066-水音を聴きながら

1

 その日は、町内の記念くじ引きで当たった室内プールに行く日だった。
 高級マンション内にある室内プールで、プール掃除の前の日に一日だけ、町内の催し物の特典としてプールの貸し切りをさせてくれたのだ。
 だが、周りはそれを狙ってはおらず、一等賞の沖縄旅行か、二等の何処でも使える商品券の方が人気だった。
 それもそのはずで、主婦層が引くことが多くなるくじ引きである。プールなんて行くことも遙か昔になり、水着すら持ってない人の方が多い年代の人が引くくじでそれが人気になるわけでもなかった。
 それを西里の母親がうっかりと当ててしまったのである。
「もう当たったから沖縄旅行だと思ったのに、なんで室内プールなの? お母さん、水着なんて持ってないわよ。もう、ほらあんた使いなさい。友達呼んでも大丈夫みたいだから。貴島のところお兄さんでも誘いなさい。あ、学校の友達は駄目よ。騒いで出入り禁止になったら、お母さん恥ずかしいから」
 というのである。
 貴島のところのお兄さんは、西里の幼なじみで、二歳年上の大学生だ。最近、大学に通うために引っ越してしまい、この夏、帰省しているのだ。
 とはいえ、引っ越したことに怒って以来、西里は貴島には会ってなかった。
 大学が忙しいのか貴島からの連絡もないまま、二人は半年が過ぎていた。
 そんな母親の機転で、貴島のお兄ちゃんに会うことになってしまった。
 西里は、券を持って貴島を訪ねた。貴島の両親は旅行中で、貴島は家の管理を任されていた。そんなところに西里が来て、少しだけ笑っていた。
「半年ぶりだね。西里」
 昔は名前で呼び合っていたが、中学高校と先輩を名前で呼ぶことが何故か禁句にされてしまい、貴島も後輩をちゃん呼びして特別を出してはいけないと先輩に言われ、二人で名字を呼ぶことになってしまった。
 あの時は悲しかったが、今やそれが普通になってしまった。
 それだけの距離が、西里と貴島の間に開いてしまったことになってしまう。
 大学生になった貴島をどう呼ぼうが、西里の自由になった今、西里は言っていた。
「お兄ちゃん……一緒に、行ってくれる?」
 それは小さい時の呼び方だ。名前を呼ぶのは何故かハードルが高い気がして、照れて言えなかった。
 そのお兄ちゃん呼びこそ、小学生の始め辺りまでのことで、貴島は度肝を抜かれたような顔をして、少し照れていた。
「母さんが、貴島のお兄ちゃんと行ってきなさいって」
 そう白状すると、貴島は苦笑した。
 喧嘩別れをしたことをかなり西里が気にして落ち込んでいたのだろう。その落胆は、貴島にも理解ができた。しかしそれとは別に貴島にはある目的があって、西里の側を離れていたのだが、目の前にいる西里を久しぶりに見たら、可哀想になって断るわけもいかなくなった。
「分かった。明日でいいんだな?」
「あ、うん、ありがとう! お兄ちゃん!」
 喜んで飛び上がりながら貴島に抱きついてから、スッと離れ。
「明日からだね!」
 と笑顔で去って行った。
 そんな西里を見送った貴島は、玄関に入ってから盛大なため息を吐いた。
「なんでまた……こんなんじゃ、うっかりしちゃうんだけど、いいのかな?」
 貴島の思いは西里のお兄ちゃんでは済まない。そんなことは見ている側の方が理解していたと思う。案の定、貴島の両親は察してくれて、離れることを望んだ貴島に協力をしてくれた。西里の親もその辺は分かっていたはずなのだが。
 西里の家では父親が二年前に亡くなり、母親が西里にべったりになってから、貴島は西里の母親に目の敵にされた。
 息子を奪っていく男として。
 それが分かったので、貴島は離れることにして大学も遠くにして、西里にも直前まで秘密にした。それがきっかけで二人は喧嘩別れをして、そのままだったのだ。
