029-理性ゼロ
1
飲み会の席は、馬鹿みたいに盛り上がっていた。
会社の飲み会は、様々な課の飲みたいヤツを集める企画で始まった飲み会で、これで三回目の開催だ。忘年会ごときでは足りない、もっと飲み仲間が欲しいという人間しか集まっていないため、酒豪や酔いつぶれても平気な人間しかきていなかった。
男女混合の飲み会なので、合コン目的で来る人間もいるが、こういうところに来る女性の飲んべえは、それはそれは酒豪ばかりだった。
飲みつぶして得意がる女性、それを面白がっている男性と質が悪いとしか言えない飲み会ではあるが、由理は酔うのが好きで何度も参加していた。
ただ馬鹿みたいに飲みたい時も多く、三回参加をしても由理は女性には誘ってもらえないでいた。
この飲み会でカップルになる人間も多くいるのだが、由理だけは女性に相手にされない。
それもそのはずで、由理はゲイであることを公言していた。
それで女性は味方の方になり、男性が由理を警戒する羽目になっているわけだ。そんな由理を参加させているのは、幹事の森下の仕業だった。
由理は飲み会の女性を集めるのが何故か得意で、さらにはカップルにならないで揉めそうなときはさっと仲裁に入ってくれるので、女性には頼りにされていた。男性達は由理がいないとこの飲み会が成立しないことを知っているので、由理には逆らえないというわけだ。
そんな由理は大人しく飲んでいるだけで、別に男性社員を狙っているわけではない。
馬鹿みたいに飲む人たちを尻目に、由理は一人つまらなそうに飲んでいる人を見つけた。
たしか名前は芳川と言った。営業部のエースと言われる出世組で、来月には営業課長になるらしい。そんな人が飲み会にくるのは珍しいのだが、普段なら男性にならとりあえず群がる女性達が、誰も彼を気にしていないことに気付いた。
由理はそんな芳川の隣に座って話しかけた。
「飲んでますか?」
そう由理が話しかけると、芳川はにっこりとして由理に言った。
「あの人達ほどじゃないけど、普通に飲んでいるよ」
そう言って見た先には、ジョッキを三杯を一気している馬鹿なカップルがいる。恋人同士で張り合って飲み合っているらしいが、一気は禁止なので周りが止めている。
「よかった。何か楽しそうじゃないから、大丈夫かなと思って」
由理がそう言うと、芳川は笑う。
「こういう酒豪の会というのは初めてで勝手が分からないだけだよ」
「確かに初めて参加すれば、大抵の人は引きますね」
芳川の感想に由理は仕方ないと納得する。
「そういう君も飲んでないようだけれど」
そう言われて由理は驚く。確かに今日はあまり飲んではいない。いつも最後にトラブルがあるので、それに備えているのだが、まさか芳川に見られているとは思わなかった。
「僕は、ちょっと調整役なんで、あまり飲むわけにもいかなくて」
「そうなの? そんな調整役なんて毎回引き受けてるわけ? お人好しだなぁ」
そう言われて少しだけ由理は傷つく。確かにこんな場の調整役なんて、幹事がするものだ。それをそのためだけに呼ばれるような関係になってしまっている。
「君だって好きなだけ飲みたいだろうに」
「まあ、あ、自己紹介がまだでした。経理課の由理です」
「俺は営業課長になったばかりの芳川です」
「その年でさっそく課長なんてすごい」
芳川は大学を卒業してまだ三年目だ。営業成績は初年度からトップ。お客様の評判の良さから、契約は増え、会社の未来も変えたと言われる。順調に出世をしているようであるが、その芳川より年上の由理は、うらやましいと思うのと反面、出世欲がない経理課であるので、価値観が違った。
小さな会社でこれだけの成績を上げ続ければ、いずれ部長になり、副社長あたりまではいけそうである。だが、その前にヘッドハンティングされて大手に行ってしまうのだろうなと由理は思っていた。
芳川は由理の言葉に謙遜してみせていたが、態度からして社長まで上るつもりがありそうなほどの自信家に見えた。
「まだまだこれからですよ。どうぞ由理さん」
「あ、すみません」
