059-乱れ散り

1

「あの、やめてください」
 そう言ったのは気弱な杉内だった。
 会社の研修中のお風呂の中。他にも人がいるが、水の流れる音や浸からずにさっさと出ていく同僚やらがたくさんいるにも関わらず、研修の指導員の矢原が杉内に近寄ってきて、小言を言い始めたのがきっかけだ。
 同僚達は、杉内が捕まっているうちに、全員が風呂を済ませて食堂に逃げてしまったが、杉内はなかなか解放されなかった。
 その湯船で、指導員の矢原が杉内の乳首を指で摘まんだのだ。
「こんなけしからん、乳首を見せつけて、誘惑しているつもりか」
 そういきなり説教の合間に言いだし、杉内の乳首を指で摘まんで引っ張ったのだ。
「ちがぁっ……やあぁっ! やぁっらめ、ちくびぃっ、あぁんっ、ふぁああっ」
摘まんで引っ張る方と、指で捏ね回してくる指に思わず杉内は感じてしまった。
 杉内は乳首が弱かった。オナニーをするのに乳首を弄ると気持ちが更に良くなると聞いて、実施していたせいだ。
「んぁあっ……んっ、らめぇっ、あっあぁんっ」
 杉内はその手から逃れようと、振り払って湯船から出ようとすると、ペニスが勃起していることに気付いた。
 すると矢原がそのペニスを手で掴んだ。
「ああぁーっ! あっあぁっ……ぁんっ」
 腕の力が抜けて、杉内は矢原の上に倒れ込む形になった。
 矢原はそんな杉内の足を大きく広げさせて、後ろから回した手で、片方は乳首を片方はペニスを握り、杉内を追い上げた。
「やらぁあっ、もっ、だめぇっあん、あんっぁあああぁんっ」
 乳首を捏ねられれば、ペニスが勃起して身動きが取れない。また人にして貰うのもなんだが気持ち良くて、だんだんと逆らえなくなってきた。
 強く言い出せない杉内の性格を知ってか、矢原は大胆であった。
「ひぃあぁっ! やっ、ちくびぃっ、ぁんっあぁんっ」
 そう言いながらも、杉内は空いている乳首を自分で捏ね始めた。
「あぁあんっ! ひあっ、あっあっ、ちくびっだめっ、あっあぁんっ」
「駄目じゃないだろ? 気持ちが良いといいなさい。素直になるのが一番だと教えただろ?
「んっ、はぁっ、ぁん……きもち、い……おちんぽ、あひんっ」
 本当に扱いて貰って気持ちが良かった。誰かにしてもらうことで更に興奮し、誰かに見られるかもしれない環境に置かれていることで、もっと興奮もしていた。
「研修中は合い部屋だから、一人エッチもできなくて、散歩中にトイレに行くふりをして、草むらでオナニーをしていたようだから、そこまで堪ってない?」
「なんで……んあっ知って……んふあっああっあっ」
 一瞬頭が冷えて正気に戻ろうとした杉内だが、それを矢原は許さなかった。
 乳首を引っ張り捏ね上げて、ペニスの先端を指でぐりっと抉ったのだ。
「あ゛っ……ひっあ゛っああぁっ…あっらめえぇっ……」
 そうしたところで杉内の耳が矢原の舌で蹂躙される。ピシャピシャとした音が耳に響き、それが乳首を舐めているかのように、耳たぶを吸われた。
「やっああっ、そこっ……だめ、あっあっあっああーっ」
 どうしても拒否しきれず、矢原の言いようにされているが、それでも杉内は感じた。
「あっあぁんっ……おち〇ぽもっ乳首も弄られていきたいっ……あっはああぁっ……」
 射精をしたくてたまらない状況になり、杉内はそう懇願した。自分で乳首を摘まみ、それを強く引っ張り、まるで乳搾りでもしているかのように捏ね回した。
「指導官に乳首とおち○ぽを弄られて、杉内は射精するんだ? 淫乱だね、さすが外でオナニーをする淫乱ちゃんだ。そうこないとな」
「あひっ……あ゛ッあんっあんっあっあっあっあんっ」
 杉内は嬌声を上げながらも、自分で自分の乳首を弄りながら、アナルにも手を伸ばしてそこに指を入れて掻き回した。
「ひあああっ! あ゛っあ゛っうっひぃっあっあんっあああっ……!」
 浴室に響き渡る杉内の嬌声が、一段と大きく高くなったところで、杉内が絶頂を迎えた。
 耳を舐められ、乳首を自分で片方弄り、片方は弄ってもらい、ペニスは扱かれ、アナルは自分の指で突いて、あらゆる快感を得られる方法で、杉内は絶頂という快楽を得た。
