072-カンニング

1

 テスト期間中の教室で、いきなり声が上がった。
「おい、羽野。これは何だ?」
 教室中の人々がその声に驚いて、羽野と呼ばれた人の方を見た。
 百九十はある長身で、筋肉がモリモリとついている躰をジャージに身を包んでいる教師と、その前に座っている百六十少しくらいの身長が小さめの学生が目に入る。
 教師が羽野の前に立ち、何か小さな紙を持っている。教師の形相は鬼のように怒っており、それが何なのか周囲の学生はすぐに理解した。
 カンニングである。
「立て。こっちにこい」
 教師がそう言うと、もう一人の教師がテスト中の学生に言った。
「はい、騒がないで続けて」
 そう言うと、少しだけ教室はザワついたが、それどころではない学生はそれ以上騒ぐこともなくテストは続けられた。
 実はこの羽野がカンニングの騒ぎを起こすのは三度目で、既にまたか程度の認識しかされてなかった。この学年になってから羽野はテストはカンニングし放題で、見つからないように段々とこなれてきたのだが、それでも教師の矢川にだけはどうしても見つかってしまうらしい。
 矢川は生活指導の教師であって、授業を持っていないのだが、素行が悪い羽野は顔見知りで、いつでも制服をいじっているのを直せと言われては、直さないのでそのまま没収されては、新しく違反した制服を着てくるほどのいたちごっこを繰り返している。
 羽野は不良ではないのだが、オシャレに敏感らしく、そういう制服にもこだわりがあるらしい。そのせいで、ピアスも違反とされているがたまにしていることもある。
 髪の毛は元々茶髪で、染めていると思われていたが、小さい頃からの写真で証明したと本人は言っているが、少しパーマがかかっているのは天然ではないので、やはり揉めている。
 それでも本人は皆勤賞レベルで学園にやってくるものだから、教師も困っている。
 注意しても直さないどころか、親御さんまでもが金で解決しようとしてくる始末で、退学にするほどの違反でもないので、このまま揉めながらも卒業させる方がまだマシであろう。大学に入れば、その違反のどれもが違反ではなくなるのだから、余り揉めたくもないのが理事会の見解だった。
 それでも他の学生に贔屓にしていると思われれば、問題が大きくなるので、生活指導の教師である矢川は毎回見つけるたびに羽野を注意していた。
 その中で悪質なのがカンニングで、このカンニングを始めたのは、三年になった今年からである。そこまで成績が悪いのかと思われるのだが、実はそれまで優等生レベルで秀才でもある。だからカンニングするのはわざとではないかと思われている。
 実際、カンニングが用意できない小テストなどは、毎回満点を取る始末で、どうしてカンニングをしているのかさえ理由が分からないのだ。
 担任も困り果ててしまっているが、その中で変わらず注意してきたのが矢川だけである。担任までも服装などに文句を言っても無駄だと思ってしなくなっている現在、矢川だけが羽野に一々構っているうちに、羽野専用と呼ばれるほどに羽野にかまけてしまっている。
 その矢川に連れられて、羽野は別室に連れ込まれた。
 普通はカンニングをした学生を一所に集めて、そこで再テストをさせる。そして全てのテストをそこで受けさせてしまうのだが、羽野はそこにもカンニング用のものを持ち込むので無駄だった。
 やがて矢川の好きに注意をしてくれていいと、学園長にまで言われて矢川は自分の生活指導部の離れに連れて行くしかなかった。
 そこは体育館の奥にある体育教官が使う部屋の隣で、普段は体育教師がいるのだが、テスト期間はその教師もカンニング監視に駆り出されているので誰もいない。