どんどん飲もうと芳川が酒を持ってくる。だがそれが日本酒だったことが由理のその後の思考を奪っていく。
普段ビールなどを飲んでいるところに日本酒はかなりきつかったのだが、由理はそのお猪口の小ささに騙され、どんどん接がれるままに飲み干してしまった。
当然その接いでいる芳川も同じくらい飲んでいるが、酔ってしまうのは由理だけである。
「あー、ちょっとトイレに」
「じゃ、俺も」
由理がトイレに立とうとすると、芳川も一緒に行くという。ちょっと気まずいのだが、仕方なくトイレに立った。
幸いトイレは大手チェーン店らしく大きく、四人ほど入ることができる。だが個室は案の定、酔って吐いている人間で埋まっているようだった。
「……」
なんと言っていいか分からない、二人は用を済ませたのだが、その埋まっている個室から明らかに吐いているものとは違う声が聞こえだしたのだ。
「あっ! んっ! あぁあっ!」
と嬌声が聞こえ、個室の中ががたがたと音を立てている。
「あぁっ! んっ! んぁあっ!」
「しーっ声、大きいって」
「だってぇ、お○んちん、気持ちいいんだもん……」
どうやらやっているのは男同士だったらしい。なんだってこんなところで始めるのか。ホテルにでも行けばいいものをと芳川が思っていると、由理の様子がおかしい。
真っ赤な顔をして、もぞもぞしている。
それで芳川はピンときた。
由理のズボンが少し膨らんでいるではないか。個室で盛っている二人に反応してしまったのだろう。
「由理さん……もしかしてゲイ?」
由理の後ろから、由理の耳元で芳川が言った。
「……ひっ、び、びっくりした」
由理は飛び上がるほど驚いてしまったのだが、そういう場合ではない。
芳川は由理の手を引くと、返事を聞く前にトイレから出た。そして突き当たりにある関係者以外立ち入り禁止と書いてある非常口を抜けて、非常階段に出た。
非常階段は、建物の内部にある形で、どうやらこのビルに入って営業している店の従業員達が出入りする階段として使われているらしい。その階段を一階上に上ってから芳川の手を由理は振りほどいた。
「よ、芳川さん……なんなんですか……はぁはぁ」
二人は向き合った状態になったのだが、芳川は由理を壁側に押しつけた。
「何って、あれ聞いて勃起してる人に言われたくないけど?」
そう言われ、由理のズボンの前を芳川が手で押さえ、そして撫でたのだ。
「あっ……」
少し前屈みになる由理を芳川は支えてやりながらも、勃起した由理のペニスを擦るように撫で上げていく。
「ん……ああっ……だめ……芳川さん……あっ」
普段、誰かに触られることがないところを触られ、由理は腰が引けながらも気持ちよくてどうしていいのか分からなかった。抵抗して芳川の手を剥がそうとするも、気持ちよくて逆に押しつけている形になってしまう。
「ズボンにシミができちゃうね」
芳川はそう言うと、由理のペニスをズボンの中からさっと出してしまう。
「えっ! あっ! だめぇっ! あああぁあっ!」
小さなペニスがポロリとズボンから出てきて、それを芳川がさっと素手で握ってしまう。そして先走りを撫でつけるようにして扱き始める。
「芳川……さん……あっん……だめっん、なんで……あぁっ」
芳川はそう由理に問われて正直に言った。
「ずっと君に目を付けていたんだ……可愛いね由理さん、あんな嬌声くらいで、お○んちんビンビンになってて、知り合ったばかりの男の手でお○んちん扱かれてるのに、気持ちよくてどうしようもなくなってて」
由理の耳元で芳川が息を弾ませて言った。
卑猥な言葉と最初から狙っていただの、由理目当てだったと言われて、由理は戸惑ったが、それでも芳川のようなイケメンでできる男がゲイである由理に興味を持ってくれたことは、素直に嬉しかった。
そして男のペニスを何の躊躇もなく掴む芳川は、たぶんゲイだ。
「いやぁああっんっ……だめっ……ああぁ……だめなのっあぁっあっあっあっ」
「駄目じゃない。これはいいっていうんだ。ああ可愛いね由理」
芳川は由理のペニスを扱きあげながら、耳元で囁く。そして耳を舐め、首筋にキスを落としていく。完全に盛った男になった芳川は、見た目の真面目さからは想像できないほど卑猥な言葉を口にした。
