036-散った花

1

 深津は、その日コンビニのバイトの日だった。
 バイトを始めて約三か月。慣れない深夜のバイトであったが、それでも大学生にもなって、親の臑をかじっているだけでは駄目だと思ったのだ。
 親は学業が優先だといい、バイトを認めてくれなかったが、それでも親に強請るのも憚るような飲み代なとは自分で稼ぐことにしたのだ。
 そのお陰もあり、ちょっとしたことで金銭に困ることや、強制的な飲み会をパスするためにバイトを持ち出して逃げたりと、いろいろと便利なことが増えた。
 それでもバイトは大変で、一緒にシフトに入っているのは東南アジアの留学生などばかりで、深津は店長にそうした人達の面倒まで見るようにいわれていた。 この日はその留学生のバイトがシフトを上がり、深津も後は早朝までのバイトと交替を待つだけの残り三十分であった。
 珍しく人の出入りがなくなり、店は閑散としていた。
 暑い夏が終わり、秋がだんだんと深まってきたからか、店前で屯(たむろ)している学生たちの姿は完全に消え、その代わり深夜のよく分からない職業を持つ人達が店に来るようになり、日用品を買ったりしている。 近くの繁華街にも大きなコンビニがあるので、殆どの人はそっちへ行ってしまうという、立地条件が悪い場所であるが、それでもそれなりに収入があるようで、店は潰れていない。
 午前零時を過ぎると、人の姿は滅多になくなる。
 その代わりと言ってはなんだが、広すぎる駐車場にコンビニに用がないであろう車が数台止まって、朝まで違法駐車している。
 小さな山の麓であり、裏は小山である駐車場は、無駄に広かった。そのお陰で車で来る客が多い。ポツポツと客が訪れるが、大抵タバコや飲み物を買ってすぐに去っていく。
 その車の客は、そんなタバコや飲み物を買った後、駐車場で三十分は時間を潰しては去っていくということに、深津はバイトに入って二週間目に気付いた。
 そういう客の行動がだんだんと見えてくると、いろいろと分かってくることもある。
 駐車場で屯(たむろ)しているのは、大抵タバコや飲み物を一点だけ買う客だけなのだ。暫くして、その人達が、ある一台の車の運転手に毎回話しかけていることに気付いた。
 その一台の車は黒のワゴン車。ガラスにはスモークが貼ってあり中の運転手などは見えない。一点物を買った客は、買い物をしたその足でそのワゴンの窓をノックし、中から何かを受け取ってから、何かを渡している。
 たまに長時間話し込んでいる人もいるが、それでも十分もかかる人はいない。
 ワゴン車の人間はコンビニに用があるのではなく、その客の方に用があるようで、早朝までのバイトの話によると、朝の五時くらいまで駐車場に居座っているのだそうだ。かと言って、それは毎日ではなく、週に一回程度。深夜から午前五時までの数時間。
 さすがに怪しいので、注意をしたいところだが、店長に報告すると放っておけと言われたという。
 関わるとろくでもない恨みを買うだとか、駐車スペースは余ってるから一台くらい止まっていても問題はないだの、とにかく関わりたくないというのが店長の言葉の端々から感じたという。
 だから放っておいた方がいいと、早朝までのバイトの人は無視をすることにしたという。
 そのワゴン車は今日は来ている日だった。
 何が目的なんだろうと考え込んでいると。
「おはよーっす」
 早朝バイトがやってきた。
「おはよーっす」
 挨拶を返すと、バイトは手を上げてロッカーロームに入っていき、すぐに着替えをして出てきた。
「わりぃ、遅くなった」
「大丈夫だよ、まだ五分くらいあるから」 
「え、本当? 俺の時計、ちょうどなんだけどな」
 腕時計を見てバイトは首を傾げている。そのバイトの時計は確かに時間通りになっていた。だが、店の時計はまだ五分前だ。
「いやー、自転車のチェーンが外れてよ。暗闇で直してくる羽目になったんだよな。今まで一度も外れたことなかったのに」
 そう言いながら、バイトはレジに自分の認識番号を登録する。ここから早朝の荷物が配達されてくるまで、彼が一人で店に立っていることになる。普通は規定違反になってしまうのだが、幸い一人でも何とかなる客の入りという具合から、店長が人員削除をしたというのだ。
