049-計画的犯行

1

 佐嶋はその日、出張でいつも泊まるホテルに宿泊していた。
 週に一回は出張がある仕事であるが、佐嶋はやりがいを感じていた。この仕事は好きだったし、忙しいが充実感は高かった。その出張の第一の問題点は、ホテルである。
 このホテルが気に入るか気に入らないかで、佐嶋の出張中の機嫌は決まる。今日のホテルはいつものホテルで、一年ほど毎週泊まっているホテルである。
 なるべくこのホテルを取るようにしているが、連休などが重なっていると取れなくなる。
 そんな日だった。連休中にも関わらず、ホテルの予約が取れたのだが、いざ行ってみると、なんとダブルブッキングであった。
「も、申し訳ありません。すぐに別の部屋をご用意致します」
 既に佐嶋と同じ部屋を予約した人間は、チェックインをしていて、佐嶋の方が部屋替えをされることになった。
 とはいえ、満室になっているホテルである。
 これは他のホテルに回される可能性がある。
 佐嶋は少し嫌な気分になる。
 今日の仕事でも新人がポカをやらかし、残業をしてきたばかりだ。
 本当なら、佐嶋の方が先にチェックインできていた可能性が高かっただけに、新人のポカに更に苛ついた。
 従業員は、ホテルの支配人代理を呼び説明をしている。
 その代理人とは顔なじみだった。週一回は泊まっている常連の客である佐嶋に代理人の仙野は、よく声を掛けてくれた。
「申し訳ございません、佐嶋様。こちらの手配ミスによるお部屋の確保ができていなかった問題ですが。スイートの方をご用意させていただきます」
「スイートを?」
「代金の方は、ご予約された部屋の代金で構いません。こちらのミスが原因でございますが、お部屋の移動という形で、お泊まりになれますが」
 どうやら、スイートなどの部屋は緊急時のために空けて置いたりすることがあると聞いた。金持ちが急に泊まりに来ることもある。安い部屋ではないので、たまたま空いていただけかもしれないが、普段泊まることもない部屋である。
「代金が同じなら、そこでお願いします。寝られればいいので」
「ご理解頂けてありがとうございます。それではお部屋にご案内致します」
 仙野は淀みなく従業員のミスをカバーして、佐嶋は何の文句言わずに、仙野の後に続いた。
 エレベーターはスイートなどの直通になる専用エレベーターで、そこに仙野と乗り込む。仙野が三十五階のボタンを押した。
 通常、三十階以上はスイートなどがあり、受付も三十階に専用受付がある。佐嶋は利用したことはないが、噂では聞いたことがある。
「ミスなんて、らしくないな」
 佐嶋はそう仙野に向かって言った。
「私がミスをするとでも?」
 仙野はそう言って、佐嶋を振り返る。
 済ました顔をしていた支配人代理は、ニヤリとした顔をしている。
「お前……まさかわざと……」
「こういう手は一度しか使えませんけどね」
 仙野はそう言いながら、佐嶋に近づくと、唇に噛みつくようにキスをした。
「……ふっカメラ……っ」
「今日はメンテナンスで、三十分前から一時間後までカメラは停止しています。だからこういうことも……」
 仙野はそう言うと、佐嶋の股間を手で撫でてくる。
「あっ……やっ」
 佐嶋は既に勃起し始めている。
「期待でここも待ちきれない様子ですね。もう少しお待ち下さい」
 佐嶋の様子に満足したように仙野は言い、佐嶋の股間を数回撫でてから、すっと手を離した。ちょうどエレベーターが到着し、チーンと音がしてドアが開く。
 仙野が先に出て、ドアを押さえているところを佐嶋が通ってエレベーターを降りる。その通りすがりに首筋にキスをされた。
「……あっ……お前っ」
 さっきから悪戯し放題である仙野に、佐嶋は睨み付けて抗議する。
 二人の関係を知られるのは構わないが、仙野の仕事中に客といちゃついているという理由で仙野が降格されたり、首になったりしたら、さすがに佐嶋も責任を感じる。
