083-相思相愛

1

 天羽空(あまは そら)は、毎日道端に立っていた。
 何もすることがない若者のように、公園などの近くで歩いている。他にも顔見知りが何人も歩いている。それでも手を上げて挨拶をするだけで、特に話し込むわけでもない。それも仕方がないことだった。お互いが商売敵なのである。
 空は、売春をしている。
 男娼というものであるが、もちろんこういう売春は法律で認められていない。客を取っていることですら問題であるが、昨今の警察の忙しさや、事件の多様性からか、こういう売春は精々注意されるだけで済んでしまっている。
 だからこういう人は増えているし、最近のジェンダー問題からゲイであることやバイであることが公にされるようになってきて、この場所に相手を求めてやってくる人も増えた。
 空は一年前からここに立っている。
 普段はちゃんと仕事をしているが、それだけでは貯金は貯まらない。
 安すぎる給料に残業でやっと暮らしていたのに、残業が法律で規制され始めてから、残業ができなくなり、収入減となり、ここに立たざるを得なくなった。
 転職を考えてはいるが、それには新しい知識の勉強が必要で、そのための時間を作ってはいるが、転職先がなかなか見つからない。
 何処も不景気で、人員削減まで陥っている始末。
 少しでも貯金を殖やそうと始めたのが売春だ。もちろんバレれば社会的地位を失うこともあるだろう。それでも始めてみたところ、一日で二万。十日で二十万は美味しすぎた。
 空はまだ若い二十四歳であるが、それもあって、一回一万が成立した。エッチが好きな空なので、その対応も一万の価値があるとされる。さらには青姦オッケーなので、ホテル代が浮く、というのが人気であった。
 だがこの半年、空は一人の人としか寝ていなかった。
 客の中に空を異様に気に入って、空の空いているスケジュールを全て一万上乗せで買い込んでいる客がいるのだ。
 その怪しい人は、車で来て空を選び、車でセックスをするのが好きな人だった。
 名前は知らない。けれど、空が道路に立つと必ず飛んできては空を連れて行くのだ。
 あまりの執着に空は自分が好かれているのではと思ったが、そうでもなさそうなのだ。
 飽くまで売春している男娼を車で襲うのが好きな変態とでも言おうか。そんなシチュエーションに萌えている人らしい。なので、特別にどこかで合ったり、デートをしたりという恋人にまでは発展はしない。
 周りから見ればもはや、恋人同士の待ち合わせになっているのだが、ここからスタートすることが、彼の妄想を引き立てているらしく、そうしてくれと言われた。
 このことを仲間内で話すと、皆が呆れる。
「究極に変態なんだな」
 それが彼に対する賛辞である。
 空の方は、いつか飽きる時がくるだろうから、専属になるのは余り乗り気はしないといい、合間に別の誰かを客として取ることもあったが、それも一回きりだった。
 何より、その男の方がセックスが上手かったからだ。
 そんなことを考えていると、通りがかった男が話しかけてきた。
「君、いくら?」
 それに空は一本の指を上げる。
「え? 高くない?」
 男がそう言い出した。
「それで納得できないなら、別の人にしてね」
 空がそう言うと、男はムッとして空を強引に公園に連れ込もうとする。
「離せっ! ふざけんなっ!」
「セックスが好きなくせに、高い金取るとかふざけてんのはお前だろ!」
「はあ? ただでセックスさせてくれる相手見付けられなくて、金でしか買えない奴が偉そうに値切ってんじゃねーよっ」
「何だと!」
 男がそう叫んでいる時には、周りはざわついていた。たまにいるのだ、こういう輩は。勘違いして、金を払わずにセックスをしようとする。それは合意ではないので、強姦という犯罪が成立するのだが、それを自分の落ち度ではないと言い張るのだ。
 事件になれば、自分のせいではなく、誘惑されたと人のせいにする。
 わざわざ男娼の売春地帯だと分かっていて自分からやってきたのにだ。挙げ句逆恨みするまでがセットである。
「金払う気ないなら、君、ここに来る権利もないよ」
 揉めている二人の間に、男が立って言った。
