしていた。
「舌で舐めて、噛んでくださいっ……あっあっあぁんっ」
言われた通りに金崎がすると、吉森は体を仰け反らせた。舌で舐められ、噛んで引っ張られ、噛んだままで舌で先端を弄られと、巧みな技で吉森は悶えた。
「あんっあっあぁっ……ふあっあっ、すごいっ……あんっひああぁっ」
「乳首舐められながらおちんぽ弄られるの好き?」
「あぁんっ好きっ……おっぱいとおちんぽっよすぎておかしくなっちゃうっ……あんっあはぁんっ」
「淫乱。こんなにびしょびしょにして……」
そう言われて扱かれるペニスは先走りがどんどん出てきていて、濡れてテカっているほどだ。
そのままの濡れた指で金崎は吉森のアナルに指を突き入れる。
「あぁんっいいっいいっ……おっぱいとっおま〇こきもちいっ……、あひっあ゛っあっああ~っ……」
「ここ、おま○こっていっちゃうんだ? いいね、淫語好きだよ……」
そう言って、ジュグジュグとアナルを指で押し広げてどんどんと拡張をしていく。
「あぁあんっ……いくっ、いっちゃうっ……おっぱいと指マンでっ……きちゃうっ、あぁっああんっ」
「またイくの? 指マンと乳首でイくんだ?」
「はああぁっ……うんっ……おま○こ指でごりごりされて、いっちゃうのっ……あっあっああーっ」
前立腺を擦り上げられて、吉森は金崎の指でドライオーガズムを迎えた。
「ああ、イッてる、エロいね」
そう言うと、金崎はもう待ちきれずに吉森のアナルにペニスを突き入れた。
「ああぁんっ! あひっあ゛っらめっ……あんっはっあっいいっ」
「はぁっハメハメ気持ちいい? エロくて可愛いよ。ここがいい?」
「あんっあ゛っいいっ……ひあっあうっんっああっ」
「俺のおちんぽ気持ちいい? 犯されて感じる?」
「あぁんっきもちいいっ……硬くて大きくて……っひあっあっこのおちんぽ好きぃっ」
「やばっ、エロすぎ、我慢できない……っ」
そういうと金崎は挿入速度を上げ、吉森の足を大きく開いて、上からアナルを犯した。
「ひあっあっあ゛うっあひっあっあ゛っあぁっ」
気持ちよすぎて吉森が嬌声を上げると、その顔は完全に蕩けきった顔をしていた。
「はぁっ……もう淫乱な雌犬だね。蕩けた顔してっ」
「あひっあっあ゛あっらめっおま○こっ……あっああぁんっ!」
ここ最近で挿入されたペニスの中では一番大きな部類に入る。しかも長く、奥まで入り子できていて、吉森は脳天を突き抜ける快楽を得た。
「あんっあ゛っいいっ……ひあっあうっんっああっ」
「俺のおちんぽ気持ちいい? 犯されて感じる?」
「あぁんっきもちいいっ……硬くて大きくて……っひあっあっこのおちんぽ好きぃっ」
「いい返事、はぁっいくよ、激しくするからね……っ」
「あ゛ああああっ! あひっらめっああっあっあっあっあっ」
追い上げるようにしてピストン運動を激しくしていく金崎。それに合わせて腰を振る吉森。
「あーいくっ……! 淫乱おま○この中に、出すよ……っ」
「あんっあ゛っあっあんっあ゛あぁっ!!」
二人は同時に達して、射精をした。
吉森のアナルには大量の精液が吐き出され、それがペニスが抜けたと同時に溢れて出てきた。
「あぅっんっ、ふっ、んっあっ、……あァっあっ」
「吉森さん、よかったよ……ほらあんたもどう? 最初から吉森さんのこと狙ってたよね?」
金崎がそう言うと、金崎は吉森を起こして立たせて弓場の元へと連れて行く。
後ろから金崎にペニスを挿入された吉森は金崎にこう言われた。
「この人、吉森さんのこと気に入っているんだよ? ほらペニスだって、勃起して。でも自分からは触れないんだ。多分そういう決まりなんだろうね? かわいそうに。吉森さんからなら、きっと触っても大丈夫だと思うよ……」
そう言われて吉森は、すぐに弓場の股間に手を伸ばした。弓場は自分からは動けないのか、椅子の向きは変えてくれたが、手伝ってくれるわけではなかった。
しかしズボンのファスナーを開けると勃起したペニスが飛び出してきた。
「は、あ……大きい……すてき……」
