011-放課後の悪戯
「久城(くじょう)は、明日暇?」
そう言われた久城は、窓枠に背を向けたままで椅子に座っている。羽田が部活中に暇になったのか外から話しかけてきたのだ。
「……部活はいいの?」
「今、個々の練習で俺だけノルマ終わってんだ」
羽田が得意そうに言う。
「それで明日暇?」
「……ごめん、忙しいと思う……やることあって……」
久城がそう言うと体をビクリと震わせた。
「どうした?」
「……っあ、スマホの……」
そう言って久城はスマートフォンを取り出してメールをチェックした。
「何?」
「母親……最近帰りが遅いから……」
「ああ、生徒会の補助役員だもんな。文化祭のためとはいえ、面倒なこと押しつけられたよね」
「……どうせ、誰かが、やらなきゃならないし……」
久城は言ってから羽田に言った。
「ほら先輩が睨んでるよ……少しは振りくらいしておけば?」
「あ、やべ」
幾らノルマを達成しているとは言え、先輩の前で平然と休むわけにはいかない。
羽田は慌てて座り込み、準備運動をする振りをはじめた。
「……ふ……んっ」
久城は羽田に聞こえないように息を吐いて、音を立てないように激しい息をした。顔が見えなくなれば、少しは余裕も出てくる。
「久城ってさ、いつも仙石といるだろ? 幼なじみとか?」 羽田が大きな声で話しかけてくる。
出来れば久城からすれば、さっさと部活に戻って欲しいところなのだが、なかなか去ってくれない。
「……ん、幼なじみ……だよ」
少し甘い声が漏れたが、離れているからなのか聞こえてはいないようだった。
「いいな、幼なじみで優等生同士か、俺、転校してきたからそういうのいないから、羨ましいなあ」
「……ん、そう?」
「前の友達とはもう遠く離れすぎて、会うこともままならないしね」
「大学とかで、一緒に……んぅ、なれたら……いいね」
「それは計画してるけど、受かるかどうか俺の方がヤバイ、あはは」
羽田はそう言って笑っているが、久城の額は汗が溢れ、すっと頬を伝って落ちている。
久城は椅子に座っているのだが、その座っている椅子の隣に、床に座った仙石(せんごく)がいる。その仙石は、久城のペニスをズボンから出して、それを指でいじりながら時々咥えて舐めている。
二人が居る場所は、生徒会室の準備室だ。
他の生徒会員は現在、生徒会の出し物の準備のため、買い出しに出かけている。電車で出かけたため、そのまま直帰になると言われた。久城と仙石が残っているのは、生徒会への報告や相談の受付をするように言われたからだ。しかし二人に解決出来るわけではないから、生徒会室のドアには「今日は留守です」というような張り紙がしてあり、人が尋ねてきても入ってくることはなかった。
その隣の準備室には、生徒会の出し物の段ボールなどがあり、久城と仙石はそれに色を塗ったりして作業を進めていた。
誰も来ないと思って危ないことをしていたら、羽田が通りかかり話しかけてきたわけだ。
仙石がいないと思っている羽田は気分良く久城に話しかけている。
それを仙石は面白がって、フェラチオを続ける。久城がイキそうになると止め、波が引いたところでまたフェラチオを続ける。
ただ舐められるだけでも刺激があり、声が出てしまうのに、今は羽田に気付かれないようにした上で会話もしなければならない。
(仙石……だめっ)
そう目で訴えても、仙石は面白がっている。
先走りと唾液を使ってクチュクチュと音が鳴っている。だが、外から聞こえる野球部やサッカー部のかけ声などが大きく聞こえていて、部屋にも響いているから聞こえないで済んでいる。
やっと羽田が準備運動を始め、離れてくれたお陰でなんとか誤魔化せている。
亀頭をグリグリと弄られて腰がビクッと震える。肩も震えているし、口からは涎が出てしまったがそれを何度も袖口で拭いては、平気な顔を作らないといけなかった。「でもさ、仙石ってなんか、怖いよな。あ、悪い意味じゃなくてね、俺が久城に話しかけると、なんか睨んでくるんだよ……それってさ……」
と言いながら羽田が文句を言っている。
仙石としては居ないふりをしているだけであるから、全て聞こえている。それが気に入らないのか、仙石は久城の制服の上半身のボタンを外しだした。
(ちょっと! 仙石!)
抗議しようとするも動くわけにはいかない。
その間も羽田は話しかけてきていて、内容を聞き逃しそうになる。
仙石はボタンを外し終わると、シャツを捲りあげ、久城に手で持っているように指示をする。
外からは持ち上げた腕は見ないから、仕方なくそれに従う久城。
すると、仙石は片方を指で押しつぶし、片方を舌先で転がしながら乳首に吸い付いた。
「んは……」
ビクリと体が跳ねたのを必死に押さえ、震えながらも耐えた。
「美味しい乳首ビンビンにして、羽田に見られながらイクのを見たい」
仙石が小さな声でそう言った。
「仙石ってどういうやつなんだ?」
羽田がそう尋ねてきた。後半部分の仙石への文句はほとんど聞いてなかったが、とにかく文句があることだけは分かった。
「え、あん……んぅ……怖くはないよ……」
(こういうときにこういうこと平気でする変態だけどな!)
