053-上書き保存
1
高藤は、スーパーの買い物中に、携帯にメッセージが入っているのに気付いた。赤のランプがいつの間にか光っていて、車を降りた時にはなかったはずだと訝しむ。
人の来ないところまで移動をして、籠を下ろして携帯を操作する。
メッセージを個人でやり取りするアプリが起動し、そこに見慣れた人からのメッセージが入っていることに気付く。
名前は西方。大学時代の友人の一人。
「はあ……またか」
西方が高藤に連絡してくる時は、大抵、女に振られた時くらいだ。普通に高藤と西方は、会話をすることがない。というよりは共通の話題がないのだ。だから、メールなどはしないし、メッセージだってこういう時にしかこない。
友人一同と会う時は、お互いが別々の人に誘われて集まる。だが、会話はしない。仲が悪いわけではないが、話題が話題でそこまで話す間柄ではない。
しかし、西方の女関係の話を皆が面白がって話題にはしても、西方が振られた時には皆音信不通になる。
西方はとにかく、素行が悪かった。振られた後は飲んで騒いで潰れてと、一週間ほど繰り返す。これでも一応仕事にはでているから、凄いところだが、それに巻き込まれる周囲の人間は溜まったものではない。
結婚や彼女ができたりいた人から疎遠になっていき、とうとう西方の相手ができるのが高藤しかいなくなったのだ。
その高藤は、西方によく付き合っていた。
一週間続く、西方の暴挙が高藤に任せると二日もかからず、西方がいつも通りになるのだ。
そのせいで西方は高藤を頼るようになり、周りも次第に高藤に西方を任せるようになる。
しかし調子がいいときの西方は、決して高藤には近づかないという非道っぷりで、それに引いている女性はかなり多かった。
大抵、西方を振った女性は、高藤に愚痴を言いにくるくらいに高藤の方が西方の彼女と仲良く友達をやっているほどだ。
「そろそろかと思ってたけど……あ」
やはり西方を振った彼女から愚痴のメッセージが入ってきた。
【あの男、振ってやったわ。マジないわ。私の誕生日ブッチして、合コンに出てたとかあり得なくない? それ指摘したら、面倒臭い女になるなよとか! ないわマジない】
かなりキレている様子だ。まあ、誕生日や記念日を大事にしている女の子は、ただでさえデリケートなのに、その日に合コンで別の女と寝ていたなんて聞いたら、普通にキレるし、振ってやるだろう。
西方がモデルの用に格好良く、西方商事の御曹司で、将来安泰だと分かっていても、結婚しても地獄を見るのは明らかである。
下手すれば隠し子が十人したとしても誰も驚きはしない。
それくらいに西方の女好きは、酷いレベルだ。
【だから、西方はそういうヤツだって、散々言ったでしょ? でも沙那(さな)ちゃんのためには今ちゃんと別れて、沙那(さな)ちゃんを愛してくれる素敵な男を見つけて結婚を目指した方がいいんじゃない? 振られた女の子を慰める、優しい人、近くにいるでしょ?】
特に西方のフォローはしない。酷いのは確かで擁護のしようもないからだ。だから女の子には毎回同じ台詞を送る羽目になるが、これが割と効果覿面である。
【……いないこともない。ずっと高藤くんみたいに相談していた人がいたんだけど、いい人だけど、何かちょっと抜けてて、頼りないなって思ってる人がいるけど……どうかな?】
ほら、ちゃんとキープ君がいる。このまま押してやれば、沙那(さな)は西方のことは忘れてくれる。
【じゃあ、その人に相談して、愚痴を聞いてもらって、何度かデートみたいに食事して相手のこととかも聞き出して見れば、案外もっといい人になるかもしれないよ。それに頼りないところは、沙那(さな)ちゃんが補ってあげれば、上手くやれそうだし、沙那(さな)ちゃんのためなら、その人きっと凄く頑張ると思うよ】
キープ君が沙那(さな)を狙っているのは分かっている。その人から、どういう経路か分からないが、沙那(さな)の動向に探りを入れてきていたので、そろそろ別れるだろうから、押し時だとそれとなく伝えていた。どうやら伝わっていたらしく、相談役からの恋人に昇格しそうである。
