062-空中の檻

1

 旅行先のホテルは、断崖絶壁の崖の上にある。
 そう言われて薦められた秘境に、あと少しで辿り着くところだった。
 霧がたくさんでている。到着が夕方になったのは電車が遅れたせいだ。人身事故であるから、そう簡単に動けない。幸い、寝台車に乗っていたことで休むのには苦労しなかったが、それでも二時間遅れは停滞ロスだった。
 ぎりぎりロープウェイが動く時間、走って乗り込むと、乗客は合原ともう一人だった。 ひげを顔中に生やした、一見怪しい男。しかし大きなリュックサックに登山靴を見て、合原はふと思い出す。
 たしか、この先に山があり、その登山客がその麓までロープウェイを使うことはガイドブックに載っていた。だから早朝などは登山客が多いので、注意が必要とも書かれていた。 それを思い出しながら椅子に座って待っていると、ロープウェイが動き出した。
 日が暮れていく中でロープウェイの電灯が付く。ラストの運行時間であることが告げられて、合原はホッとした。あと少しでロープウェイが山に着く。そうすると旅館はそこから三百メートルくらいの道の端にあると言っていた。
 山を眺めていると、その明かりが見えた。
 もう少しだとほっと息を吐いた時だった。
 グワンとロープウェイが揺れた。
「うわっ!」
 思わず椅子から床に投げ飛ばされて、合原は倒れ込んだ。
 向かい側の椅子に頭をぶつけ、一瞬で朦朧とする。
『地震です。緊急停止いたします』
 そうアナウンスが鳴った。
 二三度、大きな揺れが来て、ロープウェイが止まる。
 すると、携帯電話がアラームを告げてきた。
 本当に地震だったのだ。
 ロープウェイは中間にある支柱の近くで止まり、完全に動かなくなった。
 登山客の男が、すぐに立ち上がって緊急ボタンを押している。
「どれくらいかかりますか?」
 復旧にと言わなくても分かる言葉である。
 しかし緊急ボタンに答えるモノはいなかった。
「あの駅員、さっさと締めて帰ったな」
 男がそう言うので、合原は聞いた。
「え? どういうことですか?」
「あの駅員、いつも最後の客を送り届けないで勝手に帰るんだ。操作はしなくても機械が勝手にやってくれるからって言って」
「で、でもさすがに戻ってくるんじゃ?」
「いや、自宅の被害とかあったらそっちにかまけて忘れる可能性もある」
「そ、それじゃ。警察に……」
「警察に電話してどうする。消防辺りがいいだろうが、繋がるかどうか」
 そう言って男は緊急ボタンを何度も押している。合原が携帯で電話をしようとすると、電波がなくなっている。
「あれ、携帯さっきまで動いていたのに」
「こりゃ、地震で配線がいかれたかもな」
「ええ~。それじゃあどうやって助けを……」
「そりゃ、ここで電話がかかるようになるか、上の旅館の人間がロープウェイの停止に気付いて助けを呼んでくれるか、駅員が戻ってきてどうなるか。それくらいじゃないか? 降りられる高さでもないしな」
 男はそう言って座り込むと、リュックサックを開いてあれこれやっている。
「予定とは違ったけど、まあ、こいつでいっか」
 男はそう言うと、何かを取り出して言った。
「ちょっと手を出してくれ」
「? 何ですか?」
 そう言いながら合原は手を出した。すると男はその合原の手に、いきなり手錠をかけたのだ。
「え? 何?」
 驚いてぐっと引くのだが、男はその片方の手錠を真ん中の手すりに素早く填めてしまった。
「ちょっと、何やってんですか!」
「何って、拘束。お前、絶対暴れるだろ?」
「はあ? 何を言ってんですか! 何でこんなことを! うわ! どこ触ってんですか!」
「そりゃまあ、お前の躰が目当てなんで、脱がしてセックスするんだよ」
「何でそうなるんですか!? 意味分からない!」
 男が適当な理由を付けて、合原の服を脱がしていく。暴れる合原を器用に男は押さえつけながら服を脱がしていく。下半身が裸になり、足で男を寄せ付けないようにしていたが、男はその足をしっかりと抱えて、合原の股間に顔を埋めた。
「結構、立派じゃん」
 男は合原のペニスを見てそう言い、それを口に咥えたのだ。
「はっああっやめっあっ」
 口だけを使ってペニスを扱き、舌を使って舐め取っていく。
 腰が抜けるような感覚が一気に襲ってきて、合原は叫んだ。
「こんなの、酷いっ!」