「レジ外れていいよ。もう四分くらいっしょ、着替えてタイムカード押す準備でもしてて。それに今日、人が少ないだろ?」
「ええ、零時を回ったらぱったりですよ」
「だよな。寒くなってるもんなぁ」
 そんな話をしてか深津はロッカールームに入った。タイムカードの時間は二分前。着替えをしていたら過ぎてしまう時間だ。
 制服から普段着に着替え、荷物を整頓して振り返ったら、時間は一分オーバー。
「よし、上がりっと」
 自分のタイムカードを押してから、元の位置にある壁に戻した。
「お疲れでした」
「おつかれー」
 たった五分程度だけ会話したバイトに挨拶をして、裏口からコンビニを出た。
 裏は従業員用の駐車スペースで、深津はそこに自転車を置いている。自転車で十分ほど行くと、深津の自宅であるマンションに辿り着く。
 駅から遠いのだが、自転車を使うとあっという間の距離で、マンションは一人暮らしには広く、安かった。広さと安さを取って、自転車通学を取ったのは、親の仕送りを気にしたからだ。
 リュックを背負い、手荷物を籠に入れて、いざペダルを漕ごうとした瞬間だった。
 あの黒のワゴン車に近づく人影があった。
(嫌なところに出くわせたな)
 心の中で嫌な予感を抱きながら、漕ぎ出すタイミングを逃す。
 黒のワゴン車に近づいた人は、助手席の窓ガラスを二回、コンコンと叩いた。すると、ワゴン車のウインドウが開き、その中の男が言った。
「どれ? 今日は葉っぱ、粉? 最新のBPもあるよ」
 すると近寄ってきた男が言った。
「粉。BPの新作は一本?」
「3m10で一本」
「じゃあそれも」
「三本ね」
 さっと男が札を出し、ワゴンの男がそれを受け取り小さな袋を男に渡した。
 深津はそれでやっと気付いた。
 男達は薬物の取り引きをしていたのだ。一本は一万円のことで、葉っぱは大麻、粉は覚醒剤。BPとは、最近流行っているセックスドラッグのことだ。
 そうした知識は、よくテレビやっていた操作番組で仕入れた知識であったが、本当に行われているのを見たことはなかった。
 これは見てはいけないものだったのだと気付いて、薬物を買った男が自分の車に乗り込んだところを見てから、深津は逃げるようにして、ペダルと扱いた。
 コンビニの裏から出るには、そのワゴンの近くを通っていかなければ車道に出られない。だから見てはいなかったという雰囲気を使って、裏から出て行ったのだったが、
相手には既に気付かれていた。
 ワゴンの後部座席のドアが横に開いたかと思ったら、そこから人が走り出てきたのだ。それは深津の側まで走ってきて、あっという間に深津に体当たりをして自転車ごと深津を地面に倒したのだ。
「……っ!!」
 いきなりのことで逃げることができず、深津はそのまま地面にたたきつけられた。受け身も取ることができずに地面に倒れると、すべての衝撃が体の中を走り抜ける。息もできないほどの痛みと衝撃が深津の体を襲い、無防備になったところで、ぶつかった男が深津を軽々と抱え上げた。
 すると、さっきまで止まっていたワゴン車と同じタイプの車が駐車場に入ってきて、男の側に横付けした。それと同時に後部座席が開いて、深津はあっという間にワゴンの中に連れ込まれた。
「……たっ!! 助けて!!」
 そう叫んだのだが、既にワゴンのドアは閉まっていて、声はその音でかき消された。
 外へ出ようとして動こうとした深津だが、中にいた男達にあっという間に押さえつけられた。男達は、深津の両腕を何かで縛り、床にある固定する金具で固定した。
「たすけて! 誰か!」
 必死に叫んだのだが、大きな音楽が鳴っていて、はっきり言って外まで聞こえているのかさえ怪しい。ズンズンとダンス音楽が鳴り、叫んでもその声がかき消される。
 深津は腕は床に固定をされて、自由にならない。足を振り上げたら、何かに当たったが、次の瞬間には足も両方とも一人ずつに押さえつけられた。
 車の中を始めてしっかりと見たのはその後で、車の中には男が三人、運転手や助手席の人間を加えたら五人は乗っていた。
「さっさとアレやれよ」
「どれにする? 即効性ならスプレー?」
「スプレーを使ってからチューブが楽だぜ」
「じゃ、まずスプレーな」
 男達は軽い口調で話し合い、深津が叫んでいる口に、小さなスプレーが付いたものを吹き掛けてきた。
「……ぐっごほっ」