実はこの手を使って、周囲の友人達も恋人を手に入れ結婚したりしている。西方は好きではないが、西方に文句があるもの同士で上手くいくという流れである。
【うん、これから付き合って貰えるって……飲んでくるから、成果はまたね。ありがとうね、吐き出したらすっきりしたよ。高藤くん、ほんといい人。ゲイじゃなかったら付き合ってたのに……なんちゃって~じゃ、またね】
それに頑張ってと返してメッセージを終える。
「あっぶな……」
思わず声に出てしまう。
高藤はいい人を演じすぎて、相談役から恋人への流れをいつも作られかけるのだが、女性に興味がないゲイであると最初に言ってあるので、最初から恋愛対象から外して貰える。しかし、中にはこうやって好意を伝えることで、自分の方を向いて貰いたいと主張する女の子もいる。それをゲイであるという理由で上手く避けて、何十人もスルーし続けてきた。
「これで、沙那(さな)ちゃんは、西方とよりを戻したりしないっと」
女性は嫌な想い出を上書きして新しい恋をする。なので、新しい恋人候補の人とくっつけてしまえば、後戻りはしない。
高藤はこうやって、西方を振ってもまだ未練がありそうな女の子達を次の恋に駆り立てて、結婚まで導いてきた。
世間では、キューピット扱いをされているが、実際は違った。
西方に近づく女を監視し、西方の行動を全て把握するためにやっていたことに過ぎない。
今回は頼まれていたこともあり、沙那(さな)には更に都合のいい恋人候補も用意しておいた。これで頼まれた方は、文句はないだろう。
「で、振られた方はっと」
後回しにした西方の方のメッセージを開くと、さっきから一分おきにメッセージが入っている。
【また振られた……ショック】
【合コンくらいでキレるか普通】
【別れるって言われたから連絡取ってんのに、スルーされる】
【あ、ブロックされた。電話も拒否ってる。ふざけんな。あーマジで振られたんか。俺?】
【おーい、高藤~俺、振られた】
【高藤くーん。今夜そっち行く。てかもう向かってる】
【鍵開けて入ってる。飯、今日は何?】
【高藤、セックスしたい。コンドーム買ってくる】
【準備万端、家まできた】
沙那(さな)とメッセージをやり取りしている間に、西方は高藤の自宅まで来ていた。案の定、セックスをしたくなり、準備までしている。
毎回こうだ。
ちょっとしたお預けにすると、西方は高藤の機嫌を取りたがるようになる。振られたことよりも高藤とセックスをすることが目的になり、女の子のことなど、どうでもよくなるのだ。
西方は本当にどうしようもない男で、友人でもゲイで受けだと分かると、寝てみる男だ。挙げ句、アナルセックスに填まって、女の子のアナルまで開発してしまうほど、性に関しての執着は酷かった。
高藤は買い物を済ませると、車に乗り込む。
雨が降っていて、少し濡れたが、まだ小雨で助かった。
その車の中で西方のメッセージを書く。
【何で鍵持ってんだよ。勝手に入るな】
西方が合い鍵を持っていることは知っている。既に何度も勝手に入られているからなのだけど、取り上げてもスペアのスペアを持っている状態になり、鍵を取り返すより、取り替えた方がいい状態になっている。
【十分で帰るから、勝手に入ったらエッチさせない】
そう返答して車を運転して帰る。
十分で一軒家の自宅の駐車場に着き、玄関に回ると西方が玄関前で座り込んで、携帯ゲームをしている。
「おかえり」
モデルにスカウトされるほどの美しい端正な顔立ちの男。ジムが趣味だと言うほどに躰を鍛え、百八十はある高身長で、スタイルが抜群とくれば、誰も女は放っておかない。そういうキラキラした男の西方を見るたびに、高藤は自分との違いを感じて呆れる。
高藤は、地味な男である。女の子に毛嫌いされないだけの清潔さと純粋そうな目と、百七十はない身長に、運動は苦手で読書が趣味のような細い躰。
西方と並べば、高藤が見劣りして、馬鹿にされることもある。更にそれに眼鏡とくれば、もうダサいと言われる人間になるのだが、高藤には妙な色気があった。
