042-全ては君のため
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知野桜(ちの さくら)は、十五歳の誕生日に、叔父の借金の形に、志良堂(しらどう)という人間に売られた。
志良堂というのは、地元の人ではなかったが、地元に別荘を持っている。夏になると家族でやってきて、二週間ほど過ごしていく。
そんな志良堂家は、その地元では金貸しをしていた。段々と産業や農地を買い上げていく様子に、地元の人間はよい顔をしなかったけれど、文句を言っていた人間ほど志良堂に金を借り、返せなくなっては地元から夜逃げをしていた。
桜の家は、桜が九歳の時、両親が事故死をした。対向車線からはみ出してきたトラックの事故だった。その時、桜は学校へ行っていて、事故車には乗っていなかった。
そんな桜を引き取ったのは、地元に住んでいた母親の弟の叔父だった。だがこの叔父は、桜に渡っていた両親の保険金をあっという間に使い潰し、更には志良堂にも金を借りていた。
「こいつを使って、金を借りれないかね?」
そう叔父が志良堂に言った。
志良堂の家に連れて行かれた桜は、そこの大学生の息子で次男の隆(たかし)と少し仲が良かった。図書館で会ったり、道ばたで会った時に話をよくしていた。隆が何処かを見たいといえば、そこへ連れて行き、二人っきりの時間が増えていた。
叔父の提案に、志良堂の当主は迷うことなく、桜だけに問うた。
「これに我慢ができれば、叔父さんに金を貸してやってもいい。もちろん、何かあった場合、私が君の面倒を見る。大学もちゃんといかせてあげるし、就職も私の会社に席を用意しよう。よく考えなさい」
志良堂はそう言った後に、その条件を提案してきた。
「隆が君を欲しがっている。意味は分かるね?」
意味は分かっていた。
その前日に、隆からキスをされ「君を抱きたい」と告白されていたからだ。
十五にでもなれば、求められていることも理解できる。
選んだ結果も、断った結果も。
選べば、隆と寝ることになり、一生飼い殺しをされるということ。
断れば、叔父に別の誰かに売られるということ。その場合、志良堂ほどの良心的な相手ではないこと。
誰かとセックスをしなければいけないとすれば、隆が一番マシだった。
「叔父さんにお金を貸してあげてください。お願い致します」
桜にはそう答える道しか残っていなかった。
志良堂は桜の身柄引き受けに、叔父に対して五千万円を出した。それは奇しくも両親の残した保険金の値段と同じであった。
自分は両親の命の値段で、売られていくのだ。
その日の夜には、志良堂の家に招かれ、隆には喜ばれた。
「よかった、君が来てくれて、嬉しいよ」
笑顔の隆に、桜は曖昧な笑みを浮かべた。
来たくて来たわけではなかった。行くところがなかったのだという認識がそんな顔をさせた。
「おいで」
隆はさほど気にした様子はなく、桜を部屋に招いた。
いきなり寝るのか、そう認識をしたのだが、部屋には食事が用意されていた。
「夕食はまだだっただろ? 今日はいい肉が手に入ったんだ。ミディアムは嫌いだって言っていたから、ちゃんと中まで焼いてもらったから食べられるだろ?」
そう言われて席を勧められた。
戸惑いながらも、隆は食事を勧めてきた。
確かに食事は美味しかった。肉もちゃんと焼かれていたし、付け合わせなども食べたことがない美味しさで、思わず笑みを浮かべてしまうほどだった。すっかり打ち解けて、いつも通りに隆と話をしたと思う。
そして十時を回った。
隆は立ち上がり、桜に近づいてきた。
「……っ」
もう逃げ道はない。そう桜が躰を強張らせると、隆は桜の頬を両手で包んで顔を上げさせ、桜にキスをした。
それは触れるだけのキスではなく、苦しくて開いた口の中に舌を潜り込ませて、舌が絡み合うキスになった。
「……んんっ……はぁああっ」
キスが甘いなんて、人は言っていたが、本当に甘いのだと桜は思った。
隆は、頬や額、耳にと、顔中にキスを降らせてから言った。
