009-耽溺(たんでき)
1
夜の学校。
忘れ物を取りに来た月宮は、教室に入ってすぐに誰かに殴られて気を失った。
頭を殴られた衝撃で気を失っていたのは、どれくらいだったのか。
ハッと気付いて目を開けた瞬間、視界が揺らいでいるのに気付いた。
「……え? あぁっ」
ずんと体が押されて、声を出そうとした瞬間、自分の口から信じられないような嬌声が出た。聞いたこともないような高い声で、月宮は驚いて起き上がろうとしたが、それを信じられない快楽で封じられた。
「あっ…ぁはあっ……!ああぅっ!」
誰か分からない相手に俯せにされ、尻を突き上げた状態で、有り得ないところから衝撃がくる。直腸である場所や肛門に何かが入り込んで、蠢いているのだ。
「なに、これ……いやぁあああっ」
逃げようとしたのだが尻を捕まれていると動くことが出来ない。中途半端に脱がされているズボンや下着が足に絡んでいて、それを後ろに被さっている誰かが踏みつけているために、月宮は身動きが封じ込められていた。
「んっんふっいやぁあ、たすけっあぁあっ」
「やっとそれらしい気分出てきたな……気持ちいいだろう?」
助けを求める声に混ざりながらの嬌声を、月宮を犯している人間は見逃してはくれない。
「あぅっ……あぁ!あ、あっ!」
突かれるたびに、息を吐くことになり、それが高い声になる。そんな経験はなかったから、月宮は自分の声が信じられなかった。
「突っ込むまで色々あちこちいじって射精もさせてやったからな、アナルなんか三十分は舐めて指でも広げてやったんだ。全然痛くすらないだろう。お前は、ずっと気持ちがいいって喘いで喘いで、アナルにペニス入れたら甘い声を上げて、内壁が俺を誘ってきて仕方なかったぞ」
「なにいって……んぁあっ!」
男は突きながらも世迷い言のようなことを言い続ける。
「何回中で出したか分からない。お前のアナル最高にいいぞ。素質あると思ってたけど、やっぱり名器じゃねぇかっほらっ!」
男のペニスが内壁をすりつけるようにしてペニスをねじ込んでくるのだが、圧迫感はあるものの痛みや苦痛はなかった。ゾクリとするほど気持ちがいいと愉悦に浸りそうな心が出てきて月宮は混乱した。
「……すっげえ締め付てるな。わかるか? 淫乱」
ふうっと息を吐いた男が精を月宮の中に吐き出した。
ビュッと叩きつけられた精液など気持ちが悪いと思っていたのに、月宮は嬌声を上げて悦んでしまった。
「ちがっあっ!あっ!ああ……っ!」
「こんなに腰振ってるのに……説得力ゼロなんだよ、月宮」
男が達して、ピストンをやめているのに、月宮の腰はゆらゆらと男のオペニスを勃起させるために動いている。
「んふっ止まらない……っあぁっあっんぁとまんなっいっ」
振る腰が止まってくれない。快楽を求めて腰が動き続け、萎えたはずの男のペニスを勃起させることに成功してしまった。
ガチガチになって復活したペニスの硬さを直に感じて、月宮は体を喜びで震わせていた。
もう体が言うことをきいてくれない。嫌だと心が思っているのに、それを裏切るように体が快楽を求めてしまう。
「いいだろ? 快楽に正直になれよ。お前、素質あるんだって、ほら、ケツだけでいけるからっ」
復活したペニスが月宮の前立腺を何度も擦りあげてくるのだ。
「ひぃいいっ!!あああぁぁあぁ!!」
何度か擦られた瞬間、月宮のペニスが射精をした。
「あぁ……あっ……あっ……」
ビューッと自慰でも出たことがないほどの精液が床にはき出されている。達したのにまだ物足りないかのようにまたペニスがムクリと勃起する。
「うそ、うそっうそ」
「嘘じゃない。お前が淫乱だからな。また勃起したんだろ?」
信じない月宮を責めるように言う男の言葉に、月宮は混乱した。自分が快楽の渦から抜け出せないのは、淫乱だからだと言われて否定できないのだ。だって萎えてすぐに勃起するなんて変態の所業だ。