 そんな体育館の離れにある生活指導の部屋は、学生の制服や鞄などの在庫が一部置いてある。売店用のものであるが、売店に置いておくと在庫が盗まれるので、ここに置いてあるのだという。
 それに生活指導で制服を没収してしまうと、学生の代わりの貸し出し制服も必要なので、そういうものも置いてある。
 羽野は大人しく矢川の後を付いて歩いてきて、部屋に入った。
 しかし、部屋に入るとすぐに入り口のドアを閉めた。
「早く、書いてしまえ」
 矢川がそう言って、中央にあるテーブルの上にテスト用紙を置くと、羽野はすっと座ってテスト用紙に向き合い、サクサクと問題を解いていく。
 それこそ流れるように問題を解いていく。もちろん問題はさっきの問題とは違う、カンニングしたモノに出されるテストで、さっきのカンニングで書いた答えは意味がない。  それでも羽野はさっさと問題を解き、ものの五分で全ての回答を書いてしまった。
「終わったよ」
 羽野はそう言うと、矢川がその答案用紙を自分の机の上に置いた。そして次の時間の答案を置いて、それも羽野はさっさと解いてしまい、今日のテストでやる三科目を二十分以内に解いてしまった。
「できたよ」
 羽野はそう言うと、矢川に答案用紙を渡し、それから矢川の膝に手を突いて言った。
「舐めていい? ちゃんとやったよ」
 羽野がそう言い、矢川は答案用紙を指定の封筒に入れてしまうと言った。
「好きにしろ」
「うん、する」
 羽野は許可を貰うと、すぐに跪いて矢川の着ているジャージのズボンを弄り、矢川のペニスを取り出した。
 反り立つペニスは既に半分勃起をしていて、冷たい表情とは裏腹に熱い。それが嬉しくて羽野はすぐにそれにしゃぶり付いた。
「美味し……ふふ……んふっんっ」
 羽野は自らも制服のズボンを下ろし、下着も下ろしてペニスを出す。そうしないと制服や下着が汚れてしまうからだ。器用に矢川のペニスをしゃぶりながら、制服を脱いでいく。上着を脱いでいくと、それを矢川が取り上げてテーブルに置いた。ズボンも脱いでしまうと、それもテーブルに置いて、汚れないようにした。
 シャツは脱がないが、ボタンは上下に外していき、真ん中を一つだけ残す。開けてしまうが、それがいつもの姿だ。
「んうっ……ふんっ……んんんっふっ……んっうんんんっんっんっ」
 ジュルジュルと涎を垂らして矢川のペニスを咥えて完全に起たせてしまうと、羽野は名残惜しそうに矢川のペニスを舐めながら言った。
「一回もったいないから、中で出して……ちゃんと用意してきたし、朝もしてきたから」
 そう羽野が言うと、矢川が立ち上がり、羽野の腕を掴むとさっきまでテストをしていたテーブルに羽野を俯せに寝かせた。
「んはっあ……はやく……おま○こして……はやくっ!」
 羽野が腰を振って矢川を誘う。
「……っ」
 矢川は羽野の腰を掴むと、勃起した凶悪なペニスを羽野のアナルに突き立てるように、一気に羽野を貫いた。
「ひっ――――――っ……あああああぁぁぁっ!」
 準備してきただけあり、中はねっとりとしたジェルがこびりついていた。どうやら中にジェルを仕込んでおき、さっきの間にアナルプラグを抜いたらしい。
 ブジュウッとジェルを仕込んでいる時になる空気が破裂する音がいやらしく教室中に響くが、最近建て直したこの部屋の一画は、体育館の騒動が聞こえないようにと完全防音にしてあるのであるから外には聞こえない。
 入り口にはチャイムがありそれを鳴らせば、入室ができるようにしてあるが、このテスト期間中に誰かが来ることはない。とにかくチャイムが鳴るまで、あと三十分は誰も来はしない空間だ。
 もちろん体育館はテスト期間中は使用禁止で、体育教師もテストの環視のためにほぼ職員室にしか用事がない。誰も来ないことが分かっていて、矢川は羽野を啼かせるのだ。