「そういう割には、物欲しそうにアナルがひくついているぞ」
 ペニスを舐めている男の指が、合原のアナルの入り口を撫でている。その嫌らしい動きに合原は翻弄される。
「ひあっああっ」
 男がアナルに何か細いものを挿し、ビュウッと音を立てて何かを入れた。
「やだ、なにっやっああああっ」
 ヌルリとしたももがアナルの中に入り、それの感触に合原は焦る。
「ジェルだよ、滑りやすくするだけ」
 男はそう言うと合原のアナルに指を突っ込んで、そのジェルを内部になすりつけるようにして出し入れを始めた。
「あっやっんぁああっ」
「ペニスも擦ってやるから、気持ちよく飛んでくれよ」
 男はそう言って、合原のアナルに指を出し入れしながら、ペニスも扱き始めた。
「ひあっあああっそんなっだめっいやあっ」
 嫌だと合原が言うのだが、腰が蠢き、次第に気持ちよくなってきた。
 内壁を擦られる不快感は、徐々に薄れていき、その同じ行為なのに気持ちよさが生まれてきた。
「んうっふっはっあっんあっ……はっああっだめっんんあぁっ」
 ゴンドラの中はその淫らな合原の喘ぎ声と、アナルを弄ることでジェルが粘り気を持って鳴るジュクジュクとした音で満ちた。
 男は丁寧に合原の躰を愛撫し、乳首も舐めて噛んで、アナルも徐々に大きくするために指を増やして広げていく。
「んふっああっんはっ……あっあっんあぁあっ」
 ペニスとアナルを他人に弄られることが気持ちがいい。掻き回されてしまうことで快楽が得られるなんて、想像だにしてなかったから、合原は男の指で翻弄されっぱなしである。
「なかなか、順応性があるじゃねえか。お前、結構気持ちいいの好きだろ?」
「ひああぁんっ! あっあんっあんっらめぇっあっああっ」
「いいところ、ここか。ほら擦ってやるからなっ」
「あっああっ……やっあっあっあんっんっああぁっ」
 いいところと言われた場所を擦られると、腰が勝手に跳ね上がる。
「あああっ! あひっあっあっあ゛っあ゛ああっ」
 ビクンビクッと躰が跳ねるのに合わせて、気持ちよさが勝ってくる。
「あぁんっああぁあっ……ああっらめっ……あっあんっあんっ」
「駄目じゃないだろ、いいって正直に言え。ここ触られるのが好きだろがっ」
 男にズンズンと指で突かれて、合原は正直に答えた。
「あああんっ、きもちいいからぁっ……い゛いっあっああっ」
脳天を突き抜ける感覚が襲い、合原は叫んでいた。
「あ゛あああっいくっああっ、いっちゃうっあぁああんっ!」
 アナルを弄られて、男の手で、射精をさせられた。しかしそれが今までの射精のどんなものよりも気持ちが良い達し方だった。
 合原は達した後は放心して、ぐったりとなる。
「はは、派手に達ったな? お前、こっちの才能あるわ。しかもこれなら俺も入るだろうし……よかったな、旅館に行っていたら、他の野郎共に回されて、こんなものじゃ済まないことされてただろうからな」
 男がそう言って、合原のアナルにペニスを挿入し始めた。


2

 合原は放心していると、アナルにとんでもない物体の圧迫感がした。
「や……あぁっ……あっ、うぁ、あん……」
 逃げたいが躰が言うことを聞いてくれない。
「はぁっ、あん、あっあっ、や、やめっ、あぁん」
 そう言うのだが、男はペニスをズンズンと押し入れ、とうとう男のペニスが時間を掛けて根元まで合原のアナルの中に収まった。
「ああんっあっらめっ……ひあっあっあっあっ」
 合原に入れた男は、ほうっと息を吐いて、満足そうに合原にキスをした。
「んんっ……! んっ、むぅっ、んっ、ぅんっ、んっ」
 たっぷりと舌を絡められ、合原は酸素を奪われる。朦朧とした中で男とキスに興じ、アナルの中のペニスにも段々と馴染んできた。
「ふぅっ……、んっ、んんーっ……」
 男がゆっくりと腰を動かす。ギリギリまで抜いて、奥まで入って、ギリギリまで抜く。その行動をゆっくりとしながらキスを繰り返した。
 その行為が酷く優しくて、合原はキスに溺れた。
「あっあっ……やらぁ……ぬいて、はぁ、ぬいて……んぁあっ」
 抜いてというわりにはペニスが入ってくると、待ってましたとばかりに絡みつき、抜けようとするペニスを締め上げて出さないようにしていた。自然と腸内がそう動き、男を満足させる動きになっていった。
「あっ……やらぁっ……おしり、んんっ……あっふぅっ」
 男はゆっくりとした挿入を五分ほど続け、柔らかく馴染んできたのを感じると段々と速度を上げた。