 仙野はニヤリとしたまま、三十五階の突き当たりにあるスイートの部屋に案内をしてくれた。
「飲み物は今日はサービス致しますので、冷蔵庫内のものはお好きに飲んで下さい。お食事は?」
「おにぎり摘まんできた」
「それでは、チャーハンをご用意させます。代金はこちら持ちとなりますのでご安心下さい」
「そういうのはいいから、仙野。何時まで?」
 淡々と仕事の内容を話していく仙野に、佐嶋は少し怒ったように聞く。
そんな佐嶋に仙野は笑ってから、佐嶋の唇にキスをしてから言った。
「二十四時、上がりです。あと二十分ほどです」
「ん……早く、これ頂戴、ね?」
 仙野の股間に佐嶋は手を当てて、それを揉む。しかし仙野はそれに動じた様子はなく、すっと佐嶋のズボンのベルトに手を掛けて外してしまうと、一気に下着まで下ろした。
「……仙野? わっ!」
 仙野は下半身がむき出しになった佐嶋をベッドに俯せにして、アナルに小さな注射器を挿し、中身を入れた。
「仙野っやっなに?」
 仙野はそうした佐嶋のアナルに、ピンクのローターをプツリと入れた。それは一つではなく、三つほどだ。
「あっ……ん……」
 佐嶋はそれを受け入れたが、恨めしそうに仙野を睨んだ。
「そのまま三十分ほどお待ち下さい。絶対に出したら駄目ですよ」
 仙野は涼しい顔をして、そう言うと部屋を出て行った。
 そのとたん、ローターにスイッチが入って、三つのローターが振動をし、内壁を蠢かせてくる。
「ひぁっ……あああっ、あんっ、うぁ、あっあっ」
アナルの中で動き回るローターに翻弄され、佐嶋はベッドから起き上がれず、ベッドの上で乱れる。
「あぁんっ……きもちぃっ……あうっ、ん、はぁっ、あっあっ……」
 この感覚は慣れていた。仙野は絶倫のくせに、道具を使って佐嶋が乱れるのを見るのが好きだった。さすがに入れたまま仕事というようなことはないのだが、こうやって、佐嶋は仕事を離れると、平気で自分が仕事中でも、仙野はちょっかいをかけてくる。
「ぁんっ……ひん! ふぁあっあっあっ、あっ!」
 ローターの三つの振動が全て微妙に違うせいで、中でローター同士がぶつかって、内壁を擦り上げてくる。
 たった三十分が、気が遠くなるほど遅く感じ、佐嶋はローターを外に出さないように必死に耐えた。
 前にローターを我慢仕切れずに出してしまった時は、仙野は一回も佐嶋にペニスを入れてくれなかったことがあった。おもちゃは散々してくれたのに、本物はくれなかったことが、本当に悔しかったのを思い出す。
 佐嶋はベッドでのたうち回りながら、
「あ゛ああぁーっ……あひっ、あ゛っいっあ゛っんっだめっ、あぁあっ」
 ペニスがいつの間にか勃起をして、先走りが潮を吹くようにピューピューと精液を出している。
 もはや時計を見るという行動さえもできないでいると、いつの間にか、仙野が部屋に入ってきていた。
 普段着のスーツを着ている。制服だったさっきとは違う格好で、仕事が終わったことを佐嶋は知る。


2

「ああぁっ仙野っ……中っんふーっ……あっ、あっだしてっだしたいっ……ああっ」
 仙野は佐嶋の前に座ると、足を広げさせて言った。
「それをひねり出し、イクところを、私に見せなさい」
「あああぁっ……だめっいやんっみないでっ、みちゃっだめ、ひっ、あっああぁっ…んっんっんふっうっ」
 仙野は佐嶋のアナルをしっかりと見つめて、アナルからローターが捻り出されてくるのを真剣に見た。
 ピンクのローターがアナルから顔を出すと、ポロリとベッドの上に落ち、またポロリと一個ずつ出てくる。一気に出すと、仙野が怒るので、佐嶋は一個ずつ器用に捻り出した。
 最後のローターが出ると、仙野はそのまま佐嶋のアナルがパクパクとひくついているのを眺めた。
「物欲しそうに、いやらしくひくついているね」
「んああぁっ、やっ、だめ……みないでっみちゃっだめっ……んああっ……ゆびっやっ!」