「あっああっ……きた……ん、いいっんああっあっはっあっ……待ってた……っん」
 パチュンと音が鳴るほどの大きな動作に、羽野は身震いした。
 このために、わざとカンニングをするようになった。
 矢川はどんなに誘っても乗ってはくれなかった。ずっと好きだと言っていたのに、それでも矢川は羽野に興味を示してはくれず、教師の立場を崩してはくれなかった。
 学園に入って三年目、とうとうカンニングに手を出した。
 それも矢川がいる時だけそれをした。
 すると、矢川はとうとう折れてくれた。
 そこまでして、自分の評判すらも落としてまで矢川を必要としていることに気付いてからは、矢川もそれなりに羽野の相手をしてくれるのだが、羽野はもっとと強請った。
 休みの日でも忙しい教師である。休日なんて学生と同じではない。
 特にテストの期間は教師との必要以外の接触は禁止されている。教師がいる個室にも入ることはできない規則だった。
 だから溜まる物は溜まっていって、とうとう爆発するのがテスト期間中になってしまうのだ。だから羽野は矢川にしてもらうためだけに、カンニングをする。
 矢川はそれに振り回されているのだが、それでも怒鳴ったりはしない。
 テストが終われば、ちゃんとしてくれる。だからカンニングは続けたし、やり過ぎてとうとう個室に連れ込んでもおかしくはない状態だと認識されるほどになった。
 周りの教師が言うのだ。羽野は矢川先生の言うことだけは、一応聞く。他の教師では何処吹く風で話にならないのだと。
 それに矢川は苦笑するだけなのだが、まさか自分がその羽野に惚れられていて、セックスがしたいがためにカンニングや違反をしてくるとは思ってもいないだろう。
 矢川も性欲がないわけではない。
 子供のくせにエロチックな行動に出られたら、押さえられなくなるのだ。
 それに矢川は小さい男性が好きだった。自分が大きいのもあり、平均以下の小さい青年が好みで、羽野はまさに好みのど真ん中だった。
 だから好きにならないように、なるべく関わり合いにならないように気をつけていたのだが、それでも駄目だった。
 羽野から浴びせられる性欲を掻き立てるフェロモンがやむことはなく、ますばかりで、羽野はセックスをするようになってから、更にそのフェロモンを矢川の前では隠そうともしなくなった。
「あっ……んああっ! いいっおち○ぽ……いいっはっああっんっあっ!」
 内壁をこじ開けて入ってくる矢川のペニスに、羽野の内壁はしっかりと絡みついて快楽を得ようとしている。それを更に強い力で突き上げてくる矢川の力強さに、羽野はすっかり夢中だった。
「これすきっすきっ……ああっんっ! いいっもっとしてっおち○ぽ、おま○こしてっもっとあああっ!」
 ぐいぐいと押し上げ、激しくピストンを繰り返すだけの行為なのに、脳天から火花が出ているかのようにチカチカとしながらも、これは快楽であると脳が認識している。
 羽野の躰が浮き、足が浮いている状態で矢川に激しく突かれると、待ちに待っていただけに絶頂はすぐに訪れてしまった。
「おま○こいくっ! おち○ぽゴリゴリされて……あ゛あ゛っおま○こでいくっいくっいく――――――っ!」
 ガクンと痙攣して達したのが分かっているのに、矢川は挿入をやめない。羽野はペニスから精液を吐き出しながらも、嬌声を上げてもう一度達した。
「ひああっ――――――っんっああっいって……るっああっんっ……いってる……のっにっあああっんっ!」
 二度もイカされて、躰が痙攣をしていると、矢川が羽野の中で達して射精をした。
