060-きっかけ

1

 失恋は一瞬だ。
 たった一回の喧嘩で、恋人が去って行った。
 何がいけなかったのか、どこが悪かったのか、そう問い正しても、真面な答えは得られなかった。挙げ句、そういうところが嫌いなんだと言う。理由さえ適当な言い分に納得はできなかった。
 暫くして恋人が二股をしていて、本命にバレたので、愛人扱いだった順也の方を切ったことが分かった。
 恋人の男と女のどっちを取るのかと言われたら、九十九パーセントが女を取る。一パーセントは両方から逃げるである。男が選ばれることなんて、まずあり得ない。
 女を取ったというのにはショックはなかったが、その女が妊娠して結婚をする羽目になったらしいのだが、色々と揉めている間に妊娠が嘘で、結婚自体がなくなったらしい。
 すると元恋人は、これで煩わしいことは消えた。今まで通りに二人で楽しくやっていこうと、順也に連絡を取ってきたのだ。適当な理由を付けて振ったくせにである。
「ないよね、こんなのないよね? そっちが上手く処理できたから、こっちは復縁しようだなんて。絶対また同じことが起こったら、俺が捨てられるって分かってるのに、復縁なんてできるわけないじゃん……」
 しかも女とはまだ揉めていて、女が結婚を迫っているのに、妊娠していないなら結婚する義理はないと、今度はその女に順也に言ったように、「そういうところが嫌いなんだよ」と適当な責任を他人に押しつけてきたというから、始末が悪いのはこの元恋人の方である。
「随分、酷いのに引っかかったんですね? そりゃ愚痴も言いたくなるよね」
 そう言っているのは、順也の隣に座っている男。
 居酒屋のカウンター席で座って飲んでいた順也は、居酒屋の板前さんに向かって事のあらまし話していた。
 板前はよくあることなのか、魚を刺身にしながらでも客の話は聞いてくれて、大変ですねと相づちを打ってくれていた。
 一人でグダグダ悩んでいるよりは、誰かに話してすっきりさせたかったので、板前さんには悪かったが、順也は熟々(つらつら)と話していた。
するとその隣に座っていた男が、暇だったのか話を聞いていたらしく、思わずというように順也に話しかけてきた。
「でしょ! 酷い男なんだよっ! ほら、携帯にも何度も同じこと言って、断っても「怒ってるの? なんで?」だって、あり得ないでしょ?」
 そう言って順也は携帯の液晶画面に通信手段であるアプリを開いて見せた。
 そこには復縁を復縁とさえ思ってもいない、元恋人が、何時に会おうやホテル予約した、機嫌直して旅行にいこう(順也に集っている)。元恋人が勝手に作った計画がどんどん送られてきていた。
 振られて一ヶ月。落ち込んでいたら、二日前からこれなのである。
「うわっひでぇ。何これ、こいつ正気?」
 さすがの元恋人の非常識な言葉の数々に、隣の客はどん引きして敬語を忘れている。「これで正気なんだ。元からこんな調子のやつだったけど、離れてみて冷静になったら、駄目男だよね? こいつ」
 順也もやっと恋人が異常にポジティブな性格かと思っていたが、それが自分勝手なクソ野郎であることが理解できた。
「駄目っていうか。ただのクソ野郎だよ。俺も結構クソ野郎だけど、自分で振った相手に、元サヤ宣言なくこんなメッセージは送れない」
「だよね! 分かってくれる人がいてよかった~」
 順也は同意してくれる隣の客に安堵して、自分は間違っていないと確信できた。
「でもそういう男って、自分が振ることはあっても、振られるなんて思ったこともないやつだから、離れるとなると、全ての連絡手段を絶って、引っ越しとかしないと難しいかも」
「え?」
「自己評価が高いヤツってプライドも高いでしょ。「俺が振られるなんてあり得ない」とか言って、ストーカーに変貌なんてこともあり得そうだし。あさっり振った君のことにここまで執着してるのも、君が一切連絡をしてないからじゃない? 焦ってるんだよ」
 隣の男がそう言い出して、順也は不安になる。
