047-元カレ

1

 姉が結婚をした。
 留学をした海外にいた玲央(れお)は、結婚式当日になって初めて姉玲奈の夫を見た。
 名前は江里口貴之。
 江里口商事の次期社長で、御曹司。
 姉はその会社に勤めていて、暫くは海外に転勤していた。玲央が留学をするのを機に日本本社に戻った。なので、玲央と玲奈は六年ほど会ってはいなかった。
 そのため、会話らしい会話は一切なく、当然お互いの情報のやり取りは唯一繋がりがある母親を経由していた。
 姉が結婚するという話は聞いたけれど、相手がどうとかは玲央には興味がなかった。だから相手の顔も名前も知らないままで、二年の留学から戻ってきた。
 その日は結婚式の前の日で、結婚式の当日に初めて相手を知った。
「……初め、まして……弟の玲央です」
 そう言って握手をする。すると貴之もにっこりと笑って握手をしてきた。
「初めまして、貴之です。可愛い弟だなあ。俺一人っ子だから、弟ができてうれしいなあ」 
 そう言った。
 貴之は、留学する前に付き合っていた元カレだ。
 留学が決まり、そのままそれを理由に別れた。貴之は別れたくないと、遠距離を望んだのだけど、とてもそれを維持できると思わずに玲央は別れを何度も切り出して、そのまま留学に行った。
 なので、玲央からすれば別れていることになるかもしれないが、貴之からすれば別れているとは言えない状態だった。
 しかし、貴之が結婚するという話は、友人を経由して知っていた。二本にいるときはしつこかったのだが、留学をして一切の関わりが消えて、何もしてこない相手の様子を一応は把握しておいた方がいいだろうと、調べて貰ったら、結婚である。ああ、諦めてくれたんだ、結婚か、良かったと話したのは二ヶ月前だ。
 それがどうだ。目の前で姉の玲奈と結婚すると言うのだ。
 悪夢としか思えない。まして玲奈と同じ苗字で、弟がいることも名前だって知っていたはずだ。知らなかったなんてことは一切ないはず。
 商社の御曹司ともなれば、相手の調査くらいするだろう。だから、全く偶然ですとはいえない。
「あら、あたしとは余り付き合いはないわよ?」
「いいじゃん、男同士、結託するから」
 貴之はそう言って、その場を盛り上げる。
「もう仲良しなの、良かったわ」
 母親はそう言って笑っている。
 この場の雰囲気を壊したくなくて、玲央は話を合わせた。
この場を治めてしまえば、親族の集いくらいでしか合うことはなくなる。そうなれば、関係は薄れていく。そう思い、その場を何とか乗り越えた。
 結婚が上手くいっているなら、わざわざそれを自ら壊すことなんて、さすがにしないと思ったのだ。
結婚式は終わり、二人は新居に引っ越した。
 玲央も実家を出ていたので、大学近くにある部屋を借り直した。
 最初の頃は不安だったが、次第に日常に塗れているうちに、心配事は消えた。
 

それから一年後。
 母親から家族旅行をするので、日程を開けるに言われた。
 しかし気まずいので、断っていたのだが、母親が強引に日程を決め、当日にわざわざ玲央が自宅にいるところを無理矢理に連れ出しにきた。
「いけないって言ったじゃん」
「いいから、荷物は母さんがしてあげるから」
「ちょっと……なんで?」
 困っている玲央を尻目に母親はさっさと荷物を作り、玲央も仕方なく行くことになった。
 しかし意外なことが分かったのは、車の助手席に乗せられてからだった。
「母さん、明日、友人の葬式があって、いけなくなっちゃったの。玲奈も急な出張でいけなくなって、貴之さん一人になっちゃったから、玲央に付き合ってもらいたいって」
「え?」
 まさか、二人っきりになるとは思いもしなかった。
「え、じゃあ、別の日にしたらいいじゃん」
 そう玲央が言うと、貴之が言った。
「それが、別の日だと俺の日程が空かなくてね」
「せっかく仕事ばかりの貴之さんの休みなのだから、あなたが付き合ってあげなさい」
「……そんなっ」
 計ったかのように二人っきりにされ、母親は駅で車を降り、玲央は車から降りるわけにもいかなかった。
いや、降りようとしたのに車の鍵がすぐにロックされたのだ。
 貴之は、玲央の腕をキツく掴んで、母親には笑顔を向けている。母親が手を振ったので、玲央の手を取って貴之が振り替えした。
 すぐに車が発進して、二人っきりになる。
「あっちに着いたら、すぐに帰りますから、適当に話を合わせたください」
 そう玲央が切り出すと、貴之はそれを無視した。
「……あの?」
「何処に行くか知らないのにね」
「何処ですか……?」
「車で行けるところ」
 そう言った後、貴之は何を言っても答えてはくれなかった。
 車は高速に乗り、どんどん北を目指している。地名は最初こそは分かったが、埼玉県に入った辺りで地名が分からなくなった。
 埼玉だとは分かっているが、いる場所が不明。
 携帯を取り出して現在地を知ろうとすると、その携帯を取り上げられた。
 運転中の人に飛びかかることもできず、睨み付けるだけになった。
 信号で停車中は、腕を捕まれ、逃げないように何重にも用心された。
これは恨まれているのだと、玲央は気付いた。この人は玲央の振られたことをまだ恨んでいて、玲央に酷いことをしたいのだ。
 あんなに優しい人だったのに、怖くて逃げるように留学を選んだ。この関係が続けば、きっと自分は駄目になる。そう思ったのだ。だから留学ができることを知った時に飛びついた。
 それから二年、そして貴之が結婚してから一年。三年が過ぎて、何もないと安心していた。
 でもそうではなかった。


