056-ふりだしに戻る

1

「早森……しようよ」
 そう誘ってくるのは、入間(いるま)。
 童顔で、二十歳を超えているのに可愛い姿に似合わず、バイセクシャル。女も男も抱くというギャップが凄い男だ。
 しかし早森とは大学に入って二年も経つが、同じ講義を受けているにも関わらず、今まで口を利いたことはなかった。
 その口を利くきっかけは、つい今し方行われた合コンだった。
 その日、来るはずだった女の子達が全員ドタキャンするという、合コン史上あるまじき事件になり、男子十名が狂ったように酒を飲んでしまった時のことだった。
 早森は合コンに初参加で、お持ち帰りを期待していた。にも関わらずのドタキャンに、煮えくり返る思いで酒を飲んだ。
 そんな中で、早森がトイレに立った時だった。
 早森と一緒にトイレに入った入間が、早森のペニスを見て、何やら興奮し始める。
「すごっ……早森の大きいね……」
 舌なめずりをしたように喉を鳴らした入間がそう言った。
「やっぱでかいかこれ」
 早森は完全に酔っ払っていたので、恥ずかしさなど何処へやら。尿を出し終わった後のペニスを入間に見せて、やっぱりデカイよなと呟いた。
 勃起はまだしていないが、長さも太さも平均以上で、昔から勃起したら凶器になるだろうと言われ続けてきた。もちろん、影のあだ名がデカチンである。
 早森もオナニーはするので、勃起した自分のペニスを見たことはあるわけだが、平均よりも一回りは確実に大きいと知ったのは、余りに大きいと言われて本当にそうなのかをネットで調べた時だった。
 平均値を軽く超えて大きかったのだが、それでも他人と比べたわけではなかったので、実感としてはそこまであったわけではない。
「勃起した時の、見たいな」
 入間が突然そう言い出して、早森のペニスをパクリと口に咥えてしまったのだ。
「ええ……ちょっ……おまっおっおおっ」
 早森は止めさせようとしたのだが、それで、入間はしっかりと口に咥えて、早森のペニスを口で扱き、舌で舐め取っている。
「おまっ無駄に上手いの……なんだよっ」
 早森は抵抗しようとしたが、あまりの入間のフェラチオの上手さに、逃げることができずに、とうとう開き直ってしまった。
 気持ちいいモノはしょうがない。
 酔っている頭では欲望の方が簡単に勝ってしまった。
「分かったから、ここじゃ、人が来たらヤバイって」
 そういいながら、個室の方へ移動するが、入間は口にペニスを含んだまま中腰で移動してしまう。
 個室の便器の蓋をして、そこに入間が座り、早森は立ったままで、入間にフェラチオをして貰う。
 ジュクジュクと音を出しながら、入間は美味しそうに早森のペニスを舐めている。その上目遣いが酷く色っぽくて、早森も煽られていると感じた。
 ペニスはググッと上向き、とうとう入間のフェラチオで勃起してしまう。
「あはっ凄い、巨根じゃん。長さも二十センチ近いし、太さも普通より一回り近くはあるかな。これじゃ女の子は、キツイだろうなぁ」
 入間がそう言い出して、早森は驚く。
「え……大きすぎる駄目なのか?」
「らしいよ。大きすぎても痛いって言う子、多いから」
「そ、そうなのか、やっぱり……」
 早森はそう言われて落ち込む。しかしそんな落ち込んでいる早森に、入間は再度フェラチオを続ける。
「んふっんんっ……んふう……」
「……っ!」
 早森は入間の口の中が気持ち良くて、腰が自然に動き始める。そして早森は入間の頭を掴むと、無理矢理に喉を犯すように腰を振った。
「んんっ……ふぅっ、んっ、んっ、んぅ……んっ!」
「やっ、もう無理っ……いくっ」
 早森は入間の口の中で射精をした。喉の奥で精液を受け止めた入間はそのままごくごくと精液を飲み込んだ。
「んんーっ……ん、ぅんっんっんっ……はっあ、濃いね……溜まってた?」