「だめっんぁっ……ひあっ! あっ! あっ! んぁっ!」
芳川は由理のズボンのボタンを外した。脱げたズボンが膝まで下がり、それが足かせのようになり、由理は逃げられない。
「あっあっあっあぁあああっっ!」
とうとう由理は芳川の手で達した。
勢いよく精液が飛び、階段を濡らした。
「はぁはぁはぁ……」
涙目で呆然とする由理に、芳川はキスをして、下の下着も脱がしていく。それが脱げると、キスをしたままで由理のワイシャツも脱がし始める。
「あ、うそ……んんん」
キスの合間に由理が慌てるのだが、ワイシャツを脱がしたところで、シャツをまくり上げた芳川は、由理の乳首を弄り出す。
「あっ……んんっ……乳首、はぁあっ」
芳川が指で乳首を掴み、それをこね始める。グリグリと強めに摘まみ上げる。
「あっんっ! あっあっ……んっ」
「気持ちいいのか。だよな。強めが好きなのは、チクニーしてるからだな」
「……いやっ言わないで……あっ!」
「乳首いじって、好きって言ってみろ。そうしたら舐めてやる。この舌で」
芳川はそう言い、由理の首筋に沿って顎までを舌でべろっと舐めて見せた。ザラリとした舌の感触に、由理は自分が舐められている感覚に陥る。
あの舌で乳首を舐られたらきっと最高に気持ちがよくなるだろう。そう想像は付いた。
「……あっ……乳首……」
芳川が乳首を押しつぶしてくると、由理の萎えたはずのペニスがゆっくりと持ち上がる。
「……はぁはぁ……乳首好き……好きっ! 舐めてっ! 芳川さんの舌でいやらしく僕の乳首を嬲って!」
その言葉を吐いた通りに芳川が待ってましたとばかりに由理の乳首に吸い付き、舌で思いっきり嬲ってやった。
その舌触りに強烈な快感が下半身を突き抜けた。
「あっひっあっん! はぁっ! あっあっひっあぁっ!」
自分で乳首を弄ってもせいぜい指で嬲るだけが精一杯だ。だから舌で嬲られるのは初めてで、それだけで腰が抜けそうなほど気持ちが良かった。由理は芳川の舌であり得ないほど乳首で感じた。
芳川は執拗に由理の乳首を舐め、舌で転がしてさらには口で吸った。最後には歯で噛みつき、そのまま引っ張っては舌先で乳首を舐めてやった。
「あっあぁあっあっひあぁっあっあっんぁっあぁっ」
そうしながら、芳川は指を由理のアナルに突き入れた。
2
「あぁああ゛っあ゛っ!」
緩んでいたアナルに芳川の指が入り込む。それが内壁をかき分けながら奥まで入り込む。
芳川はいつの間にかコンドームを指に填めており、その滑りを借りてアナルに侵入した。芳川の睨んだ通りに、由理はアナニーもやっている方だった。押し込んだ指はなんなく二本の指を銜え込み、もっと大きなものさえ受け入れられそうだった。
「あんっああぁあっんっんっふぅっあっんっ」
芳川は押し込んだ二本の指で、由理の前立腺を擦りあげる。それだけで由理は自分でやっている時とは比べものにならないほどの快楽を得た。
「あぁあんっ! そんなっ!あっああっ! いいっいいぃっ! ひぃっああぁっ」
由理の嬌声が階段中に響いているが、人が来る気配がない。
居酒屋はバイトや従業員の出勤時間が終わっている上に、どの階も営業が終わって二時間以上経っていたり、居酒屋同様に始まったばかりだ。だから非常階段を通る人間は存在しない。
芳川はそれを知っていたように、そこを選んだ。
「ああぁっ……いいっ……あっだめっあっあっんっんんっ」
「こうされるの好きなんだな。お尻気持ちいい?」
それに対して由理は何度も頷いた。
「いいっいいっお尻っあぁっ指っいいっんんっ」
口からダラダラと涎を垂れ流しながら、舌っ足らずな言葉でそれを認めた。
ずっと望んでいたのだ。誰かにこうされたいと。でも相手がなかなかいなかった。だから想像と妄想だけでオナニーをしてきた。
まさか酔わされてこうされるとは思わなかったし、それが会社の同僚であるなんて、想像だにしなかったことでもある。
「あっもっだめっああっああっ!」