 叫んだ後の口の中にスプレーをされ、息を吸った時にそれが入ってきたので深津は噎(む)せた。口の中には甘ったるい砂糖水のような味がして、それが一気に口内から喉の奥に通っていく。
 噎せている間に、男達が深津の服を切り裂いていく。シャツはナイフで一気に切られて、ズボンも下着ごと脱がされた。
「おお、可愛い乳首だな」
「ここにも塗ってやれ」
「お、いいな。舐めながらテンション上がっていくの楽しいんだよな」
 男達は口々にそう言いながら、チューブを出し、そこから出したモノを深津の乳首やペニス、さらにはアナルまでに塗ってきた。
 深津が抵抗しようとすると、男達は更にスプレーを使って深津の口に液体を拭きかける。
 深津は抵抗していたのだが、次第に体の変化を感じた。奥底から、熱い何かがわき上がってきて、思考回路を徐々に支配していく。
 深津の口は開いていたが叫び声が上がらず、荒い息が漏れてくる。
 まず乳首が熱くなった。そしてペニスが熱くなり、完全に起ち上がっている。ムズムズとした感覚が強くなり、どうしてもオナニーをしたくなって仕方がなかった。
「あっ……いやあ……あつい……でちゃう」
 勃起したペニスが射精をしたがっていることだけが頭の中を支配し始めて、深津はすっかり抵抗を忘れた。
 それはクスリを使われたから、そうなっているのであって本心ではない。だが、勃起した乳首やペニスが、強烈な刺激になって思考回路を狂わせている。
 男達がニヤニヤしながら、まず深津の乳首に触れた。
 塗り込んだモノを更に馴染ませるように乳輪を撫で、乳頭を指でゆっくりと撫でていく。
「……あっだめ……ちくび……だめぇっあっあっんぁっ」
 そう言いながらも深津は胸を差し出すように体が浮かび上がり、求めているように見えた。
 男達は深津の胸を掴むようにして人差し指で乳首を何度の往復して撫で回した。ぴんっと弾くように高速で乳首を弄られ、深津は自分でも信じられないほど甘い喘ぎ声を上げた。
「んあっああっひあーっ……ちくびっ、やだぁっ……あんっ、んっんーっ、んっあーっ」
「気持ちいいんだな。お前、可愛いな」
 乳首をまじまじと眺めながら、男達は深津の乳首を更に弄っていく。
「あ゛むりっだめっ、あんっあっあっあんっ」
 滑らかに動く指が乳首を更に勃起させ、完全に固くなった乳首を指で摘まんで乳を搾るように抓(つね)り上げた。
「お゛っああぁんっあひっ、あ゛っんっあぁんっ!!」
 男達が深津の乳首を捻り上げるのと同時に、深津はまだ何もされていないペニスから、精液を吹きだし射精をした。


2

 勢いよく出た精液が、弧を描いて飛び散り、深津の腹や足などを濡らした。その射精時間は長く、溜まっていた全てを吐き出したかのようだった。
 しかし乳首を強く摘ままれたままで、射精をし尽くしても、勃起は治まらない体が、さらなる快楽を求めてビクンビクッと跳ね上がる。
「いいね、エッチな体だ」
 男たちが満足したようにそれを眺め、一人が我慢できないとばかりに深津の乳首に齧りついた。
「ひあぁっ! んっ、あっひっそこぉっ……あっあっ!」
 男のざらついた舌で舐め上げられると、勃起して敏感になった乳首が壮絶な快楽を与えてくれた。
「はぁっあっん…やっあっあぁっ!!」
 背筋がゾッとするほどの快楽で、全身が敏感に反応している。びくびくっと痙攣した体が何度も跳ね上がる。
 男が吸い付いた乳首をキャンディーでも舐めるかのように舐め上げ、さらには歯で噛みつき引っ張る。
「っあっんはぁっ……あぁああーっ!」
 深津の口からはもう喘ぎ声しか漏れなかった。
 クスリの効果はどんどん上がる。スプレーの液体や塗り込まれた軟膏のようなモノは全て、BPと呼ばれていたセックスドラッグである。
「あっあっあぁっあんっ! ひっんっあんっふあっ……っ!!」
 深津が全身を震わせながら、乳首だけで二度目の絶頂を迎える。
 残っていないと思っていた精子が薄い色で勢いよく射精される。それでも勃起は治まらない。
「ああぅっ、んっ、んぁっ、ちくびぃ、だぁめぇっ……あぁっ!」
 深津が乳首で絶頂を迎えている間に、もう一人の男が深津のアナルにセックスドラッグを塗った指を突き入れた。
 乳首の快楽に夢中になっている深津はそれに気付いてなく、ただ乳首が気持ちがいいと声に出して喘いでいた。