「ああぁんっ! んっあっあ゛ひっあっ……あっあんっ」
 挿入をしながら、男は合原の乳首を吸った。
「あっやっ乳首っへんっ……あっいあっあっぁんっ」
 乳首が酷く感じると知ったのは今日が初めてではない。元彼女によって開発されていたからだ。その彼女と別れてたった一週間である。男の乳首の攻め方が元彼女よりも上手くて、合原は翻弄された。
「お、乳首でも感じられるのか、やっぱり順応性あるんだな、お前。開発したのが俺じゃないのが残念だが、これも興奮材料だし、お前ほんといいわ」
「あぁあんっ! あっあひっらめっあんあんっ! ちくびっくりくり、あぁっイイっきもちいっ……おち○ぽっいい……あっあぁーっ!」
「すげっエロの塊。淫語もばっちりでてくるとか、才能じゃん」
「あ゛っあんっきもちい、あんっ乳首舐めながら、おち○ぽゴリゴリ気持ちいいっあっひあぁんっ」
 正直にそう言うと、男が乳首を舐めながら、激しくペニスで合原のいいところを擦り上げた。
「ふあぁっんっそこっ……あっああっんっちくびいいっ……おち○ぽっあっあっんうふ……んんんっんうふっ!」
 男がまた合原にキスをしてきた。男はキスが好きらしく、キスをしたまま激しく合原を突いてくる。その動きは獣そのもので、合原はそれに翻弄された。
「お前の彼女、すげー躾が上手かったんだな」
 そう言われて合原はドキリとする。
 元彼女に調教されて、アナルにディルドを入れられてイかされる用になり、その気持ちよさに気付いて、元彼女を抱けなくなった。それが原因で合原から別れを告げたのだが、その元彼女がこの旅行の券をくれた。
 女が一人で行くところではないからというのが理由だったが、そうではなかったのだ。
「んふっんふふっっああっそこっあひっ……おかしくなるっあっい゛っあっあっあんっあんっあんっあぁんっ!」
「おま○こになったから、彼女と別れたって? で、ここを教えられてノコノコ来たと。お前、その彼女怒らせて売られたんだぞ。旅館じゃ、お前を犯して回す山男が十人以上も待ってるっていうのになあ」
 初めて男によって、この旅行の趣旨が説明された。
 元彼女は山男たちに合原を売って、肉便器にしてから捨てるつもりだったらしい。相当彼女を怒らせていたことを合原は今知った。
 でもそんなことはもうどうでもよかった。
 本物のペニスがどれだけ熱く気持ちがいいのか。それを知ったからだ。
「あぁんっ、おれ、おち○ぽで、おま○こぐりぐりされてっああっきもちいっあんっあんっいいっ」
「おま○こか……そうだな。お前、男のおま○こになってんだよな。じゃなきゃこんなに乱れはしないよな」
「はぁあっあっ、中に、おち○ぽせいえき中出しして……ひっあっあああんっ!」
「出してやるよったっぷりとな。二ヶ月ぶりなんで、止まらないかもしれないがっ!」
 男はそう言って合原の中で射精をした。それも長く奥まで飛び散らせてのイキっぷりだった。
「ひああぁ……きたっあっあっいい、きもちいっ……! せいえきっきもちいいっあぁんっあっあっあんっあんっああーっ!」
 合原も精液を中でたっぷりと受け止めながら達した。吐き出した精液が腹を濡らした。痙攣する躰を男が押さえつけて、奥まで精液を擦りつけてくる。
「あぁあああっ! おち○ぽ……おっきいままっああっすごいっあっ、あぁっ、中、いいっ……もっとおま○こをおち○ぽして、あんっああっあんっ」
「もっとしてやる。何せ時間はたっぷりあるからな。幾らでも……っ」
今度は躰を起こして、窓ガラスに合原を押しつけて、男が後ろから激しく中をペニスで突いた。
「あっああぁっ、なかっ、あぅっ、あっ、おかしく、なっちゃうからぁっ……はあっあああぁっ」
ズンズンと男の乱暴なセックスに、合原は窓ガラスに乳首を擦らせた。男が揺するたびに窓ガラスに付いた乳首が上下する。それが擦れて最高に気持ちが良かった。
「ああぁっらめぇっ、ぁんっ、出るっ、でちゃうっ、やっあっあひっ、あっぁんっあんっあああんっ!」
合原は背後から突かれながら射精をした。ビューッと出た後まだ男が突いてきて、更に合原は絶頂を迎える。
「あっあんっ……あーっ……またっ、でちゃうっ……ひっあぁっいっちゃう、もっせいえきでうっやぁああんっ! あ゛あっあんっやっいくっいくっ……! あっあっひあああ――――――っ」