「君を抱きたいけれど、君から抱かれたいと少しでも思って貰えるまで、キスや触ることで我慢するよ」
隆はそう言い。
「怖がらせて悪かった。おやすみ、桜」
そう言って部屋を出て行った。
部屋のドアが目の前で閉まってしまった。
すっかり、セックスをするのだと躰を硬くしていた桜は拍子抜けした。隆は確かに桜のことは好きだが、無理強いはしたくないと言ってくれたのだ。
ホッとするやら、拍子抜けするやら、気分はあがったり下がったりと、今日は忙しい。けれど、覚悟していたことを先送りにしてくれたのは有り難かった。
この時は、桜はそう思っていた。
次の日から隆は、桜を見つけると誰が見ていても平気でキスをしてくるようになった。初めは恥ずかしかった桜だったが、段々と甘えるようにキスをしてくる隆が、可愛く思えてきた。
執事の人が言うには、甘える隆は珍しいのだという。父親に期待をされ、帝王学を身につけてから、我が儘は一切言わなかった。甘えるなんてことを許される環境ではなく、最後には両親すら心配するほどできた子供になってしまった。
だから、隆が桜が欲しいと言い出した時は、志良堂の力を尽くして、桜のことを調べたのだという。
桜が環境がよくないところにいることを知ったから、あんな提案だったが、隆のところに来る方が桜には幸せなのではないかと、隆の我が儘を受け入れたのだという。
隆はいい人である、そう執事に植え付けられた知識が、すぐに崩壊することになろうとは、桜もこの時は思いもしなかった。
ある日、寝ている桜の部屋で物音がした。
ふっと、目を開けると、桜の目の前に大きな手とそれに握られたペニスがあった。
あまりの出来事に硬直していると、自分の上ではぁはぁと誰かの喘いでいる声がする。
「……さくら……ああっ」
それは上擦ってはいたが、隆の声だ。
では、目の前にあるペニスは隆のものなのだ。
何故、こんなことを? そう頭の中が混乱してグルグルとしている。清楚なイメージがある隆が、こんな卑猥なことをしてくるとは思ってもいなかったのだ。
けれど、ここで目を覚ませば、どっちも気まずい。そう思い、桜は黙っていることにした。
けれど、なかなかその行為。オナニーが終わらない。
先走りで滑った隆の反り起ったペニスが、目の前にあり、それがいやらしいそうにピクピクとしている。
桜は今まで他人のペニスをマジマジと見たことはなかった。小学校時代の修学旅行は風邪でいけなかったし、中学の修学旅行は両親の事故で取りやめた。高校に入っての修学旅行はまだなので、誰かのモノをはっきり分かる形でみたことはなかった。
それが目の前にある。ピクピクと達しそうな状態のペニス。部屋が暗いから黒々としたそれが凶器に見えるように反り起っているのが、ありありと分かるくらいの明るさで、しっかりと目に入ってしまっていた。
隆はすっかり自分の世界に入っているのか、こっちが見ていることに気付いていない。
やがて。
「さくら……ああ、さくらっうう……っ」
隆が射精をした。
吐き出された精液は、目の前に置かれていたタオルに吐き出され、大量の精液が飛んでいるのが見えた。
「はあ……はぁ……はぁ」
達した隆は少しだけそのままの余韻でいたが、やがてゴソゴソと動き出し、桜の上から降りた。桜は自然と目を瞑って、隆が去るのを待った。
隆はタオルなどを片付けると、桜の頬にキスをしてから部屋を出て行った。
シンとした部屋の静寂が訪れて、桜はガバリと布団から起き上がった。
手で顔を覆って、さっきまでの緊張感を抜くように深呼吸をした。
「あんな……あんなの……」
黒くて鋭い凶器みたいなペニス。あれが自分を犯そうとしているなんて。
そう考えただけで、恥ずかしくて死にそうだった。それにあんな大きなモノが自分のアナルには入るわけがないとさえ思えた。
隆は待ってくれると言った。けれど、それは桜との性行為の話であって、ああいうことを、これまでにもやっていたのかもしれない。
自然と失望感はなかったが、それでも桜がそういう意味で望まれているのだというはっきりとした意思表示を見せられた気がした。
2