波のように襲ってくる悦楽に、意識までも飲み込まれそうになるのもそのせいだ。
「んっ……ふ、う……っ」
男はゆっくりとピストンを開始する。それまでに揺れていたのはすべて月宮が自分でやっていたことだ。男がウエストを掴んで月宮の方を動かしてペニスを深いところまで突き入れる。
「ああっ!あ、っ……んあぁ……っ!」
「認めろって!」
認めようとしない月宮の尻を男が平手で殴った。
「ああぁっ!」
衝撃が内部まで伝わり、それが最初は痛かったのだが、段々と違った感覚になってくるのだ。男は尻を叩きペニスで突き、また尻を叩きと繰り返す。鋭い痛みがあるのだが、それが段々と気持ちよくなってきた。
「ああっ……あっ……んあっ!」
「突いて欲しいか?」
男がそう言う。
痛みを感じるほど痛い尻が熱くなって、脈打つ神経さえも男のペニスをしっかり感じるようになってしまっていた。神経まで男に犯されたと言ってもおかしくない。完全に淫乱だからという理由で片付いてしまう出来事に、月宮は混乱したままで叫んだ。
「ああっ……欲しっ、欲しい……!突いてぇっ!」
「もっと詳しく言ってみろ。どうして欲しいんだ?」
「あなたのペニス……を僕のいやらしい……アナルの奥まで、いやらしくズボズボして、いかせてください」
「ズボズボしていいんだな?」
「して、ぐちゃぐちゃにしてっ!」
自分でも何を言っているのか分からない言葉が口から出ていく。信じられない言葉の数々だがそれでも快楽が得られるなら、何でも言ってしまいそうだった。
男がくれてやるとばかりに強く奥まで突いてきた。
パンパンと大きな音が教室中に響いている。ドアが閉まっているのか、声が多少大きくても防音がされている教室から声が廊下に漏れることはない。受験生のために用意されて作られた防音は、音楽室以上の防音を誇る。
「いっいいっ、いいっ――…!」
前立腺を突いてくる男のペニスに月宮は虜になった。男の腰つきはいやらしくうねるように動き、内壁のあちこちを突いてくる。
「あひぁああっ!?」
「これくらいしないと、もう駄目だろう」
男がそう言ったのは、ペニスが入っているアナルに、親指を足したことだ。アナルを更に広げ、ペニスを挿入する音がヌチャヌチャと鳴り、耳から指からすべてを男によって犯される。
「はぁ、あっ、あぁっ!もう、もう……っ」
また熱いものが月宮のペニスに集まってくる。それが解放を求めて渦巻いている。
「あぁああっ!いっく、あぁっ――あぁああぁっ!!」
覚えているだけで三度目の絶頂だったが、今度は違った。
オーガズムに達したらしく、射精はせずに体全身で達した。
「ああぁ……っ、あっ……あぁ」
「すげえ、初めてでドライかよ。本当に淫乱だな」
ビクビクと震えているのに、射精をしなかったことから男は、月宮がドライオーガズムを迎えたことに気付いた。
男はわざと月宮の体に触れる。
「んっ、んんっ!」
それすらも快楽になるようで、甘い声を上げて震えた。
月宮はそんな自分の体が怖かった。こんなになるほど快楽を得たことはもちろんなかったし、聞いたこともなかった。女の子が感じるのは知っていたが男でもここまでになるとは思いもしなかったのだ。
まして排泄する場所からペニスを受け入れ、それが気持ちよくて突いてくれとせがむなど、今日のほんの数時間前まで一ミリも考えたことすらなかったのだ。
「気にするな。お前が淫乱で、どうしようもないことは俺が知っている。これからは俺に任せればいい」
男がそう言ったのだが、快楽に身を委ねたまま、月宮は気を失った。
2
月宮が次に目を覚ましたのは、朝だった。土曜の学校には部活の生徒が早めに登校して練習を始めていた。そんな声がして目を覚まし、自分の周りを見回した。