 そうした経緯があるので、貴島は自分から西里には一切のアプローチはしていなかった。
 それが急に崩れたわけだ。
 しかしチャンスではある。
 周りが覚悟を決めたのなら、貴島だって心を決めた。


 翌日になり、二人は一緒にマンションの中のプールに入った。
 その日は貸し切りで、従業員も休みである。本当に二人っきりで、お昼から夜の十時までと言われた。
「夜は、窓から夜景が綺麗に見えるからね。ちょっと遠いけど今日は花火もあるらしいから、ここからなら特等席になるよ。ご飯でも買ってきて見てみるといい」
 どうやらそれも込みでの貸し切りだったらしい。
 マンションのほぼ屋上に近い場所にあるため、屋根も開くらしく今日は開けてある。相当張り込んだ設備なのだが、住人は仕事人間が多く、使ってもフィットネスの方のプールを使ってしまうのでバカンスのような使い方を狙ったプールは、パーティー用の付属品レベルになっているらしい。とはいえ、火災用の貯水タンク扱いでもあるため、水を抜くこともできないので、貸し出しを最近始めたのだという。
 その一号が、町内会の景品だったのだ。
 ガランとしたプールは十メートルの長さしかない。屋上に二十五メートルのプールは設置できず、妥協した長さがこれだ。そのせいで客が少なくなってしまったわけであるが、パーティー用なら、これでも十分だ。
 シャワーや消毒をしてから二人はプールに入って泳いだ。水着は家から着てきたため、着替えも脱ぐだけ。もちろん帰りは着替えなければいけないので、ちゃんと着替えも持ってきている。
「結構、狭いけど全力で泳ぐわけでもないし、いいか」
 貴島がそう言い、西里も頷く。
「あんまり広いと、二人でどうしていいのか分からなくなるしね」
 西里がそう言って、二人は短いプールで思い存分遊んだ。
 寒くなったら上がって、日が当たるところで寝て、暖まって熱くなったら泳いでを繰り返した。そうするとあっという間に日が暮れ始めた。
 夜の七時を過ぎるとやっと太陽が海の向こう側に消えていく。
 それを二人で眺めていると、プールの電気が付いた。
「ご飯でも買っておいで。花火の時間になったら、ここの電気を消すといい」
 そう管理人のおじさんが入ってきてそう言った。
「花火楽しみです」
 西里が本当に楽しみなのでそう言うと、薦めたおじさんもにっこりと笑った。
「そうかい。それはよかった」
 おじさんは、これを機にこのプールの貸し出しが上手くいけばいいと思っているので、初めての客は大事にしているようだ。
「ああ、そうだ。私はちょっと九時から十時くらいは食事に出てくるから、この鍵を預けておくよ。帰るときに管理人用の受付の郵便箱に放り込んでくれたらいいから」
 おじさんはそう言い、貴島に鍵を預けて出て行った。どうやら、鍵を渡すために上がってきたらしい。
 コンビニで食事を買ってきて、二人でプールサイドで食べる。
 そして、花火まで熱さにやられないように何度かプールに入った。
 その時だった。
 西里が貴島に近づいて言った。
「なんで、お兄ちゃん、俺から逃げたの?」
 真剣な顔に、貴島はドキリとしていた。
 西里はずっと小さな弟だったが、それ以上に可愛い存在だった。一人っ子で、両親が共働きで海外出張が多い。一人で残された貴島は西里の家族の中で育ったようなものだ。だから、西里は弟のようなものだと思っていたのに、ある日、西里の写真を見ながらオナニーをした貴島は、それ以上の感情があることを知った。
 そしてそれをほぼ隠さないように西里を甘やかした。
 けれど、その家族と思っていた家族から、拒否をされた。ああ、家族の規則を破ったから、仕方がないことなのだと、この感情は殺すことにした。
 いつか笑って、あんな感情もあったなと言える日がくると思ったのだが、そうはいかなかった。