「ふぁっ、ああっ……! ちくびぃっあぁっあんっあっ!」
 何度も痙攣しながら、乳首を吸い上げる舌や男の唇、そして歯で噛む具合がよく、嬌声が止まらない。乳首を噛んだままで乳頭を舐められ、深津はいつの間にか腰を揺らしていた。
「ひぁぁっ!! あぁっ、あんっ、ひぃあっ!」
 嬌声を上げる深津の前に、もう一人の男のペニスが突きつけられた。勃起した真っ黒なペニスは、深津が今まで見たことのあるペニスとは比べものにならないほど大きく凶悪だった。
「ほら、噛むなよ」
 男はそう言って、深津の顎を持ち、ペニスを深津の口に突き入れた。
 臭いはずのそれがその時の深津には気分が良かった。なので、深津はそれを舌で舐め、口で扱くようにして頭を振った。
「ゆっくり舌で舐めて、そう。上手いぞ」
 初めてのフェラチオだったわけだが、気分が良かったので、言われるがまま、男のペニスを頬張った。同じ男だから、何処をどうすれば気持ちいいのかは知っている。だからその通りに、ペニスの先端を舐め、咥えて扱き、舌で筋を舐める。
 その間も乳首を吸って舐めている男はいたし、アナルをどんどん拡張している男もいた。そのどれもが気持ちが良く、深津は襲われていることすら忘れ、自らその行為に溺れた。
 だって、その方が気持ちが良かったから。
「ぅんっ! ふぁんっ、んっ、んぅっ、んんーっ!」
 口からは涎が垂れ流しになったが、そんなのを気にせずにペニスを咥え続けると男が身を震わせた。
「んっんっ出すぞっ!! んん」
「ん、ぅんっ、んんーーっ!」
 深津の口の中で男のペニスが射精をした。それは大量の精液であり、喉で受け止めた深津は、むせ返りながらもそれを飲み込んだ。
「んっ……ふ……」
 飲みきれないほどの精液が口から溢れ出た。そしてそれを飲み込んだ後は、男が水を飲ませてくれた。
「ふむぅっ、んんっ、んっ」
 その水が命の水のように美味しく感じ、深津は男に水がもっと欲しいと強請るように、男の口の中に舌を入れて水を探った。
 その舌を男が舌で絡め取り、深いキスになる。息をするときに向きを変え、男もテンションが上がっているのか、そのキスに付き合ってくれる。
「んぶっ……ん゛っん゛っ……んんっ」
 合間合間に水が追加され、深津はすっかりキスの虜になった。
 舌を吸われたまま、乳首を舐められ続け、さらにはアナルに入った指がすっかり馴染んでしまうと、その三方の攻めで、深津はまた絶頂を迎える。
 その絶頂で弛緩した体を、アナルを拡張していた男が、凶悪なペニスを深津の中に一気に突き入れてきた。
「やっ……、あ゛ああぁ―――っ!」
 さっきまでそこまで感じていたわけではないアナルの内壁を、大きなペニスが一気に入ってきて、すぐに出て行き、また入ってくる感覚が壮絶な快楽を引き起こした。
「ああああーっ! ひあっ、あんっ、ああっ、あああんっ」
 男も我慢ができなかったのか、突き入れた瞬間から腰を強く振り、パンパンと音が鳴るほど腰を打ち付けてくる。
「あんっあっん、あぁ、あっ、んっ、硬い……っきもちい…… あっはぁんっ」
 何かを塗りつけているので、滑りが良く、初めてであるが、クスリのお陰で痛みは一切なかった。ただクスリのせいで快楽が何倍か増しになっていて、それが深津の頭の中を壊していく。
「あぁんっそこっいいっ……あ゛っあっあんっあんっあんっ!」
 男の腰使いにすっかり魅了され、深津も腰を思い存分振った。
「あ゛っ、あ゛っ……だめっ、ひっあ゛っあっあぁぁあっ」
 その間も乳首を吸っていた男は、乳首を手で弄りながら、深津の耳を舐めている。内壁は男のペニスで広げられ、奥まで遠慮なく突き入れられている。出し入れするピストンが速く、深津を追い上げていく。
「あ゛っあっあぁんっ! 奥までっ……あひっうっあ゛っあぁあっきもちっ……いいっ……いいっ!」
 脳天を突き抜けるような快楽が襲ってきて、深津はそれを気持ちがいいと覚えた。快楽の壮絶な波にすっかり呑まれたのだ。
「ひっああっ! んっ! あぅっやっいくっ、いっちゃうよぉっ! あっぃいっ…あっあっ!あっ!あぁあ――――――っ!!」
 乳首とアナルを犯され、最高の絶頂を迎えた。