 確かに、順也が今までは従順であったが、今回は違った。順也は元恋人の余りの仕打ちに、一切の連絡手段に一言も返していない。
 もちろん周りからは色々聞かれたが、それでもあの酷い仕打ちを知っている周りは、さすがに元恋人の行動を全員が否定的だったお陰で、順也に復縁しろという人はいなかった。
 ただ所詮他人事、付きまといに関してのアドバイスをくれたのは、この隣に座っている男くらいである。
 するとアプリがぽんっと鳴った。
 元恋人がメッセージを送ってきたのだ。
 「そこには、今からそこに行くよ」であった。
「え?」
 さすがにその意味が分からなくてポカンとしていると、隣の男が画面を操作して、携帯の設定画面からGPSを切った。
「君、ここにいるの元恋人にバレてるよ? 多分GPSでずっと見張っていたんだよ。ヤバくない、ここにいるの?」
 隣の男にそう言われて、やっと順也は自分の身の危険を察した。
「あ、ど、どうしよう……」
「家も危ないよ。友達とか、それか今夜は別の場所で避難した方がいいよ」
「でも……どうしたら……」
 急に尋ねていけるような友達はいない。元恋人の嫉妬のせいで、友達はほぼ切れた状態だ。他の男と一緒にいるのは許さないと言われていたことも、あれは束縛の一種だったのだろう。
「とにかく、この店出た方がいい。俺の行きつけの居酒屋があるから、そっちに移動しよう。そこの方が見つかりにくいから」
 そう言われて、順也は、知り合ったばかりの男について、店を出た。
 外はまだ居酒屋に入る客や、出てきた客で溢れている。その中を抜けて裏道に出る。
「この奥だけど、ちょっと裏道ばかりだから足下気をつけてね」
 男はそう言って、先を歩いていく。店の裏道は狭い道路で、人が一人やっと通れるくらいだった。その道をどんどん入っていくと、やっと突き当たりに辿り付いた。
 そこには鉄のドアがあり、男が鍵を使って入る。
 階段が地下に続いていて、下の方が明るい。
「居酒屋の個室なんだけど、店が狭くて、こっちの地下にも別の個室を用意しているんだよ。前はバーとかあったみたけど」
 男がそう言って降りていくので、順也も続いた。
 階段を降りた先は、ドアが三つほどあり、その一つには居酒屋サタケという看板が付いている。
「で、ここのボタンを押す」
 そう男が言ってチャイムを押す。すると暫くして返答が返ってきた。
『はい、今開けます。何名様ですか? あとお名前をお願い致します』
「俺、小町。いつもの頼む。一人いるから、アレを」
『あ、小町さんですか。わかりました、いつものやつ、すぐお運びしますね。料理はメニューで選んで貰って下さい』
 そう言うと、応対が切れ、ドアの鍵が開いた。
 どうやら遠隔で操作しているようだった。店の裏がこの建物で、ここまで別に酒や料理を運んでくれるらしい。
「いつもは集団で予約を入れるんだけど、緊急事態たしね」
 小町と呼ばれた男が、ドアを開けて中に入る。
 順也も続いて中に入ると、中は結構狭いがそれなりの広さがある部屋だった。小さなバーがあったところだと言っていたように、カウンターがあり、手前にはテーブルと椅子が二つずつある。その横を見ると、居酒屋によくある座敷が取り付けられていて、大きなテーブルが並んでいる。
 個室扱いで、集団客を隔離する形になっている。
「本当は、二十人以上の客しか使えないんだけど、俺、常連でいつもここを満員にしてるから、特別が通るんだ。ここなら、君の彼氏に見つかることはないと思うよ」
 そう言われて、順也も頷いた。
 こんな都会の秘境みたいな個室を元カレが知っているとは思えない。
 部屋に入り座敷に座っていると、すぐに店員が酒と水を持ってやってきた。
「小町さん、またトラブってる人を拾ってきたんですか?」
 開口一番にそう言われた。
「いつものことだって。仕方ないじゃん、元カレに追われているって言っているんだから」
 ビールのピッチャーを受け取ってから、小さなコップに注いで小町が言った。
「へえ、逃げてるんですか。ならここ最適ですよ」
 店員がにっこりとして言った。