「お兄ちゃんが逃げたの知ってる。父さんが死んで、母さんがおかしくなってから、お兄ちゃんに何か言ったんでしょ? それは俺のことで、お兄ちゃんのことでもあるんだよね」
 西里がそう言い出した。
「お前……知って……」
 西里に必死に隠してきた感情が、知られていたなんて、そんなことあるわけがないと思ったのだが、西里は少し顔を赤らめてから、言った。
「お兄ちゃんが俺のこと、弟じゃない目で見るから、時々そんな目をして見るから、俺ずっと考えてた。でもなかなか分からなくて、でも一生懸命考えて、調べたら、答えは一つしかなかった」
 西里は確信を付いた。
「お兄ちゃんが俺のこと、好きだってこと」
 やはり西里は知っていた。
「だって、お兄ちゃんが俺にいっぱい優しくしてくれた。恩返しだけじゃあり得ないくらいに優しくしてくれた。だから、それにはきっと何かあるんだってずっと思ってた。お兄ちゃんが俺のことを好きだって、そう思ったら俺納得できた」
 その言葉に貴島は少し笑ってしまった。そこまであからさまな態度をしていたのかと、バレる原因は自分の態度だったのがおかしかったのだ。
「そうか……悪かったな」
「ううん、嬉しかった」
 気持ち悪かっただろうなと思い、そう言うと、西里は違うと言う。
「お兄ちゃんのこと、俺も好き」
 そう言われて貴島は苦笑した。その好きはきっと好意を持っている程度の好きだ。家族や知り合いに思う気持ちと変わりはしないのだろう。
「あのね……こういうの、調べたんだ……」
 そう言いながら、西里は貴島の股間に手を伸ばして、そこを擦った。
「……っ 薫、なにしてっ」
 薫と呼ばれた西里は、嬉しそうな顔をして言った。
「やっと名前で呼んでくれた。隼人兄ちゃん……」
 名前で呼んでくれるまで、ずっと我慢していたかのように、薫は貴島を隼人と呼んだ。
 その言葉に隼人のペニスが反応した。
「ああ……よかった……隼人兄ちゃん……ちゃんと反応してくれてる……ほら、俺もちゃんとね……んふ」
 薫はそう言うと、水着を脱いで、直接ペニスを隼人に握らせた。
 そのペニスはすでに勃起を始めていて、ピクピクと動いている。
「隼人兄ちゃんに触ってもらってる……んふっ嬉しい……あっん、もっと触って」
「どこでこんなことを覚えてきたっ」
 凶悪なほどの甘い誘い方に、隼人は乗った。真っ赤な顔をした薫が隼人に触って欲しくて恥ずかしながらも積極的に性行為をしようとしている。
 それは隼人が夢にまで見た光景であり、あり得ないことだと諦めたことでもあった。


2

「はっあはっんっ……うれし……あんっああっきもちいいっんふっ……あっああ」
 隼人は夢中になって、薫の勃起したペニスを擦りあげた。気持ちが悪いとこうはならない。だから薫はちゃんと気持ちが良くなっているのだ。
「あっあっ、ぁん、んっ……ら、て……きもちぃ、から……っ」
「ああ、薫、可愛い……薫」
 二人でペニスの扱き合いをして、キスをした。最初は触れるだけのキスだったが、段々と深くなり、舌を絡めて深くキスを続けた。
「んふ……あっもっ、あぁっ、あっはぁ、ああんっ!」
ペニス同士をくっつけて両方のペニスを薫に扱かせた。隼人はペニスの先を二つ合わせて捏ね回した。
「あっ、はぁんっ、あああっ! あぁっ隼人兄ちゃん……ああんっ! ゃ、ああ……いいっ」
「ふっ……薫……いやらしくて素敵だ……ふっん。そのまま扱いて、一緒にいこう」
「ぅあ、あああ! やあぁあっ……! や、だっ……あ、最後まで……するっんんぅう!」
「……薫……」
「好きなら……俺のこと好きなら……ここで抱いて……んふっ」
「ああ、薫……もちろんだよ。抱くよ……でも一回イこうな」
「あぁあっ、はぅん……っ、ん、んぁ……っあ、あ、あっあああっ!」
 薫の必死なお願いに、隼人は屈した。せめてちゃんとしたところで抱きたかったのだが、薫はそれでは気が変わってしまったらなかったことになると恐れたのだ。