 身長は百八十ほど、体格もよくジムにもよく通って鍛えている躰付きであるが、髪は目を覆い隠していたし、服装も有名メーカーのジャージである。まるでさっきまで運動で走ってましたという格好であるが、この男に空は嫌というほど見覚えがある。
「は? てめーには関係……」
 空を引き摺っている男がそう言う。その言葉に覆い被さるようにジャージの男が言う。
「大ありだ。ここが摘発されて男娼が何処かにいかなきゃならなくなったら、これまでここを利用している何百という客から、君が恨まれて何をされるやら……知らないよ? どうなっても」
 ジャージの男が一気にそう言う。
 確かにそれは正論だった。やっとあちこちに散らばっていた男娼が、この場所で一括に見つかるようになって、客としては安定した地帯だと思われている。ホテルも近くにたくさんあって、相手も見付けやすいのだ。
 それをこの男の騒動でなくなるとなれば、恨みに思う人も出てくるだろう。
 それがどんな立場の人達なのかは分からないが、確実に何かしらの恨みは届くだろう。
 空と揉めていた男は、ハッとしたように空の腕を放した。
「や、あの、俺、勘違いしたみたいで、すみません!」
 男はそう言うと、表通りへの道に向かって走って行った。ポカンとしてしまうくらいの速さだった。
「別に、ヤクザは絡んでないんだけどな……」
 空を助けたジャージの男がボソリと言った。
 それで空はハッとする。どうやらあの男は、男娼の裏組織がヤクザだと思って恐れをなして逃げたようだ。やくざが絡んでいたら、最初から空がそう言っている。
「それより、いい?」
 ジャージの男は騒ぎが収まったのを感じて、空に言った。
「いいけど、今日はなに?」
 空が尋ねると男は空の手を引いて車まで戻っていく。
 車はジャージの男が急いでいたのか、公園の横に止めてはいたが、ドアは開けっ放しだった。
「乗って」
 そうジャージの男がいい、車に乗ろうとすると、周りにいた人達がホッとしたように、空に手を振っていた。大丈夫だという意味で空も手を振ってから車に乗った。
「あの。さっきはありがとう。助かった」
 空がそう言うと、ジャージの男は少し驚いたような顔をした。
「……いや、別に。君に用があったから……」
 礼を言われたジャージの男は照れたように頬を染めた。


 車はすぐに発進して、細い住宅街を抜けて走っていく。やがて大通りに出て車は高速に乗った。
「どこ、行くの?」
 高速まで乗って行くのは初めてで、空は尋ねた。
「明日、休みでしょ? だからちょっと遠出」
 空のスケジュールは把握しているので、男がそう言った。
 珍しいこともあるものだと空は首を傾げる。いつもは大体車の中であるが、最近は都内で空き家や廃ビルなどに潜り込んでというのが多かった。でも今回は違うらしい。
 男に怪しいところは今のところないので、空は助手席で流れてくる景色を眺めた。
 やがて高速は山の多いところまで来て、それから道を下りた。そこまで大きな街ではない、小さな街であったが、男はそこの近くの山に向かって車を進めていき、その山に車で上った。
 すると、途中で車の通行を禁止する看板があった。
「ちょっと、待ってて」
 男はそう言うと、その看板を避けてきて車を進め、更に通行止めの看板を戻してから車を発進させた。
「通行止めじゃないの?」
 そのための標識だったのではないかと空が尋ねると男は言った。
「行きたいところは普通にいけるんだけど、どういうわけか、あそこで通行止めにしてあるんだよ。訳は知らないけど」
 そう言われて車は山を登っていく。その途中から街の明かりが見えてきて、高速の車の光りも見えてきた。
「わあ~」
 余りに綺麗な景色だったので空は窓に張り付いた。山の木々の間からしか見えていなかったものが、やがて大きな道に出て、はっきりと見えた。
 そして車が行き着いたところは、大きな駐車場だった。
 山の天辺を平らにして、駐車場にし、景色を楽しめるようにした娯楽の場所だったようだ。
 遠くを見ると東京方面の明かりも低い山から見えている。ビルが密集して、無数の光りが輝く。ここには街灯すらないから、周りの光りが眩しいほどだった。
「すごい、一面光りだ!」