「今から飯するから、食べてからね」
高藤がそう言いながら、玄関の鍵を開ける。
この家は、両親が海外に移住する時に財産分与で貰ったものだ。本当は両親が住むつもりで建てたのだけれど、その建てた後になって父親の海外部署に転勤が決まった。 ハワイで暮らしているうちにあちらが気に入ってしまい、ハワイに移住して老後もそっちで暮らすことにしたので、高藤に家を財産分与として送った。
ちょうど、都心近くの家が欲しかった高藤は、有り難く頂戴して一人で暮らしている。
それに目を付けてやってくるのが西方である。
勝手知ったる他人の家だから、西方は居間にさっさと入ってテレビを付けている。
とたんに大きな雨の音がしている。
「うわ、間一髪」
雷も鳴り出し、酷い雷雨になっている。天気予報で明日の朝まで続く雷雨で、大雨注意報が出ている。
とりあえず買ってきた肉を炒めて、野菜も炒める。簡単な肉野菜炒めを作って、食卓に並べる。ご飯を入れてテーブルに並べると、西方がダイニングにやってくる。
「雨、朝まで続いて、明日午後から晴れるって」
「そうか、洗濯物は乾燥機かあ」
せめて太陽光に当てて乾かしたかったが、そうもいかないようである。
二人で食事をしながら、テレビのバラエティを見る。
西方は食事には文句は言わず、たっぷりと食べ、さっさと片付けてしまう。高藤もゆっくりであったが食べ終わり、コーヒーを用意する。その間に西方が洗い物をしてしまい、食器を乾燥機に入れる。
そのコーヒーを用意している途中で、西方が高藤に近づいてきて、後ろから高藤を抱きしめる形になる。
2
「……え、ちょっと、まだコーヒー……」
ドリップ式にコーヒーなのでお湯を入れるため慎重になっているのに、西方に邪魔をされ、高藤が困っていると、西方は構わずに高藤の躰を触りまくり、シャツやズボンのベルトを外していく。
「はぁっ、はぁっ……ん……」
西方は、高藤のワイシャツを手繰るようにしてボタンを外し、下着をはぐって乳首を探り当てる。既に期待で少し勃起している乳首を指で弄り始める。
「あぁんっ……はぁっ、んん……」
高藤は躰を震わせながらも、ズボンのファスナーを下げて、自分でも脱ぐのを手伝う。
「あんっ!ぁあっ、あっ、あひぃっ」
西方に乳首を弄られながら、高藤は下着も上も下も脱いでしまう。全裸になって西方に向き合う。
西方も上着を脱いで、上半身裸になっていく。ズボンはベルトやボタン、ファスナーを下ろしてしまっているが、脱いではいない。
西方はすぐに高藤の躰中を撫で回し、乳首を指で捏ね回し、尻も撫でる。その尻には既にアナルプラグが刺さっている。
「乳首、弄ってっ……吸って……」
胸を突き出すようにして、高藤がそう言い出した。
高ぶってしまったのはお互い変わらずに、西方は高藤の希望通りに乳首に舌を這わせて、勃起している乳首を舐め回した。
「あっはぁっんっもっとっ強く吸って、もっとして、っ……あっあぁああんっ!」
高藤がそう望むので、西方も乳首を強く吸い上げた。
ちゅーちゅーっと音を立てて吸い、噛みついて見せると、高藤は顎を反らせて感じている。
「いいっ気持ちいっ……ぁあ、はぁんっいいよぉっあんっあんっあんっ」
乳首の片方を指で弄り、捻り上げて捏ね回し、片方を口で吸って舌で舐め回し、吸い上げると、高藤のペニスが完全に勃起している。
「あひっい゛いっあっあっあっあんっ!」
高藤の足がとうとう立っていられなくなり、その場に崩れるように床に寝転がってしまうが、高藤は床に倒れたままでも、胸を強調するようにして言った。
「乳首っもっとしてっん……いいのっ」
更に求めるようにすると西方は高藤に覆い被さって乳首を集中攻撃にした。
「あぁっあっんっちくびっ、もっと乳首いじって……あぁっあんっあんっあんっ」
高藤は乳首を舐められるのが好きである。それも執拗にされるのが好きで、西方は高藤が望むようにしてきたが、そのうちに西方も乳首を舐めるのが好きになった。