 二人はそのまま達した。
 プールはそのまま明日から掃除なるので、水は抜くからいいだろうと思ったのだ。
 白い液体が水の中に舞っているが、それでもなお薫はペニスを隼人の触っている。
「……はやく、これを俺の中に……ああっずっと夢見てた……このペニスを咥えるために……たくさんアナニーしたんだよ……うふっ」
「薫……そんないやらしいことを……」
 隼人は喉を鳴らして、薫のアナルに指を這わせた。
 柔らかなアナルが隼人の指を待ちわびていたかのように、一本をすんなりと咥えた。
「ぁああ……っ、隼人兄ちゃんのゆびが、あ、あ、あ、あぁ……っ、俺のおま○こに……あぁあっ……!」
「そんな卑猥な言葉をどこで……薫……」
「あ、あぁ、おま○こに隼人兄ちゃんのゆびぁ、はっ、はぁっ……きもち、ぃ……っ」
「薫……薫のおま○こを舐めたいよ……ああ」
「舐めて……隼人兄ちゃんの舌で……舐め回して……ああ嬉しい……んああっ」
 隼人はそれを聞くと、すぐに薫を抱えてプールから上がった。
 遊ぶようのマット型の人が寝転がって乗られるものがあったので、それを下に敷いてからそこに薫を横たえた。
「ひぁ……っ! あんっ! あっ、あぁあ――……っ!」
 待ちきれないとばかりに薫は自分で腰を高く上げて、隼人の前に尻を突き出すと、腰を揺らしながら誘った。
「ああ、隼人兄ちゃんの舌が、俺のおま○こを舐めるんだ……ああ、んはあっっ」
言われた通りに隼人を飛びついて薫のアナルを舐めた。
 指で若干広がったところに舌を入り込ませて、アナルの中まで舌を突き入れてしゃぶりついた。
「あぁああっ! っあ、はふっ……ん、はぁあんん! んゃあ……っ、あぁあ……っいいっ……っ!」
 ザラリとした舌がアナルを舐めている。それだけで薫は腰が砕けそうだった。
 ずっと望んでいて、自分でアナルを開発した。様々な道具を買い込んで、アナルを広げ、隼人とすぐに繋がれるように拡張さえした。
 隼人がしてくれないなら、襲ってでもアナルに隼人のペニスを突っ込んでやろうと思っていて、その準備さえするためにディルドも買った。
「ああ、こんなに柔らかくして……いつも何を使ってやってたんだ?」
「ぅあっ……あぁあ……っ! 道具……ああっ……小さいディルドも……使ってお風呂で」
「どんな風に?」
「壁に……ディルドをくっつけて……それで、入れて……自分で動いて……ああっん……乳首を弄りながら……ペニスを擦りながら……んふっあんっいいっ乳首…擦れてる……」
 乳首がマットに擦れて、ちょうど捏ね回しているようになっていた。それが気持ち良くて、薫は腰を振っている。
「薫は乳首も自分で、開発しちゃう淫乱だったんだ……ああいいよ……」
「ちくびいいっあっあっあっ、もっとぉ……っ舐めて……ああっん、指きたっはああっん、指マンでズボズボしてっああ隼人兄ちゃんの指が、おま○こしてる……ひああっっ!」
 薫は欲望がそのまま叶っているのが嬉しいのか、興奮して卑猥な言葉を何度も口にして嬌声を上げた。
「あっ、んっ、んっ、ぁ、ゆび……もっと、もっと……あっ! あっ! らめ……っ、ぁっ、んっ、――っ!!」
薫のいいところを隼人が擦りあげて、薫はそのまま達した。
 薫が精液を吐き出すと、隼人はその余韻も濃い内に、薫のアナルにペニスをゆっくりと挿入した。
「ぁあっ……あっ……ぁっ……隼人、兄ちゃんのおち○ぽ……きた……ああ
……大きい……んふっきもちぃ……っ、きもちぃよぉ……っ!」
 隼人のペニスがアナルに入ってくるだけで、薫は気持ちがいいと叫びながら、そのまま絶頂を迎えた。
「ああぁっ、ああっ、ゃあ……いっちゃった……んふっ隼人兄ちゃんのおち○ぽきただけで、いっちゃった……あはっんふっあ、……でも……きもちいいっんあっおま○こ……いいっ」
