032-25時
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残業に続き残業。IT企業のプログラミングを担当していると、デスマーチという言葉が存在する。もう少しで出来上がらなければならない仕事を残業という言葉では甘い、泊まり込み状態で仕上げていくのだが、すべてが完成するまで、通路で人が死んでるような状態になる。
労働基準法にもちろん違反しているが、こうしないと仕事が仕上がらない。
深夜近くに仕事が上がり、やっと三ヶ月かかった大きな仕事が完成をした。
「終わった!」
データを保存し、コピーしたものを封筒に入れ、上司に渡したところで、作業をしていた数人のプログラマーが荷物を持って立ち上がる。
「飲むぞ!」
「いつものところ、予約できました!」
「行くぞ!」
いつものことで打ち上げという名の飲み会が開催されるのだが、その中で一番過酷だった部門のプログラムをした北森は、そんなことをやってる場合じゃないと、眠い体を引き摺って部屋を出た。
「おい、北森、寝るのか?」
「おおー、もう無理、徹夜二日目」
「分かった。明日は休みだし、寝てから帰れよ。危ないし」
夜勤室という名の寝室は、部屋から遠いため、普段雑魚寝している職場の部屋からは離れたところにある。普通は夜勤の人間が使うのだが、ほとんどの部署で締め切りが終わっていたため、夜勤の人間は一人もいなかった。
北森が夜勤室の一つのドアを開けて入り、二つあるベッドの近くに鞄を置いてからバタリと倒れてそのまま寝た。
とにかく眠いのだ。
そのまま北森は眠りにつく。
二日の徹夜は、思った以上に北森を疲弊させていたようで、物音が鳴ろうが、人が入ってこようが、ピクリともしなかった。
その北森は、夜勤室に鍵をかけ忘れた。基本的に鍵はかけるようにと言われているのだが、北森には疲れのあまりそれができていなかった。
北森が眠って三十分ほどして、芦原という人間が部屋に入ってきた。
「北森……か?」
寝ている人間に気付いて近づくと、寝ているのは隣の課のプログラマー北森だった。
芦原は営業で、北森たちがその仕事を実際に作っていくのだが、北森は気が強くて、時折、営業が無理矢理取ってくる仕事に文句を言いに来るほどの気の強さで、言い合いになると芦原も負ける。
辞めるプログラマーは大抵、営業が詰め込んだ仕事のせいで、辞めていくのだから、北森が怒るのは当然で、実際無理に詰め込んだ仕事の完成が二ヶ月遅れたことだってある。
そうしたやれもしないことをやれるように嘘八百で仕事を取るのは詐欺のやることだと言われて、芦原はぐうの音もでなかった。
そんな事件があった後、営業の出来もしない仕事を取ってくることが問題になり、課長の首が飛んだり、さらには部長や副社長の問題にまで発展した。
営業先からは、この会社のプログラムを使っていて大きなトラブルになったことはないので、ちゃんと実績があるのだから、無理にプログラマーを放出するような仕事の取り方はやめた方がいいと諭されたことだってある。
実際に北森達のお陰で大きな問題に発展する前に、営業のあり方を見直す結果になった。北森はそれに貢献したのは、話を聞いてくれた芦原のお陰だと言ってくれたため、芦原は課長に昇進した。
芦原にすれば、北森と喧嘩をしていたら昇進したような感覚で気持ちが悪かったのだが、北森が褒めていたと言った言葉は素直に嬉しかった。
それから北森がボロボロになりながらも仕事をしている姿を見ると、なるべく負担をかけないようにしたかったし、プログラマーも増やしてやる気になった。
そのお陰で仕事は減ったが、業績と実績は上がり、社長は大喜びである。
だがその後問題が生じた。
芦原が偶然、トイレの中で聞いたことだったのだが、プログラムの専門たちから、北森は早々に引き抜かれるだろうという話だった。
「あいつマジですごいからな」
「ムカツクけど、コードは綺麗だし、間違いはないし……正直一緒に仕事していて嫉妬しか生まれないから、早く大手に引き抜かれてほしい」
「だよなー」
という話である。
こういう話が出るということは、北森に引き抜きの話が来ているということである。こういう話はいつの間にか広まっている。
それに芦原は腹が立った。