次第に舌使いも巧みになり、様々な攻め方ができるようになった。
「あぁっんっ、変っ……あぁっあたまっおかしくなるっあっああっ」
高藤は高まっていくのか、乳首で達するまでになる。西方は更に執拗に乳首を噛んだり引っ張ったりしながら虐めた。
「ひああっいくっいくっ、あぁっちくびでいくっ! ちくびっいいっあんあんあんはあんっ!」
高藤は乳首だけ弄られて、射精をした。吐き出される精液が飛び散り、高藤の腹を汚したが、そのペニスを西方が扱いて、最後の一滴まで絞った。
「あぁんっあひっ……あっやっああっ!」
「今日も乳首でいけたな……エロいぞ」
そう言って、ご褒美にまた乳首を二、三回吸ってやる。
「あひっあぁっやっ……あっやっあんっあんっ」
ビクビクしている高藤の躰を仰向けにして、足を大きく広げると、西方はアナルプラグを抜いた。
「あ゛ひっああっあんっ……ふっああっ!」
そこを西方は眺めて、ニヤリと笑っている。
ぽっかりと開いているアナルは、西方を受け入れるためだけに用意されたものだ。ヒクヒクと収縮しているのは、西方のペニスを受け入れたくて興奮しているからだ。
それが分かっているが、西方はアナルの入り口にペニスを当てたまま入れずに、高藤の言葉を待った。
その西方のペニスが当たっている感覚に、高藤が言う。
「おちんぽっ……ふあぁ、西方のおちんぽっをっ……おれのケツま○こにハメて、おちんぽでっずぼずぼしてっ、おちんぽでっおれをだめにしてっ……んあぁんっあああぁあっ!」
普段は大人しい高藤が、いやらしい淫語を使って西方のペニスが欲しいと、足を自ら広げて待っているところを犯すのが西方は好きだった。
「あっああっ……やっあっあっあんっんっああぁっ」
清楚そうな高藤が、いやらしいことをしているのを見るもの、興奮する材料の一つで、だから西方は高藤とセックスをするのが好きだった。
「あああっ! あひっあっあっあ゛っあ゛ああっ」
高藤は待ちわびていた。躰を震わせて西方のペニスを感じて、引き抜かれ突き刺される感覚が脳天を突き抜けていくのに、また躰をビクビクと震わせる。
ギリギリまでペニスを抜き、そして奥まで一気に突き刺すと高藤は嬌声を上げる。
「あぁんっ、おれ、おちんぽで、ケツま○こぐりぐりされてっああっきもちいっあんっあんっおちんぽっいいっ」
ペニスをおちんぽと言うのは、高藤が勝手に覚えた隠語の一つで、ケツま○こもAVか何かで覚えたものだ。
「ああぁっおちんぽっすごいぃっ……ぁんっらめぇ、おちんぽっあっあんあんあんあんあんっ」
ジュボジュボと激しい音が鳴り響き、高藤は耳からも犯される。いやらしい音が鳴り響いて、嬌声もどんどん悲鳴に似た声になる。
「ほらっおちんぽでこうやってっほらっイケっ」
西方が前立腺を擦り上げて、高藤はとうとうペニスの挿入だけで達した。
「あ゛あああっ! おちんぽでっいくっいくいっちゃうっ……あっあんっあひっあああーっ」
完全に達したのだが、絶頂をして躰を震わせている高藤の躰を更に強く、西方は射精をしながら突いた。
「んんっ……! あぁっあんっらめっ……いったばっかりなのにっ……おちんぽっなんで硬いのっあぁっあっんっ」
絶倫過ぎると言われる西方は、ペニスを扱かれただけで勃起がすぐに復活する。高藤のアナルでペニスを扱かれて、勝手に再度勃起をしたのだ。
「あぁんっあっあんっらめっ……あんっあんっおちんぽっすごいっあんあん……あっん……いいっあんっあぁっ」
絶頂を迎えた後も突き続けると、高藤は完全に壊れていく。普段のあの地味な姿からだ想像もしないほどの、エロ全開の淫乱な男ができあがる。
「あ゛ひっ、いっあっあんっらめっ、あっあんっあんっ」
ひたすら西方の下で喘いでいる高藤の乳首を西方は吸いながら指でも弄ってやった。
「あぁあんっ! あっあちっちくびっらめっあんあんっ! ちくびっくりくり、あぁっいいっきもちいっ……ちくびっいいっあっあぁーっ!」
「気持ちいいんだ? 乳首舐めながら突かれるの好きだよな?」
挿入を一層深くしてやると、高藤は頭を振りながら嬌声を上げた。