空がそう言って笑って、クルクル回っていると、男が笑う。
「うん、すごいだろ。前に来た時に見付けたんだけど、最近通行止めになってたけど、ここには来られることが分かったから、ちょうど良かったんだ」
 そう男が言うので、空は少し呆れた。
「青姦好きだからって、場所探しに余念がないね。他に趣味はないの?」
 空の言葉に男は苦笑する。
 空は他の趣味を聞きたがっているわけでも、プライベートを詮索しているわけでもない。ただのからかいだ。
 セックスが好きで、青姦が好きで、その場所を探すために余念がなく、空を付け回すかのようにスケジュールまで把握している男。変態の極みだと言われるのは当たり前である。
 けれども空はそれで酷い目には合ってなかったし、酷くされたこともなかった。
 ただセックスする場所がどうしても車の中か外でないと興奮しないだけなのだ。
 男の事情はそこまで詳しく知っているわけではなかった。ただ単純に他にすることはないのかと疑問を口にしただけだ。もちろんその答えも求めていない。
「今日は雲もないんだね」
 雲一つもない空であるが満月の日。
 街の明かりが周りを照らしてるかのように明るくて、目が慣れてくると暗闇でも平気になってくる。
「それで、ここでするの?」
 空がそう言いながら、男に近づいた。


2

 男は何も言わずに、空の服を脱がせていく。
 いつも精液が付いては、帰りの服がなくなるからと空が怒るので、毎回全裸にしてからセックスをしている。なので男は空の服を脱がすのを手伝うのだが、毎回空にいいと言われても脱がすのが好きだからと言って譲らない。
 そのうち、服は男が脱がすものになってしまって、空はその手助けをするだけになった。
 脱いでしまうと、空は車のボンネットに乗せられた。
 車の熱も引いていて、少しだけ暖かいくらいだ。
 まず男は空の乳首を指で弄った。そして反対側の乳首に唇をつけて吸い付いた。
「ふああっ……はぁっはぁっ、ぁ、ん、」
男は乱暴に乳首を舌で嬲り、ジュルジュルと吸った後に噛みついて引っ張って離したりを繰り返した。
「んぁっ、……い、い……ちくび、きもちいっ……あっあぁんっ」
 こうされると空は溜まらなくなって、腰が蠢いている。胸を男に突き出す形になってしまうのだが、浮いた背中に男が空いている手を這わせて背中を撫でてくる。
「あぁんっ! ぁっあっ、あっ、らめぇっ……ちくび、ふぁっ、あんっ……」
「相変わらず、おっぱいは敏感だね。これ、いいんだろ? エロ乳首、こんなにビンビンにして……」
 そう言いながら男が乳首を吸い上げる。
「だって……っ、ぁっ、ん、きもちいいから……いいからぁっあはんっ」
 快楽が乳首から与えられるだけで、ここまで気持ちよくなってしまうのは、空が売春を始めてからだった。それもこの男に開発されたも同然で、それまでは少しくらいの快楽がある程度だったのだ。
 それが乳首だけで射精ができるくらいになったのは、この男の執拗な調教によるものが大きい。
「あぁんっおっぱいぃ、やっ…はぁっ、あん、あっあっひあっ…」
「俺に弄られてもう勃起して乳首ビンビンになってる」
「ああぁっ、やぁ、いっちゃ、あんっ、おっぱいでいくっ……あっあっ、はぁあんっ!」
「腰びくつかせて…乳首弄られてイきそうになってるの? 淫乱」
「あぁあっああんっいくっいっちゃうっ! あんっああっひっうああん……っ!」
男に乳首を攻められ続けてから、少しずつ乳首が少し大きくなっている。柔らかかった乳首が勃起すると硬く転がりやすくなっていっている。
 そしてそのまま乳首だけで、ドライオーガズムを空は迎える。
 射精はしないで達することができるようにあったのは、男の調教の賜物で、空は射精をすることなく、何度も絶頂することができるようになっていた。
 ビクビクとする空の乳首を更に男が攻め立てる。
「あんっ、あっあっあっ……ふあっ、ちくびっんっああっ」
「すごい雌の顔になってる。乳首じゃなくておっぱいだろ? おっぱい気持ちいいって言ってみてごらん」
「はあぁっおっぱいっ……おっぱいきもちいいのっ…あんああっあっあっ」
「男なのにおっぱい攻められて気持ちがいいんだ?」
