041-恋の特効薬
1
その研究室では、様々な薬を作っている。
匂いの元になるものや、健康食品のサプリメントと多岐にわたっている。その中で、サプリメントを作る部門に、堂林と伝川(つたがわ)は配属されていた。
ビタミンなどを錠剤にしているサプリメントには、当社オリジナルの味にしたりしている。
そんな中で堂林と伝川は、その味についてそれらしさを求められる研究をしていた。
「サプリメントって味がない方がそれっぽいよなあ」
伝川の言葉に堂林も頷く。
「なんというか、味があるとお菓子になってしまう気がするが……」
「いっそグミみたいなのでいいんじゃないか」
伝川の提案に、堂林はそのグミという形で、サプリメントを作ってみることにした。
お菓子のように食べやすいというコンセプトを立てて作りあげたものは、まさにグミだった。
伝川が好きなグレープ味にしてやったが、ちゃんとビタミン類の様々な種類が入っているものだ。
「へえ、見た目はグミだな」
「だろ? そういうコンセプトだからな」
「食べていいか?」
「ますは試食会に出す前に、試してみるしかない。そもそも不味かったら、商品にならないからな」
そう二人で話し合って、まずは伝川が食べてみる。
摘まんで口に入れ、モグモグと噛む。少し柔らかい気がしたが、それでも食べやすい。味もグレープの味だけが広がって、甘くて美味しい。
「美味しいっ!」
伝川はそう言ってもう一個頬張った。
それに釣られて堂林も一口食べる。
「お、本当だ。グミだけど固すぎなくて、ちょうどいい」
「だな。でも、美味しすぎて、これ一日一個じゃ……」
「確かに、二、三個ならあっという間に食べてしまうかもな」
一日一個~三個が目安のサプリメントである。お菓子のように美味しいとなると、食べ過ぎてしまう人も出てくるかもしれない。
「食べやすさを追求しすぎて、食べたくなる味を作ってしまったか」
堂林がそう言いながら、もう一個食べる。
「企画としては面白いが……食べ過ぎるという問題が課題だな……ん?」
意見を出しながら、堂林がもう一個食べてしまった、その隣で、伝川が、躰を押さえて震えている。
「どうし……た?」
そう言ったところ、伝川が顔を上げた。
「堂林……なんか、躰が……熱くて……なんかムズムズして……あっ」
伝川が躰を震わせて、上目遣いに眺めてくる。その瞳は潤んでいて、息も上がっている。
「……どうした……伝川……」
そう言っている堂林も、なんだか息が上がってきている自分に気付いた。
「なんだ……これは……」
躰が熱く、ムズムズと何かおかしな形になってきたと思った時だった。
急に研究内のアラームが鳴った。
ウィーウィーっと大きなサイレンがなり、廊下の隔壁が降りてきている。
「え……なんだ……」
躰も熱いし、ムズムズするし、それなのに研究所室内では、各階の隔壁がおり、さらには廊下も室内の鍵もロックがかかってしまう。
「なんだ? 何が」
そう慌てていると、アナウンスが流れる。
『研究所内に、研究室04号室より、MM66薬品が気化し散布されてしまいました。研究所内すべてを隔壁で封鎖いたしました。空気清浄がされるまで救護隊は入室できません。各研究室内の作業員は、そのまま待機。研究室内から出ないで下さい。……繰り返します……』
どうやら何かの薬品を撒いてしまい、それが気化して空気中に漂ってしまった。04号室から人が出てしまい、廊下にまでその薬品が出てしまったため、研究所内にいる人間を助けるために廊下の隔壁を下ろし、研究室から出ないようにロックが掛けられたということらしい。
「……これ……その薬品のせい?」
躰が熱くてどうしようもなくなってきた伝川がそう言った。
「わ、分からない……そもそも他の研究室で何をしてるのかも……」
堂林がそう言って、伝川を見ると、伝川が服を脱ぎだしたのである。
「ああ、我慢できないっ」