「あ゛っあんっきもちい、あんっ舐めながら、おちんぽっゴリゴリ気持ちいいっあっひあぁんっ」
高藤はもう快感で何もかもどうでもよくなって、ひたすら快楽に身を委ねる。その時の高藤の快楽に堕ちた顔に、西方が毎回ゾクリとするほど、そそられて煽られる。
初めて高藤を犯した時から、高藤は西方のペニスによって淫乱に変身した。
誰も知らない、この淫乱男を西方はずっと誰にも見せないようにしてきた。
「ひああっらめっ、そこっあひっ……! おかしくなるっあっい゛っ! あっあっあんっあんっあんっあぁんっ!」
高藤は躰を硬直さえては、震わせながら頭を振り続ける。
西方が女と寝てくるたびに、高藤の興奮は何故か増していて、淫乱度合いが上がっていく。
今日など、過去最高と言っていいほど、高藤が乱れている。
まるで、西方の女とのセックスを消すために、高藤は淫乱になっていくのかもしれないと、西方は思っている。
「あぁあんっおちんぽっいって、いってっおちんぽっ好きいっ……俺のなかで、いってっ……せいえきちょーだいっ! あっあんっあんっああぁんっ!」
女の中では出すことは絶対ない、精液を高藤は中で欲しがる。決して西方が女と生でしないことを知っている。だから生でして精液を出すことを自分だけの特権だと思っているのだろう。
それは間違っていない。その通りだ。
「ああぁっらめぇっ、ぁんっ、おれも出るっ! でちゃうっ、やっあっあひっ、あっぁんっあんっあああんっ!」
「ここ突くとすごい、ここが好き?」
「やああぁっ、そこっひっあっあんっあんっ……ああっひぃあ、やっあっあっひあぁっ」
前立腺を擦り上げるようにすると、西方に抱きついている高藤の爪が腕に食い込む。
「俺のこと、好きか?」
「あっすきっいっあんっあっ、すき、い゛っあああっ西方の……おちんぽっ好きぃいっ」
このどさくさに西方は告白をする。毎回同じことを聞くのだが、高藤は決して、西方を好きだとは言わない。
何を意地になっているのか、理由は分からないが、好きなのはペニスだと答える。
けれど、ペニスだけが好きなら、西方だけとしかセックスをしないなんて言わないだろう。
それはもう好きだと告白しているようなものだ。
「好きって言え……っ!」
西方は勝手にイキそうだった高藤のペニスを、手で握って生かせないようにしてから、また聞いた。
「あひっあうっひぃっ……あ゛っあ゛っらめっ、あっあんっ……すきっだから……ひぃうっあっああんっ」
やっと言わせた。無理矢理だったが、好きの付属品はなかった。
こんな方法でしか、高藤は答えてはくれない。
西方への信用がないから、きっと好きだと思うことを不毛だと思っているのかもしれないが、それは間違いだ。
上書きをさせるために浮気をしてこなければ、高藤は寝てはくれない。だからそうするしかなかった。
西方にとっては、高藤と寝るために女と寝なければならないという、面倒なことになっているのだ。
「んっいって……あっあぁんっおれもっまたいっちゃ、いっちゃうっ……」
「くっそ、また出すぞ、奥に種付けしてやる……っ」
西方はそう言って、強く腰を使い高藤の中に精液を吐き出した。それと同時に高藤のペニスを手放した。
「あひっあんっあんあんあぁんっんっあぁーっ!」
やっと堰き止められていたモノは吐き出せた高藤は、射精をした後に放尿をした。
「ん、……はぁっ……」
長い放尿は、潮を吹いているかのように勢いよく吹き出し、その後は長く透明な液をはき続ける。尿のような臭さはないので、潮を吹いたと言った方がいいのだろうが、その長い放尿が終わると、高藤はぐったりとして躰の力が抜ける。
「放尿癖は治らないな……」
西方がペニスを抜くと、横たわった高藤のアナルから精液が溢れ出てくる。ボタボタと垂れて床に溜まる。
それが異様に性欲を掻き立てられ、西方はまた勃起をする。
寝転がっている高藤の口の中に、ペニスを突っ込み、西方は腰を振った。
高藤はぼーっとしていてもペニスを咥え、口で扱き始め、舌を使い出す。西方の精液を吐き出したペニスが、高藤のお気に入りである。