「あああぁっいいのっはぁっはぁっ、きもちよすぎて、あああっおっぱいきもちよすぎておかしくなるっあんあんあんっ!」
「ぺたんこのくせに乳首モロ感でおっぱい気持ちいいって言いまくるなんてね」
「あぁあんっおっぱいいいのっっあっああっいいっあぁあっ」
「こんなに赤くビンビンに腫れて、もっと舐めて欲しそうにしてるよ。おっぱい、もっと舐めて欲しいの?」
「もっと舐めてっ! おっぱい舐めてくださいっ。雌おっぱいになっちゃったから、あぁっあっ、もう我慢できな……あっあぁあんっ!」
 男に乳首を舐められて吸われと繰り返され、吸い上げられると同時にまた空はドライオーガズムを迎えてしまう。
「あああっあっあんっ、ふあっあぁんっ!!」
 二度目のドライオーガズムで、空の脳内は快楽で溢れ、もう青姦だとかそういう些細な事情は吹き飛んでしまう。
 ただ快楽に身を投じていればそれでいいだけの時間だ。
「今日の空、敏感、淫乱過ぎるな」
男がそれに満足したように笑い、空のアナルに填まっているアナルプラグを一気に抜いた。
「あ゛ああぁっひっ、はぁっ、あ、あ」
「いい子だね、ちゃんと準備してきてる……淫乱ちゃんは変態だからな」
 空は毎回この男としか寝ていないので、次回の予約時に男からローションをしっかりと入れて、アナルプラグで栓をしてくるように言われていたのだ。
 だからアナルプラグを抜いたら、中からローションが溢れて出てきた。
 そこに男は指を二本突っ込んで、空の中を掻き回した。
「あひっあっあっあぁあんっらめっおま○こっあぁっ」
「しっかり足を開いてろ。いやらしいを格好して、おま○こ犯してほしかったんだろ」
「あああぁっ……いいっおま〇こっ…ひあっあんあんあっあんああっ!」
 男の指が中で暴れ、内壁を縦横無尽に動いて擦り上げてくる。
 いつでも性急な行為なのだが、青姦である以上、人がいつ来るのか分からない環境なので、のんびりはしてられない。早く空の気分を高めながらも、絶頂を満足するくらいに与えて、料金分のセックスをしないといけないのだ。
「あ゛あっあああっいいっおま〇こっ……きもちいっあああ……ぐりぐりしたらっああっあんあんあんっ!」
「ここ突くと吸い付くみたいに締め付けてくる。待ちきれない?」
「ほしい、おちんぽ、おま○こに挿れて、犯してくださいっ……」
「すげえひくついて指を絡めてくる。そんなに犯されたいのか? こんな敏感な体、ハメられたら完全に奴隷になって普通の生活できなくなるかもよ」
「あぁっなる、俺、おま〇こ疼いて我慢できないド淫乱の淫乱だからぁ、はぁっはぁっ、おちんぽ奴隷にしてくださいっ!」
 空は足を自分で持って多く広げ、アナルを広げて男を誘った。
 常に言っている台詞であるが、いつも空は本気だった。
 男のペニスがどれほど気持ちがいいのか知っている。だから、それで奴隷になるのもいいとセックスのたびに思うのだ。
「よくできましたっ!」
 男は満足して空のアナルにペニスを突き入れた。
「あ゛ああぁっ……ひあっ、い゛っ、あああんっ!」
「相変わらずきついな、他の誰とも寝てないんだな、今日も俺がハメまくって雌ま○こにしてやるっ」
「あ゛あぁっいいっあっおちんぽっいいっああんっひあぁっあんっあぁんっ」
「どうだ、おちんぽハメられて雌になった感想はっ」
「あぁあんっきもちいいっ……ハメられるの、興奮しちゃうっあっあっいいっあぁんっ」
「本当にどうしようもない変態だな。ち〇ぽ大好きってぎゅうぎゅう絡みついてきてる。ああ、気持ちよすぎる……締め付けてきてすごいな」
「ひああぁっおま○こっぐりぐりして、すごいぃっぁああっあっあんっあんっ」
 ジュクジュクと大きなジェルが空気に触れる音が鳴り響く。
 空の嬌声は大きくなり、山中に響いているかもしれない。それでも止めることはできずに、車のきしむ音が大きくなる。
 ペニスを突っ込まれて、犯されてる感じが強くなる。男の性欲処理に使われて、欲望のままにひどくされても、ものすごく気持ちよくて、自ら腰を振ってでも男のペニスを奥深くまで入れようとしてくる。
「ああっ、いくっ、おちんぽでっ、いっちゃう、はぁっ、いっちゃうっ! ああんっ」