会社のためにとあんなに必死だった北森が、自分のためのスキルアップを狙っているなんてことが、認められなかった。
冷静に考えれば、北森のためにスキルアップは必要であると思えたのだが、あの事件後の貢献からの流れで、北森は会社の仲間だという意識が芽生えていただけにショックだったのだ。
芦原、部屋に鍵をかけると、荷物を置き、北森のベッドに座る。
ギシリとベッドが軋むのだが、北森は起きない。
芦原は荷物の中から錠剤を取りだし、それを一錠取り出した。
ペットボトルの水を口に含んでから、俯せになっている北森を起こして、仰向けにすると、口の中に一錠突っ込んだ。
北森は口の中に異物が入り混んできたのを少し嫌がったが、芦原がそのまま口づけをするようにすると、入り込んできた水が欲しかったのか、勢いよくその水を飲んだ。錠剤は一気に飲み込まれていった。
だが、北森は芦原の口から離れようとはしないで、水を求めて芦原の口の中を舌で舐め取ってくる。
ジュルジュルと涎まみれになりながら、キスを迫っているような感覚に芦原は少し戸惑った。
ちょっと困らせてやろうと思っていたのに、寝ている北森に反撃を食らった。
水を足してからまた口づけをすると、北森はごくごくと勢いよく水を飲んで、また芦原の口腔を舌で舐め取ってくる。その舌に芦原が舌を絡ませてから逆に舌を吸ってやると、北森の体がビクリと跳ねた。
「ふ……んっ!」
水を飲むということよりも、北森はキスをしてもらうことに嬉しくなったのか、キスをせがむように口を開いて芦原の舌を受け入れている。
「んふ……ふっふ……んふふ」
北森にキスをし続けていると、北森のペニスが半起ちしているのに気付いた。
「あ……ん」
ズボンの上からペニスを擦ってやると、北森が甘い声を上げた。
思った以上の甘い声で、芦原のペニスが勃起しかかっていた。腰に抜ける声といっていいか。想像外のことで、芦原はさっきまで怒っていたことなんて、どうでもいいと思いだした。
そんなことより、北森を抱きたい。
さっき北森に盛ったのは眠剤で、それを飲んでいると効いている間に目を覚ましても、次の寝て起きたら記憶が消えていることがあるという眠剤だ。
少しの記憶障害を起こすようなもので、通常は道ばたで売人が売っているものを手にするしかないが、芦原は昔、睡眠障害でもらったものを常備していたのだ。
芦原は寝ている北森の服を脱がしていき、全裸にした。
思った以上に綺麗な体で、仕事の他にジムにも通っているのが分かる。筋肉がしっかりと付いていて、そのしなやかな体に芦原は跨がって、北森の体を舐め回した。
首筋からキスマークを残さないようにキスをしていき、胸を何周も舐めてから乳首に達する。乳房をゆるゆると舐めてから、勃起した乳首を舌で転がした。
「んふっあっん……あっんふっ」
北森の息が漏れるたびに、甘い声が聞こえてきて、芦原は夢中で北森の乳首を吸った。
北森のペニスがすっかり起ち上がり、先走りをこぼし始めると、芦原は自分の腹を当てて、わざと腹で北森のペニスを擦ってやった。
すると北森は自分でペニスを当てるために腰を上げ、芦原の腹に擦りつけてくるではないか。
2
「んあっんふっあっあんっあっ……んんっ」
芦原は北森の乳首の片方を口で吸って、片方を指でいじってやった。北森は腰を振り続け、そのまま達した。
ビシャリと精液を吐き出し、北森の体が弛緩する。
芦原はそこでやっと乳首から口を離し、北森が吐き出した精液を指に塗りつけてから、北森のアナルに手を伸ばした。
閉じている足を開いて、指をアナルにゆっくりと入れていく。
「んん……はあぁ……」
北森が息を吐いて、指が入ってくるのを迎え入れている。
これは、もしかしなくても北森はアナルの経験があるのではないかと、芦原は思った。それで乳首も弱いし、自分で腰も振っていた。寝ぼけている、もしくは寝ていてこの反応はおかしいから、北森はセックスをしている夢を見ているのではないか。という予想がついた。
それなら少しくらい乱暴にしても起きはしないだろう。
「んあっ……あっん……あっ……ああっ……んんっ……あっ」
北森のアナルを広げる目的でアナルを弄り始めると、北森の息が荒くなる。どうやら気持ちがいいのか、何度も体を震わせている。