「中出し……してるっでてるのにっ……はげしいっああっんっんふっあっんっあっあっあ゛あ゛っあ゛っっ!」
 それも精液を吐き出しながらも挿入をやめない矢川。それに振り回される羽野は、更に一段階上の快楽に乗せられてしまう。
「んぁああっ! そこっそこ……っすごいっいいっあああんっ!」
 矢川とのセックスを羽野が好きなのは、こうしたところだ。普通のセックスで得られるのはさっきの絶頂までで、それ以上はなかった。
 しかし矢川とセックスするようになってから、一段階上の快楽を与えられるようになって、それに悶え苦しみながらもそれを快楽であると認識した。
 嬌声が更に高くなり、卑猥な言葉も増えていく羽野。
「もっとおち○ぽっして! あああっん、かたいのっ……ゴリゴリしてる……んふっう……あんっああっああっんっああっ!」
 内壁を押し開かれるのが気持ちがいいと認識したのは、中学の頃だったが、それでもここまでの気持ちよさを感じたことはなかった。
 更なる絶頂が羽野を襲ってくる。
「いくっいくのっまたいくうぅぅ――――――っ!」
 ガクンと躰が跳ねて、また絶頂に導かれるも、矢川はその絶頂に押し耐えて、まだ挿入を繰り返している。
「あ゛ああ゛っなか、犯されてる……っ! おち○ぽされてるぅっ! ああ、いいっもっといい、はああんっ!」
 気持ちよくてどんどんしてほしいと願ってしまうほど、矢川の攻め方は上手かった。
 羽野にとってはそれも矢川とセックスをしたいと思う要因の一つで、矢川も分かっていて攻めている。
 この自然と解り合える関係が、羽野は好きだった。
「ああんっせっくすっいいっ……ああーあーーああっ! はげしっいって……すごいっのっんっんっはああん!」
 矢川に更に追い上げられて、羽野は頭の中の理性が一気に消えるのを感じた。
 こうなるともうどうにもならない。矢川に与えられる快楽にただ感じるだけだ。
「いって……おれでいってっもっとああんっおれで射精して……なかでだして、なかだししてああんっあっあっせっくすすきっんああっあん! おれの……おま○こで出してっひゃああんっ!」
 また達した。それでもまた矢川が耐えた。
 中に出してほしいのに矢川が精液をくれない。
「ひっあっんっ! おおきいおち○ぽすきっいいのっ……おくまでいっぱい突いて……んはあっあはああ!」
 ガンガンと奥まで突かれて、羽野は叫んだ。
「おれのおま○こにせいえきっだしてっ! 孕むくらいのだしてっ! あはっん! ちくびっ吸ってっもっと吸って、かんでっひああっんっああっああっ!」
 羽野は更に叫ぶ。
「おかしくなるっんああっすきっ! せんせっすきっすきなのっああんっいいっのっ! あいしてるっのっ!」
 いつも切羽詰まった時に出てしまう言葉。矢川を愛しているのは本当だ。
 一時の感情であっても、今は矢川のことが好きで愛している。
 けれど、矢川はそれを信じたことは一度もない。それは無理もないと羽野は思っている。そこまで信じられるほど、羽野とは付き合いが短く、セックスしかしていないのだ。
「このおち○ぽがすきなだけのくせにっ!」
「ひあああんんっ!! おち○ぽもすきなのっおち○ぽもすきっなのっ! ふあああんっ!」
「こうやっていれば、他の誰でもいいくせにっ!」
「ちがうのっちがあっんっ! せんせがすきっなのっせんせのっおち○ぽがすきなのっああっあっあっんっはあんっああっああ!」
「これがいいのかっ!」
「おち○ぽっ!いいっこれいいっおくまできてるっひゃああっんっ! ああっ!あぁああっ! またきちゃうのっきちゃうっひぃあっ、あん、んああっひゃああああっんっ!」
「いけっ!」
「ひゃああああんっああああっ! せいえききたっんっああああんっおしっこでちゃうっああああんんっ!」