 見ていた仙野は我慢ができないといわんばかりに、佐嶋のアナルに指を二本突き入れた。そしてそこをグチョグチョと音を立てて指の挿入をする。「あひぃっ、あ゛っうっんっ、あんっあんっあんっあんっ」
 佐嶋は自分で足を抱え、仙野に尻を見せつける格好を維持して、仙野の指に奔騰された。
「あぁあんっ、ゆびっいいっ、らめっ、ゆびっきもちいっ……あ゛ーっ、あ゛あぁんっ」
 ローターで解された中はとろとろに溶けていて、仙野の指を包み込むように内壁が蠢く。パンパンと手の平が皮膚に当たって音が鳴るほど、仙野は手を動かし、挿入を速めた。
「ひあ゛っああっいいっはげしすぎっあ゛っひっあんっあんっあんっ……あぁっあ゛っうあああっ」
「このまま一度、イキなさい」
「あ゛あああぁんっ! あひっいくっあ゛っあ゛っいぐっああああっ! ひあ……あーっあーっ」
 佐嶋はアナルに仙野の指を突き入れられたまま、絶頂を迎えた。
 吐き出された精液が自分の腹部を濡らし、垂れている。仙野はその精液を舌で舐め取り、そのまま佐嶋に飲ませるようにした。
「んぅ、ん、ん、ふっ……」
 仙野の舌に絡まっている自分の精液を、佐嶋は何の抵抗もなく舐めて飲んだ。そのまま仙野は佐嶋に舌を絡めるキスを続けてくる。
「んんーっ……、んっ、んぅ、んっんっ」
 向きを何度も変え、深いキスを楽しんだ、仙野が離れていく。仙野は、佐嶋の頬や耳、首筋にキスを落とし、鎖骨にはキスマークを残していく。
「んーっ……ん、ふぁっ、はぁっ、ぁん……」
 佐嶋はキスに夢中になりながらも、仙野のスーツを脱がし、ネクタイを取り、ワイシャツも開けさせた。
「あっん、ん、んっぅっんっ」
 またキスをしている間に、仙野は器用にワイシャツも脱ぎ捨てた。
「んっ好き、仙野……キスっきもちい、ふぁっ……んふ」
 キスをしながらも、佐嶋の手は止まらない。仙野のズボンのベルトを外し、ファスナーを下ろして、下着まではぎ取るように下ろし、仙野のペニスを手にした。
 キスを解放して貰った佐嶋は、しゃがみ込んで仙野のペニスを舐めながら、口に咥えた。
「ふっ……」
「んんーっ、んっ、んんっ……!」
 舌を這わせて必死に銜え込み、一週間待ちわびたペニスを丹念に舐めた。
「んっ、ふぅ、んんっ……んっんっんっ……はぁおちんぽっ……おいしっんふ」
 じゅるじゅると音を立てて吸い、キスをするようにして、これが好きなのだとアピールをした。
 舐められたことで仙野のペニスは完全に勃起し、ガチガチの硬さになる。それを満足したように佐嶋は口から出し、指で扱き上げながら言った。
「ああんっ……すきっ、お尻におちんぽハメられてっ、あぁっ、いっぱい突いてほしいっあっちゅっ……」
仙野はその言葉に更に問う。
「何処に?」
「けつま○こっ、はぁっ……おれのけつま○こに、おちんぽを、奥まで挿れて、っめちゃくちゃにしてほしいっ、ん、おちんぽっおちんぽっあぁあっ!」
 佐嶋は狂ったようにおちんぽと繰り返し言いながら、自らお尻を仙野の方に向け、両手でお尻を広げてアナルを見せた。
 ここまで言わせるのに、仙野は一年掛けて佐嶋を仕込んだ。
 毎回、クスリを密かに飲ませ、佐嶋に気付かれないように適度な興奮を与え、仙野を見ると自然に勃起させるまでにした。
 洗脳に近い形で、佐嶋は仕上がり、今はクスリがなくても勝手に興奮して脳内麻薬を出しているようだった。
 最初は大量に使っていたクスリで騙すように佐嶋を犯してきたが、もうそんなものに頼らなくても、佐嶋は淫乱そのものになった。
 仙野はそんな佐嶋を見て、満足したように微笑んだ。
「あぁんっ! あひっ、ぁあっ、あっあっあっ」
 仙野がペニスを入れて、ゆっくりと奥まで犯していく。その凶悪で、太いペニスは、佐嶋が初めて味わった男の味で、これ以上があるわけないことも知っていた。そもそも仙野ほどの大きなペニスを持っている人も多くないからだ。
「あぁっすごい……っ、おっきくて、びくびくして、すごいよぉっ……」
孔に馴染むまで仙野が動かないままでいると、佐嶋が我慢ができずに一人で腰を動かし始めた。