躰が熱くて、服を脱いでしまう。それは上着やズボンだけでなく、下着まで全て脱いで全裸になったのだ。
「つ、伝川……なにして」
「だって熱いんだもん、それになんだか、エッチな気分……あっん」
伝川はそう言って全裸になった自分の躰をクネクネと動かし、体中を弄っている。
すると堂林は気付いた。
伝川のペニスがすっかりと起っていることに。
「ああぁ……ふぁっ、あん……気持ちいいっ……んんっ」
伝川はそう言いながら、躰をさすっていたが、自分のペニスが勃起していることに気付いて、手を伸ばして自分のペニスを掴んだ
「はぁっ……ヤ、だ、ちんぽ、なんでっ……あっあっオナニーっしちゃうっあっあっ止まんないっ……きもちっいいっあっん!」
伝川はペニスを掴んだとたん、それを扱き始め、オナニーを始めた。勃起したペニスからは、本当に気持ちがいいのか、先走りがもう出始めている。それが手に平に伝わり、ニチュニチュッと大きな音を立てている。
「あぁんっ……ちくび、もっやだぁっ……起ってる……摘まんで……あっ、あっ……いいっ……ちくびっ……あっあっあっいいっんっあっ!」
伝川は立ったまま、堂林に見せつけるように、ペニスを扱き、乳首を摘まみ上げながらオナニーを見せつけてくる。
そのエロさと言ったら異常だった。
堂林は言葉を失って、止めることもできなかった。
「ひゃっあぁんっ! あひっあんっあぁっああっあっあっ」
こんな異常な事態は、絶対に先の薬品のせいであるはずだ。だから異常な行動を取っている伝川を止めてやらなければ、ならないのだが。そのエロさに目を奪われて止めることができないのだ。
エロくて美しい伝川の痴態が、堂林を同じ異常に導いていく。
「あっあんっ、んっやっ、やらっあんっ……っみてるっああっみられてるっあっん」
堂林がゴクリと喉を鳴らした。
それは伝川の痴態が、想像以上に堂林の性欲を刺激しているからだ。
「あっあっ、やだぁっいっちゃうっ……でちゃうっはぁっ、あうぅんっんっふあぁっ……みられて……いっちゃっう……あっあっ堂林にっみられてっ……あっあっああんっだめっだめなのに……ああっん」
伝川も堂林に見られていることに恥ずかしさを感じてはいるが、痴態を止める行動はしない。一層激しくオナニーを見せつけ、そして絶頂を迎えた。
「あひっあんっあんあんあぁんっんっあぁーっ!」
射精した精液が、床に飛び散り、白い液体が堂林の足下まで飛んできた。二メートルは間が空いていたのだが、それほど勢いよく飛んだということだ。
達した伝川はその場に崩れるように座り込んだ。
伝川のペニスは痙攣するようにヒクヒクと震えているが、まだ半勃起をしている。
これで終わったと堂林は思ったのだが、寧ろ始まりにすぎなかった。
伝川がぐったりしていたのは、ほんの一分ほど。すっと視線を上げた先に、堂林の股間が見える。その股間は勃起しており、ズボンがパンパンに膨れあがっていた。
「堂林……おちんぽ起ってる……んふっちょうだい……っ」
伝川は素早く、堂林の股間に飛びつき、もの凄い手際の良さで、堂林のベルトをさっと外し、ズボンのボタンも外してファスナーを下ろし、下着もはぎ取るようにしてずらせた
「何をする! 伝川!」
堂林がそう言って怯んだ時には、足にはズボンと下着が中途半端に脱がされたことにより、軽い拘束された状態になっていた。
「や……めるんだ、伝川っああっ!」
伝川を止めようとしても、もう既に伝川は勃起している堂林の凶悪で大きなペニスを両手で握って、まさに口に含もうとしている。
「おちんぽ、舐めさせてっ! ああっ……美味しそう……んん、むふっ」
「う……ああっ!」
急に口内にペニスを咥え込まれ、その感触の良さに堂林はビクリと躰を震わせた。
「んっ、むぅっ、んっ、ぅんっ、んっ」
伝川は夢中になって堂林のペニスを咥えて、舐めて扱いている。ジュルジュルとたくさんの涎を付け、まるでキャンディーでも舐めているかのように美味しそうに微笑んでいる。