 脳天を突き抜けるような快楽が襲ってきて、羽野は絶頂を迎えた。
 精液を吐き出した後に、潮を吹くように透明の液体が出た。


2

「ああ……ん……あふれてる……せいえきあふれて……んふっきもちいいっ」
 絶頂をして放心した羽野だったが、矢川はペニスを一回抜いた。
「まだ十分あるぞ」
 時計を見るとまだ休み時間までに十分ある。
 すぐに足を開かれて、羽野のアナルにまた矢川がペニスを突き入れた。
「え? ……ひあああんっおち○ぽ、まだ硬いのっんあああんんっえぐってるっ! おく、えぐってるのっひあああんんっ!」
「これくらいでへばるなよ。あと十分付き合って貰うぞ」
「あん、やめっちくびっんはあんっ!!! ちくびでいっちゃったっんはあんっ! なめてる……ころがしてる……おいしい?……俺のおいしいの? ああんっきもちいいのっちくび、いいのっんあああんっああっ!」
 脱ぎかけのワイシャツを掻き分けて、矢川が羽野の乳首を吸った。舌で転がしながら、チュウチュウと音を立てて吸い、舌でコロコロと転がした。
「乳首吸われながら……突かれていくのっまたいく――――――っ! んはああん!」
 それだけで羽野はまた達するのだが、今度は精液はでなかった。空イキをしてしまい、躰がまだ絶頂を迎えたままで、まだ矢川に突かれる。
「も……むりなの……むり……らめなの……あんあああっ! んああっ!あんああん!」
 さすがに絶頂を連続で味わってしまい、頭の中を狂ってしまいそうになって、初めて羽野は無理だと口にした。それでも気持ちがいいのはいいので、矛盾した言葉を口にしている。
「ひああっんあっあっあん……ああっん、あんあはんっ! あんっあああんっ! ちくびとれちゃうっああんっきもちいいのっだめなのっ……だめっひあああんっ!」
 羽野の乳首を矢川が噛んで引っ張り、激しい腰使いでねっとりと羽野を追い上げてくる。 それは羽野が口から涎を垂らしながら、舌っ足らずに卑猥な言葉を口にするほどの快楽で、その日一番の絶頂でもあった。
「あ゛っあ゛っあ゛っうんっ……いっちゃうっ……ああんっちくびとおま○こでいっちゃうのっいっちゃ――――――ああ――――――っ!」
 羽野はがくんと躰を痙攣させて達した。羽野が吐き出した精液が床に飛び散っていく。矢川のペニスが羽野のアナルから抜けると、そこから矢川が吐き出した精液がドロドロと吐き出されて床に落ち、羽野の精液と混ざっていった。
 それはまるで魚やは虫類の交尾の後の産卵のようで、羽野はそれを見るのが好きだった。決して子供ができる関係ではないけれど、だからこそ混ざるものが確認できる形が好きだった。
「……さて、そろそろ終わりか……」
 矢川はやっとセックスを終わりだと告げて、羽野のアナルの中に指を突っ込んでくる。
「ひあんっ……ああ……ん……ああっん」
 掻き出されるだけでも、それは矢川の大きな指で擦られると、敏感な内壁はそれだけで羽野は二度も射精できてしまう。最後は漏らすようなもので、潮吹きだったのだろう。
 それが終わると、矢川は羽野の体中をタオルで拭いてくれ、部屋の端にあるソファに寝かせるとせっせと下着から制服まで着せてくれる。
 羽野がぐったりしている中でも、まだ体力がある矢川はせっせと汚れた室内を片付けていく。元からそのつもりだったのか、窓を開けた場所に掃除道具や水を用意していて、それで片付けていく。
 窓を開けて寒いけれど空気を入れ換えまでする。
 その時の、慌てた様子の矢川が一生懸命窓側で空気を入れるために新聞紙を振り回している様子が、羽野には面白かった。
 するとチャイムが鳴った。
 一時限目のテストが終わった合図であるが、羽野は気にせずにそのままソファで寝た。