 お風呂の湯船の中で射精をしたのだが、腰が完全に浮いて湯船から出ていたペニスから白い液体が宙を舞い、湯船に散るのが見えた。
 そしてそれが終わると、杉内は放尿した。
「ははは、快楽で絶頂を迎えて、放尿か。なかなかいいイキかたをしたな。と、放心状態か、杉内」
 放尿をしながら杉内は気絶寸前の放心状態になっていた。
 そんな杉内を矢原は風呂枠に引っかけるようにして躰を起こし、杉内の尻を上げた。
「可愛いアナルだな。使い込んでいる割には、そこまでなのか。アナニーで満足が限界か?」
 見透かしたように矢原が言った。
 その通りだった。指でアナルを弄っているのが限界で、道具すら使ったことはなかった。そこまでやったら後戻りはできなくなる気がしたので、いつも躊躇した。
 そこが杉内の弱いところで、決断力がない。絶対にいいものだと分かっていても、そこまで踏み込んだリスクを真っ先に考えてしまう。
 そのくせ、野外で放尿後オナニーをするという、大胆不敵な行動もやってしまう。
 今だってそうだ。
 逃げれば、大声で否定すればきっと逃げられる。矢原だって追ってきたりはしない。それが分かっているのに、やめてと言いながら、自ら胸を差し出して挙げ句アナルを弄った。
 基本的に両極端な性格なのは矢原に見透かされているのだろう。
 望んでいることを押しつけられたら諦めて従う癖や、強引な押しに弱いことも。
 矢原は杉内のアナルに舌を這わせて、ピシャピシャとアナルを舌で舐めてきた。
「ひああっ……んっあっあっ、やっ、そんなっ……あぁっ、ふあっああっ」
 一瞬びっくりして震えたが、それ以上にアナルを舐めて貰うだなんて、夢が叶ったようなものだった。どんなに頑張っても自分でアナルを舐めることはできないし、その似た感触なんて、この世には他人しかいないのだ。 
「あんっあんっああぁっ……だめっ、こんなのっ、やらしすぎっ……あっひっぅんっ」
ザラリとした舌が、アナルの襞(ひだ)を綺麗に開くように舐めていき、だんだんとアナルが開いていく。さっきまで指で慰めていたアナルは、素直に矢原の舌を内部に受け入れた。
「あっ、いいっ……ひあっあっあんっなめちゃっやらぁっんっ」
 腰が自然に逃げそうなのを矢原がしっかりと腰を掴んで動かせないようにしている。ピシャピシャと大きな音が鳴って、あり得ない感触が与えられ、更に快楽としてそれを認識していく。
「んぁっ、……い、い……お尻、きもちいっ……あっあぁんっ」
舌で散々嬲られ、開いたアナルに、矢原の指が侵入してきた。
「やぁっあっあんっあんっ、らめっらめぇっ……あっあっ!」
 矢原はアナルに指を出し入れしながら、杉内のお尻を舐めたりしている。指は前立腺を刺激し、杉内の腰が大きく跳ねる。
「やあああっ! いやっ、あんっあっあんっ!」
 これは知らない。脳天を突き抜けるような快感を、杉内は初めて味わった。
「ここか、杉内のいいところは。俺の指マンで、いくところを見せてくれ」
 そう矢原が言うと、腰をビクビクと痙攣させながら、杉内が嬌声を上げた。
「ああっ、いくっ、指マんでっ、いっちゃう、あぁっ、いっちゃうっ! ああんっ」
何かがくる感覚に、それが絶頂であることを杉内は認識した。何となく来るのではなく、圧倒的な快楽を持ってしてくる絶頂。
 それがどれだけ気持ちがいいのか、杉内は知ってしまった。
「ああぁっ! あっあぁっ、んひぃっ、またでちゃうっ……あっあんっあんっ!」
 杉内は矢原の手で絶頂を迎えた。
 ビュッと出た精液は、止まることを知らない尿のように吹き出て、杉内が息をするたびに何度も吐き出された。
「潮を吹くか、さすがにここまでエロいと、ここじゃ勿体ないな」
 矢原がそう言い、杉内を精液が止まるのを待ってから、風呂の湯を抜いた。
 風呂は全員入って終わっていたらしく、散々矢原と杉内が盛り上がっている間も誰も入ってはこなかった。
 一応、部屋にも風呂は付いていて、できれば大浴場を使うようにと言われてはいたが、矢原が入っているという情報が出回ったのか、一時間ほど経っても誰も来なかった。


2