「はぁんっ……ん、ふぁあ……」
腰が抜けそうな感覚が襲ってきて、堂林は抵抗ができなかった。伝川のフェラチオは酷く上手く、男同士だからいいところが分かっているとばかりに、裏筋を舐めたり、亀頭や尿道まで舐めてくる。
「んっ、んっ……んふっ、すごい、むふっおっきぃ……、んんっおいしっんふ」
後ろにテーブルがあり、そこに押しつけられた堂林は逃げることができないまま、フェラチオによって追い上げられていく。
「……っ!」
もう射精がしたくなり、堂林は伝川の口の中に射精をして絶頂を迎えた。
「んんっ!? んっ、ぅんっ……」
「……ッ、ハァッ」
伝川はそれを口で受け止め、吐き出された精液を美味しそうにゴクゴクと飲んでいる。口の端に残っている精液まで舌で舐め取って、それもゴクリと喉をならして飲み込んでしまう。
「うふっ美味しい……堂林の精液、美味しい……んふっ」
「はぁっはぁっ……あ、ぁぅ……、はぁっ、この……淫乱が……」
堂林がそう言うと、伝川はニヤリとして言った。
2
「堂林っ……、ちくび、さわって……」
伝川は座り込んだままで、胸を上げ、堂林に見えるようにして誘った。
ピンクの乳首を片方を弄りながら、見せつけてくる伝川のエロい姿に、とうとう堂林の中の何かが音を立てて崩れた。
堂林は、伝川の側にしゃがみ、伝川を床に押し倒すと、その上に覆い被さった。
「淫乱っ……」
「はぁっ……ぁっ、ん、んっ……」
乱暴に吐き捨てられた言葉にも伝川は感じて躰をくねらせる。
「……男のくせに、エロい乳首しやがって……そんなに気持ちいいのか?」
そう言って堂林は伝川の乳首を指で摘まんで捏ねた。
「あッひあッらって、ああぁあッ、ふあっぁっ! あんッ! あんっ!」
伝川は両方の乳首を堂林に抓られたり、指で捏ねられたりしたのが気持ち良すぎて、躰をくねらせたり、跳ねたりさせた。
「こんなにすぐ、乳首もチ○ポも勃起させやがって、淫乱が。男なら誰でもいいなんて言わないだろうな?」
伝川のペニスはすっかり復活して勃起しており、先走りが止まらずに出て、ペニスがテカるほどであった。
「ちがっ……堂林っだからっ、あぁっぁっんんっいいっのっあんっ」
「俺にこんなことされたかったのかっ!」
そう言って堂林は伝川の乳首を舐めて噛んだ。
「ああぁんっ……あんっあんっあんっきもちっいいっああっ!」
「乳首だけで、イケ……っ」
堂林は伝川の乳首を噛んで引っ張り、摘まんだ乳首も引っ張った。
「あひっあ゛っもっいくっいっちゃうっあっちくびでっいぐっあっあぁあああぁあっ!!」
伝川は乳首を引っ張られて絶頂を迎える。
ぐったりとした伝川を堂林は俯せにして、尻を上げさせた。
「……あっいれるっおちんぽ……はいるっのっ……ああっああっ」
待っていたとばかりに伝川が尻を振る。伝川の躰が震えているのは、それを想像してのことだ。
堂林はそこらにあった、グミの元になった液状のドロリとした薬品を伝川の尻に掛けた。ただドロドロしている透明の液体で、舐めても甘いだけの、食べられる安全なものであるが、冷たさに伝川はひゃっと声を上げたとたんだった。
「……ふっふっ……くれてやるよ……お前の大好きな、このおちんぽをな……っ!」
堂林はそう言うと、伝川のアナルにいきなりペニスを突っ込んだ。
「あ゛あ゛ひっあ゛っまって、あ゛っあ゛――――――っ」
まだ拡張もいていないアナルであったが、割とすんなりとペニスが入っていく。
半分入ったところで、堂林は押しつけるようにして一気に根元まで入るくらいにペニスを押し込んだ。
「あ゛あぅっ……ひっああぁっおちんぽ……きたぁあっあっ」
「お前、アナニーしてるな、これはっ」
あまりにすんなりと入ってしまったので、堂林がそれを疑い、一旦ペニスを抜いてから、また奥まで一気に突っ込んで言った。