 すっかり水と同じくらいの薄さになっている精液が吐き出され、深津の中には男の精液が吐き出された。
 痙攣しながら達した深津は、その吐き出された精液ですら、既に快楽になっていた。
「ひっ、あ゛っん゛おぉっ」
 射精ができないほどの絶頂で、オーガズムを迎えた。その絶頂の時間は長く、深津は打ち上げられた魚のように体を震わせていた。しかし、男達はそれで終わりではなかった。
 乳首に執着があった男が、今度は代わりにペニスをアナルに突き入れてきた。
「あぁっいいっいいっ……んっあ゛うっんっあっあぁーっ」
「おち○ぽ、気持ちいいって言ったらもっとしてやるよ」
「あ゛いっいいっ、んっあ゛っ……おち○ぽ……いいっ……あんっあんっあんっ……おち○ぽっいいっあああぁっ……っ」
 深津は全身で気持ちがいいといい、男を満足させた。
 突かれるたびに達しているのではないか、というほど、男が突き上げるごとに体を痙攣させる深津。男はそれを喜んで更に突き上げてくる。
「ひあっあ゛うっんっあ゛っお゛っあぁあっ! いくいくっいくぅうっ!!」
 その絶頂で深津は完全に壊れた。
 男のペニスが出て行き、深津のアナルから男の精液が吹き出てくる。その出て行く感覚もまた深津には心地よかった。だから、深津は終わりたくなかった。
「おち○ぽ、ちょうだい……」


「ビデオ撮れてる?」
「あー撮れてる撮れてる」
「すんごい、淫乱だな」
「おちんぽおちんぽとか言いまくり。エッチ好きなんだろうな」
「クスリ使ってるっていっても、最初の方だけだしな。効果あるの」
「一時間くらいだっけ、アレ」
「そう、だから後半は、ほぼあいつの気分だったわけだ」
「まだ腰振ってるし、素質あるんじゃね」
「あいつらの方が搾り取られてるからな」
 そう言ったのは、運転席と助手席で撮影を続けている二人。
 後ろのボックス内では、まだセックスが行われている。
 しかし、既に深津は拘束されていない。解かれたとたん、男を押し倒し、自分で男のペニスをアナルに入れて、自ら腰を振っていた。
「やっあぁっ、あんっ、ふぁっ、ん……はあんっ!」
 それにまだ付き合っているのは、乳首に執着があった男だ。
 下から突き上げられ、体を反らしながら自らも腰を左右に揺らしたりして、快楽をむさぼっている。
他の二人はすっかり搾り取られてしまい、ギブアップだと言って車から出ていっていた。
 だからいるのは、深津と乳首が好きな男だけであるが、二人になってから既に二時間は経っていた。
「あいつも大概絶倫だけど、いつも相手を壊して終わりなんだよな。だけど、今回はお似合い同士でいいんじゃね?」
「ほんと、三時間も平気でセックスで腰振れるってすげえわ」
感心した男たちを尻目に、深津と男はまだまだセックスを続け、終わった時には朝になっていた。


深津はその後、深津とセックスをしていた男の車に乗せられ、コンビニから深津の自宅まで戻った。
 深津はすっかりクスリも抜けていたが、全身が精子まみれで薄汚くなっていた。
 自宅に戻るのに躊躇した深津だったが、男が毛布を出して抱え上げて部屋まで運ばれた。
 玄関で下ろされたところで、男は何も言わずに帰ろうとした。
 しかし、出て行く男を深津は服を掴んで呼び止めた。
「……ねえ、まだ足りなくない?」
 全身が疲れているのだけれど、興奮は冷めやらない。
 男を家に入れたら、後戻りもできないことは分かっていた。
 それでも深津は男を呼び止めた。
 もう普通には戻れない。そう思ったからだ。
 男は驚いた顔をしたが、それでも出て行くことはなかった。


 今でもコンビニのバイトを深津は続けている。
 バイトや大学が休みの前日には、コンビニの駐車場で男達に犯されている。男達は深津を回して犯すが、深津はクスリを買って犯して貰っている。 今ではクスリと男達がいなければ、真面(まとも)な絶頂を迎えることができない。
 散々男達に犯して貰った後には、あの男とも会っている。
 深津のビデオが裏ビデオとして販売され、男達はそれを毎回、深津を犯すことで撮影を続け、利益を得ている。
 不毛な関係が続いているが、リスクだけではないこの関係が、深津には心地よい居場所になってしまった。

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