そう由理が高まった時に、芳川はその指を抜いた。
そして由理の目の前で、芳川は自分のペニスを取り出し、それに新しいコンドームを付けだした。
芳川のペニスはよく使い込んでいるように黒く光っている。皮も向けていて、綺麗に反り返っていた。由理の痴態は芳川の理性も吹き飛ばしにかかっているようだった。
コンドームを付けたペニスを惜しげもなく由理の前に差し出し、芳川は言った。
「どうして欲しい?」
由理はそう言われて、初めて芳川の顔を見た。さっきから芳川のペニスしか見ていなかったからだ。
由理は迷ったように、芳川の顔とペニスを何度も見比べ、そして自分の体の状態を感じた。
アナルはさっきまでの指の感触が残っていたが、収縮を繰り返し、もっと欲しいと訴えている。乳首だってもっと舐めて欲しい、キスだってもっとしたい。
この大きなペニスでアナルを突きまくって欲しい。それだけが今は頭の中にあった。
由理はゆっくりと後ろを向くと、腰を芳川に突き出して、自分で尻を開いて言った。
「ここに、芳川さんのペニスをください……いやらしく、いっぱい突いてください……」
「もっといやらしく誘って?」
「……お○んちん、芳川さんのお○んちんでズボズボしてください!」
そう言った瞬間、芳川が由理の腰を掴んで一気にアナルに挿入した。
「ひぃ――――――あぁああぁぁっ!」
狭い孔に無理矢理こじ開けて入っている凶悪なペニスに、内壁が押し開かれて由理は一瞬息が止まった。
一気に押しは言ったペニスは一気に入り口まで抜け、そしてまた押し入ってくる。
「ひっ……あぅ……あっああぁっ」
芳川はそれをゆっくりと何度も繰り返した後、リズム良く腰を動かし始めた。いやらしい音を立てて、芳川の反り返ったペニスが由理の中を擦る。あまりにも強い快楽に、自然と腰が逃げそうになるが、それを芳川が逃がさないとばかりに強く腰を掴んで引き戻す。そしてペニスが中に深く入り込み、そのペニスを逃さないかのように内壁がしっかりとしがみついた。
「あっあぁああっ! ひっあっあっあっあんっあんっあんっ!」
奥まで挿入をされると、腰を回されてしまい、そのたびに指では到底届かないところにカリが当たる。信じられないほど深いところにペニスがあるのが、由理はどうしようもなく気持ちよくなってくる。
痛さがあると思うと怖くて、なかなかバイブまで挿入するのをためらっていたが、あんな大きなペニスさえ、自分が飲み込めるのが信じられなかった。そしてその気持ちよさに、これまでのオナニーやアナニーはなんだったのかと後悔した。
さっさと相性のいい相手と、セックスしておけばよかったのだ。
だってアナルセックスがここまで気持ちがいいなんて誰も教えてはくれなかった。
「気持ちいいなら何か言って」
挿入を繰り返しながら芳川が言った。
どうやら芳川は何か卑猥なことを言わせるのが好きなようだ。だから、由理も遠慮なく卑猥な言葉を口にした。ずっと一人でオナニーをしている時だって思っていたことだ。
「ああぁあっあっ……お○んちん……お○んちん……ああぁっ気持ちっいいっ……ああっあっあっあっ……お尻……いいっ……もっとっああっん」
「分かった」
芳川がニヤリと笑った。
つまらない飲み会に招待されてきたものの、どうやって抜け出そうか考えていたところに好みの由理が来た。一目でゲイだと分かり、周りに確認するとやはりそう公言をしていると言っていた。
だから狙いは由理一人だった。
できれば上手く誘ってホテルでもと思っていたが、案外早くに機会が訪れた。
トイレでセックスをしていたホモカップルには後で謝礼を渡したいほどだ。
由理はアナルセックスをしたことがない。それがトイレで分かったし、卑猥なことに弱そうだというのも分かった。
だから態度と言葉でおせば、絶対に堕ちると思った。
「ひああっあっあっんあぁっ……ああっあっああっ、お○んちん……好きぃぃ……んぁあっ気持ちいいっああっんっあはっあぁっお○んちん……好きぃ」
アナルセックスで一番の問題は相手が痛がってひるんでしまうことだったが、由理がアナニーをよくしているお陰で、挿入に手間取ることがなかったのが大きい。