 順也は頭を下げて、水を受け取った。
 飲んでる場合じゃないので、水を頼んでくれたのだろう。
 順也はその水を一気に飲んだ。緊張をしていて、喉が渇いていたのもある。酒を散々飲んだあとに結構歩いたので、喉が思った以上に乾いていたのだ。
「お水もここに置いておきますね」
 細いボトルに入った水を店員が置いていく。ここまで一々注文のたびに通うのは面倒なのか、そういうストックを置いておくらしい。
 順也はその水を更に足して飲み、ホッ吐息を吐く。
「音楽も流しておきますので、あと水の追加はこちらの冷蔵庫にいれておきます。お酒はそのビール以外は、インターホンによる注文になります。お料理の方は、こちらの三品以外は、同じようにインターホンによる注文でおねがいします。今日は貸し切りはないので、時間はお好きなように」
 店員はテキパキと準備をしていくと、部屋を出て行った。その時、入り口の鍵を閉めていく音がした。
「会計しないで逃げる客がいないようにな。トイレもそこにあるし、用事がある場合は店員を呼ぶんだ。入るのは自由にできるんだけどね」
 小町がそう言い、順也はへえっと頷いた。
 珍しい店だったので、辺りを見回し、きょろきょろとする。
 バーをほぼそのまま残しているので、中は黒っぽいのだが、居酒屋らしくするために座敷は足したようだ。
 テーブルには、ポテトフライと鳥の唐揚げとおにぎりが四つある。
「俺、この三つがないと始まらないんだよな~」
 そう言いながら小町がおにぎりを片手に唐揚げを食べていく。それに習って順也も食べた。
 スパイシーな唐揚げが美味しくて、おにぎりも進む。酒ばかり飲んでいて食事をしていなかったことを思い出したが、今回は水で我慢した。さっきからやたらと水が飲みたくなってしまい、ここに来てコップ四杯ほど飲み干している。
 するとだんだんとぼーっとしてきた。
「大丈夫? 疲れているんだね。横になってていいよ」
 そう言いながら小町は携帯を弄っている。
「すみません、何か……ぼーっとしてきちゃって……疲れてるのかな?」
 そう言って順也は座敷で横になった。


2

 それから一時間ほど経ったくらいに、順也はすっと寝てしまっていた。
 それを確認した小町は、すっと立ち上がって部屋の隅にある戸棚を開けて、そこから箱を取り出した。
「さて、順也くんが寝てくれたので準備するか」
 寝ている順也の頬を一度叩いて、起きるかどうか調べる。
「……っ」
 ぐったりとしたままの順也はそれで起きる様子はなく、小町は満足する。
「たった一杯で朦朧とするクスリを五杯目も立て続けに飲んだら、寝て起きないのか。
クスリを入れすぎたのか。まあいっか。この方が面倒もないし」
 小町はそう言うと、順也を転がして順也の服を脱がしていく。
 全裸にしてから、躰中を調べて、満足したように笑う。
「案外掘り出し物かな」
 小町はそう言うと、まず順也の乳首を軽く擦り、そこにニップルポンプを使って、乳首を勃起させてから乳首にゴムを巻いた。
 それによりピンと立った乳首を小町が軽く擦る。
「ん……ふっ……」
 少し擦ってやっただけで順也の息が上がってくる。
「セックスは好きなんだな」
 媚薬が入っているわけでもない、ただ朦朧とするだけのクスリで眠ったようになっていたとしても感じることはできるのは、この行為を相当好きなのだと察することができる。
 それから別の道具を取り出す。
 順也のペニスに電動オナホールを取り付けた。透明な筒にペニスを入れて、その中で回転で亀頭を攻める道具なのだが、これが手などが疲れなくて便利だった。
 さっそくスイッチを入れて、亀頭を刺激してやる。
「ふ、ぅ……ん、ん、んっんっ」
 急にペニスを刺激され、順也が身もだえを始めたが、それはすぐに良いように変わったようだった。
「ん゛っんんっ……んっふ、ん」
 順也は自分で股を大きく広げて、少し腰を動かしながら、亀頭の刺激を受け入れていた。
「あん……も、やぁ……っふ、ぁんっ」