 矢原は杉内を抱えるようにして脱衣所に行き、杉内には浴衣だけ躰にかけて、自分は普通に着替えた後、杉内を抱えるようにして風呂を出た。
 途中で同僚達に会ったが。
「逆上せたんですか?」
「俺の説教が長かったらしい。医務室に連れて行くから、同部屋のヤツには心配するなと伝えてくれ」
「分かりました。杉内、お大事にな」
 同僚達は本当に同情しているように言って、部屋に戻っていった。
 しかし矢原が向かったのは、医務室ではなく、別館の方だ。
 そっちの別館は指導官たちが生活をしている場所で、本館の同僚達とは別の空間になっている。
 その渡り廊下を渡ると、誰かが入り口に立っていた。
「どうだ?」
「掘り出しもんですよ。野外オナニーするだけあって、淫乱ちゃん。快楽を与えたら、満足して、これですよ」
 そう矢原が言って、もう一人の指導官である白取(しらとり)が杉内の顔を顎に手を掛けて上げてみた。
 杉内は、真っ赤な顔をして、興奮したように息が荒く、涎を口から垂らしていた。
 期待したのだ。矢原の行動に。そしてそれは当然のように杉内の期待に応えるような行動だった。
「エロいなあ。杉内。すぐにおち○ぽ入れてやるからな。指導官、皆でお前を最高にエロい男に育ててやるから。研修が終わったら、お前、俺等に感謝するぞ」
 慣れた手つきでそう言いながら、杉内の頬を撫で、指を杉内の口に入れた。
 その指を杉内はちゅっと吸って舌で舐めた。
 フェラチオはしたことはないが、それを想像してスプーンを舐めたり、アイスクリームを舐める時に舌を駆使する練習をしていた。無駄な努力だと思っていたが、そうではなかった。
「すげえ、こいつ。舌の動き、やべえぞ」
「そりゃ期待だな。すぐ集まれる奴でやるぞ」
「今日はどっちも大乱交だろうな」
 そう言い、白取が通路のドアに鍵をかけ、カーテンを閉めた。
 戸締まりを厳重にして、エレベーターで三階に上がり、一番奥の部屋に連れ込んだ。
ここは裏が山で、表の道路とはかなり離れている。防音がそこまであるわけではないので、なるべく誰にも気付かれないように遠くの部屋を選んだのだ。
 杉内はすぐに部屋の中央の布団に寝転がされ、白取に浴衣をはぎ取られる。
「やっ……、ん、だめ、ぁう……」
 恥ずかしくて躰を隠そうとしたが、その反動で躰を俯せにされ、尻を高く上げられたと思うと、白取が一気に杉内のアナルにペニスを突っ込んできた。
「あっあっ……やらぁ……ぬいて、はぁ、ぬい……んぁあっ」
 アナルにペニスが入っている。その感覚がしっかりと分かり、杉内は焦った。必死に逃げようとするも、それを矢原に止められる。
「ほら、こんなのが入ってるんだぞ。杉内」
 矢原がそう言って、全裸になって勃起をしたペニスを見せてきた。
 杉内は自分のペニスとは明らかに違う、使い込んだ黒々としたグロテスクなほどの凶悪は大きなペニスに、一瞬だけ驚いた。
 しかし、これが自分を犯しているのかと思うと、更に興奮しながら腰を揺すった。
「あんっ……やらぁっ……おしり、んんっ、らめぇっ……あっふぅっ」
白取のペニスはゆっくりと杉内を犯し、奥の奥まで入ってくる。さすがに指では届かない部分が開いてはいないので、白取もそこからは慎重にアナルを開くようにゆっくりと進入した。
「さあ、根元まで入ったぞ。どうだ、杉内、指とは比べものにならないだろう?」
「ま……やぁあ……まって……っあぁっ、あっあっ」
 圧倒的な圧迫感に、杉内は必死に息を逃がしたり、乱れた息を整えた。こんなに凄いものだとは思いもしなかったから、仕方ないのだが、それでも明らかに自分のペニスよりも大きなペニスに犯されていることだけは分かった。
「杉内、これを舐めて、まあ、落ち着け」
 そう言った矢原が、杉内の口にペニスを突っ込んできた。
その大きさに杉内はびっくりして、逃げようとしたが、矢原は言った。
「さっきの指を舐めるように、これを舐めるんだ」
 そう言われて、杉内は矢原のペニスをゆっくりと舐め始めた。
「ふ、ぅ……ん、ん、んっんっ」
ペニスに舌を絡め、頭を動かしてフェラチオをする。
「お、すげっ、こいつの舌、やべえわ。おれ、速効出るぞこれ」