凶器のように尖ったペニスだった。太さもあり、亀頭も大きい。それに吉森は手を伸ばしてすぐに口に咥えた。
「んんん~~っ……! ふっ、んっんっ、んむっ、んんっ……」
「すごい美味しそうにしゃぶりついている。エロいね」
そう言うと金崎は挿入していたペニスを一旦ぎりぎりまで抜いてから吉森を穿ち始めた。
「しっかり奥まで咥えて。舌絡めて……そうそう美味しそうにね」
「んぶっ……んっふっ、んっんっんん~~……っ」
ジュルジュルと音を立てて咥えて舌で舐めていくのだが、二つの穴を同時に犯されるのは初めてで、吉森はすっかり興奮していた。そして金崎のペニスを締め付けていく。
「うわっそんなに締め付けたら、おま○この中俺のおちんぽの形になっちゃうね。おちんぽに口も犯されてるのに気持ちよさそうにして、最高にやらしいよ吉森さん」
「んん~っ……ふっ、んぶっ、んっんっんっ……」
「きっつ……おちんぽ大好きってぎゅうぎゅうしてくる。完全におちんぽ用の穴になっちゃったね……っ」
「うむっ! んっんっんぐっ……んんん~~っ……」
「そのおちんぽ美味い? 後でおま○こにも突っ込んでもらいなよ」
「んん~~っ! んぶっ、んっふっうっんんっんむっ……」
そのまま十分以上もその状態で吉森は弓場のペニスを舐め続けながら、後ろから金崎に犯され続けた。そしてやっと金崎が絶頂を迎えた。
「んん~っ……ふぁっ、あっあんっあ゛ひっああぁっ」
射精を伴う絶頂を与えられて、吉森が達する。すると金崎はすぐにペニスを抜いて、吉森を抱え上げると、完全勃起している弓場のペニスに吉森の腰を落としたのだ。
「いっあ゛っあっうぁっあ゛ーっ……あ゛ああぁーっ……」
一気に弓場のペニスで貫かれた吉森は、ドライオーガズムを迎えた。
「挿れられただけでイッたんだ? そんなにいいペニスなんだ? あ、吉森さんもこいつのこと気に入ってたんだろ? 気に入っている人のペニスだもんね、いいに決まってる」
何もかも見抜いたように金崎がそう言った。
するとそれまで動いてなかった弓場ががっつりと吉森の足を抱え上げ、下から突き上げるように腰を動かし始めたのだ。
「あ゛っああぁんっ! らめっ、おちんぽがっ、奥までぇっ……あひっうっあ゛っああーっ」
「おちんぽ気持ちいいねえ? ガンガン突いてあげて。吉森さん、激しいのが好きみたいだし……いいね。乳首も完起ち」
「お゛っんっだめっ……あんっあんっあんっああんっ!」
「何が駄目なの? すごい名器だね。もうおちんぽのことしか考えられないって顔して」
「あ゛んっ、い゛っんっああっおちんぽっあ゛っおちんぽっすごいっ……あんっあんっだめっだめえぇっ」
凶器のように抉ってくる弓場のペニスに、吉森は完全に狂った。
金崎のペニスも好きな部類であるが、弓場の凶器に比べれば優しい方だった。
また弓場の強い腰使いも吉森のリズムに合っていて、酷くいい心地の快楽が襲ってきている。
「吉森さんのペニス、美味しそうだね……」
そういうと金崎が吉森のペニスを口に含んで扱き始めた。
「あ゛っあ゛あああっ! あ゛っ、おちんぽっ、らめっ、あ゛ああっ、だめっしんじゃうっ、おま○こゴリゴリしないれぇっ……! あ゛ーっ、あ゛ーっ、んっあああぁっ……!」
ごりごりと内壁を抉られながら、吉森は金崎の口に精液を吐き出した。
けれど絶頂は更に追い上げてきて連続で今度はドライオーガズムを迎えた。
「あ゛ああぁっ! いぐっいっちゃうぅっ! あ゛っ、おちんぽでごりゅごりゅされていくっ! あ゛ーっだめっあ゛ひっあんっあっああああぁっ!」
「ん、私もイくよ、名器すぎて、濃いザーメンたくさん出そう。全部中出しして種付けしてやるからねっ……!」
「あ゛ああぁっ、おま○こ中出しっ……! いくいくっきたっうっんっあ゛っああ゛っあああ~っ……!」
弓場の濃い精液が吉森のアナルの中に吐き出され、吉森は連続でオーガズムを得た。
痙攣する体を弓場が押さえつけて、更に奥の奥まで精液を擦り付けてくる。