 入間は早森の精液をペニスの先からも舐め取って綺麗にしてから、早森のペニスから口を離した。
 余りに手慣れた様子ではあるが、それが心地よくて早森は唖然としながらでも答えた。
「……ここ暫く、研究のことで頭一杯でしてなかったから」
 卒論用の研究で、それが完成したのは昨日のことだ。それまでその研究室と家を行ったり来たりしていただけで、そんな気分にはなれなかった。ただ今日の合コンには間に合わせると気合いで頑張ったのだが、それも今や男にペニスをフェラチオして貰っている有様である。
「あー、忙しそうにしていたね。さて、どうする? このまま酒の席に戻って飲んで騒ぐ? それとも抜けて、ホテルでも行く?」
 入間はすっと立ってそう言った。それは当然のような言い方だった。
「え……ホテルって……」
 早森がキョトンとしていると、入間が言った。
「このおち○ぽを、僕のアナルに入れてみないかってこと。慣れてるから入るよ。この大きさでもね」
 入間が早森のペニスを扱きながらそう言った。
 早森は酒に酔っていた。だから、それがどういうことなのかいまいち理解はしていなかった。
 ただ入間に言われるまま、誘われて頷いてしまった。
 気持ちいいことが続くだということくらいしか、理解はしてなかった。
「ああ、よかった。僕、早森くんのおち○ぽ、素敵だなって思ったから、これで犯されるなんて、ゾクゾクが止まらないや」
 そう入間は言うと、先にトイレを出て合コン失敗飲み会を抜け出した。
早森も具合が悪いという理由を付けて、合コンを抜け出し、居酒屋の入り口で入間と合流し、そのまま近くのホテルに入った。
 ラブホテルであるが、受付は部屋の鍵を勝手に選ぶもので、誰にも会わず部屋まで行ける。部屋は入間が気に入った所を選んだ。
「やった、いい部屋がちょうど空いてた……ここ、お風呂が広いし、ガラス張りで面白いって聞いてたから、楽しみにしていたんだ」
 入間はそう言って気に入った部屋に、早森を連れて行く。
 部屋は確かにいい部屋である。入って玄関があり、そこで靴を脱いで入ると、もう一枚ドアがあり、それを開くと十畳ほどの部屋にダブルベッドがある。その向かいの壁はガラスになっていて、そこから見えるのは風呂である。風呂はジェットバスが付いた大きな風呂で、円の形をしている。その中は照明がピンクや紫に変化をしていて、いやらしさを醸し出している。天井は鏡張りで、ベッドの横にある壁はガラス張りで確実に映して楽しむものだった。
「やった、当たりの部屋」
 入間はさっさと部屋に入り、上着や荷物を置いてしまうと、風呂に入っていってお湯を溜めている。
「……すごい……」
 ラブホテルに来たのは、高校の時に付き合っていた彼女と来たことがある。しかし、いざセックスという時に、彼女が早森のペニスの大きさを見て、無理だと泣きだしてしまったのだ。
 結局、ラブホテルに来たのに、彼女には手こきだけしてもらって、それで射精をして終わった。
 その次の日には彼女に振られ、巨根であることを言いふらされた。
 男子は面白がってペニスを見に来たが、大きさをからかいに来たのに、本当に大きかったことで、反対に凹んで帰っていったほどである。
 幸い、そのまま受験となり、学校に通わないうちに上京をしたので、大きな騒ぎにはならなかったが、それからは早森は彼女を作らずにやってきた。
 そして三年半も経って、やはり彼女が欲しくなったので合コンに参加したのはよかったが、ドタキャンされたわけだ。
 女性に関してのトラウマがドンドンできていく中での、入間からの誘いである。
 寄りにも寄って男とやる。
 それがどれほど緊張することか。今更ながら、早森は我に返りそうになったが、そこに入間がビールを持ってやってくる。