 すると放送が鳴っている。矢川を呼び出すもので、矢川は一時限目の答案用紙を持って部屋を出て行く。
 暫くは静かで開いたままの窓から学生の大きな声が響いて聞こえている。
 またチャイムが鳴ると、それが静かになり、矢川が戻ってくる。
 矢川は部屋に入ってきて羽野を見ると、部屋の開け放した窓を閉めてから戻ってくる。
 それを見た羽野はまた制服を脱ぎだした。
「まだ二時間ある。さて、次は何をしようか?」
 矢川がそう言いながら、羽野の躰を撫でて触っていく。
 羽野はどんどん服を脱ぎ、また上着だけ着た状態で矢川に抱きついた。
 矢川は羽野のペニスにスティック状のローターをつけると、それを包帯でぐるぐる巻きにした。そしてそれに付いたボリュームを回した。
「ひあああっん! ふんっああっん!」
 ローターのバイブが振動し、羽野のペニスを揺さぶる。それだけでさっきまでの感覚が蘇ってくる。
「おま○こしないの……ねえ……おち○ぽでおま○こして……」
 どうしてもしてほしいと羽野が矢川に頼むのだが、矢川は羽野の乳首を指で弄り、反対側には舌で転がしたり吸ったりして、弄り始めた。
「はあっんっちくびっんふっ……ああんっああっちくびっいいっんああっん」
 この執拗な乳首の責めは、羽野のなかった性癖をどんどん作り上げた。乳首を感じるものだと教えたのは矢川で、矢川はその乳首を弄って達する羽野を見るのが好きだった。
 そして、羽野のアナルにはローターが一個入り、二個入り、そして三個が入ってからスイッチが入れられた。
「ひああああっっんんっ! あああんっひゃああんっ!」
 散々擦られた内壁を更に機械で擦られて、羽野は躰を痙攣させる。震え上がる羽野の躰を押しつけて、矢川は乳首を執拗に攻めてくる。
 矢川は羽野が機械に踊らされているのを見るのも好きであると前から言っていた。更に乳首にはニップルを付けて振動させ、その状態で羽野に制服を着けた。
「え……なんで……」
 羽野が矢川の不審な行動に不思議がっていると、矢川はそのまま羽野を椅子に座らせると、書いたばかりの答案用紙を出してきて、今まさにテストをしていますという状況を作った。
「何コレ…………」
 そう羽野が不審がって言うと、誰かが部屋を訪問してきたチャイムが鳴った。
「…………っ」
 まさか誰か来る予定だったのか。
 そう羽野が矢川を見ると矢川はニヤリとしている。
 アナルの中ではローターが暴れているし、ペニスに括り付けられたローターも乳首のニップルのローターもまだ振動していて音がしている。
 さすがにバレるんじゃと羽野が思っていると、部屋に誰か入ってきた。
「矢川先生、またやりましたか……羽野は」
 声を聞く限り、羽野の担任の教師だった。もうすぐ定年を迎えるはずなのに、担任を押しつけられて苦労している教師であるが、羽野が懐いている矢川を羨ましく思っているのか、矢川の偵察を怠らない。
「大丈夫ですよ、まだ一時限目のテストでしたし、影響はありません。それに他の学生には見せしめになったでしょうし。他の教師も気を引き締めているでしょうから」
 矢川は逆に効果的に働いているのではないかと言うのだが、本当にそうだった。初日に見つかった後のテストでカンニングをして捕まる学生が減ったのだという。
 だから羽野の行動にも意味があるのだと、矢川は言うのだ。
「そうですか……羽野は……テストはやってますね……こう真面目にできるなら、最初からちゃんとやればいいのに……」
「まあ、ちょっと待ってください。ちょうど先生の教科の現代文でしたね」
 矢川が言うと羽野の側まで来て、答案用紙を覗き込んだ。