長い射精が続いたのだが、その少しの合間に金崎が弓場のペニスが入っている吉森のアナルにペニスを突っ込んできた。
「二本目ハメてやるからなっ……!」
「あ゛っあああぁっ……!? あ゛ーっ……だめっ、今いってるっあ゛っうああぁっ……!」
「大丈夫、入る入る、ほら、入った……」
ねじ込むように無理矢理金崎が入ってきて、弓場のペニスと金崎のペニスが吉森のアナルに入り込んでいる。
「ひああぁっ……あひっ、ん゛っあっあああっ、ひあぁっ、おま○こっおかしくなりそうなのに、おちんぽいっぱいハメられてっ……だめっああああぁ……っ」
金崎と弓場は二人で腰を交互に動かし、吉森を攻め上げた。
「あ゛っあ゛あああっ! あ゛っ、おま○こっ、らめっ、あ゛ああっ、だめっしんじゃうっ、おま○こっ……! あ゛っ、あ゛っ、んっあああぁっ……!」
そうは言っても、吉森はしっかりと二つのペニスを受け入れ、飲み込んで締め付けている。絶対にできないと思っていた二輪挿しまで吉森は寛容に受け止めた。
気持ちが良くてどうしようもなく、初めての行為なのに好きでたまらなかった。
「はーっ……すげえ痙攣してきた。吉森さんのおま○こがここに精液出してって言ってるよ」
「あ゛あぁーっ、らめっ、せいえきっあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っ、んあっあひっあんっうああぁっ」
二人の精液を中でされるなんてと、吉森は想像しただけで体が嬉しさで震えた。
「あ゛ああぁーっ……! もっだめっ、我慢できなくなっちゃうっ……、おちんぽハメられないとっ、生きていけないっ、おま○こっおちんぽでゴリゴリされていっちゃうぅっ! あ゛ひっお゛っいいっい゛ぃっ……いいっあーっ、あっ……んああっ」
「……いくっでる!」
三人が同時に達した。二人は吉森の中に精液を存分に吐き出すのだが、隙間からドロドロと精液が溢れて出てくる。ペニスが抜けてしまうと、開きっぱなしになった吉森のアナルから、精液がビシャリと溢れてでた。
「……吉森さん……すごくエロい……最高」
金崎がそう言っている横で、弓場が言った。
「君をもう少し抱いてもいいだろうか?」
弓場のペニスは既に復活していて勃起している。吉森はそれを撫でながら言った。
「……はい……お願いします」
そう言って弓場にキスをした。
二泊三日の旅は、吉森は十分に満喫した。
ずっと弓場の部屋に籠もってはいたが、部屋のどこでもセックスをした。
金崎も混ざり、3Pでセックスを楽しみ、常に吉森のアナルにはどちらかのペニスが入っていた。それが嬉しくて、吉森は旅がずっと続けばいいと思ったほどだ。
しかし三日目には吉森たちは船から降ろされた。
「楽しかったですよ」
「弓場さん……」
下船して見送ってくれた弓場に掛ける言葉がなかった。もうこれっきり会えないことは分かっていたし、二度とこんな機会は来ない。
「俺も……楽しかったです……ありがとうございました」
お礼だけは言っておこうと吉森が言うと、弓場は笑って吉森の頬を撫でた。
そして乗船していき、姿は見えなくなった。
他の客は天と地を味わった状態で、逃げるように消えた客と、盛り上がっている客とに分かれていて、何があったのか察しは付いた。
弓場のお陰で吉森と金崎は地獄を見ないで済んだ。
「仕方ないよ、この船のことはなかったことになるんだから」
金崎がそう言って、吉森の手を引いてタクシー乗り場に導いた。
「でも、もし吉森さんが望むなら、弓場さんの居所探す手伝いするけど?」
タクシーに乗ると、金崎がそう言うのだが、それに吉森が首を振った。
「ううん、思い出だけでいいよ。俺には君がいる……それでいい」
「そう? よかった。そう言ってくれると嬉しいよ」
そう言って照れたように笑う金崎がすごく可愛くて、吉森は弓場への思いの分もすべて込めて、金崎を愛そうと思ったのだった。
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