「ふっ……あっん……あっ……あっ……」
そこまでやっていて、初めて北森が目を覚ましたように、うっすらと目を開けている。
「……あっん……なに……あっ」
うっすらと目を開けているが、頭が回ってない。芦原は慌ててながらも、アナルを弄る手を止めはしなかった。ちょうどいい感じに柔らかくなってきていた。
北森の頭が回る前に、乳首を同時に弄ってやると、北森が嬌声を上げて体を反らした。
「んぁっあっ……だめっ……あぁっ……ああぁっ」
北森はシーツを握り、自分からゆっくりと俯せになり、腰を高く上げ始めた。もっとやって欲しいとばかりに、腰だけ芦原に突き出してアナルを見せてくる。
芦原は北森の耳を舐めてやると、北森はビクンと体を震わせて乱れる。
「ああっ……ゆめ……なの……ああっ……きもち……いい……んぁっ」
どうやら北森は夢の中でセックスをしていると認識し始めたようだった。夢なら好きなようにできるとでも思っているのか、それとも夢なら楽しもうと思っているのか、芦原の動きに合わせて、北森は従うようだった。
眠剤はいい形で効いているようで、芦原はなるべく北森の顔を見ないようにした。下手に記憶が残っては後で困りそうだった。
いい体勢になったので、芦原は北森のアナルにペニスを挿入し始めた。
「あ……んっ……おっきい……の……あぁん……すごい……ああぁあっ」
あまりにも大きな芦原のペニスに動揺したかのように、北森の腰が逃げそうなのを芦原が腰を掴んで押さえつける。
「だめ……おっきいの、ああぁっ……お○んちん……おっきいの……ああ」
夢の中だからなのか、北森の言葉がだんだんと幼い感じになってきている。普通ペニスをお○んちんなんて言わないだろうに、言わされたことがあるのか、それとも頭の中なので好きに言っているだけなのか、それは分からないが、どうにも卑猥に聞こえてしかたなかった。
「んあぁっ……はぁはぁはいっちゃった……お○んちんはいっちゃった……あぁあっ」
「……半分しか入ってないぞ……」
ちょうど芦原のペニスの大きくなっているところが引っかかっていて、なかなか押し入るのも難しい。さすがに慣らしたとはいえ、慣らしたりなかったようだった。
「うそ……半分、お○んちんおきいぃ……あぁああっ……こわれちゃう……」
北森はゾクゾクッとしたように体を震わせ、ペニスが入っているだけではないと知って、期待と妄想が酷くなっているようだった。
早く全部入れて欲しいと思っているようで、それでいてそれは後の楽しみにしておきたいというように、腰を振っている。
半分入ったペニスが北森の動きで少し出たり入ったりをしている。ニチュニチュと音が鳴り、内壁が汁を出しているらしい。
それを芦原は黙って見ていた。
物足りないと北森が体を揺らしているが、それでも芦原が動こうとしないので、北森はとうとう言ってしまう。
「……おっきぃお○んちんで……ここ突いて……」
北森はそう言って自分でお尻を広げ、何度も芦原のペニスを銜え込むように内壁で締め付けた。
「ああぁあっ! ……んぁはっ! ああっ!んああっ!あああぁあっ!」
期待に応えるように芦原が北森の言う通りに腰を使い出すと、北森は嬌声を上げた。
気持ちよくて仕方ないと頭を振り、芦原の腰の動きに翻弄される。体をガクガクと揺らされ、アナルは命一杯開かれて芦原のペニスを受け入れる。挿入が速くなると、北森はただただ喘いだ。
「あっあっあっ……んぁあっ……ああっ! んあぁっ! ああっ! んぁっ!」
パンパンと辺りに響いていたし、北森の声が漏れていたのだが、誰も来ないところを見ると、仮眠室で寝ようとしたのは、北森と芦原の二人だけだったようだ。
「んあぁっ……はぁあっ……いい……んはっいいっ……お○んちん……いいっ」
「そんなに好きならもっとくれてやるよ」
そう芦原は言うと、まだ入っていない部分まで強引にペニスを押し込んだ。
「……ひぃい――――――っ」
押し開かれ入ってきたペニスが奥の奥まで押し広げてくるのを感じて、北森は悲鳴を上げた。そこまで誰も入り込んだことはなかった場所をカリが広げている。
「んはあっ……あああっ!」
一気に入り込んだペニスがズルリと抜ける。そしてまた押し入ってくるのを北森は体全体で受け入れた。