「薫のおま○こ……気持ちがいい……これを俺のために準備してきたのか……」
「あふっ……あ、ぁあ……っ準備していたっ……まってた……ずっと……あああっ、あぁん……っ、ん、ぅ……もっとぉ……っ! 隼人兄ちゃんのおち○ぽで、俺のおま○こを突いて……激しく突いて……おま○こしてっ! ひぃぃぁあああああああっ!」
薫が卑猥なことを言って隼人を煽ると、隼人は根本まで突き入れたペニスを一気に引き抜いてから、また突き立てた。
 薫のアナルはすっかり隼人を受け入れて、食い尽くすように絡みついてくる。
「すごい……薫、気持ちがいいっ……」
「ひゃっ……! ぁ、あああ、あ……っ!、ぁっぁっ、きもちいい……っ! おま○こっいいっ!」
 隼人が動いて突き入れるだけで、薫は何度も達しそうになった。それを我慢して気持ちよさに身を置くと、脳天を突き抜けるほどの快楽が押し寄せてきた。
 それはディルドでは得られない気持ちよさと熱さと圧迫感で、薫は頭がおかしくなりそうだった。
 準備をしてきたことは間違いじゃなかった。隼人はちゃんとペニスをアナルに入れてくれている。
「あぁあんっ! 隼人兄ちゃんのおち○ぽ……きもちぃっ……! きもちぃよぉ……っ!」
「隼人のおま○こ……中がしっかり締め付けてきて、おち○ぽを逃がさないように、絡みついてくる……こんな名器を薫が持ってたなんて……んっいい」
「ばかぁ……っ! あ、あぁっ、あ、や、らめぇ……っ あ、あぁ……っ! おち○ぽっいい……っ、いぃっ! ぁ、あっあっ! あぁああ!! ぁああっ! ああぁ……っ!」
激しくアナルを突かれて薫は達した。
 アナルだけで達するのは初めてで、ディルドでしている時だって、いわゆる中イキをしたことはない。
「ぅあ……ぁあ……っ、ぁ、ぁい……いってう……っ、ぅ、ん、ん、いってうのっ……ひゃあああっん!」
 射精をして絶頂を迎えているのに、隼人の挿入は止まることがない。締め上げているのに、ペニスを抜き、また深々と挿してくる。
「っゃ、だ、め、だめだめ、ほんと、だめ……っ、ほんと、もう、っ、っ……! だめ、ぁ、だめ……っん──!」
 中イキをした後に、まだ強く突かれ、前立腺を刺激された。
 それだけで、薫は達した。
今度は隼人も達してくれたが、射精をしながらも隼人は突き続けている。
「ぁああ……っ! ああああぁ……っあぁあ……っゃ、ゃだ、やだ……まだ、お、おっきい……っ」
 隼人は一旦ペニスを抜いて、薫を立たせると、窓ガラスに凭れさせた。
「ほら、見たかった花火が上がっているよ」
 そう言ったので、薫が前を見た。すると遠くの海岸で花火があがっているのが見える。近場ではないので、音や大きさも小さいが、それでも障害物がないので丸く綺麗に見えていた。管理人が言ったとおり、特等席であった。
 しかし薫にとって花火はもやは何の感動もなかった。それよりも隼人のペニスが欲しくて仕方なかった。
「おっきいぃっぁ、ぁ、や、や、むり、むり……っ これ以上、気持ち良くなったら……あたま、おかしくなる……だめっんう……あああぁっああああっ!」
隼人が再度入ってきて、薫を穿ち始める。
 花火が時折、大きなモノが上がり、それがプール内まで光ってくる。電気は面白いから消していたから、室内は満月の月明かりしかなかったのだが、花火の光までが加わった。
「ゃああ……っ、あぁ、あ、だめ、そ、な……奥……まできちゃ……っあ、あぁ……ひいいっ」
 パンパンパンと激しく突きあげられて、薫は窓ガラスに縋り付いて振り回された。外からなら確実に見られる行為であるが、花火が反対側に上がっている今、こちら側を覗いている人の確立は確実にゼロに近かった。
「大丈夫、入ってる……俺のおち○ぽがずっぷり、薫の奥まで入ってる……」