 車で着いたのは、山奥の別荘だった。
「降りなさい。でも、道を戻っても無駄だって分かってるね?」
 そう言われて、玲央は車から降りた。
 別荘地は少し寒さがあるところで、こんな所に家族旅行にきてどうするんだと、玲央が思っていると。
「元々は、温泉地に行く予定だったのを、お母さんが来られないと分かったから、急遽変えたんだ。知られたくないなら、温泉が良かったくらい言った方がいいよ」
 貴之はそう言って、別荘の入り口に向かった。
 ロッジのような建物は、普段は使ってないのか、それとも人は殆ど来ないのか。薄汚れてはいたが、中はしっかり支度がしてあった。
 外が寒かったので、エアコンは入っていたし、暖炉はガスで付けていた。直前まで人が来て準備をしていたのだろう。
「元々は、父が買ったものだ。今は誰も使ってないが、地元の人に管理を任せている」

 不思議そうな顔を読み取ったように、貴之が言った。
 この人は、玲央の考えていることが読めるのか、いつでも玲央の声にしない質問に先回りで答えてくれる人だったと、玲央は思い出した。
 でも、この人は姉の夫だ。
 別荘に入って居間に行くと、貴之は別荘の鍵を閉めた。
「熊も出るし、物騒だからね」
 そう言う。熊が玄関を開けて入ることもあると、ニュースでやっていたのを思い出す。車のドアだって熊は開けられるくらいに人に慣れているらしい。
「お腹空いているだろう。食事の用意できている。お前の好きなステーキにした」
 そう言われて席に行くと、鉄板がまだ熱を持っていることに気付いた。
「……」
 確かにテーブルには、玲央の好きなモノばかりが載っている。ご飯よりもパンが好きなのも、魚より肉が好きなのも、果物の中で桃が好きなのも、肉の付け合わせにネギがすきなのも、飲み物はコーラが好きなのも、全て貴之が知っていることだ。
ただ、アメリカで好きになった、マッシュポテトのことは、家族すら知らないはずだ。
 まさかと玲央は、不安になって貴之を見た。
 貴之は笑って言った。
「アメリカのことはずっと調べていたよ。君のアメリカの友達はおしゃべりが多いね」

 貴之はそう言った。
 玲央は、もう逃げられないのかもしれないと思えてきた。
貴之はアメリカにいる間に、玲央からの連絡はないから、自分で誰かをスパイに使ったのだ。玲央が安心しきって暮らしていたアメリカでの様子は友人の誰かによって、金で売られたのだ。
「座りなさい。食べよう」
 貴之がそう言った時、玲央は放心したままで椅子に座り、貴之が話す、これからのことについて、呆然としたままで話を聞いた。