今度は大量に精液が出た。ビシャっと出たのは潮だ。潮吹きをしてしまったのだ。
透明な液体が壁を塗らして、崩れる合原の躰を男が抱え上げて向かい合わせにした。
 そしてゆっくりと床に寝かせる。手錠はいつの間にか外れていた。
「あぁっあっんっちくびっ、乳首いじって……、はぁっあんっいいっきもちっいいぅ」
 男が合原の乳首を吸い上げ、舌で舐めて転がし始める。チューチューッと強く吸って、片方を指で捏ねて引っ張った。
「ああっちくび……乳首くりくりして、ん、なめて……っ ぺろぺろして? あっああんっ!」
 男が合原の乳首を舐めていると、合原のペニスが勃起し始める。
「あひっああっいいっ、あぁんっきもちいっ、もっと噛んでっあっあんっあんっ」
 甘噛みから本気で噛んでやると、合原はあまりの痛みに躰を逸らしたが、それで噛んだ後を舐められると、酷く感じた。
「ああぁっ……吸って噛んでもっと、あっひっぱってっあああっ……ちっ乳首おかしくなっちゃったからっ……ちくびいいのっあっあぁんっちくびでっいくっうぅ」
 男に乳首をいじり回され、吸われて合原は絶頂を迎えた。
 乳首だけでイクのは初めてで、合原はそれだけで興奮した。
 男はまた挿入を始め、奥までしっかりと合原を犯した。深く突き入れて、うめき声を上げて唸りながらなので、まるで獣とセックスをしているかのような錯覚に、は合原は陥った。
「ああんっひっああっまたおしっこ出ちゃうっ……あぁっいいっおま○こっいいっひっああんっ! あ゛あんっおま○こにおち○ぽでいくっ……あっあっおち○ぽでっいくいくっ! ああああ――――――っ!」
 合原は男に深々と犯されて達した。男は深々とペニスを差し込んだまま射精をして、放尿まで合原の中でした。
 そんな状況でも合原は感じて、空イキをした。
 男がペニスを抜くと、様々な液体が合原のアナルから溢れ、ドロドロと出てきた。男は合原を抱え、その液体を全て出してしまうと、今度は椅子に合原を寝かせて、またペニスをアナルに挿入した。
「まだまだ、終わりはしないぞ。助けが来るまでこうしてるんだ」
 男がそう言って挿入を開始した。
「あぁっ……おれっおま○こにされちゃったっ……ぁあんっもうっおち○ぽっないといきていけないっ……ひぁあっあっあっああっ」
「ギチギチに締め付けて……、どれだけ咥え込みたいんだよ……っ」
「あ゛あ゛あんっひっい゛ってるっ、いってるからっあ゛あっもっおち○ぽっらめえっあっあんあんあ゛あーっ!」


 夜が明けると同時に、救助の連絡がきた。
 駅員は忘れて帰っていたらしく、自宅の戸棚が倒れていたなどで、片付けていて仕事のことを忘れていたらしい。
「別にいいけど、中、綺麗にしておいてくれよ」
「ああっ、んっ、あっ、あっ、ふあっ、あんっ……はぁっ、んっああぁっ」
 まだ男の絶倫が治まることはなく、意識がない状態でも合原は男に犯されていた。やっと目が覚めて、朝が来たのを知ったけれど、それよりも男に与えられる快楽が頭を占めていた。
「はっ もう……やっあっあんっあんっあぁーっ……」
 合原が犯されているのを見ても、駅員は驚きもしない。
「はいはい、それで黙っててくれるんですよね?」
「黙っててやるから、こいつと俺は来なかったってことで頼むぞ」
「はいはい、どうぞ。後はやっておきますから」
 駅員はそう言って片付けに走る。さすがに災害時に担当していたロープウェイに客を乗せたまま一晩放置したことは知られたくはない。なので行為自体も双方が見逃して終わることにした。
 合原は男に抱えられ、ペニスを挿入されたままで男の車に乗った。
 そこでやっとペニスを抜いて貰ったが、抜かずに何発やれるかと男が言って始めたセックスが五回の射精になってしまったため、合原のアナルからその分の精液がドロドロを溢れて落ちている。
 男は慌てた様子もなく、それらを水などを使って洗い流してくれ、合原を車の助手席に寝かせた。
「寝てろ、東京まで送ってやる」
 合原は毛布をかぶせられて、そのまま男の車で東京まで帰ることになったのだが、高速の途中であらゆるラブホテルに連れ込まれ、服を着させて貰えないまま、毛布一枚で十泊十一日という旅行が始まったことを知る由もなかった。

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