「ぁっぁっあっあっ、だ、おか、おかしくなっ……! おま○こ……おち○ぽ、すごいっのっああっんっあっあっあああっ!」
 薫が痙攣するたびに達しているのは分かっていたが、隼人はそれでも挿入を繰り返した。
「あぁああっああぁあ……っ! おっきいっおち○ぽっ……奥まで……っ奥まで来てるっ……奥っ……あぁあっ! おち○ぽ、きもち……っ、きもちぃ……っ──!」
薫はすっかり隼人のペニスにやられ、涎を垂らしながら嬌声を上げ続ける。そんな嬌声を上げさせているのは自分なのだと思うと、隼人も興奮して乱暴な挿入になっていく。
「ぁんっあっあぁあーっあ! ひぃいっあんあんあん! ぁっ、おち○ぽ……っそこぉお!」
「薫……素敵だ……ああ、愛しているよっ」
 隼人は夢中で薫を犯した。それに薫も満足そうに振り返って言った。
「あぁっ! 俺も愛してるっ隼人……兄ちゃん……はぁ、おま○こ、奥ぅ……っ奥、あっ、隼人兄ちゃんのおち○ぽ、ごりごりぃっん! 突いて……ひああっ……いぃ……っ!」
窓ガラスに乳首を擦りつけ、大きな花火が目の前で上がるのを見て、二人は絶頂を迎えた。
「ぃひ……っぁあ、あ、あ、あ! ふぁああ……んっいい、隼人兄ちゃんのおち○ぽ、ぃいいいっ! いくっ隼人兄ちゃんのおち○ぽで、おま○こがイクっいくっううぅっぅ!」
 隼人の精液をアナルの奥で受け止めながら、薫は窓ガラスに精液を吐き出し、さらにはそのまま放尿をしてしまった。
 隼人のペニスが抜けると、薫はその場に倒れ込み、その薫のアナルから隼人が出した精液が溢れ出ているのが見えた。
「……っ」
 隼人はそれを見た瞬間、またペニスが勃起をした。
 ぐったりとしている薫を、花火の明かりと月明かりが交互に照らしている。
 花火はまだ半分くらいで、クライマックスの大きな花火が上がるまで時間はある。
 隼人は、薫の腰を掴むと、足を広げて仰向けにして、またアナルにペニスを挿入した。

「薫、収まらないんだ……」
「……んあ……うん、いいよ。好きなだけ、隼人兄ちゃんの好きにしていいんだよ? 俺は、隼人兄ちゃんの、モノなんだから……んああっ!」
 そう薫が言うと、隼人のペニスがすっかり勃起しきった。
「……薫っ!」
「気持ちいいからっ、おち○ぽでおま○こグリグリされてきもちよくなっちゃうから……、もっと犯してほしいっ、おちんぽハメて、いっぱいいやらしく突いてっあっあああんっ! あぁーーっ!ああっ、おちんぽっきたっ!」
 花火が上がり続ける間、二人はセックスに興じた。
 一時間ほど続いた花火が終わった後、二人はプールの水で精液まみれになった床を洗い流し、片付けをしてから、椅子に座っている隼人のペニスを薫がフェラチオをしたり、シックスナインの状態で、ペニスを攻めたりした。
 十時になってやっと性欲よりも疲れが勝ってしまったので、二人はプールを後にした。
 しかし、薫はその日は家に帰らなかった。
 電話で隼人の家に泊まるといい、隼人の一人暮らしをしている方のマンションまで行って、部屋中でセックスに興じた。
 夏休みの薫は、そのまま隼人の家に泊まり続け、とうとう親から。
「分かったから、認めるから、帰ってきなさい。あなた、明日から授業があるのよ!」
 そう言われて薫は自宅に戻った。
 そして薫は志望大学を隼人の通っている大学に絞り、一生懸命勉強をして合格した後、隼人と二人で住めるマンションに引っ越しをした。
 もちろん、半年の禁欲生活は、二人の性欲強さから毎日の行為になり、薫はどんどん淫らに妖艶になり、隼人は逞しく頼りがいのある人間になった。
「あぁっ!そこ……っ、い……っあ!いくっ……い、くぅ……っああぁーーーっ!」
「薫っ……ずっと愛しているよ」
「俺も、隼人兄ちゃんを愛してるよ」

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