やはり淫乱の性格をしているのが一番だ。
卑猥な言葉は好きなようで、頭の中では常に考えているのだろう。そうした言葉がどんどん出てくる。
芳川が好きなのではなく、あくまで芳川のペニスが好きだとはっきり言っている当たりが、淫乱の素質がある。
芳川は由理の勃起した乳首を後ろから指で摘まみ上げ、後ろから激しく腰を打った。
パンパンパンパンと肌がぶつかる音が激しくなり、由理は壁に縋り付いて自分で自分のペニスを扱いている。
「いくっいくっいくっいく――――――っ!」
由理は自分でペニスを扱いて、勝手に達する。達する瞬間に芳川は乳首を思いっきり捻りあげてから達かせた。
目の前で由理が体を痙攣させて達している。ペニスからは精液が飛び、壁を塗らしている。
だが芳川はまだ達していない。
だから腰を突くのをやめないでいると、由理が悲鳴のような嬌声を上げ始めた。
「あ゛っ! ああぁあ゛っ! ひぃいいっ! お○んちん……ああっこわれる……ああっああっ!」
達しているのに、まだ何かが来るようなそんな気配に由理はどうしていいのか分からない。
初めて快楽が怖いと思ったのだが、それでも芳川は突くのをやめてはくれない。
芳川が後ろから由理を突くたびに、由理のペニスからは精液がピュッと何度も何度も出てしまう。絶頂がなかなか終わらない上に、激しいピストンを続けられ、由理の体が何度も打ち上げられた魚のように跳ねる。
「あぁああっっああっおしり……こわれ……るッあっああっあっあああっ!」
芳川の腰の動きも余裕がなくなってきたのか、どんどん早くなり、内壁をごりごりと押しつぶしながら熱い精液がコンドームの中に吐き出される。
「あ゛あ゛あ゛っ――――――っ!」
強く奥まで突き入れられて、由理も達したのだが、絶頂の上の絶頂で、とうとう由理は初めての潮吹きをした。ビシャッと透明な液体が、尿のように出て、先に付いた精液を洗い流すように出てくる。
「すごいな。初めてで潮を吹くのか……さすがに才能があるな」
ビクンビクンと体を痙攣させている由理に向かって、芳川が耳元でそう言う。そして乳首をまた弄り出した。
「……あっああっだめっんんっあっ」
「乳首好き?」
「うん……うん……好きっ好き、コリコリして……あっん」
「じゃ言って?」
「あっんっ乳首を……いやらしく勃起させて……んあ、芳川さんの……指でコリコリされて……あっん、射精するくらい、好きっんああっ乳首っんんっ好きっあっ」
芳川は由理の乳首を引っ掻いてから、ペニスを抜き、コンドームを投げ捨てた。さっき射精をして萎えていたはずの芳川のペニスがまた勃起している。
そのペニスの先が由理のアナルに密着している。
「で、生でする?」
「あ、あ、あっでも、あの……ホテルじゃ駄目ですか?」
さすがに生ですると中に出してもらうことになる。そうして欲しいからできれば今すぐ入れて欲しい。だが、後片付けがあると思うとここではちょっととなる。
「じゃあ口でして、そしてそれが上手くできたらホテルで生でしよう」
そう芳川が言うと由理はすぐに跪いて芳川のペニスを美味しそうに口に咥えた。
ペロペロと舌を使ってペニスのすべてを舐め、玉までもしゃぶり付いた。芳川は由理を頭を掴んで、由理の喉までペニスを突っ込み、それをカリを引っかけながら腰を振った。
「う゛っう゛っう!」
さすがにフェラチオをした経験すらなかった由理は、喉まで使う上級者向きのものは苦しさで一杯だったが、それでもこれがまたアナルを抉るのかと思うと、興奮してどうしようもなかった。
そして芳川が喉の奥で達したのに合わせて、由理は放尿をしてしまう。だがそれが潮吹きと似た透明の液体で、尿の匂いはしないものだった。
「ああ、フェラして漏らすのか。さすが淫乱、見込んだだけのことはある」
由理は喉を鳴らして芳川の精液を飲み干し、体を震わせながら液体を出し切った。
「よし、いい子だ。ホテルにいこうな」
芳川が笑顔でそう言うと、由理をそんな芳川を見上げて頷いたのだった。
3