2

「君が俺とここで寝ないなら、二人が付き合っていたことをお母さんにも話す」
 というのだ。
「……待って、なんで? 姉さんは?」
「彼女は知ってる。母親の結婚しろという意味のない攻撃を躱す目的で私と契約して結婚をしているだけだ。だから一緒の住まいは用意はしたが、一緒には住んでいない」
「は……?」
姉が知ってる? 知っていて、この男と契約結婚をした?
 意味が分からない。そういう顔をしていたのだろう。貴之は話を進めていく。
「ラッキーなことに、俺は種がないらしく、子供ができないことになっている。もちろん、嘘だが、幸いなことにうちの父親も、お母さんも皆、同情してくれた。だから、子供を玲奈が欲しくなった場合は離婚する契約になっている。彼女は結婚には興味がないし、子供にも興味がないのだそうだ」
「え……?」
 姉のことはよく知らない。だからそんなことを考えていることさえ知らなかった。
姉は自分の生活のために、貴之と結託し、弟を差し出したのだ。
 だがショックではない。姉のやりそうなことではある。説明される妙に納得してしまう部分が多い。
「俺はお前が欲しかった。だからその為の努力は惜しまなかった」
 貴之がそう言って近づいてくる。
「玲央を諦めるなんて、考えたこともなかった……玲央は怖くて逃げたけれど、構わないよ、君がアメリカで誰と寝ていようが、今、君が抱けるなら、それで構わない。だが――これからは許さないよ。玲央は俺のモノだ」
 そう言って貴之は、噛みつくようなキスをしてきた。
「んっ、ん、んむっ」
 混乱していた玲央は、そのキスを受けてしまう。
 貴之はキスをしながら、玲央の股間に手を伸ばし、そこを揉み始める。
「んんっ! んっ、むぅっ、んっ、ぅんっ、んっ!」
 玲央は座ったままで、ペニスをズボンから出され、それを貴之が扱いていく。
「ひゃっ、あっ、あっ、だめっんんっ」
「このおちんぽをアメリカで誰に入れてきた……?」
 玲央は貴之に耳や首筋を舐められながら、ペニスを扱かれる。「やっ……いれてなっいっんっはっ」
「そう? 入れられる方が好きだからね、玲央は……」
「んっ……はっあ……やっんっ」
「もう、勃起してる……最近してないんだな」
「んふっんっ……あっああっ」
 玲央は貴之と寝ていた時は、セックスが大好きだった。貴之は絶倫で、玲央を圧倒してくれた。それで玲央は満足をしていたが、次第に淫乱である自分が怖くなった。
 貴之が玲央をビデオに撮り、それを見た時、自分の痴態に眩暈がした。このままでは駄目だと思い、逃げた。
 けれど、今触ってくる貴之の感触を忘れたわけではなかった。
 正直、気持ちが良くて抵抗ができなかった。
「ふぁっ……んっ、ん……はぁっぁ……っ」
「さあ、おいで、玲央」
 そうして差し出された手を玲央は拒むことができなかった。