「ちゃんとできてるじゃないか。先生、これを持って行ってくださいな」
 矢川はそう言うと、羽野の答案用紙を取り上げて、入り口に向かっていく。
 答案用紙を受け取った担任はそれを全部見てから溜息を吐いた。
「どうして、ちゃんとできているのに……」
「……まあ、羽野のことはちゃんと見ておきますので、大丈夫ですよ。先生は他の学生のことを頼みます。先生が羽野ばかり気にしていたら、他の学生が嫉妬しますよ」
 矢川がそう言うと、担任は気分を良くしたようで、声のトーンが上がる。
「そ、そうですね、じゃあ羽野のことはお任せします。答案用紙、ちゃんと受け取りました。それじゃあ私はこれで……」
 そう言うと担任は部屋を出て行った。ガチャリと部屋の鍵が閉まる音がして、羽野はぐったりとしてテーブルに顔を伏せた。
 恥ずかしくて死にそうなほどだったのだ。こんな状態でもし見つかったら、矢川はそのまま教師失格で懲戒免職だろうし、羽野は羽野で虐待されていたとされ、周りから好奇の目で見られるだけだ。
 しかしその恐怖と羞恥心と見つかるかもしれないというスリルが入り交じった感情は、羽野をホッとさせたと同時に射精へと導いてしまった。
 躰を痙攣させている羽野を見た矢川は苦笑する。
「下着、汚したな」
 そう言って抱えられてズボンを脱がされると、案の定精液が下着に張り付いている。
「制服は無事か。まあ換えはあるし」
 確かに制服まで換えがあるので、いいのだが、なるべくなら汚したくはないものだ。選択面倒である。
「だったら、こんなことしなくても……」
「いいから、おま○こにされたいなら、ローター、ひねり出せよ」
 矢川は最初こそ理性を見せてくるが、一旦始めると羽野を酷く扱う。そのギャップに羽野が更に惚れていることなんて、最初から知っているかのように振る舞ってくる。
「……はっんっ……ああっん……もっ……急にかわるから……んっ」
 羽野は矢川に背中を見せて、ローターを三個順番にひねり出した。
「はあんっん……はっあっん……ああっ!」
 ローターが出てしまうと、アナルがひくついて何かを欲しがっている。そのアナルに見ていた矢川が飛びついた。
 羽野はソファに押しつけられるように俯せにされたまま尻を上げられ、そこに矢川がアナルを舌で舐めてくる。
「はっ……んああってんああっ! 舌っ……はあっんああっんっ!」
 口からは嬌声しか出ないほど、アナルを他人の舌で舐められるのは気持ちがよかった。矢川のいやらしい動きをする舌がピシャピシャとアナルを嬲るように皺を一つ一つ広げるように舐めてくる。その舌に翻弄される羽野は、これも好きだった。
「んふっああっんいいっはあんっ……いいっした……いいっんふっあんっあああっ!」
 孔をこじ開け、舌が入り口当たりを舐めてくる。ジュルジュルと音を立てて矢川が吸い付いてくるのを羽野は腰を一生懸命上げて悶えた。
「おま○こ……ペロペロされて……ああっんっきもちっいいっのっ……あはんっああんっいいっおま○こいいっああんっ!」
 矢川はそれでもまだ続け、執拗に羽野のアナルを舐めて解した。
「はあっんっ……ああっん……ああっああっんっ!」
 アナルを舐められて、ペニスはローターの振動で、さらには乳首にはニップルを付けられたままで羽野は達した。
「……ふああっんっいってる……いってるから……んあああっはっあ――――――っ!」
 達して弛緩した躰を矢川は抱えるようにして後ろから羽野を犯す。柔らかくなったアナルに矢川の凶悪なペニスが侵入してくる。
 羽野の内壁はそれを待っていたとばかりに矢川のペニスに絡みつき、自ら性感帯を擦りあげられるようになる。
「ひああっ……んっああっああっあああっいいっいいのっ! ああ゛っあ゛っあ゛っあんんっあああっん!」