「んんっ……ふぅっ、んっ、んっ、んぅ……はぁんっ」
高藤は真剣にペニスを味わい、西方は高藤の口の中で精液を吐き出す。ピューッと勢いよく出た精液を高藤は喉を鳴らし飲み干す。
「ふあぁっ……はぁっはぁっ、ぁ……ん」
綺麗に精液を舐め取った高藤は、ゆっくりと立ち上がり、テーブルに肘を突くと、お尻を西方に見せてから言った。
「おちんぽっを……ケツま○こにハメて、ずぼずぼして……奥まで西方のせいえき塗れにして……もっとおかしくして……おちんぽでいきたいっ」
西方はそう言われ、理性がキレるのが聞こえた気がした。
外は豪雨。どうせ誰も見ていない。明日の心配などしなくていい。
「あぁんっ、おちんぽっきたっ、ケツま○こぐりぐりされてっああっきもちいっあんっあんっいいっ……もっともっと……おくっあああぁぁぁあっ!」
テーブルが揺れるほど激しく高藤を突き上げ、西方は腰を激しく振った。
「あああぁっ! あああぁっ、あんっあんっ、い゛いっあぁっ」
それは、雷雨の夜中続き、明け方になるまで高藤は様々な体勢で、西方に犯されまくった。
高藤は動けなくなっても、俯せでアナルを突かれ、乳首で絶頂を何度もさせられ、あらゆる方法で快楽を与えられた。
「あぁ……あっ……あんっいぃっ……もうっおちんぽっいいっ……あはぁああっ!」
それでも西方のペニスで感じて、高藤は絶頂を与えられて、気絶するように一瞬記憶が飛んだ。
次に気付いた時には、風呂に居て、西方に抱きかかえられていたという事態になっていた。
「やっと、意識が帰ってきたか?」
西方がそう言って、高藤は頷く。
「煽るのはいいけど、お前、最近飛ぶこと多くて、危ないぞ」
「……ん、でも良かったし、家だから別にいい」
「まあ、家だし俺もいるし、何とかなるけど。片付けしておいたから」
「あ、ごめん」
「汚したのは俺もだから、掃除くらいするさ。この家のお陰でホテル代も浮いてることだし」
「……うん」
二人はそのまま一緒に風呂に入り、躰を洗い合って風呂を出た。
そのまま朝ご飯を食べて、一緒のベッドに入る。
セックスを一晩中やって疲れて朝になってから寝るのはいつもの事であるが、その日は西方が少し違った。
「高藤……愛してるぞ」
そう急に言いだし、高藤は動揺した。
「え?……え?」
「いいから素直に受け取っておけ」
「……いや、だけど……」
「お前とだけ寝ることにしたから、来週も来るからそのつもりで」
「……え……え?」
西方は言いたいことだけ言い、先に寝てしまう。
高藤はそんな西方を眺め、信じられないという顔をしていた、そのうち、ニヤリとした笑いに変わる。
ずっと素っ気なくしていたら、西方の方から堕ちてきてくれた。
けれど、まだまだこんなものじゃ許さないから。女と好き勝手に寝ていたことは、まだまだ許さないし、俺だけなんて信じない。そう高藤は思っていた。
けれど、西方は完全に高藤の作戦によって、恋に落ちてきた。
合コンで出会う女なんて、自分の都合のいいようにならない女しかいないことを高藤は知っていた。だから、我が儘な似たもの同士の性格がぶつかり合って、お互い好き勝手しすぎて別れるのだ。
そんなところに何でも許してくれる存在が、甘えるところがあれば、絶対にそこに男というのは堕ちてくる。勘違いをして、ここが俺を認めてくれる相手だと勘違いしてくれる。
高藤はそんな存在を目指して、西方をやっと堕とした。
けれど、まだ作戦は終わらない。セックスはしてくれるけど、心をなかなかくれない高藤にどんどん填まって、高藤以外を考えられないようにしていくのだ。
西方の寝顔を見て、高藤はまた笑う。
しかしその笑いは、とても穏やかで優しい笑顔だ。
「まだまだだからね」
そう言って西方のほっぺたを指で突く。
それから高藤は西方の隣で寝た。
これから二人の恋がちゃんと始まる。
書き換えができない、最後の上書き保存をして。
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