 居間の暖炉の前、ラグの上に玲央は躰を横たえられた。
 久しぶりの玲央も躰に、貴之が高まっているのが分かる。既に勃起したペニスが玲央の躰に当たってくる。わざと貴之が擦りつけているのだろうが、玲央はそれにも反応をした。
「あっあっんっ、やっ、はぁんっ……っ」
「エロい乳首……こんなに硬くして……気持ちいいのか?」
 貴之は玲央の乳首を吸い、舌で舐め取る。
「んぁっ、……い、い……ちくび、きもちいっ……あっあぁんっ」
 舌で弾くように乳首を攻めていくと、玲央は躰を震わせた。
「あぁんっ! あっあっ、もっ、らめぇっ……ちくび、ふぁっあ、あんっ」
「何が駄目? いいんだろ? ピンク色のエロ乳首、こんなにビンビンにして……」
「だってっ、いぁっ、ん、もう、いっちゃ……いっちゃうからぁっ」
「乳首を舐められてイクの、好きだよね。イッていいよ……玲央……っ」
「やぁ、いっちゃ、あんっ、いくっ……あっあっ、はぁあんっ!」
 乳首を噛まれ、玲央は射精をした。
「はぁっ……ぁ、あ、ん……」
「ちゃんと覚えていたね……乳首だけでイケるのを」
 玲央はそう言われて、頷いていた。
 乳首を弄られるだけで、射精をするのは、貴之に教え込まれたことだ。けれど、普通はそういうイキ方をするのは、相当セックスをしている人か、敏感な人くらいなものらしい。
 玲央は最初はそうではなかったから、貴之に仕込まれ、淫乱なイキ方をするように調教されていた。その事実を知って、セックスというものを調べたら、玲央の様に反応するのは、相当なものらしい。
 一般的ではない自分の反応は、AVなどで俳優が演技でしている部分と被っていた。そういう反応はAVでも淫乱ちゃんと言われていた。
「はぁっはぁっ……あ、ぁぅ……、はぁっ、んっ」
「乳首弄られるの、本当に好きだな。こんな乳首してて、アメリカで一人で大変だっただろう?」
「あぁっひっぃいっ……もっやらぁっ……ちくびっ……はぁっあっあっ! ぐりぐりっやぁっ……っ!」
「これからは……俺がずっと、この乳首を吸ってあげるからね……ちゅっ」
「あっ、いいっ……ひあっあっあんっなめちゃっ……やらぁっんあっんんっ!」
 乳首を舐められて、玲央はまた絶頂を味わう。
「ひっ、あーっ……らめっ……はっ、……んっ……ひぁあっ」
 貴之が玲央のアナルに指を入れてきた。
「あぁんっ! ぁあっ、らめっ、やっああっ」
「ここに俺以外のおちんぽを入れたかい?」
「あっ、なっいっんひっふぁっ、い゛ぃっ……あっぁんっあふぅっ」
「最近は使ってないようだが、嘘はいけないよ……。お別れパーティーで、アメリカ人のおちんぽをたくさんハメられてたじゃないか……」
「あ゛っあひっあぁっ、ちがっあんっあんっ……ちがっうっあっあっあれはっ」
 玲央はそれについては否定をした。
 だってあれはセックスドラッグを使ったレイプだ。望んだわけじゃない。飲み物に仕込まれて、留学生を回す奴らに回されたのだ。
 噂だと、留学生は泣き寝入りをしてしまうので、そういうのを狙うレイプ集団がいると聞いていた。それが同級生で友人だった。あっという間に六人もの人間にレイプされた。それが留学から戻る二日前だ。当然玲央は泣き寝入りした。
「こんなにギチギチで外国人のおちんぽを締め付けて、咥え込んだんだな……っ」
「ちがっ……あっんぁあっやっ……ちがっううんっあっ!」
「いいよ、いいところ、たくさん擦ってあげるから、イッて」
「あひっあ゛っもっ……いくっ……いっちゃうっあっあっあっん!」
 玲央は貴之の指で前立腺を擦り上げられ、達した。
「二本の指じゃ、不安だけど……そろそろこのおちんぽが欲しくなってきただろう?」
 そう言われ、玲央の尻の割れ目に貴之がペニスを擦りつけてくる。アナルをわざと擦り上げてくる。
「あぁあっあんっ」
「外国人のおちんぽで満足してた玲央じゃあ、このおちんぽは満足できないかもしれないけど……っ」
 明らかにそんな人達よりも貴之の大きなペニスが、玲央のアナルに入り込んでくる。
「あ゛あぅっ……ひっああぁっ」
「ああ、入った……っ 俺の形をちゃんと覚えているんだね。しっかりと纏わり付いて気持ちいいよ……ふっ」
「やっ……あッあうっ……だめっ、無理っ、あっんんっ」
「さあ、このおちんぽをしっかり味わって、いつものように淫乱になりなさいっ」
 貴之がゆっくりと腰を動かし始めた。
 いつの間にかローションを垂らされているアナルが、ジュポジュポッと音を立てながら貴之のペニスを受け入れている。
「ああっ、んっ、あっ、あッ、ふあっ、あんっ……はぁっ、んっああぁっ」
玲央は内壁を広げられて、痛さも感じたが、それ以上に、覚えている大きなペニスから与えられる快楽に段々と身を預け出す。
「ふあっ……あっいっああっ……そこっだめっ……あんっんんっ……」
「駄目じゃないだろ、ここは好き、気持ちいいだろ? 俺は玲央のいいところは全部覚えているよっ」
「ひあああっ! あ゛っあ゛っうっひぃっあっあんっあぁっああっ……おちんぽっやあぁあっおちんぽっああっ!」