「いいんじゃね? 何度もできるんだし。今夜は無礼講だろうしな」
 そう言うので、不思議に杉内が思っていると、矢原と白取が言っている内容がやっと理解できる内容になった。
「同僚の一部じゃ、お前、人気だったからな。俺に手を付けられてなかったら、今頃部屋で二十人近くとセックスする羽目になっていたかもな」
 というのだ。
「ん゛っんんっ……んっふ、ん」
「俺等なら三人くらいで終われるけど、若いの二十人じゃ、夜が明けても終わらないもんなんだぜ? そういや、杉内の代わりのやつ、誰になるんだろうな?」
「金津(かなつ)じゃね? あいつも人気あったし、さっき別の奴らが必死に探していたみたいだ。もうどっかで回されてるだろ」
 さすがの杉内も同僚二十人近くに回されるのは、勘弁したいところである。しかもそれに拒否権はない。こんな山奥の研修施設から逃げる手段はないし、逃げ出したところで、町まで二時間の場所だ。到底逃げ切れるとは思えない。
災難になった金津(かなつ)には申し訳ないが、杉内はここで指導官の慣れた手で初めてを捧げた方がマシであると、認識できた。
「んんっ……ふぅ、ん、ん……んふっ!」
「お、うめえよ、お前。急に本気出すなよ、出ただろうが」
 矢原が射精をしてから、文句を言う。
 開き直った杉内の舌でイかされたのだ。
「んっんっんん……ふぁっ、はあっ、あっはぁっんあっ」
 杉内はその精液をゴクリと飲んで、嬌声を上げた。
ペニスを咥えている間に、白取が動き出したのだ。
「あーっ、あぁっあっあっあんっ、らめぇっ……ごりごりしちゃっ……はぁっ、いぁあんっ」
 良いところを擦られ、内臓が掻き回される感覚が、酷く心地よかった。初めてのことなのに、慣れた人にしてもらっているからか、痛みもなく、怖くもなかった。
ただ気持ちが良くて、どうしようもなかったのだ。
「お前……っ、そんなに、これが好きか……? 淫乱……っ」
「ちがっあっ、ひっふぁっ、い゛ぃっ……あっぁんっあふぅっ」
 穿たれるたびに、杉内が嬌声を上げ、頭を振りながら与えられる快楽を受けた。
 すると、先に出した矢原が、杉内をひっくり返し、仰向けにして杉内の乳首を弄りだした。
「ああっちくび……乳首くりくりしちゃ、ん……っあっああんっ!」
「乳首弄られるの、本当に好きだな……。舐めてほしい……?」
 杉内が乳首を自分で弄ってオナニーをするほど好きなのは、さっきの風呂場で分かったことだ。だから杉内が好きなように矢原はしてやっている。
 下手に抵抗されて揉めるよりも、双方良い感じになった方が、後腐れなく済むことを知っていたからだ。
「あっ、いいっ……ひあっあっあんっなめちゃっやらぁっんっ」
 矢原が杉内の乳首に舌を這わせて、乳首を吸ったり歯で噛んだりして嬲った。
「ああぁんっ! んゃあぁっ、あっやあっ、あんっ、あぁっ」
 本当に乳首を弄られるのが好きで、杉内の躰を跳ねた。アナルの中も最高に良かったが、まだ乳首の方が好きではあった。
「あぁっひっぃいっ……もっやらぁっ……ちくびっ……あっおち○ぽもっやっあっはぁっあっあっ!」
 だんだんとアナルの中も感じるようになり、乳首とペニスの挿入による擦られる感覚に杉内は嬌声を上げる。その声は、だんだんと大きくなり、卑猥になってくる。
「あっひあっらって、ぁっ……ああぁあっ、ふあっぁっ! あんっ! あんっ!」
「こいつ、本当に当たりだっ! やべえ淫乱ちゃん、見付けたな」
「これ、仕込んだら本気でヤバイぞ。重役たち、絶対虜になるって」
 矢原が感心したように言い出した。それに白取も頷く。
 毎年、こうして男を食ってきたが、その中で素材がいいものは、会社の上層部の重役達が引き取る形になる。前は三年前に淫乱を一人届けたことがある。その淫乱な男は今年会社を辞めた。
 お金が貯まったので、自営業をするために辞めたため円満退社である。
 重役たちも若い者が欲しくなり、新しい人間を探すように矢原は言われていた。
その中で野外で平然とオナニーをする杉内を見付けたのだ。
 ここまで抵抗がない人間ならば、仕込めば化ける。そう思ったからだ。