「はい、飲んで飲んで。早森は飲んで酔っている時の方が素直だから」
「あ、ああ……」
 入間にそう言われ、ビールを口にした。
 とりあえず逃げられると困ると思ったのか、入間はそのまま早森にも服を脱ぐように言って、全裸にさせた。
「これで、ちょっと飲んでて」
 入間はそう言うと自分も全裸になって風呂に入っていく。
 飲んで酔ってないと、ちょっと正気ではやってられないと早森は思い、ビールを飲んだ。酔いが覚めたらきっと地獄だ。そんな気がした。
 三本ほど開けたところで、ふっと気付くと目の前のガラスの奥で、入間が風呂に入っている。
 泡まみれになって、わざわざ早森の方を腰を向けて振っている。
「……ごくり」
 早森の喉が鳴った。
 女性じゃなければ、その気にならないと思い込んでいただけだったのか。
 今目の前で、セクシーなダンスを踊っているかのような入間ですら、あんなに色っぽく見える。
 男性特有の角張った躰をしていないのも、違うものだと思えた原因かもしれない。
 入間の尻は、肉がよく付いていてプルプルとしている。ジーンズの上から見ても、綺麗な尻だとは思っていたが、生で見るとより一層凄かった。
 でもついているものはしっかりとついていて、入間が男であることが分かる。けれど、それすら気にならないほど、入間は色っぽかったのだ。
 またゴクリと喉が鳴る。


2

 早森は我慢できずに、ビールをもう一本足してから、入間がいるバスルームに入った。
 入間は特に驚いた様子もなく、シャワーを浴びて、泡を落としてしまう。
早森は入間に近づいて、入間の肩を掴む。息が上がり、興奮が止まらない。そんな顔をしている早森に、入間は落ち着いた笑顔で言った。
「あれ、使ってみようか?」
「え?」
「あのマット。躰を洗ってあげるね」
 入間はそう言うと、するりと早森の手を離れて、空気が入ったマットを持ってくる。それを床に敷いて、乗るように早森を誘う。
 よく分からないまま早森はそこに乗り、座ったところで入間が普通に躰を洗ってくれた。
 お湯を流し終わると、今度は粘った液体を擦りつけてくる。
「ぬるぬるして、気持ちいいよ、これ」
 そう言いながら、入間は液体を塗った早森の躰を自分の躰を使って、擦りつけるようにして洗い始める。
「はぁっはぁっ……あぁぅ……はぁっ、んっ……」
 入間の乳首が良いように当たり、早森はそれが乳首だと分かると、何だか気分も乗ってくる。
入間は躰を押しつけて洗うようにしながらも、手の平で躰中を撫でてくる。抱きつくようにして胸や腹、太ももや内股など様々方法で擦り上げてくる。
 すると興奮しているので、早森のペニスが勃起を始める。
 そして入間は早森のペニスを両手で掴み、上下に扱き始める。
「早森……気持ちいい?」
「……はっん……いい……」
 早森はペニスを扱かれ、気持ち良くて腰が抜けそうだった。
「はぁっ、ふぅっ、あっ、はぁっ、はぁっ……入間……」
 だが扱かれているだけでは、妙に物足りなかった。自然と腰が前後に動いていた。
「入れたい? 早森?」
「入れたい……ふう……はぁ……」
 まるで自分が獣にでもなったかのように、早森は興奮して、息が音を立てている。ぜぇぜぇと荒い息が上がり、開いた口から涎が自然と垂れた。
「あんっ……やっ、ちょっ……」
早森は興奮を抑えきれずに入間を押し倒し、マットの上に寝転がらせると、興奮しきり、唸るように息を吐きながら、入間のアナルにペニスを宛がった。
 早森のペニスの先が、入間のアナルをこじ開けるように開いて、徐々に入っていく。
「あっ……はぁっああっ早森の……入って……くっあう゛ぁあ」
 大きなカリがスポンと入り、後は滑りを借りて早森のペニスが入間のアナルを広げながら、中へと進んでいく。
「あ゛っあひっあぁっ、ああぁあああ――――――っ!」