それからも、隆は桜との約束を守り、性交渉を強引にしようとはしなかった。それは世間体というものが一番にあり、最低でも桜が二十歳を迎えるまでは、隆は何もしないのではないかという気が段々としてきたほどだ。
これを喜んでいたのは最初の方だけで、あの隆のオナニーを見せられた時からは、少し不満が生まれていた。
オナニーを知らなかった桜が、オナニーを覚えたのもそれからである。
ペニスを擦ることが気持ちがいいとは思えなかったのだが、色んなことを調べていくうちに、何度か隆のオナニーを見てしまった。
どうやら、桜の飲み物に睡眠薬で軽いものが入れられている日があり、そんな日の飲み物を飲まずにいた日に限って、そのオナニーが見られたからだ。
余りに気持ちよさそうに喘ぐ、隆の姿を浮かべ、オナニーの仕方を調べたほどだ。エッチなことを思いながらするのがいいと、書かれていたので、一生懸命思い浮かべたのが、隆のオナニー姿であった。
それを思いながら、ペニスを擦り、さらには調べて出てきた、乳首を弄ることも覚えた。一年後には、アナルに指を入れてアナニーをすることも覚え、自然と男同士のセックスに理解が深まった。
それでも隆はセックスを連想させるようなことは、一切してこなかった。
そんなある日の別荘地でのことだ。
その日は、隆が先に別荘地へ行っており、桜は学校が終わってから駆けつけることになっていた。
しかし別荘に速めに着いて部屋を尋ねると、隆は散歩に出かけていた。
待っているのも暇だったので、桜も隆を追いかけて散歩に出た。
自然の中で、緑がある。夏だというのに、熱さよりも涼しさを感じるような山奥である。人には出会わないし、出会ったらそれは身内というような環境である。
歩き始めて十分ほどだっただろうか。
人の声が聞こえた。
「あぁっも、もうっ……いきそう、いっちゃう……っあっあんっ」
明らかにセックスをしているときに声だった。
人目がないからなのか、開放感からなのか。誰かが青姦をしている。桜は見ないように去ろうとしたのだが、次の言葉に思わず振り返ってしまった。
「あ゛ひっあっらめっ……隆さんっ……あっすごいっあっあっあっ」
今、隆と言った? そう聞こえて桜は思わず覗きをしてしまう。
相手は河原の大きな岩の所に居た。
前のめりで岩に押しつけられているのは、地元の別荘地の管理に来ている夫婦の息子のバイト学生だった。そしてその学生のアナルにペニスを突っ込んで腰を振っているのが、隆だった。
二人は川の音の流れる音が大きくて、桜がかなり近づいたのにも気付いていない様子で、夢中でセックスを楽しんでいた。
「あぁ……中ぐりぐりするからぁっ……あっああっそこっ、そこぐりぐりらめっ、あひっあんあんあんあんっ!」
学生が恥じらいもなく、嬌声を上げて喘いでいる。
隆はそんな学生の腰を掴んで、乱暴に腰を打ち付けている。凶悪な黒々とした隆のペニスが、学生を抉るようにして犯している。
学生は気持ちよさそうに声を荒らげ、自らも腰を振っている。
「あぁあっ! あんっいくっあっあっもっと…もっと振ってっ…ああぁーっ!」
隆が何度も打ち付けていると、学生が躰を震わせて絶頂を迎えた。
それに合わせたように、隆がペニスを抜いて学生の尻の上で射精をした。
学生はその場に崩れたが、隆のペニスをすぐに口に咥えて、口で扱き始めた。
「んっ、んっんっんっ……んぅっふぁっ……おちんぽ……すきっんふ……ちょーらい……精液っちょうらい……くちに……んふんっんっんっ」
学生が精液のお強請りをしている。
「綺麗に舐め取れよ」
隆はそれに答えるように、学生の頭を掴んで、口をオナホールのようにして腰を振った。
「んんーっ…! んっふぁっ、んっんんっ」
学生はされるがままで、オナホールとして口を貸した。
そして隆が呻いて、学生の口で射精をした。
「んんっ! んっふっ……ん、はぁっああんっ」
学生はそれをゴクゴクと飲み込み、満足げに口を拭っている。
「あん…ん、はぁはぁ……もっと、中に頂戴……このおちんぽ、最高~」
学生がそう言い、隆に尻を向けて、また岩に躰を預けている。