あまりの感覚に北森の体が崩れそうになるのを芦原は腰を掴んで起こす。膝起ちした状態で下から突きながら芦原は北森の乳首に手を伸ばした。
「いやっん……あっああっ……ちくび……だめっあぁああっ! いくっいくぅう!」
芦原が北森の乳首を指で摘まんで捏ねながら引っ張ると、北森の体がガクリとしてガクガクッと震えると、北森のペニスから精液が大量に吹き出した。
ビシャリとシーツを派手に濡らしたが、それでも芦原が乳首を掴んだままで、腰を振り続ける。
「ひぅぅあああっ! ああっ!ひあっ! ああっ!あっ!あああっ!」
北森はそのまま前に倒れてしまうが、芦原は腰を掴んで強引に腰を動かし続ける。
「ひぁあっ! ……いってるっいってるのっ……ああぁっ! ひあぁあっ!」
どうやら射精をした後まで突かれるのは初めてらしく、北森が動揺していた。だが、すぐにペニスが勃起してしまい、また射精をしてしまう。
「あぁ――――――っ! ひぁ――――――っ!」
完全に達しているのに、それでも芦原が突くものだから、北森はとうとう音を上げる。
「もうや……あっああっ! お○んちんこわい……ひっく……うあぁあっ!」
絶頂に無理矢理二回も達して、それでもまだ感じてしまうことに北森は怖くなったらしい。泣きが入り、芦原は仕方がないとばかりに我慢していた射精を奥の奥まで突っ込んでからした。
「……ああぁああ――――――っ!」
奥まで入り込んでいく精液の感触で、北森がとうとうドライオーガズムを迎える。精液が出ない絶頂は全身を痙攣させ、それが脳天まで突き抜ける快楽という、今まで感じたことさえない感覚が続く。
芦原は射精をしてしまうと、ゆっくりと北森のアナルからペニスを抜いた。ガクリと北森の腰が崩れ、開かれた足の間から、アナルから溢れ出た芦原の精液が溢れ出ている。
「……あ……う……」
その出て行く精液の感覚さえ、北森には快楽の絶頂になり、ガクンガクンと体を振るわせた。
絶頂に達した後、北森は満足したかのように気絶するように眠ってしまう。ただでさえ二日徹夜の上、クスリを使われた状態で無理に起こされていたようなものだから、気を抜いたら寝るに決まっている。
芦原は、そこでやっと。
「しまった……」
と思った。
翌日の朝に北森が目を覚ますと、体がいつもより疲れている気がして、ため息を漏らして起きた。
なんとなく、座った時にアナルの様子がおかしいような気がして首をかしげる。夢の中で散々セックスをしている気がしたのだが、自分で触ったのかと疑うほどである。
ベッドを見ると汚してはいないようで、ほっとする。
とにかく、服を着たまま寝てしまい、服がよれてしまっていた。
「……くそ」
そう思って服を触ると、ワイシャツのボタンが一個ずつずれていることに気付いた。
「あ、マジかよ……」
一日中これでいたのかと、慌ててワイシャツのボタンを元に戻し、ベッドから立ち上がった。ベッドのシーツを剥がし、布団のシーツも剥がしてそれを持って部屋を出た。そして廊下のワゴンの中にシーツを入れる。
すると隣の部屋から芦原が出てきた。
「……芦原……」
「おはよう、お前も泊まったのか」
芦原はそう言ってシーツをワゴンに入れている。
「まあ、昨日デスマーチだったし」
「じゃあ、これから飯か? ちょうどそこの店の朝食ランチの食券をもらったんだが、一枚どうだ?」
芦原がそう言って食券を一枚出すと、北森はそれに飛びついた。
「いる! すっげー腹減ってるから」
「よし、じゃいくぞ」
芦原は先を歩き出し、それに北森が続いた。
そこで、北森は少しだけ夢の内容を思い出す。
大きなペニスをした芦原が、夢の中のセックスの相手だったことを。
その瞬間、アナルがキュッとし、内壁がそのペニスを欲しがっていることに気付いた。
「どうした?」
北森の足が止まったのを気にした芦原が振り返った。それに北森は真っ赤な顔をしてから言った。
「なんでもない! 飯に行くぞ!」
北森は芦原を追い越して、先に夜勤室を出た。
とてもじゃないが、夢の内容なんて言えない。けれど、もし芦原がいいと言うなら、一度くらいセックスをしたい相手として、北森は芦原を意識するようになった。
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