 乱暴にゴツゴツと突き上げられるのだが、それが羽野には酷く気持ちが良かった。大事に抱いて貰っているのは分かるけれど、少し暴走した乱暴さは、夢中になってくれていると分かるので嬉しかったのもある。
「あひっあんっあっんっあんっああっ……あーっあああっ!」
 そのまま立ちバックのままで突かれ、躰を密着させたまま、強くペニスが突き入れられる。羽野はその間に何度も達して、もう突かれるたびに精液をペニスから吐き出しているほど感じていた。
 散々突かれた後、遠くでチャイムの音が鳴っている。もう二十分が過ぎたのだ。休み時間に入っても矢川の攻めは終わらず、ペニスを突き入れたまま乳首を弄られ、それに快感を得ていると、更に強く中を攻め立てられて絶頂をする。
 とうとうチャイムがまた鳴るところまで煽られて、やっと羽野は降参をした。
「も……だめっ……だめっも、たすけて……ああっんっあああっん、いくっいくっいくぅうううっああああぁぁ――――――っ!」
 最後に絶叫して絶頂を迎えた羽野は、ガクリと絶頂をした瞬間、気を失った。
 矢川の強い性欲に耐えられるほど、羽野は体力もなかったのだ。
 矢川は羽野が気絶してしまうのを見ると、やっとアナルからペニスを抜いた。ドロドロと溢れる精液を眺め、ベトベトになったところを綺麗に掃除をした。
 眠っている羽野を綺麗にしてから、矢川はまた掃除をして、空気の入れ換えをする。一日に二度も同じところを掃除するのはいつものことだが、そろそろ学園内でこういうことをすることはなくなる。
 今は十二月。三年は来月から受験で忙しくなり、こんなことをしている暇はない。矢川は羽野ともこれで終わりだと思っていた。学園を卒業すれば、羽野だって矢川に固執する理由もなくなるだろう。それが一番いいと矢川は思っている。
 羽野がやっと起きだしてきて、また気絶させられたのだと気付いて、不満そうな顔をしているのを矢川は笑う。
「あと十分で三時限目も終わる。お前も教室に戻る準備してろ」
 乱れた服装を羽野は綺麗に直して、上着を着た。寒い室内では上着を着ないとさすがに寒い。暖房は側にある石油ストーブしかないので、そこに行って躰を温めながら羽野は言った。
「先生、年末は暇?」
 そう聞かれて、矢川は言う。
「特に予定はないが、お前とは過ごさないぞ」
「あのね、ハワイに行く予定あるんだけど、いつも矢川先生にお世話になっているから、矢川先生を招待したいって言ったら、父さんが飛行機も取ってくれたよ」
「俺はパスポートを持ってないぞ」
「大丈夫、そうだと思って先生の身分証を用意して申請しておいたから、多分今週中に届くと思うよ」
「お前なあ……」
「いいから。俺が先生の自宅に襲来するより、ハワイの俺のうちに俺と二人でいる方が誰にもバレないから」
 矢川に向かって羽野はそう言い切り、矢川は脱力する。
 確かに自宅に襲来されても、薄い壁の部屋でセックスはできない。ホテルに行くには人の目があるからできない。
 その中で羽野が妥協した案を出してきたのだろう。
「行くでしょ先生?」
 絶対に断れないようにされているだろうに、確認をしてくる羽野に矢川は苦笑いをしながら言うのだ。
「親御さんと一緒はごめんだぞ」
「分かってる、父さんは正月はドバイだから、絶対来ないから心配しないで」
「それじゃ、お前の世話のお礼だと思って受け取るか」
「そう来なくちゃ」
 そう言って羽野が笑顔になる。
 矢川はそれを見てふと、あるわけない羽野と暮らしていく未来が見えた気がした。
 

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