何度もそういうことをしてきたのであろう。学生は慣れていたし、隆も慣れたように溜息を吐いている。
「絶倫って、お前のことだよな」
「いいじゃん、あんたの可愛い子の代わりにやらせてやってんだから。で、まだやらせてくれないわけ?」
「…………」
隆が答えないでいると学生が察したように溜息を吐いた。
「やらせて貰ってたら、ここには来ないかあ。ま、いいから。バシッと突っ込んで精液吐き出して、すっきりしてから帰りなよ」
「……今日で最後だからなっ」
隆はそう言って、学生のアナルにペニスを再度突っ込んだ。
「あぁっあっひっあぁんっんっあっいいっ、あぁん……あっさいごは……っなかっなかで……だしてぇえっ」
学生は隆のペニスをしっかりとアナルで銜え込んで、中で精液を出すようにと要求している。隆はそれに合わせて腰を使い、乱暴に強引に振っている。余りにも激しい痴態に、桜はすっかり目を離せなくなっていた。
「ひぁあっあんっあっそこっあっあんっはっあぁっ」
ヌルヌルと出入りするペニスが、酷く艶めかしくて、羨ましかった。
あんなに必死な隆が腰を振って、乱暴に腰を打ち付けている姿が格好良かった。ああ、あそこにいるのが自分だった、どんなに最高のなのか。
そう思うと、桜はその場でズボンを脱ぎ、草の中で自分のアナルを弄った。
「あぁあっあひっあっあ゛っあ゛っあっあっ」
学生の声が響いている中で、桜も隆の動きに合わせて、アナルを指で抉った。
これは隆のペニスで抉られている、そう思って弄っていると、自然とペニスが起った。
「んっ、ふぅ、ん、んっんっんっ」
桜の息を詰めた声だったが、少し漏れた。息が上がってきて、いつもより興奮している。
「あぁっあぁんっあっひっそこっあっああんっくるっくる……っんぁあ――――――あぁっ!」
学生が達して、隆も学生の中に射精をした。
「……ふっんんっ……!」
それと同時に、アナニーをしていた桜も達していた。
桜は、隆と学生が川の水で汚れを落としている隙に、その場から逃げ出して屋敷に帰った。
隆はいつものように、すっきりとした顔で桜が既に着いていたことに気付いて、部屋を尋ねてくれた。
桜は隆が気付いていないのにホッとしたのと同時に、どうして隆は自分を襲ってはくれないのだろうかと考えるようになった。
襲ってくれたら、そのままなし崩しで、セックスができるのに――――――。
そう思わずにはいらない。
とにかく、桜は隆とセックスがしたかった。
3
桜が十八になった年だった。
なかなか上手くはいかないもので、あの夏から一年が過ぎていた。
セックスがしたいと言い出せず、悶々としたものを抱えたまま、思春期の学生の思考回路など、エッチなことばかりだ。
桜は、大学生になっていた。志良堂家に引き取られて三年。隆を失望させてはいけないと、秘書を目指してしっかりと勉強をし、志良堂家を支えられるような人間になりたいと思う通りに、大学は経済学部に入っていた。
志良堂の父は、まだ隆と桜がそういう関係ではないことを知っていたようだったが、桜の頑張りは認めてくれた。
だが桜の鬱憤は、晴らされることはなかった。
オナニーは既にアナニーでなければならなかったし、その為の道具もこっそり買い込んで使い込んだ。見つからないように隠し、風呂場に持ち込んで遊ぶ。そんなこともするようになった。
だが、こんな躰になってしまった桜を隆が受け入れてくれるのか、という部分が最近は気になりだした。
きっと、セックスなんて知らない、純粋な桜だと隆は思い込んでいる。こんなにエッチで、道具まで買い込んでしまうような人間だと知られてたら、捨てられるかもしれない。そんな恐怖がわいてくるようになった。
隆は相変わらず、桜の知らないところで、誰かとセックスをしているのだろう。
それを考えると、我慢しているのは自分だけなのではないかと思えてきた。
けれど、隆のように他の誰かを変わりにしようなどという考えは浮かばなかった。だって、隆に犯して欲しかったから。
そんなある日のことだった。
その日の飲み物にも睡眠薬が入っている日だった。