 とうとう空は絶頂を迎えた。今度は射精を伴う絶頂で、それまで我慢していた精液が一気に噴き出した。
「ああぁっ! あっあぁっ、んひぃっ、しお、ふいちゃうっ……あっあんっあんっ!」
 それは射精というよりは、潮吹きだった。ビシャリと液体が周りに飛び散る。
「あっあっあっ、やぁっ、はげしっ、はぁっ、あうっ、ひぃぁっ」
それでも男はまだ達しておらず、空が絶頂を迎えた瞬間は止まってくれたが、また動き出してしまう。
「正直に言えばいい。おちんぽハメて、ガンガン突きまくってほしいって。ちゃんと言われた通りにする」
「あぁあっおちんぽほしいっおま○こにハメてほしい、おちんぽハメて、おま〇このなかゴリゴリ擦ってぇっあ゛あぁあんっ!」
 そう空が言うと、男は空を車から降ろして車に手を突かせると、背後から空を貫いた。
こうなると男の独壇場になる。
「あぁんっ、ああっうぁっあうっあんっあああんっあんああっんあっあん」
「ここ擦るとめっちゃ締まる。いっぱいしてあげる」
「あ゛ああっ! そこっひっああんっあああっあんあんあんあんあんあんっ!」
世間の人が聞けばきっと引くレベルの嬌声を空は上げながら、男に犯され続け、何度もドライオーガズムを迎えては、また射精を伴う絶頂にまでも導かれる。
 男は絶倫で、まだ一回も出してはいない。毎回そうなのだ、この男は空をイカせることに全力を注ぐらしく、終わる時にしか射精をしない。
 しかし空はそこまでの間に、ドライオーガズムは十回ほど、射精すら三回以上はさせられる。それも二時間以内にである。
「あっうぁっ、んっひあぁっ……もっと、強くしていいからぁっ……おま○こにおちんぽ、もっとっしてっあんっふっあぁっ」
 狂っていくのは当然で、もう既に空は男専用のおま○こになっていると思っている。
「あぁんっ好きっ……よすぎておかしくなっちゃうっ……あんっあはぁんっ」
「いいよ、孕めよ…っ、はぁっ出すよ、空のおま○こに種付けしてやる。孕めっ」
「あ゛っああ゛っああああっん!」
空が絶頂するのと同時に男が空の中で射精をした。
 その暖かさに空が満足して微笑むと、男が空にキスをした。
 その時に、セットしていた携帯のタイマーが時間を告げる。
「時間か」
 空を買った時間が終わった。男はペニスを抜いたが、空の中の精液は掻き出さずに中に残したままで、アナルプラグをしてしまう。
「おうちに帰るまでが、お仕事」
 そう男が言うのだが、空が呆れた顔して言うのだ。
「腹下すの確定かよ……」


 終わった後に服を着ると、ちょうど誰かが車で上がってきた。
 二人は慌てて車に乗ると、後から来た車から若者が降りてくる。
「ほら、やっぱり人いるじゃん」
「あ、でも帰るみたいだし、頼んでおく?」
「そーだね。お兄さんたち~、道の案内看板を元通りにしておいてくれな~い? 見逃してあげるから~」
 大学生くらいの若い子たちがそう言ってきたのを、男が手を振って答えた。
「やっといてくれるって~、ありがとう~」
 そんな若者たちを後にして、車は山を下りた。
「あっぶな……って今日土曜じゃん……」
「悪かった、土日はやめておくよ」
「そうして」
 さすがに青姦をしているところを見つかるのは危ないので、空は注意してとお願いする。場所はいつも男が選んでいるので、空には選択権がない。
 車が山を下り、一般道に入って高速まで行くと、空はすーっと静かに寝ていた。
 男は信号でそれに気付いて、車を一旦サービスエリアで止め、空に食事と飲み物を買ってやったが、それでも空が寝ているので、男は車に乗せた空を自分の自宅に連れて行った。
 いつもは起きるまで待っているのだが、今日は気分が違った。
男の素性が分かったところで、空の態度はきっと変わらない。そんな気がした。
 あんなところから出会ったけれど、男は空のことなら何でも知っていた。探偵を雇って調べれば、あっという間に全てが分かってしまう。
 ただ分からないのは空の心の中くらいだ。
 でも、それもきっと大丈夫だ。
 空なら、きっと分かってくれる。
 そう男は思った。

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