「あ゛っあひっあぁっ、してる……んあっしてたっ昨日も……してたっあんっ」
伝川はそう告白した。
どうやら伝川はバイだったらしい。しかも女は抱くのだが、男には抱かれる方なのだと言う。
「彼女……がっ……アナル……っいじるのっすきって……んっされてっあぁあっ」
「お前、彼女に調教されて、アナニーをするようになったのか? でも彼女とは別れないとな、お前、俺におちんぽ入れられて、ここをおま○こにされたしな」
「あぁっ…おれっ堂林にっおま○こにされちゃったっ…ぁあんっ……ぁあッあっあっああっケツま○こいいっああっ」
ジュブジュブと音を鳴らして、堂林のペニスが挿入を繰り返す。ジェル状のものに空気が混ざり激しい音が広がっている。
心なしか、遠くから同じような嬌声が聞こえてくるが、二人の耳にそんな音は入っていなかった。
「ひああっ、あっあんっ、だめっだめ……っ、あっああ~…いいっどうばやしっのおちんぽっいいっきもちいいっああっ」
「どれだけおちんぽ咥え込みたいんだよ…っぎちぎちじゃないかっ」
「あぁっひっあ゛っあ゛っ」
「今までどれだけ咥えこんできたか知らないが……」
「あぁっやぁっ、初めてなのっ、おちんぽっずぼずぼされたのっ、はじめてっあっ変になっちゃうっあっあッあんっおちんぽっすきっいぃぃっ!」
「初めてでこれかっ! くそ淫乱がっ!」
パンパンジュボジュボと音がなり響く。
伝川は喘ぎながらも素直に答えていた。
「あひっあうっひぃっ……あ゛っあ゛っだめっ、あっあんっ」
「何が駄目だ、気持ちいいんだろ……っ」
「んっあっ……い゛いっ……よすぎてっだめになっちゃうっ……あっひっああっああっ」
「おかしくなってるだろっもう既にっ」
「ああっ、んっ、堂林のっおちんぽっゆめっじゃないっあっ、あっ、ふあっ、あんっ……ずっとっほしかったっはぁっ、んっああぁっ」
「これからだってっ……お前が望めば……いつでもくれてやるっ!」
「あああぁんっ! だめっあっあぁあっ、やああっいくっいくっ……あああぁっ!」
堂林に追い上げられ、伝川は絶頂に達していた。同時に堂林も伝川の中で射精をし、中に擦りつけるようにしてペニスを揺すった後に、アナルからペニスを抜いた。
勢いよく抜けたペニスはまだ勃起したままの状態を保っている。
その堂林は肩で息をしながら、耳に入ったアナウンスを聞いた。
『現在、空気清浄の排出に手間が掛かっております。一時間ほどお待ちください。各研究室の皆様へ、廊下には出ないでください。ドアにはロックがされております。ロックが外れていても廊下には出ないでください。……繰り返します……現在、空気の清浄まで約一時間かかります……』
どうやら空気の清浄が上手く働いておらず、外からの救援はまだまだ時間がかかるというのが、今のところの外の社員からの連絡だ。
「まだまだ、終わらないってことか」
堂林がそう言って、絶頂で果てていた伝川を起こしてテーブルに俯せに載せると、今度は後ろから立ったままでの挿入を始めた。
「あぁんっ、あっひあっあっだめっ……あうっあっあっふっあっ」
この立ったまま後ろから突くのは、堂林の好きな体位だった。相手を征服している気分がして、興奮をするのだ。
「あっあっはげしっ……んっはぁっ、だめ、んっ、はげしっすぎるっあっあんっあぁああっ!」
一番の得意な体位なので、堂林の腰使いも一番激しいものになった。
「あ゛あっ、もっとゆっくり…っあっんんっんーっ」
「後ろから犯されて、ペニスから先走りを垂れ流して……俺のペニスをしっかり銜え込んで喜んでいるくせにっ」
「あっいっちゃっ……あっあっ、いっちゃうっ……どうばやしのっデカいおちんぽで、んっはぁっ、アナル、ごりごり犯されてっ……あっあんっ…いっちゃ、いくっ…あっあんっ! あぁああっ!」
伝川は堂林に突かれながら絶頂を迎え、精液を吐き出した。しかし、堂林は自分がイッていないので、続けざまに腰を使い続けている。