 すぐに嬌声が上がる。それに小町はニヤリと笑った。
「好き者だったか。男の経験があると楽だと思ったけど、こりゃ拾いモノだな」
「やっ、あっ、あぁんっ……」
順也の乳首を指でぴんぴんと何度も跳ねてやると、順也は自ら胸を突き出し始めた。
「あーっ……あっあぁっ……んっやぁっあぁんっ……」
 絞った乳首を小町が舐めてやる。先端を舌で押しつぶすようにして、勃起したままの乳首を口の中で転がしてやった。
「あ゛あっあんっやっちくびっっ……あっあっひあああっおち○ぽっいいっ」
 朦朧としたままで順也が、卑猥な言葉を口にしたとたん目を覚ました。
「あぁっ、あん、あっあっ、な、なにっ、あぁん……ああっっ!」
 ガクガクッと躰が跳ねて、ビクビクと何度も震えて、順也は状況を理解しようとしたのだが、そんなことよりも快楽がまず襲ってきた。
「あ゛あっあんっやっいくっいくっ……! あっあっひあああっ」
 順也はそのまま達した。
 暫くしていなかったのもあり、あっという間に射精をさせられたのだが、亀頭に填められている機械は止まることを知らない。
「あひっい゛いっあっあっあっあんっ!」
 射精をしながらも刺激をされて、順也は何がどうなっているのかという些細なことも考えられなくなった。
「やぁっもっやめっ……あぁっあっんっ」
 小さな機械音が、亀頭の良いところを攻めてきて、順也は嬌声を上げた。
「あぁああんっ! ひあっらめっあっあんっああんっ!」
 小町は無言で順也を機械で追い詰める。その間も乳首を吸って転がしてと続けていて、順也は乳首と亀頭を攻める機械で二度目の絶頂を味あわされることになった。
「やぁっいくっいっちゃっうっあぁっひっああっ」
 外してほしいと思っても、快楽が襲ってきてそれどころではない。
「あぁあっいくっなんかきちゃうっ……あっああああぁんっ!」
 順也はそれでまた達した。
 小町が達した瞬間に機械を外してくれたお陰で、順也は派手に失禁までした。
 躰を痙攣させながら、尿が弧を描いて散るのを眺めている人間が他にいた。
「すげ、さすが小町さん。機械だけで失禁させるとか」
「マジ、今回はいいの拾ってきましたね」
 ゾロゾロと六人ほどの男がいつの間にか部屋にいて、順也が絶頂を迎える瞬間を眺めていた。
「あ……え……やっ……なんで……」
 朦朧としながらも逃げようとしたとたん、順也のアナルに何かが挿入された。
「ひっ! ああっ!」
 それはローションの入った注射器で、一気にローションがアナルの中に入れられた。 それが奥まで届き、順也は奇妙な感覚に襲われる。まるで射精をされた時のような感覚で感じたのだ。
「あぁっんっ、変っ……あぁっおかしくなるっあっああっ」
「おかしくなってもらって結構。これ、欲しかっただろ?」
 小町がそう言うと、アナルにアナルビーズを埋め込んでいく。
「あぁっんっはあっあんあぁっ……」
 チュポチュポと入っていくビーズが、内壁を押し開き、ごろごろと転がって内壁を抉ってくる。
「ああぁーっ……はぁっ、ふぅっ、あっ、はぁっ、はぁっ……」
 道具を試したことはある。元恋人がこういうものを使うのが好きだった。そんな玩具に蹂躙される順也を見るのが好きだったのだ。
「ひああっ、あっあんっ、だめっだめ……っ、あっああ~……っ」
 感じてはいけないのに、朦朧とした頭が快楽以外を考えてはくれない。
大きめのビーズが幾つも入り込み、それがいつも以上の数であることに順也は驚いた。
「ああっ、んっ、あっ、あっ、ふあっ、あんっ……はぁっ、んっああぁっ」
いつも届かないところに、ビーズが張り込んでいる。
「ほら、ラスト。全部入るもんだな。淫乱順也くん」
 躰を揺すられて、順也が嬌声を上げる。
「あ゛っひっあっあんあんあんっ」
 それに見ていた男達が喉を鳴らして群がった。
「ひああっ、もっ、そこだめぇっ……あっああっ……」
アナルビーズの圧迫感に翻弄されているのに、群がった男達が順也の躰中を撫で回し、更には舐めてくる。押さえつけられて、ゴムが填められている乳首を双方から違う人間に舐め回され、ペニスまで咥えられた。