 さすがに大きいモノが入ってくると、慣らしていたとしてもキツく、アナルがいつも以上に広がっているのが分かった。それでもまだ早森は全てを入れきってはおらず、様子を見ながら腰を進めている。
「あぁっひっあ゛っあ゛っ」
「きっつ……っ、中がギチギチに締め付けてきて……ふっまだ半分あるけど……」
「うそ……まだ奥まできてない? ……ああぁっすごいっああはっ」
 苦しそうな顔をしていた入間だったが、それがまだ半分であることを知って、未知の領域に入り込んでくる早森のペニスに喜びを感じていた。
 開いたこともない、誰も届いたことがないところまで早森は入り込み、中を犯している。それが苦しみから気持ちよさに段々と変わってくることを知っている入間は、体をくねらせながら早森のペニスを飲み込んでいく。
「あ゛あっ、もっと……っあっんんっんーっ」
 突き入れるように最後まで入ってきた早森のペニスは、中で脈打ち、それがダイレクトに内壁に響いていた。
「はぁ、んっ……すごい、硬い……ああっ……」
中で膨らんでいる早森のペニスに、入間の内壁はしっかりと形を変えていく。動いて欲しそうに、物欲しそうに収縮を繰り返し、早森を煽っている。
「すげ……っ我慢できない……」
 ゼェゼェと息を乱しながら、早森の中の何かが焼き切れた。
 男を抱いていることなんて、ほんと些細なことで、セックスに相性があるとすれば、今まさに最高の瞬間である。
「ああっだめっ、動いたらっ……あ゛っあ゛っあああーっ!」
まだ馴染んではいないと、入間が止めるのだが、早森はそれを無視して、腰を打ち付けた。
「あ゛ああっ……あひっ、いっあっあんっぁうっ、あっあっああっ」
 信じられないほど深く奥まで抉られ、一気にそれが抜けると更にまた奥まで突き入れてくる。腰使いは、強引でセーブもしていない強さで荒々しい。
 それが入間の余裕さえも奪っていく。
「やぁあっ、あっふぅっ、あっあっ……ああーっ!」
 酔っ払ったままの早森は、ただ気持ちよさに身を委ね、腰を突き入れることだけに集中した。
ローションの滑りを借りたお陰で、挿入はスムーズであるが、そのローションの擦れる音や空気に触れた音がグボグボッと激しい音を立てて、バスルームに響き渡っていた。
 その合間には入間の喘ぎ声がリズム良く響いて、早森は耳の中まで犯されているような感覚になる。
 突き入れているのは自分で、好き勝手に腰を使っているのに、それでも入間に言いようにされている気がしてならないのだ。
「あぁっやぁっ、ハメられてるのっ、おち○ぽでずぼずぼされて、あたま、変になっちゃうっあっあっあんっ!」
仰向けで足を広げられ、早森を受け入れている入間が、満面の笑みを浮かべて、そう言った。
 その顔は、酷く美しく、またセクシーである。
そして入間のアナルが早森のペニスを締め付けてくる。
「……トロトロになってたくせに、馬鹿みたいに締め付けやがって」
ズボズボと激しい音を立てながら、ペニスが挿入を繰り返しているが、リズム良く強く打ち付けてくるのには、入間も初めて感じる感覚に翻弄され始めていた。
「ひあ゛ああっ……あっあ゛っあああっ」
 絶頂はそんな中やってきた。いつもとは違う、あり得ない体験の中で、入間はいつもより速く絶頂を迎えそうだった。
「あひっあ゛っもっいくっいっちゃうっあっあっあっ!」
顎をのけぞらせて、体を硬直させて、入間が頭を横に何度も振った。
 それに合わせて、早森も挿入を速くした。早森もまた、絶頂を迎えそうだったのだ。
「あ゛あ゛ひっあ゛っまって、らめっあ゛っあ゛っ」
完全に早森に支配された入間は、早森に絶頂をさせられた。
「あああぁんっ! らめっあっあぁあっ、やああっいくっいくっ……あああぁーっ……!」
 入間が体を硬直させて絶頂を迎えた。