「あぁったかゆきっのぉっ……おま○こにされちゃったっ……ぁあんっおちんぽっ……ぐりぐりぁっあっあっいいっいいっああっ」
「たくさん種付けしまくってやるからなっ……」
「あ゛ああっ……あひっ、いっあっあんっぁうっ、あっあっああっ!!」
 そう言われて玲央は達した。内壁に叩きつけられるように貴之の精液が吐き出されて、玲央はまた達した。
 しかし、貴之は精を吐き出しても、腰を止めることはせず、そのまま内壁に擦られて、また勃起をした。
「あ゛あ゛あんっひっい゛ってるっ、いってうからっあ゛あっもっらめえっあっあ゛あーっ!」
 貴之は、抜かずに十発は射精することができる絶倫男だ。しかも勃起する速度が早く、二、三回擦るだけで完全勃起をしてくる。
「ひああっ、あっあんっ、だめっだめ……ちくびっ、あっああっだめっ」
貴之は腰を動かしながら、玲央の乳首を吸った。ザラリとした舌の感触と、アナルを犯されるそれが重なり、倍の快楽になって玲央を襲った。
「んっあっい゛いっ、よすぎてっだめになっちゃうっ……あっひっああっああっ!!」
「素直になりなさいっ玲央っ」
「あぁっいいっ……きもちいっ、乳首も、おちんぽっぐりぐりっで、擦れて感じるっ、いいっ……ああんっ、あっあっんんっ、ふああぁっああっでてるっなかっいっいっひいぃぃっ!」
「何度でも、玲央の中に出してあげるよっほらっ孕むまでしてあげるからねっ」
 貴之は精液を吐き出しながらも、やはりまだ腰を穿ち続ける。
「いっちゃっ……あっあっ、いっちゃうっ……貴之のっデカいおちんぽでっ、んっはぁっ、ごりごり犯されてっ……ああんっ…いっちゃ、いっちゃうっ……あっあんっ! あぁああ――――――っ!」
玲央はそのまま、また絶頂を迎えた。
 吐き出された精液が床に飛び散った。しかし、まだ貴之の穿ちは終わらない。
 玲央は空イキを二回、射精を更に二回させられ、疲労困憊になるが、それでも貴之もすでに五回は射精をしているのに、その腰の動きを止めようとはしない。
 アナルには溢れた精液が泡になり大量に掻き出されている。
「あ゛あ゛ひっあ゛っもっむり、らめっあ゛っあ゛っ」
「離れていた三年分、たっぷり一週間、注ぎ込んであげるからねっ」
 旅行は一週間。玲央は別荘で貴之にあらゆる場所で犯された。寝ている間も、お風呂に入っていても、食事を用意していても、食べていても、トイレにいる時でさえ、貴之は玲央を犯した。
「ぁんっらめっあっ、ぁんっ、あっ、あっ、あっ」
 観光に出た時は、ローターをアナルに入れ、我慢仕切れなくなったら車で犯された。
「ああぁんっ! んゃあぁっ、あっやあっ、あんっ、あぁっ」
 ローターが入ったまま、アナルを犯され、通りがかった観光客にも見られた。
 最後には貴之に跨がったまま、腰を振っているところを、観光客の野次馬に見られながら達した。
「あああぁっ! らめっあっあぁあっ、やっあっいくっいくっあああぁーっ!」
 貴之はドアを開けて、野次馬のペニスを玲央に口で口淫させた。
「んんっ! んっ、むぅっ、んっ、ぅんっ、んっ」
 その後ろから玲央に挿入して激しく突いた。
 野次馬は面白がって、玲央の口淫を受け、口の中や顔に射精をして、満足したかのように去っていく。すると次の野次馬が待ち受けていて、玲央の口淫を受けた。十人ほどに口淫をし、さらには精液をたくさん顔や頭に受けて、貴之の精液を五回もアナルに受けて、玲央は何度も達した。
「はぁああぁんっ!! なかにぃ、おま○こに、いっぱい出てるよぉっあぁっおれも、れちゃうぅっ!」
 
貴之はその旅行後にも、玲央を週末ごとに連れ出し、同様の行為を何度も繰り返した。
 玲央は赤の他人のペニスを咥えて、貴之に激しく突かれないとイケない躰になり、貴之が連れて行く、乱交パーティーにも参加するようになった。
「ひああぁっい゛ぃっあっそこっいくっ……あっあうっひああっ!」
 アナルを二輪差しされ、気持ちよさそうに喘ぐ玲央は、その環境に順応していった。
 姉はそんな玲央を何の感慨もなく無視し、母親は貴之を信じていた。
 玲央は時折、ふっと思うことがあった。あの時、貴之と別れていなければ、普通の恋人として普通に暮らしていたかもしれなかった。
 関係を壊したのは玲央で、貴之はその時に心が壊れたのだ。壊れた貴之の心は元には戻らず、玲央を信用しきれず、様々な男に玲央を抱かせて試しているのだ。
 また玲央が裏切らないか。もし裏切っても逃げられようもないほどに、玲央を壊すことにしたのかもしれない。
 それでも時折は、優しくただ何もせずに眠ってしまうこともある。
 そんな時は、玲央から貴之に優しくした。
 もうこの関係を壊すことができはしないのなら、せめて貴之を愛そうと思ったのだ。
 けれど、その愛は貴之にはなかなか届かない。
 玲央はその時、初めて貴之の心を知った。
 どれだけ愛しても届かない、その苦しみを――――――。

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