服はちゃんと着ていて、体は汚れてはいない。昨日見た時には汚れていた床には何もなかった。
「なんだった……んだ?」
起き上がると足がふらついた。こんなところで寝たからというわけではなく、確実に疲れているからだ。
するとドロリとしたものがアナルから溢れて漏れてきた。下着に垂れたのが分かり、月宮はあれが実際にあったことだと悟った。
自宅に帰ると親はすでに出かけた後だった。どうせ月宮がいなかったことなど気付いていないだろう。そういう親だった。
すぐに風呂に入って体を洗い直した。
あれは夢ではないことが、アナルから溢れる残滓と拡張されたアナルから分かる。
そして月宮は自分の体の変化にも気付いていた。
シャワーを浴びながら座り込み、アナルに指を入れて掻き回し、それにより勃起したペニスを扱いて、何度も達したのだ。アナルを勝手に開発され、アナルで勃起が出来、そしてそれによって射精をすることまで出来るようになっていた。
たった数時間のことだ。
それが悲しくて泣いたが、それでもあの快楽が良かったことだけは事実で、指を入れてアナニーを覚え、指では足りなくなり、通販でディルドやバイブなどを買い込んでまでオナニーをするようになった。
もうそうすることでしか射精できなくなり、アナニーの腕前だけは上がっていった。
それでもあの夜のような快楽はなかなか得られずに、月宮はどうすればいいのか分からなくなった。
そして二週間後のことだ。
月宮は夜中の学校に忍び込んだ。
夏休みになっていて、部活をする生徒が全国大会の最終調整に出ていた。それを横目に教室に入り込み、上手く警備員を巻いた。
教室に隠れていると、教室の鍵が開かれてドアが開いた。
月宮は教室の隅っこに隠れ、やり過ごそうとしたが、相手は小さなペンライトを照らした後、教室に入り中から鍵をかけてから言った。
「いるのは分かってるよ、月宮」
その声は、あの時の男の声だ。覚えていないと思っていたが、想像以上に覚えていた。 月宮はゆっくりと立ち上がった。なるべく教室の窓から離れ、外から見つからない場所に立ったが、月の光が月宮を照らしていた。
「来ると思ったよ。一人では満足出来なくなったんだろ?」
そう言った相手の顔も見えた。
初めて相手の顔を見て、月宮は驚愕する。
「……帯刀(たてわき)?」
月宮は相手を見覚えていた。
帯刀は、同じクラスの人間だ。ただいじめで登校拒否になり、今は保健室登校になっていたはずだ。月宮は帯刀をいじめていたわけではなかったし、そもそもクラスメイト以外の繋がりはなかった。
だから彼を裏切ったりしたわけでもなかったし、いじめの共犯ですらなかった。そもそも彼がいじめられていることすら気付かなかったほどに関心がなかった。
「そうだよ、帯刀だよ」
「……なんで?」
なんであんなことをしたんだと口にする前に帯刀が言った。
「別に復讐しようとしたわけじゃないよ。俺は月宮が気に入っていた。ずっと出会った時から……だからああいう風にしたかったんだ」
帯刀がそう言う。
「うそ……なんで……なんでっ!」
帯刀からそういう秋波を感じたことはない。だから信じられなかったがそれでも帯刀は本気だった。
「何が嘘なものか」
帯刀はそう言うと、月宮に歩み寄ってきて、月宮をそのまま床に押し倒した。
「ここで、お前のアナルどころか体中なめ回していかせまくって、ペニスをアナルに突っ込んでいかせまくったのは嘘じゃない」
そう言って帯刀は、月宮の制服のボタンを外していく。乱暴ではあったが、破るほどの力はなさそうだ。だがそれでも月宮の運動していない体では、抵抗は無意味だった。
「なんでっ!」
「なんでじゃないよ。ほらペニス起ってんじゃん」
そう言われて月宮は自分のペニスを見た。あの時のことを思い出したのか、すでにペニスは勃起していた。