入間の勃起したペニスから精液が溢れ出て、勢いよく飛んだ。それが早森の腹まで飛んだのと同時に、早森も入間の中で絶頂を迎えた。
「ふ――――――っ!」
 あり得ないほどの快楽を得て、早森は溜まった精液を入間の中に全部注ぎ込んだ。
「っ……いっちゃっ……あっあっ、いった……デカいおちんぽで、んっはぁっ、お尻、ごりごり犯されてっ……いった……あっあんっ……いっちゃ、でてるっ……あっあんっ! おくっおくで……早森の精液……でてるぅあぁああっ!」
 長い射精が入間の中で精液を吐きだし終えて、やっとアナルから出ていった時には、開いた入間のアナルから、精液がゴボリと溢れて垂れてきたほどだった。
 ぐったりとする入間だったが、早森はそれだけでは治まらなかった。
 入間の躰を抱き寄せ、後ろから抱えるようにすると、入間の乳首を指で捏ね始めた。
「あーっ、あぁっあっあっあんっ、らめぇっ……こりこりしちゃっ……はぁっ、いぁあんっ」
 既に勃起している乳首であるが、それを指で摘まんでグリグリと捏ね回し、滑りを借りて、強く引っ張っては摘まみ上げて離す、そしてすぐに摘まんで捏ね回すと、何度も繰り返した。
「ああっちくび……乳首くりくりして、ん……っあっああんっ!」
 入間は自分で胸を差し出すようにして、早森の指で乳首を捏ねて貰うことを強請った。
 入間の腰は自然と動き、早森のまだ勃起しているペニスに跨がって素股をするようにして、早森のペニスを扱きながら、入間は自分のペニスを扱いてオナニーをした。
「あひっああっいいっ、あぁんっ乳首もっきもちいっ、いいっあっあんっあんっ」
捻り上げた乳首で感じ、オナニーで感じ、入間は絶頂をまた迎えた。
「あひっあっ、い゛っいくっあっ乳首とオナニーで、いくっああああぁーっ!」
 絶頂を迎えて、射精をしたら、入間はマットの上に倒れ込んだのだが、そんな入間の腰を掴んで、早森は勃起したペニスを入間のアナルに突き入れた。
「ああぁー……っ、それっらめぇっ、あっひあっ、おかしくなるっ……あっあんっあんあんあんあんっ!」
 後ろから強く突き入れられ、入間はそのまままた絶頂をする。尿を漏らすように液体が出ていたが、そんな状態でも早森が挿入してからの突きが始まる。
「ひああぁっいいっ……っあっあっいい、きもちいっ……! あぁんっあっあっあんっあんっああーっ!」
 絶頂をしながらの挿入は初めてだった入間は、とうとうその絶頂で壊れた。セックスが気持ちが良いのは知っている。しかし、こんな絶頂中に攻められることがここまで気持ちいいことは知らなかったのだ。
 そしてそこまで強引なセックスも初めてで、若さゆえの乱暴さが溜まらなくよかった。
「あひっあっあんっ、んっふああっいいっ、あぁんっ」
 密かに、これはもうバイセクシャルには戻れないと思えた。もう早森の受けとしてとしか、セックスができないかもしれない。そう思ったほどだった。
早森は酔った頭で、考えていることは、入間はとてもいやらしく、妖艶に見え、それがもっと見たいと思った。そしてあり得ないほどの快楽が得られる。それがとても気持ち良くて、もっともっとと貪欲に求めた。
「やっああぁっ、中はっ、あぅっ、あっ、おかしく、なっちゃうからぁっ……あっやあああぁっ」
 パンパンと激しく突き入れてくる早森の腰使いに、完全に堕ちた入間は、なんとか主導権を握ろうとしたが、それは無理だった。
「ああぅっ、だめっダメっ……もう、そこっついたらぁっあっ、はああぁんっ……」
 駄目だと言われたら、それはいいの意味であることを、早森はここで学んだ。駄目な場所を突くと、入間が激しく悶え、喘ぎ声を上げてくねるのだ。
 そして、躰を痙攣させている。それは精液がでないけれど、絶頂を迎えているということなのだ。だから突いてもいいと認識した。