飲み会を途中で理由を付けて退席し、先に抜け出していた芳川とラブホテルで待ち合わせる。メールで部屋番号を聞いてから後から由理は入った。
部屋に入ると、芳川はすでにバスローブで、由理は部屋に入ったとたんに全裸にされた。
脱ぎ散らかした服をその場において、そのまま風呂へを向かった。
芳川は由理を椅子に座らせると、ボディーソープを手に付けて、それで由理を洗う。
「あっ……ん」
由理は抵抗する気は一切なかった。望んでここに来たわけで、今更何をされても驚きはしない。
芳川が抱いてくれるだけで、由理は満足だった。
芳川が手で泡を立てて由理の体を洗っていくのを由理は眺めた。そして体に付いた泡を芳川にも付けてそこを由理は撫でる。 芳川はそれを笑って受けていた。
慣れたような手つきであるが、それで由理が思うことは、扱いが割と普通で良かったということだ。いきなり青姦で焦ったが、それでも丁寧ではあった。
由理は最初こそ芳川の顔を見ていたが、最後はやはりペニスを見ていた。そしてそれに手を伸ばして撫でた。
芳川のペニスは撫でられただけで、ぐぐっと首をもたげるように起き上がり、すっかり勃起してしまう。
「こら、まだ体洗っているだろう?」
由理を立たせせ芳川は由理の尻をペシリと軽く叩いた。
「あん……だって」
それでも芳川のペニスを擦ることは辞めない。
あれを突っ込まれて、口に含んで舐めたのだ。そう考えると、少しだけ執着が沸く。あれは僕のものだという執着が酷くなっていく。
触っていると芳川のペニスは由理の手の中でピクピクと震えているので、感じていないわけではない。
それでも芳川は平然とした顔をして、由理の体を一回洗い終えると、側にあったローションを少し取り、それをアナルに少し垂らした。
そしてアナルにペニスを付けて、ゆっくりと挿入を始める。
「あっあぁあ……ん……ああぁああぁ」
「これを待っていたんだろ?」
「うん……あぁっ、待ってたぁ……ああっお○んちん……大きい、好きぃ」
グチュッとローションと空気でいやらしい音が鳴る。
だが芳川はなかなか動こうとしない。それに焦れた由理は自分で腰を動かし始める。
「んっあっんんっんっあっあんっあっん」
壁に手を付いて腰を前後に振り、ペニスを中で回すように腰をくねらせ、自分で内壁を擦りつけるように動かす。
「あっんっあぁっあっあぁっんあっ……やん……たりない……お願い、あっん」
「何をお願いするんだ?」
「お○んちんくださいっアナルに……いっぱいいやらしく突いて、いっぱいお○んちんくださいっ」
「お○んちんだけでいいの?」
「あっああぁ……ん……ちがう……精液、精液を中に出してください……ね」
「お○んちん入れて精液を出せばいいの?」
そう言われて由理は頷いたが、やっぱりと首を横に振った。
「……ちがう……芳川さんも淫乱な僕で気持ちよくなってね?」
由理はやっとでそう言った。
「合格」
そう言うと芳川はペニスを一気に抜いてから一気に突き刺した。
「あ゛あ゛あ゛――――――っ!」
ローションで滑りがよくなった状態で激しくペニスを挿入されてると、あり得ないほどの気持ちが良かった。ガクガクと体を揺らされながら、由理は遠慮なく嬌声を上げた。
「あぁんっ……あっあっあっあぁあっあっ……んぁあっ!」
ヌプヌプと卑猥な音がバスルーム中に響き、パンパンパンと肌がぶつかり合う音が激しくなる。
「あっんっあんっあんっんっ……あっんっあっあっんっ!」
激しく突かれて由理はすぐに射精をしてしまう。そしてその絶頂が終わらない。ガクガクと体が震えるのを、さらに芳川に追い詰められていく。
「あ゛っあ゛っあぁあ゛っ! ああぁあああぁっ!」
また芳川は由理の乳首を指で何度も引っ掻き、摘まみ上げて放すことを繰り返す。
「乳首っ……あっああっお尻っ……あんあんあん……お○んちんぁあっ! いいっいいっきもち……いいっああぁん!」
勃起した乳首が捏ねられるたびに、由理は何度も精液をペニスから吐き出している。絶頂は何度も襲いかかってきて、由理はとうとう立ってられずに崩れ落ちた。