と心の中でツッコミながら言う。
「そういや、仙石は?」
「隣の部屋にいる……ぅよ」
「久城は何をしてるんだ?」
「劇の準備の色塗り。見ちゃ駄目だから、近づかないでね」
別に見られても困るわけではないが、今はそんなものよりも久城が上半身半裸で、下半身はペニスを出した状態なので見られるわけにはいかない。
部屋はカーテンが閉められていて、久城が居るところだけドアが開いてカーテンも開いている。
乳首を口に含んだ仙石は、果物を噛むように乳首を噛む。中学の頃から続いてきた、この行為は今でも仙石は執拗にしてくる。いつか母乳が出たことがあって、それから余計に執拗になった。
硬く弾力のある指が、大きくなった乳首を押しつぶす。啄むように乳首を何度も吸って離して吸って離してと繰り返されて、乳首は硬くなりピンと起っている。仙石の唾液でねっとりとしたものが夕日にテカりいやらしい姿になっている。
「んふ……んっんっ」
乳輪まで口に含んで吸い上げながらも、敏感な先端や側面をしつこく舐めてくる。
乳首だけを攻めているのに、ペニスはギンギンに反り起っていた。
先走りがペニス全体に広がるように垂れている。
「ふぁ……んん……も、だめ……」
「え? どうした久城?」
「…………――――――っ!」
乳首を強く刺激され、悲鳴が出そうだった声を必死に押さえて前のめりになり、部屋に隠れてから久城は達した。だが、急に消えた久城に不振を持った羽田が近づいてくる。
けれど、我慢に我慢を重ねた久城は完全にイッてしまっていて、とてもじゃないが、羽田の相手が出来る状態ではない。
もう羽田がいたことすら忘れてしまっているかもしれない。
そうしたところに、仙石がすっと立ち上がって窓前に立った。
「うるさいと思っていたら、羽田か。久城が作業に集中出来てないのはお前のせいだな」
そう仙石が言うと、羽田がまずったとばかりに声を上げた。
「げ、仙石!」
「部活に戻れ」
そう言うと、仙石は窓を閉めてカーテンも閉めた。
「ケチ!」
羽田がそうして去って行くと、ゆっくりと久城が起き上がった。
「もう……こんなのやらないからね……」
「結構楽しんだくせに」
「楽しんでないから! もう乳首舐めさせないから」
ムッとして久城が言って、シャツを下ろしてボタンを留めた。ペニスもしまい込んでから自分が放って漏れた精液を雑巾で拭いて片付けた。
「久城」
仙石が言って、近づいてくる。
「学校じゃ駄目、だから」
久城がそう言うと、その唇に仙石がキスをしてきた。チュチュチュッと啄むように何度もキスをしていくのを久城は真っ赤な顔をして受け続ける。
久城が口を少し開けると仙石は唇を塞ぎ、荒々しく口内を犯し始めた。軽く舌を噛んだりして、たまった唾液を飲むように催促してくる。
「んはぁ……んぁあ」
どうしようもなく気持ちが良く、久城は満足したように微笑んだ。それを見て仙石は喉をゴクリと鳴らす。
久城の股に足を入れていると、それに股を擦りつけるように久城が腰を動かし続ける。
「あはぁ……はぁん、んっ、んっ」
そうする久城の服の上から勃起している乳首をグリグリッと刺激をしてやる。
「んぁ……んっ、あっあぁんっ」
服の上から親指と人差し指で敏感な側面を掴み、軽くひねるようにしてやると久城はそのまま腰が砕けたように、崩れ落ちそうになりながら仙石にすがりついた。
仙石はそのまま膝を久城の股間に押しつけてグリグリと刺激し続ける。
「あぁっ、あっあっ……はぁんっ、ぁあんっ!」
仙石に捕まったままの久城が、乳首と股間を服の上から触られて達した。
「……はぁはぁ……もう……」
「下着の替えくらい持ってるだろ?」
「持ってるけど……」
仙石がこういう行為に至るのはいつものことで、とうとう久城は替えの下着を常備する羽目になっている。
「今度、補充の下着買ってやるから」
仙石はそう言って微笑むも、久城は何だかそれは違うきがしてならない。
「今度はトイレでやろう」
仙石がそう宣言をしてから、数分後。
「あああぁーっ! あっ、あんっ、あんっぁんっ!!」
「……くっ」
根元まで挿入して一気に引き抜き、激しく動いて奥まで突いて射精をする。
ゴムを付けた状態で二人ともそのゴムの中に精液を吐き出す。
「はぁ……あん、ん……」
結局はこうなるんだと思ってしまう。
教員用のトイレの中でのセックスは二度目だが、ここの教員用は特別教室の奥にあるため、教員は滅多に使わない上に、普段は鍵がかかっている。
そこの鍵を仙石は手に入れから、授業中などに忍び込んでは久城の体を堪能するようになった。
「もう……戻らないと……」
生徒会室からここにきて三十分は立っている。そろそろ鍵を締めて帰らないといけない。
「久城」
「なに」
「今日、親いない」
「……だったら仙石の家でよかったんじゃん……」
久城はブツブツ言いながら、ペニスのゴムを外し、仙石のペニスからもゴムを外してそれをゴミ袋に入れてポケットにしまった。さすがにここへのゴミに捨てるほどの勇気は無いので持ち帰る。
「久城」
「何?」
「愛してる」
「知ってる」
そう答えるとまた仙石が言う。
「久城」
「……俺も愛してる」
そう返すと、仙石は満足したようににこりと微笑んだ。
結局この笑顔に弱いのだと、久城は自分の甘さの言い訳にした。
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