大体、薬を入れる日は、月水金と決まっていた。そしてその飲み物はいつもココアであり、隆が持ってくる時だけだった。
だからその日は飲まなかった。部屋に持ち帰って部屋の中の洗面所に捨てた。
覚悟は決まっていたからだ。
桜は、風呂で準備をしてしっかりと予習してから、布団で寝たふりをした。二時間ほど経って、隆は現れた。
いつものようにズボンや下着を脱いで桜に跨がり、顔の辺りにペニスを押しつけて、そこにタオルを敷いている。
「んっ……はっ」
隆がペニスを扱き出すと、桜は目を開けた。
目の前には隆のペニスがあり、それがそそり立っている。
この人は、自分の前で平然と勃起ができる人なのに、日常であんなにそれを察しさせないところが凄いと思った。
暫く桜はそれを眺めていたが、隆が達しそうな瞬間に、いきなりペニスを口に咥えた。
「んっ――――――なっ……さくらっ!」
さすがに射精する瞬間に止めることなどできるわけもなく、隆は射精をしていた。桜の口の中で。
「んんっ、んっ、ふっん、んっ」
いきなり吐き出された精液を喉の奥で受けてしまった桜は、噎せそうになりながらもそれを飲んだ。
「さ、さくら、やめなさい……っさくら、だめだっ」
「んんっ! んっんっぅ、んっふぅっ、んん~っ」
桜は駄目だと離れるように頭を抱えられたが、絶対にペニスを離さないとばかりに、逃げ腰の隆を追いかけて布団から這い出た。
隆は桜のベッドに腰をついてしまい、その上から桜が襲いかかって、隆のベニスを咥えたまま扱き始めた。あの学生がやっていたように、今まで勉強したようにだ。
「さっ……うっあっ桜っ」
不意打ちにまだ驚いている隆を、翻弄していることに桜はいい気分になり、ペニスを飴のように舐めたり、銜え込んで扱いた。
驚いていた隆だったが、桜の必死のフェラチオに、とうとう観念したように動くのを止め、桜の頭を撫でた。
「……いつから知ってた?」
それがどの質問なのかといえば、全てへ質問である。睡眠薬のことや隆がこんなことをしていること、桜がその気になったことや、やたらと上手いフェラチオのことでもある。
「んふっ……十五の時から……ん、隆さんが……やってるのは知ってた……その時に、薬かもって疑ったよ……んふう……美味しぃ……」
精液の味をもっとドロのように不味いと認識していたので、そこまで酷くはないことに美味しいと表現した。
「……それから……隆さんが他の人とやってるの見た……それは去年……んうぅ……ふっんふ」
一つ話すごとに、桜は隆のペニスを口に咥えて舐めた。
絶対に離すものかという意志が見て取れて、隆は苦笑している。
「……どうして、俺を襲ってくれないんだろうって……考えて……んふ、いろいろしたよ……オナニーも隆さんの見て覚えて、調べて……ん、セックスもアナルでするの知ったから、アナニーも覚えたよ……おもちゃも買ったし……んふ」
そう桜が言うと、隆はまさかと躰を動かし、桜のパジャマをはぐった。アナルの辺りを触ると、何かの突起がある。
「まさか、桜これは……ビーズかい?」
「うんっあはっ……それはちょっと、大変だったけど……いつもは、拡張のやつだし……ごめんね」
さすがにアナルビーズは引いただろうかと、桜は隆のペニスから顔を上げた。
ゆっくりと躰を起こし、パジャマを脱ぐ。
桜は全裸になり、隆の前に躰を晒してから、くねらせて言った。
「もう……あなたに犯されたくて仕方がないの……せめて、初めてはあなたがいい……お願い、僕を犯して?」
隆の前でお強請りをする桜。しかもセックス。それも犯してくれと言う。
隆は想像すらしていなかったらしく、ゴクリと喉を鳴らした。
「……さくら……ああ、さくら……なんて、なんて」
乾いた声が桜の名前を呼ぶ。
「なんて、綺麗なんだ……桜」
隆はそう言って、桜に抱きついた。
「隆さん……?」
「なんて、なんて淫乱に育って……嬉しい誤算だ……ああ、桜、美しいよ、綺麗だよ……なんてなんて淫乱なんだ、犯してくれだなんて……オナニーもアナニーもする上に、アナルビーズまで入れて、私を待ちわびて、ペニスを咥えて、美味しいだなんて言って、精液を飲むだなんて……ああ、なんて素敵に育ったのだ」