「ああぁっ! いってるっ……のにっあっあぁっ、んひぃっ、ああっしお、ふいちゃうっ……あっあんっあんっ!」
絶頂に次ぐ絶頂で、伝川は今度は透明な液体を突かれるたびに、ピューピューッとペニスから漏らしている。
「あうっあッあッあんっふっ……あっあああっ」
堂林は伝川の腕を掴んで躰を起こさせ、腕を引っ張りながら挿入を繰り返した。
「あっあんっ……もっ、そこやらぁっ! はぁっ、あッぅ、ぐりぐり、しないでっ、んっ、へんに……っ、へんになっちゃうっ!」
より深い挿入になり、伝川は躰を揺すられながらも首を振って、もうこの快楽に耐えられないと訴えた。
強烈な快楽は、人を困惑させる。怖くなるのだ。その先にいくことが。
それでも堂林は挿入を止めず、グリグリと奥まで犯しながら言った。
「はぁっ、出るっ、出すぞ……!」
「ひあああっ! あ゛っあ゛っうっひぃっあっあああっ……!」
ビューッと奥の方で、堂林のペニスが弾けた。
それまでに出た精液よりも更に多い精液が、奥の方に叩きつけられ、伝川はドライオーガズムを迎えた。
そんな伝川を、今度はテーブルに載せ、足を開いて堂林はまたペニスを挿入した。
「あっあっ……やらぁ…ぬいて、あぁっあっ、ぬい……んぁあっ!」
「始めたのはお前だ。だから許されるまで、終わりはしないっ」
堂林はそう言って、伝川を許さなかった。
「あああぁーっ! あひっ、あ゛っひああっあっあんっあんっ」
伝川は最後まで堂林に付き合わなければならなかった。
「はぁっ……はぁっ……」
行為が終わったのは、一時間後のことだった。
伝川は後半の殆どを嬌声しか上げられず、ただただ躰が疲れているのだけしか残ってなかった。
堂林は、その後、伝川の躰を綺麗にして、汚れた研究室内を掃除して回っていた。
そう、堂林は部屋の至る所で伝川を抱き、部屋を汚し回ったのだ。
『空気清浄が終わりました……救助班が研究室に到着するまで部屋を出ないで下さい。繰り返します、救助班が……』
やっと遅れていた空気清浄が終わり、部屋を出ることができるようになったのは、その日の業務終了時間であった。
一応大変だった薬品の流出はあったが、躰に影響がでないものであることが判明し、救護班に救出されて、外に出た研究員は皆、疲労困憊の状態であった。
しかし中で何があったのか、誰も語らなかった。
その代わり、翌日から研究所員たちの交際発覚が相次いたことは、外部の人間には驚きのところであったが、研究員たちは次々と結婚をしたり、カミングアウトをしてゲイであることを公表したりと、暫くは色恋沙汰で盛り上がっていた。
その関係者の堂林と伝川は、変わらず同じ研究室にいた。
「彼女と別れた」
伝川がそう堂林に言った。
「……何て言ってた?」
一応別れる原因を作った男であるから、堂林には聞く必要があった。
「つっちゃん、いい男を捕まえたのね! 負けないわ私も頑張るから応援してね!だって……」
「……お、おお、そ、そうか……」
どうやら彼女は自分の教えたテクで、伝川が堂林を捕まえたことを自分のことのように喜び、別れには賛同したのだという。
「俺……恋人だったのかなあ?」
ちょっとだけ不安になった伝川がそう言うと。
「まあ、彼女のお陰で俺と恋人になったんだから、その辺はなあなあでいいんじゃないか?」
そう堂林が言うと、伝川がパッと笑顔になった。
「うん、そうだね!」
二人は、今日から恋人通しになったのだった。
その原因を作った薬は、研究員によって封印(処分)され、やがて伝説の惚れ薬の噂となり、事実と虚構が混じって残っていくことになった。
感想
favorite
いいね
ありがとうございます!
選択式
萌えた!
面白かった
好き!
良かった
楽しかった!
送信
メッセージは
文字まで、同一IPアドレスからの送信は一日
回まで
ありがとうございます!