それを芳川が抱き、側にあったマットを取り出してそれに由理を寝かせると、由理の両足を開き、胸まで押し上げてから挿入を開始した。
「ああぁあああっっ!!」
ズンと再度入ってくるペニスに、由理は嬌声を上げた。
抉ってくる芳川のペニスは、由理をまた絶頂に向かわせる。奥を突かれて由理が達するのだが、今度は精液がでない。
「あぁああぁあっいってっ……る……のに……あぁあっ!」
ビクビクと体を痙攣させているが、絶頂は収まってくれない。
ドライオーガズムというものを経験したことがあるわけない由理は、その絶叫が少し怖かったが、それでも脳天を突き抜ける快楽がどうしようもなく好きだった。
ガクガクと何度も体を震わせ、絶頂が続いているのに、容赦なく芳川は腰を打ち付けてくる。
そして内壁を抉るようにして、芳川の熱い精液が由理の奥で弾けた。
「あぁあぁああああぁ――――――っ!」
その精液が奥に届くことで、また絶頂をし、由理は体を跳ね上げた。
その様子にやっと芳川が口を開く。
「ドライオーガズムか。しかも絶頂が長いな。ほら、こうやって触るとこれでも感じるだろ?」
そう言って芳川が乳首をちょっとだけ指で撫でた。
「ああぁああああっっ!」
ガクガクと震えて達しているような由理であるが、精液は吐き出していない。「大丈夫、そういう現象だから。でも初めてでここまでいくのは、やっぱり由理は淫乱で、どうしようもない体をしてるってことだ」
芳川の言葉で、由理は体を震わせる。
淫乱という言葉が、今までの自分に合わない言葉である。だが芳川の手でそこまで堕ちるなら、本当にその才能があったということなのだろう。
「いいね、この体、とてもいい」
芳川がそう言った瞬間、由理の中に入ったままだった芳川のペニスがまた勃起をする。芳川は絶倫だったらしい。
精液が中にまだ入ったままであるのに、芳川は腰を振り始めた。
「あ――――――っ あ――――――っああ――――――っ!」
嬌声は悲鳴のように変わる。絶頂がなんとか去った由理の体を芳川が犯してくる。それが深々と味わうように何度も突いてはその速度は速まるばかりで、それに由理は翻弄される。
「いいっいいっお○んちん……ああっいいぃっ! だめっもうだめっああっ!」
駄目なのかいいのか分からない言葉であるが、とにかく気持ちが良くて死にそうだということらしいと芳川は思い、好きなように挿入する。
何度目か由理の中に出していたし、先走りどころかあまりの気持ちよさに、絶頂になる前に精液がビュービューッと出てしまうことになっていたが、由理の体でこんなに絶頂をするとは思いもしなかったことだった。
相性というものがあるなら、絶対に由理との相性は抜群だ。
こんな相手が身近にいて、同じ会社の人間だとは思いもしなかった誤算だ。
この体を開いたのは自分で、後にも先にも他の誰にも渡したくないと思うほどだった。
その後、絶頂を何度も迎え、とうとう由理の意識が朦朧とする頃に、やっと時間を見ると二時間もセックスに興じていたことに気付いた。
由理の中からペニスを抜くと、何度抜いても中から芳川の精液がたっぷりと溢れ出てくる。
さすがに粘り気がなくなっていて、勢いよくピューッとアナルから精液が出ている。その後は尻の割れ目に伝ってゴボゴボっと溢れて出る。
由理はもう声が出ないのか、放心しているのか、ビクビクと体を痙攣すると、何度も深呼吸を繰り返している。
この激しいセックスにも付いてくるほどの性欲があるのがまた芳川の気持ちをよくした。
ぐったりとした由理のアナルの中を綺麗にした後、やっとベッドで由理は寝かせてもらった。時間は泊まりで取ってあるので、芳川もさすがにその後は同じベッドでぐっすりと寝た。
翌週の月曜日には、由理と芳川がくっついたという噂が会社に流れており、二人ともそれを否定はしなかった。
その後は二人とも飲み会には参加せず、二人でセックスをするためにホテルへ直行する週末を送ることになっていった。
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