隆は一気にそう言うと、桜をベッドに押し倒した。
そうして桜の顔中にいつものようにキスをして、首筋からすぐさま乳首へを舌を落とした。
「ああっ……あんっ……んっあっ……ひっああっ……」
乳首はたった一回舐められただけで、プクリと勃起し始め、数回舐められただけで、完全に硬くなってくる。
「ああっんっ、あっ、あっ、ふあっ、あんっはぁっ、んっああぁっ」
隆は夢中で桜の乳首を吸った。
ずっと待ち望んでいた。この乳首を舐めて転がして、指で捏ね上げることを夢見ていた。
夢の中と同じように、桜は乳首を吸われて、躰を震わせて、気持ち良くて啼いている。
「あっあっ、らめっ、ちくびっんっああぁっ」
「はぁっ……乳首敏感だな……んちゅ……どれだけ開発してたんだ……んちゅっ」
「あっやっ乳首っへんっ……あっいあっあっぁんっ」
自分で開発をしたと桜は言った。
たった三年で、ここまでいやらしくなれるものだろうかと思ったが、それでも桜は初めては隆がいいと言った。だからそれは本当なのだろう。誰も触っていないのに、桜が自分で乳首を弄りながら、オナニーをしている姿が想像でき、ぞくっとするほど悩ましいことだと思った。
「あぁっんっ、変っ…あぁっおかしくなるっあっああっ」
隆は今はいいが、いつか桜が一人で乳首オナニーをしているところ、じっくり見させてほしいと思った。
「ああっあっあんっあんっあぁっ……あ゛っあっ」
桜にとって他人に乳首を弄られることは初めてで、それが腰が抜けるほど気持ちがいいと思わなかった。
しかも舌で舐められる感覚は、自分ではできないことだ。だから想像を絶するほどの快楽で腰が抜けるかと思ったほどだ。
「桜……乳首でイクの、見せて……ちゅーっ」
「あひっあんっあんあんあぁんっんっあぁーっ! ちくびでっいくのっいくっいくぅう――――――っ!」
桜が隆に乳首を吸われながら、絶頂を迎えた。精液が吐き出され、それが隆の腹も濡らしたが、隆は気にした様子もない。
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それでも隆は乳首を舐めるのを止めず、指で捏ね回しながら言った。
「本当に乳首でイッたね……かわいい……乳首でイクなんて」
「あーっあっあっ……んっやぁっちくびばっか……あぁんっ……」
「ああ、そうだね。今度はイッたばかりのおちんぽだよね……」
「ちがぁっ……やああぁっ! やぁっらめ、おちんぽっ、あぁんっ、ふぁああっ」
隆がそう言いながら、乳首から腹を伝って舌を這わせ、桜のペニスまで辿り付く。すぐにペニスを口に含んでしまう。
「ひぃ……っ!だめ、こんな……っ、おかしくなるぅうっあぁあっ!」
舌で舐め、口で扱くと、桜の躰が浮いてしまう。
隆をそんな暴れる桜の足をしっかりと手で抱え、身動きが取りにくいように押さえつけると、口でペニスを扱いた。
「あああぁっ……だめ、だめ、ひっ、あっああぁーっ……」
桜の腰がすぐに飛び上がるほど跳ね、隆の口に中に精液を吐き出した。
「ああぁっ……ふーっ……あっ、あっ……」
「安心しているところ、悪いけど。桜、またイッて貰うよ」
そう隆が言うと、隆は桜のアナルにしっかりと入っているアナルビーズの先端を掴み、それを一気に引き抜いた。
「っあああああぁぁ――――!」
桜はその衝撃で、ベッドが大きく揺れるほど躰を跳ね上げて達した。
今度は精液がでないドライオーガズムで、絶頂も長かった。嬌声を上げたままで、桜は痙攣をして、ビクンビクンと暫くその快楽を強制的に味わいさせられた。
「凄い、イキ方をしたね。可愛かったよ……桜……本当に、ああ、アナルが私を待ちわびて、ヒクついている。ああ、素晴らしい。ちゃんとローションも入れて、アナルの拡張もして、中も綺麗にしている……なんて淫乱でできた子なんだ……はあっ」
桜がそれらを自分で調べ、恥ずかしい思いをしながら道具を買い、準備をしている姿を想像した隆は、やはり怒るでもなく逆に興奮して身震いをしている。