「ひっ……いっちゃっ……あっあっ、いっちゃうっ……デカいおちんぽで、んっはぁっ、お尻、ごりごり犯されてっ……あっあんっ……いっちゃ、でるっ……あっあんっ! あぁああっ!」
「くっ、俺もでる……せっかくだから中に、種付けしてやるっ!」
「あああぁんっ! らめっあっあぁあっ、なかっやああっ……あっあっいくっいくっ……あああぁ――――――っ!」
 二人が同時に達した。
 白取は射精が終わると、ペニスを抜いて、そのペニスを杉内に咥えさせた。
 代わりにアナルには矢原のペニスが入り込み、白取が出した精液を掻き出すように激しく突き始めた。
「んふっ……んふっんっん……あひっい゛いっあっあっあっあんっ!」
「んっ……ここ突くとすごいぞ、……ここが好きか?」
「あっすきっいっあんっあっ、すき、い゛っあああっ」
 白取のペニスを舐めながら、杉内は素直にそれがいいと認めた。
 快楽に忠実で、素直に卑猥なことを言える。それだけで才能があるわけだが、その快楽にも弱く、あっさりと誰とでも寝られるのも才能だ。
 若く甘い躰を開き、男に甘えるそれは、まさに天性のものである。
「気持ちいいか? 乳首舐めながら突かれるの好きなんだ?」
 矢原は杉内の乳首を吸いながら、腰を使って杉内を追い上げる。
「あ゛っあんっきもちい、あんっ舐めながらゴリゴリ気持ちいいっあっひあぁんっ」
 気持ち良すぎて、どうしようもないと杉内はいい、嬌声を上げる。
「この淫乱……もっと言え、気持ちいいって……っ」
「あ゛あっあんっやっいくっいくっ……! おち○ぽ気持ちよくていくっあっあっひゃあああ――――――っ」
 矢原に突かれながら乳首を噛まれて、杉内は達した。
 躰を痙攣させて派手に達した姿が、矢原を満足させる。
 これなら重役達も満足だろうと、そう思った。実際、三年前に選んだ男よりも、もっと素直に従うペットができあがりそうだった。
 

結局、杉内は矢原や白取以外の指導員ともセックスをした。
 評判を聞いた指導員が、呼び出しては杉内を犯していたからだ。
 杉内も段々と、行為に溺れていき、誰とでも相性良くセックスをした。
 研修会の途中に矢原の指示で、杉内は重役の一人と早速セックスをさせられた。
 その時の重役は、杉内に満足して、さっそく杉内を引き取った。
 会社では、重役の犬になり、重役室に秘書として出勤するも、重役室の一角の隠し部屋で、やってくる重役とセックスをしたり、取引先の人間とセックスをする役割を任された。
「ああぁー……っ、それっらめぇっ、あっひあっ、おかしくなるっ……あっあんっあんあんあんあんっ!」
 無茶ぶりをする外国人であろうが、杉内は喜んでセックスをして、満足させた。
「はあっ……あっあっあああーっ……」
「契約をしよう。君があまりにも素敵だから」
「あひっ……ありがとうございますっふあぁっ、あんっ、あんっ、あんっ、あひぃっひゃあああっ――――――っ!」
 外国人のペニスをも平気で銜え込み、何度も射精をさせる名器を持って、杉内は約五年の間、会社の愛玩となってセックスに興じた。
 あまりの杉内の淫乱さに、最後はアラブの石油王が杉内を買い取ったというほどであった。
「やっああぁっ、らめっ、なかはっ、あっあっ、おかしくなっちゃうからっ……あっやあああぁっ」
「おかしくなれ、お前はその方が美しい」
「ああぁっらめぇっ、ぁんっ、出るっ、でちゃうっ、やっあっあひっ、あっぁんっあんっあああんっ!」
 求められるままに杉内は射精をした。
 アラブ王の精液をその身に受けながら、杉内は、あの日、強く拒んでいれば、この生活もきっと平凡な会社生活になっていたのだろうと、ふと最近思うようになった。
 後悔はしてないけれど、平凡な生活もしてみたかったと思う。
 それでも平凡に戻るということは、こんな激しいセックスがない、あの地味な生活なのだと気付いて、頭を振ってセックスに興じた。
 どうせ平凡な生活では満足できなくて、この環境を待ち望んで死んでいくのだとしたら、それこそ考えられない。
 今の方が幸せなのだ。それは間違いなかった。

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