「あぁあんっ! あっあひっらめっあんあんっ! ちくびっくりくり、あぁっいいっきもちいっ……あっあぁーっ!」
突きながら乳首を弄り、早森は入間を虐め倒した。
「んんっ……! あぁっあんっだめっ……いったばっかりなのにっ……あぁっあっんっ」
 乳首を執拗に弄られ、ペニスで犯されながら、入間はまた絶頂をする。
「あ゛あああっ! いくっいくいっちゃうっ……あっあんっあひっあああーっ」
 全身を震わせて達したら、早森も達した。精液がまた奥まで叩きつけられて、入間はそれで絶頂の頂点に達した。
「あぁっあっひっあぁんっんっあっいい――――――っ!」
 そしてそのまま入間は気を失った。
 今度こそは、早森が記憶が残っていることを祈りながら。


 入間が目を覚ますと、部屋には一人だった。
 早森の姿は既にないが、部屋の支払いが済んでいて、延長の一時間が切れ、その知らせの電話で目が覚めた。
 早森がいないことを確認して、入間はニヤリとした。
「また、覚えてないよな?」
 気絶している間に早森が帰っているのはいつものことだった。
 この合コンや飲み会を利用して、入間は早森を何度も誘い、そして何度も寝ていた。
 なのに、早森は酔っている時の記憶がいつもない。
 酔いが覚める前に自宅に戻ってしまうのは、早森のいつもの癖で、そのまま帰って自宅で寝てしまうと、記憶がなくなるのである。
 飲み会の後、早森を誘ったのは、もう二年も前だ。
 その時は、事故で終わらせるのかと思っていたが、本当に早森は記憶がなくなる癖があり、毎回深酔いした後のことは覚えていないのだそうだ。
 それを入間は利用した。
 毎回、早森を誘惑してホテルまで誘い、セックスに至るのだが、早森は毎回忘れていた。
 何十回も入間を抱いていながら、それを忘れて、毎回初めて入間を抱くようにして、無茶をする。
 それが入間には堪らなく好きなことだった。
 あの強引さ、本人が気付いていないはずなのに、毎回強引になっていく性行動。今や迷いなくペニスを舐めさせてくれ、フェラチオからホテルの流れも速くなった。
 入間のアナルにペニスを挿入するのも、ほぼ迷いがなくなっていて、ガチガチになったペニスを突き入れて乱暴に扱ってくれる。
 入間は最初こそは気絶をしなかったが、最近は気絶をして目が覚めたら早森がいない状況になっている。
 そして早森は自宅に帰り着いていて、記憶が消える。
 入間は、ホテルを出ながら次はどうやって早森を誘ってやるかを考える。
 荷物からビデオを撮りだして録画ができているのを軽く確認する。
 毎回同じホテルを使っているので、どこに隠しカメラを置いたら綺麗にバスルームのセックスが撮影できるか知っている。
毎回獣のようになっていく早森の行為を見ながら、次を楽しみにする。
 それとも今度は記憶に残るセックスをするべきか。
 毎回、それに悩みながらも、結局理性をなくして獣になる早森が好きで、酒を飲ませてしまい、記憶をなくさせている。
「もうちょっとこのままで、いいかな」
 自分を童貞で、セックスなんかトラウマしかないという早森の戸惑った顔も好きだったし、そのくせ入間を見ると奥底に残っている快楽に負ける早森も可愛かった。
 そこに電話がかかってくる。
 出ると、昨日の合コンの幹事で、今回は普通の飲み会の誘いだ。二日後の土曜。
「誰が参加するんだ?」
 そう聞くと、既に早森が参加することが決定していた。
 それに入間がニヤリとする。
「いいよ。参加するよ」
 また機会が巡ってきた。
 今度の早森は、どんな攻め方をしてくれるのか、そんな期待が入間の中で高まってしまうのだった。

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