あの桜が、こんなエッチなことをしていたなんて、想像をしたことはなかったから、あんな笑顔の裏にこんな淫乱な部分を隠していたことが、また興奮できる出来事だった。
「はぁん…っれ、てぇ! 挿れてっ! なかに……っなかにおちんぽっほしいっ、ぃい……ひぃいいいいんっ!!」
「ほら、入れたよ……はあ。凄いな、中がうねっている。私を、待ちわびたんだね……このおちんぽが欲しくて、自分でアナルをいじって……ああっすごいっ」
「あーっあっぁっあんっ! きもちぃ、いいっぁあっはぁん! おちんぽぉっ……あっ、あっ、んあ……ああっ!」
「出て行こうとすると、絡みついて、入ろうとすると押し出そうとしたり……ん、すごく気持ちがいいよ……桜、凄い淫乱でいい、もっとどこがいいかいいなさい……」
「ああっ……うごいてぇ……っ! ケツま○こっごりごりして……っんああぁっ!」
「どこでそんな淫乱な言葉を覚えてきたんだ……桜……もっといいなさいっんっ」
桜の希望通りにパンパンと音が鳴るほど、隆が動き始める。それに合わせて、桜も腰を使い始めている。さすがに淫乱である。して欲しいことは何でも貪欲に知識を貯めてきただけのことはある。
「あぁんっ、おれ、おちんぽで、ケツま○こぐりぐりされてっあっきもちいっあんっあんっいいっ」
何処かの漫画か、小説でも読んだのだろう。想像では補えない部分はそうした創作物で覚えたらしく、そういう淫乱な登場人物が言いそうなことを桜は口にしている。
だが、それが隆には良かった。
言わせようとしても、なかなか恥ずかしがって言ってくれるものではない台詞を、必要だと思い込んではっきりと言っている。
なんて馬鹿で、淫乱なのか。
でもそれは本心だから、余計に隆は興奮をした。
「あぁあぁっ! ああぁっ、あんっあんっ、い゛いっあぁっ」
桜は四つん這いで、何度も隆を振り返っては、気持ちがいいと口にした。
「いいっ! 気持ちいっい……ぁあっはぁんっきもち……っいいよぉっあんっあんっあんっ」
初めてにしては淫乱過ぎるが、一人オナニーと比べたら天国ほどの快楽を貰えるセックスは、まさに気持ちがいいとしか言えないほどだった。
「あぁっいって、いってっ好きっ……、僕のなかで、いってっ……あんっあんっああぁん――――――っ!!」
「……んふっ」
隆は言われた通りに、桜の中で射精をした。
「あひぃっあっあっ出てるっ……びゅーってっでてるっああっん、ふぁあっあついっああっいいっきもちいいっ……あんっ」
「中が精液で溢れるのが気持ちいいなんて、本当に淫乱だ」
そう言いながら隆は更に腰を動かした。射精をしたはずの隆のペニスは萎えることなく、まだギンギンに硬く、何度でもイケる状態だった。
「あぁっあんっらめっ……いったばっかりなのっ……あぁっあっんっああっ!」
隆は先に吐き出した精液を掻き出すような勢いで腰を動かした。そのペニスは一度射精して余裕ができたかのように、一層大きく膨らんでいる。
「あぁっひっあぁんっんっあっいいっ、あぁん!」
「はっはっ……桜……いいか? どうだ? セックスは?」
「あああんっ、きもちいいからぁっ…い゛いっあっああっあっあっああぁあっ!」
隆はしっかりと桜の腰を掴んで、桜のいいところを強く突いてやった。
「はぁあっあっ、なかに、せーし中出しっして……っあっあああんっ!」
もうすっかり、隆の虜になった桜は、もっと欲しいと隆に強請った。
「分かったよっ……ほらっ! イケっ!」
「あ゛あああっいくっああっ、いっちゃうっあぁああんっ!」
強く突かれて、奥で精液を受けた桜は、また絶頂をした。躰が痙攣して、ぐったりとベッドに倒れたのだが、そこにペニスを桜のアナルから抜いた隆が、さっきまで入っていたペニスを桜の前に差し出した。
精液まみれになっている隆のペニスを見た桜は、すぐにそれを口に咥えた。
「んんっ……、んっ、ふ、ぅん……」
「桜……愛してるよ」
「んっ、ふぅ、ん、んっ……んっんっ」
「そう……上手いよ……とても。ああ出るっ」