「あんっ、あぁっ、はっおちんぽっいいっ、いいよぉっ……」
「そんなにうれしいのか? このおちんぽで犯されるのが?」
「あぁんっごめんなさいっ、あんっあんっおちんぽっいいのっ、あっふぅっ、おちんぽっひあぁっん……あっあっいいっおちんぽっいいっ……うごいてっうごいてっ仙野のおちんぽでっ奥をっごりごりしてっうごいてっくださいっ」
 自分の動きだけでは足りない速さを求め、佐嶋は必死になって叫んでいた。
「仕方ないね、我慢の利かない子だ」
 仙野はそう言うと、ニヤリと笑って腰を穿ち始めた。
「あああぁっ! あああぁっ、あんっあんっ、い゛いっあぁっおちんぽっきたっああぁあっ!」
 佐嶋はそう叫びながら、アナルにペニスを受けて、嬌声を上げた。
「いいっ気持ちいっ……ぁあ、はぁんっいいよぉっおちんぽっいいっあんっあんっあんっ」
 パンパンと音が出るほど仙野が激しく突くと、佐嶋も腰を振って受け入れる。満面の笑みで仙野をペニスを受け入れ、アナルで扱き上げていく。
「相変わらず、キツくていいな」
 佐嶋は仙野のペニスを締め上げるように内壁に力を入れると、仙野のペニスが更に大きく膨らんだ。
「あっああっ……やっおちんぽっおおきくなって……あっあっすごいっあんっんっああぁっ」
 佐嶋は躰を震わせて、仙野のペースに巻き込まれていく。
「あぁんっ! ひあっあ゛っいくっいくっおちんぽでっいくっあんあんあんっ!」
絶頂を迎えそうな佐嶋が嬌声を上げて訴えた。
「はぁあっあっ、なかに、せーえきっ中出しして……おちんぽっからっせーえきっあっあ……ケツま○こにっせーえきっちょうだいっああんっ!」
佐嶋の訴え通りに、仙野はペニスを更に速く挿入させ、奥深くに精液を吐き出してやった。
「あ゛あああっきたっせーえきっでっいくっああっ、いっちゃうっせーえきでっいくっあぁああんっ!」
 佐嶋は躰を振り乱しながら、全身で感じて絶頂をした。
 佐嶋がベッドに倒れると、仙野のペニスが抜けたが、そのペニスからまだ精液が出ていて、佐嶋の尻を汚した。
 仙野は達して、痙攣している佐嶋の尻を掴み、尻の割れ目にペニスを挟んで、そこでペニスを扱き始めた。
「あああっ! あひっあっあっおちんぽっおっきいいままっあ゛っあ゛っうそっああっ」
 精液で滑った仙野のペニスが黒光りをしているのを見て、佐嶋は躰を急いで起こして、仙野のペニスを口に咥えた。
「んんんーっ、……んっ、んっ、んんっんっ、んっ、んんっ」
 仙野はそんな佐嶋の頭を掴んで、強引に腰を動かした。佐嶋の口から涎が垂れるほどの口淫だったが、佐嶋は素直に舌を絡めて、苦しいのにも耐えた。
「……いくぞっ」
 口内で仙野が達した。精液が佐嶋の喉に吐き出され、佐嶋はそれを受け止め、精液を飲み込んだ。
「んーっ……ん、んふっふっんんんっふぁっ、はぁっ、ぁん……んふっん」
 今度は仙野のペニスを綺麗に掃除し、付いていた精液を全て綺麗に舐めとった。
 そんな佐嶋を仙野は機嫌良く眺め、顎や頬、頭を撫でて言った。
「愛してるよ」
「ん、俺も愛してる」
 仙野の言葉に佐嶋も同じ言葉を返した。
「――っ! あ゛あああぁっあまたおちんぽっきたっひっあひぃっ! あっあんっあんっあぁあんっ!!」
 でも、佐嶋は知らない。
 クスリを使われたことも、洗脳されていることも、全く何も知らないまま、愛していると口にする。
 仙野はそれでも、佐嶋が手に入るなら、どうでも良かった。
 佐嶋を騙していることは、一生誰にも言わず、佐嶋には愛していると囁き続ける。
 完全なる事実になる日まで――――――。
「あぁんっ! ひあっあ゛っいくっいくっあんあんあんっ!」
 週に一回の行為は、佐嶋の部署異動が終わるまで続き、その後は佐嶋が仙野の部屋に越してきて同居するまで、ホテルでの密会は続いたのだった。

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