「これを吸ってなぶって、いかせまくったよ」
そう言って帯刀はペニスを扱く。
「っあ……あ、あっ……」
触られた覚えがないのに、ペニスを扱かれると腰の力が抜けた。
「ほら、体は覚えている」
「うそ……ああぅ!あ…っ、あぁんっ」
「ほら甘い声が出てる……あの時もそうだった。扱かれて気絶してるのに、そうやって俺を誘うように腰を動かして誘った」
「あ、ぁ……そこ、そこっ」
帯刀はワイシャツを開けさせ、片方の手でペニスを扱きながら、月宮の乳首を舐めてきた。
「ああんっ、ちくびぃ、んっんっ」
自分で弄るよりも乳首を舌で舐められると感じる。
乳首を太い指でこりこりと擦られ、舐めて舌で嬲るようにされると勃起したペニスが一気に射精をした。
「あぁっ! やぁっ、んっ、あんっ」
「ほら、一瞬だ」
ビクビクと弛緩する体から衣服をはぎ取り、帯刀は月宮の体を半分に折るように腰を高く上げて広げた。帯刀の顔の前に月宮のアナルが晒される。
「いやぁあん……っ」
逃げようとするのを押さえつけるようにして帯刀はアナルに舌を入れて舐め始めたのだ。
「はぁっ、あふぅっ、あっあっ!!」
いやいやと逃げるようにする腰をしっかり掴んで帯刀はアナルを舐めた。もちろん、あれから月宮がアナニーにはまったことなど彼は知っていた。
「毎日やってんだね、柔らかくなってる……すごい」
舌がすぐに入り込み、内部を濡らしていく。月の光に照らされて月宮のアナルが帯刀の唾液で濡れて光っている。帯刀は指をすぐに入れて内部を広げる。簡単に広がるのは、さっき来る前に月宮がアナニーをしていたせいだ。
「待ちわびていたんだね……すぐに入れてやるよ」
そう言うと、尻にキスをしてそのままの体勢で上から押しつけるように、帯刀はペニスを月宮の中に突き立てた。
「あっあぁあ……き、きもちい……いっ!」
一気に突き入れられた熱いペニスは、冷たいバイブとは違い、圧迫もあるものだった。それにバイブよりも大きいペニスの方を月宮は覚えていた。
あの夜にこれで飽きるまで突かれまくったのだ。
「どこがいいんだ?」
「お尻のなか、弄られるのっ! ああ!そこ、そこっ、いぃ……きもちいいっ!」
待っていたものだ。望んでいたものだ。
二週間、あれこれ試しても駄目だった快楽はここにあった。
「いいっあぁっ、もっと……もっとそこっ、あぁあ……っ!」
「もっともっと求めろ、飽きるまでくれてやるよ」
「ああぁ――……っ!!」
内壁がきつく収縮して、帯刀のペニスを締め付ける。帯刀は月宮の前立腺を何度も擦るように腰を突き上げてくる。
月宮のペニスから先走りが溢れ、滴っている。口からは涎が漏れて、声は嬌声を上げる。
完全に壊れたように喘ぎ続け、腰を一緒になって振った。
「こんな……っ、おかしくなるっ……あぁあぁっ!」
全身で帯刀から与えられる快楽に身を落として、月宮はただただ蹂躙される。
「すげっきちきちに締め付けてくるな……食いちぎられそうだ」
「だめ、っだめ、だめぇっ……!」
「いきそうなのか、いけよっ」
そう言って帯刀が深く突いてから内部深くに射精をした。
その衝撃を受け止めて、帯刀のペニスを締め付けながら、痙攣して月宮も射精をした。
「ひいっ! ひぃ――っああああああぁ!!」
月宮は頭の中が真っ白になった。
盛大に達した月宮は自分の精液を顔に受け、白濁に濡れた顔が笑っていた。体は快楽に震えながら意識を失った。
けれど今度は夢でないように、しっかりと帯刀の腕を掴んで離さなかった。
帯刀はそれをふりほどくことなく、気を失った月宮の体を二週間ぶりに蹂躙した。
感想
favorite
いいね
ありがとうございます!
選択式
萌えた!
面白かった
好き!
良かった
楽しかった!
送信
メッセージは
文字まで、同一IPアドレスからの送信は一日
回まで
ありがとうございます!