そう言って隆は桜の口の中に射精した。
「んんーっ…! んっふぁっ、んっんんっ」
やはり桜はそれを喉で受け止め、しっかりと飲み込んでいる。精液は飲むのが愛だと信じているようで、それも隆に興奮を与えた。
「いい子だ、桜。全部飲んでくれて、嬉しいよ……」
「んっ……あっ……まだ……」
「嬉しくて、また勃起してしまったよ……」
そう言うと隆は桜を仰向けにして、またペニスを桜のアナルに挿入した。
「あ゛ああぁっ……だめぇっ、セックスっよすぎて……こわいっ、ひあっあ゛っあーっ、ああぁんっ!」
「怖くはない、感じるまま感じなさい。どうせ私しか聞いていないのだから、もっと淫乱なところを見せてなさい……っん」
「ぁんっあんあん! ひぁあぁあっ……すご、凄いぃいいっ! おちんぽ…ぁんっいい! いいよぉっ……もっとぉっあんっ!」
隆は挿入をしながら、桜の乳首に吸い付いた。
「ひぁあんっ!! ふぁっ、おちんぽいいっ、ちくびいいっ、すごいっいいっ気持ちいいっ……あ゛っあんっきもちい、あんっ舐めながらゴリゴリ気持ちいいっあんっあっ」
最後の絶頂はすぐにやってきた。
「あ゛あっあんっいくっいくっ……! あっあっひあああ――――――っ!」
「んっ……」
桜が達したと同時に、隆も達した。
ひゅーひゅーっと肩で息をしている桜に、隆はキスをして言った。
「桜、愛しているよ。淫乱で、可愛くて、エッチなことが好きな、桜を愛しているよ」
そう隆が言うと、桜は満足そうに微笑み返して言った。
「……僕も、隆さんを愛してる……ん」
桜はやっとの思いでそう言うと、すっと気を失うように寝てしまった。
次のから、隆は毎晩、桜の元を訪れ、桜の躰を隅から隅まで調教をし直した。淫乱のままでいいが、ちょっとした修正もしたかったのだ。
すっかり隆好みの躰になった桜は、今日もまた嬌声を上げていた。
誰も来ない山奥、別荘の森の中――。
「ぁあんっあんっあんっいいの、いいのぉ! ふぅうっ淫乱なのっもっとぉっ!」
木にしがみついた桜が、隆にバックかアナルにペニスを入れられて喘いでいる。
「ほら、誰かに聞かれるよ、桜っ?」
「いいのっ見てっ……おちんぽっ入ってるのっ……奥、奥にっグリグリしてるっの、いいのっ見てっぁあんんっ!」
隆の趣味は青姦である。だからそれに桜が慣れるのに、山奥の別荘だが、自分の家の土地でセックスをしている。
桜はあっという間にそれに慣れ、見られているかもしれないという緊張感で興奮してしまう性格になった。
車の中で隆に言われれば、運転手が見ていようが平気で隆に跨がって喘いだし、ペニスを咥えて精液も飲む。車の中のセックスも好きになり、またに止まった車の中でしているのをホームレスや通りがかりの人に見られて興奮していた。
今もまた、誰もいない山奥だと思っていたが、山菜採りに来たおじさんが一人、その奥でこっちを覗きながらオナニーをしているのが桜の目に入った。
隆は気付いていない様子であるが、桜はそのおじさんに向かって言っていた。
「あ゛ああぁっ! いぐっいくっ、見られてっイっちゃうぅっ! あ゛へっ、おちんぽっでっ、いくのっ見てっ、イクから見てっ あ゛ーっだめっあ゛ひっあんっあっああああぁっ!」
桜はおじさんを見つめて、絶頂を迎えた。精液を地面に吐きだし、隆の精液をアナルの奥で受け止めながら、放尿までした。
「んふっ……あっんっ」
その奥でおじさんも達しているのに気付いて、満足そうに微笑んだ。それを見たおじさんが喉を鳴らしている。
二人は情事が済むとそこから別荘へと戻った。
情事の後を見たおじさんが、桜の精液や放尿した場所で、またオナニーを始めたことを桜は振り返って眺め、ニコリと笑った。
隆の知らないところで、桜は淫乱を通り越し、狂気の世界に足を踏み入れてしまっている。
いつか桜が狂気の世界に足を踏み入れ、隆以外の人間と平気で寝るようになってしまうのかは、隆の扱い一つにかかっていたのだった。
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