「あぁんっ、あっひあっあっらめっ……あうっんっふっ」
 そうしているうちに、膝にペニスを挟んで男が扱き始めると、順也の手にペニスを握らせて扱かせる者まで出てきた。
「あっあっ……んっはぁっ、だめ、んっ、あっあんっ……」
 砂糖に群がるアリのように、男達は順也の躰に吸い付いた。
「やっああっ、そこっ……だめ、あっあっあっああーっ」
 こんなに躰中を縦横無尽に舐め回されたことはなかった。順也はその気持ちよさに翻弄され、嬌声を上げるだけになった。
「ああっちくび……乳首くりくりして、ん、なめて……っあっああんっ!」
「舐めてやってるだろ。気持ちいいだろ?」
「あひっああっいいっ、あぁんっきもちいっ、あっあんっあんっ」
 どんどんと追い詰められていく順也は考えることを止めた。
 乳首を舐められていることも、ペニスをフェラチオされていることも、知らない男達のペニスで躰を蹂躙されていることも気持ちが良い。元彼氏の酷さよりもこっちの方が酷いはずなのに、ずっと元彼氏に振られてから我慢してきた性欲が、一気に解放されてしまった。
「んっあっい゛いっ、よすぎてっだめになっちゃうっ……あっひっあっああっだめっ……あっひっぱったら……あああ――――――っ!」
 小町が入っていたアナルビーズを一気に引き抜いた。
「あうっあっあっあんっふっ……あっあああっ!」
アナルビーズが出ていく感覚で、順也は達した。十個は入っていたビーズが一気に引き抜かれるなんて初めてで、あり得ないほどの快楽を得た。
「はああっ……あっあっ、ん、はぁっ……」
 まず一人ではできないこと。元彼氏だけでもできない、両方の乳首を噛まれて、ペニスをフェラチオされながら、アナルビーズの刺激で達する。それが異常なほどの快楽であり、順也はもう抵抗する気も失せた。
小町が何者でもいい。
 慰めてくれるなら、怖くないなら、これでもいいと思えてきたのだ。
 小町が大きなグロテスクなペニスを扱いて、それを順也のアナルに宛がった。
「あっあっあっおち○ぽ、だめっあんっあんっ……やっあひっうっああーっ……おち○ぽ入ってくるぅあっぁあっ」
アナルビーズで広がったアナルに、小町のペニスが入ってくる。凶悪に反り返ったペニスが内壁を押し開き、奥までグングンと入り込んでいる。
「なんで駄目なんだ? これが欲しくてアナルが締め付けてきて、凄いんだけど? 待ってたんだよな?」
「んっ、あ゛ぅっ……だめっおち〇ぽ…っ、中、突かれるとおかしくなっちゃうからぁっ…ふあっ……あ゛っ、うあぁっ」
 そう抵抗して見せたが、それは男達を喜ばせる言葉になっていた。
 順也の嫌じゃない抵抗に、小町は強く腰を打ち付けた。
「あ゛ああっ……ひっ、あ゛っ、らめっ……あ゛っうぁあっ、おおきすぎっ…あっああっ……」
 元彼氏のペニスよりも反り返り、更に太さがある小町のペニスに、順也は翻弄された。
「ああぁー……っ、それっらめぇっ、あっひあっ、おかしくなるっ……あっあんっあんあんあんあんっ!」
 悲鳴を上げる順也に、周りが笑っている。
「仕方ないよ、小町さんのペニスじゃ、誰でもこうなるって」
「そうそう、これで堕ちないヤツ、いなかったし」
 そう言うのだ。このペニスには真珠のような瘤があった。それが前立腺を上手く擦り上げる位置を行ったり来たりとして、順也の腰が跳ね上がる。
「ひああっいくっいくっ、あぁっいっちゃうっ! あんあんあんはあんっ!」
 六人に押さえつけられているのに、順也はその男達を振り飛ばしかねないほど躰を痙攣させて絶頂を迎えた。
「あっあっあぁっ……あひっあっあぁんっ」
 ぐったりとしている順也に、小町が中で射精をしてペニスを抜いた。
「じゃ、あとは好きにどうぞ」
 小町がそう言って、ペニスをしまって下がっていくと、男達が順也に群がって、我先にとアナルにペニスを入れた。 
「あひっ……あへっ、あっ、もうっ、らめぇっ……ああっ……」
 小町にイかされてへばっている順也に、次から次へとペニスが挿入され、イかされては中で射精された。
 白い精液がペニスが抜けるたびに、アナルから溢れてくるが、その吐き出されて精液を掻き出すように、次のペニスが挿入されて、ピストンを速めていく。
「あっあっあっあんっあんっあぁあっやっあああっ」
 様々な体位にされ、順也は男達を受け入れた。
 もう元彼氏のことなど忘れてしまい、この時間を楽しんだ。
男達のペニスを咥えて精液を飲み、好きな時に絶頂して射精をした。男達は順也がいつ絶頂を迎えようが、笑って受け入れて、好きにさせてくれた。
 絶頂まで管理されていた元彼氏の時よりも、快楽が自由で、順也はその時点で満たされてしまっていた。
「いっちゃっ……あっあっいっちゃうっ……おち○ぽで、んっはぁっいいっ、ごりごりおち○ぽで犯されてっ……あっあんっいいっ……いっちゃう……あっあんっあぁああっ!」
「もっとイっていいぞ。ほら、乳首も好きだよな順也」
「ああぁっ……いいっ……あっいい、乳首おかしくなっちゃったからぁっ……ちくびっあっあぁんっ」
 激しく突かれながら、乳首を両側から別々の男に舐められて好きにされるのが、順也の好みになっていた。
「あぁっ……アナルがおま○こにされちゃったっ……ぁあんっもうっ……おち○ぽないといきていけなっい……ぁあっあっあっああっおち○ぽ……いいっあはっ」
「これからは、皆で可愛がってやるからな、順也」
「うれしいっあぁっぁっ、おち○ぽハメられてるのっ、おち○ぽいっぱいずぼずぼされて、どんどんっ変になっちゃうっあっあっあんっ」
「お前の中、最高じゃん! 元カレがよりを戻したがるわけだっ」
「こいつ名器じゃん、小町さん、さっすがだ」
 よがり狂う順也を最後は小町が犯した。
「あああぁんっ! らめっあっあぁあっ、やああっいくっいくっ……あああぁーっ……!」
「ほらほら、イけっイきまくれっ! 淫乱順也っ」
「あっああぁっいくっ、出るっ、出ちゃうっやっあっあああーっ!」
全員の目の前で順也は達して、気持ちよさから放尿をした。
 それを見ている男達が笑っている。
 いつの間にか始まっていた撮影、増えている男達。十人近くはいただろう。その全ての男が順也とセックスをした。


 散々たる状態の乱交であったが、順也は朝になると店の前で小町に解放された。
タクシーに乗せられ、家で下ろされたが、その時に順也に小町が名刺を渡した。
「躰が寂しくなったら、電話しな。もうお前は普通じゃないんだから、元カレなんかじゃ満足できねえぞ」
 小町がそう言って去って行った。
 順也はぼやけた頭で、確かにそうかもしれないと思った。
 うかうかと知らない男に着いていった時点で、こうなることは予想できたはずだった。迂闊すぎて相手を憎む前に自分の愚かさに目が行く。
 しかも躰が疲れているが満足していることも、小町たちを警察に突き出す気にさせない。
「寂しくなったら、か」
 名刺を眺め、一瞬側にあるゴミ収集に捨ててやろうとしたが、順也はそれをポケットにしまった。
寂しさにつけ込まれたのだが、寂しさは埋まった。
 けれど、あの男達のペニスが良すぎた。
 またアレを味わいたい。
 そう思っただけで喉が鳴った。


 その後、元彼氏は順也の前に何故か現れなくなった。
 メールも電話も、アプリのメッセージも一切なくなり、一週間が過ぎると、順也は名刺に書いている小町の携帯に連絡をいれていた。
「あの……寂しいので……またあの時のように滅茶苦茶に犯して下さい」
 そう順也は口にしていた。
 その言葉に小町は少し笑った後。
「二十人くらいのヤツが、お前を抱きたいと待ってる。今から地図を送るから、タクシーで来い」
 そう言われて、順也は嬉しくなった。
待ってる人が、抱いてくれる人がたくさんいる。
 いつまでも待って振られたことが、遙か彼方になり、元彼氏の面影も今や思い出せないほどになった。

感想



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