008-媚薬の魔法
1
雪村は、町で偶然に寄ったフリーマーケットで怪しげな物を手に入れた。
店の店主は、にこりとして言った。
「これ、媚薬なんですよ」
そう言う。媚薬なんてよほどのことがない限り作れるとは思えなかった。
実際媚薬があるなら、そこらのアダルトショップで売ってると思う。それに似た商品はいくらでもあるが、さすがに媚薬としての商品はない。
だから事実上無理な話だが、どういうわけか気付いたら買っていた。
「馬鹿馬鹿しい。媚薬とか、なんの漫画だよ」
雪村はそれを捨てようとしたのだが、どうしても出来なかった。
もし媚薬でもないジュースだったとしても、値段は百円だ。そこらの販売機よりも安い買い物だった。だからなのか、捨てようと言う前に試してみたいと思ってしまったのだ。
もちろん、相手にはちゃんと告げる。それでも飲むヤツがいたら、面白いと思ったのだ。実際媚薬なるものがどういうものか知りたかったのもある。
翌日の飲み会で、こういうネタがあると雪村は仲間に告げた。
「実はさ、媚薬だっていって売ってたんで、面白いから買ってみた」
こういう風に言うと、その場にいた全員がこのネタに食いついた。
「媚薬とか、あるわけないじゃん!」
「お前、騙されたんだよっ! あははは」
みんな、あるわけないだろうと受けている。
だから実際に飲んでみるなんてことにはならなかった。
だが途中参加した、月島という男が面白半分でそれを飲んでみると言うのだ。
「月島、お前、いいのかよ」
とたんにその場にいた全員が、ぐっと身を乗り出す。
「なんだよ、ただのジュースだよ」
月島はそう言って飲んでしまった。暫く月島の様子をみんなで観察していたが、月島の様子はまるで変わらなかった。
それから一時間ほどで飲み会は解散になった。
「やっぱ媚薬ってないんだな」
それが最後まで笑いのネタになったのである意味、あれを買ってきたのは成功だったし、案の定ただのジュースだったのか、月島は平気だった。
だが同じ駅に行く仲間と、二次会に行く仲間と別れたところで、月島の様子がおかしくなってきたのだ。
「……おい、まさかあれ、別の意味でやばかったんじゃ?」
月島の息が上がり、ふらふらとしている。それを慌てて雪村と高橋が支えた。
「あっ……ん」
支えるために体に触ると、月島が甘い声をあげた。
思わず雪村は高橋と顔を見合わせた。
(なんだ今の)
(まさか)
そんな会話が目だけで行われ、確認をしたくて高橋が月島の乳首を服の上から撫でた。
「あぁぁああっ!」
月島の口から嬌声が漏れた。
それを聞いた先を歩いていた元木が戻ってきた。190センチのラグビーをしているガタイのいい男が、真剣な顔をして月島に聞いた。
「まさか、媚薬なのか、本当にそうなのか?」
そう聞くと、月島は真っ赤な顔をして頷く。
「さっき、トイレいってから、ずっと体が熱くて……」
月島がそう言うと、元木が月島を抱え上げた。
「雪村、お前の家が違いよな?」
「え?」
「お前のせいでこうなってるんだから、お前の家を提供するべきだ」
元木が訳の分からないことを言って、雪村を圧倒する。それに興奮したような高橋が頷いた。
とにかくここではどうにも出来ないと思い、雪村は家を提供した。
部屋に入ると、部屋の真ん中にあるテーブルがまず片付けられ、そこに月島は寝転がらされた。
「おい……元木」
元木は月島の服をはぎ取りだした。
「あ……だめっ……んっ」
月島が抵抗にすらならない抵抗で元木を止めようとするが、元木は完全に我を忘れていてどうしようもない。そんな元木を止めもしない高橋は、部屋の冷蔵庫から残りの媚薬の瓶を見つけて持ってきた。
「なんだ、結構大きい瓶だったんだな」
「なんで……それ」
雪村は、確かに持っていた瓶を持って行って、月島が飲んでしまったから、もうそんなものが冷蔵庫に入っているわけがないのだ。それなのに、同じ瓶を高橋は持ってきてそれを少しだけ飲んだ。
「どうなるかわかんねぇけど、元木にはいらないだろうが、ほら雪村も少し飲んでおけよ」
そう言って高橋が無理矢理、雪村にキスをして媚薬の液体を流し込んだ。
「……んっ……お前!」
高橋は元々酔っていたのもあり、キスくらい気にしないようだった。
高橋はにやにやしながら言う。
「残りは、月島でいいよな。さぁ月島ちゃん、お口貸してね」
高橋はそう言うと、服を脱がせてしまっている月島の顔を押さえ、キスをして液体を何度も流し込んでいる。抵抗しようにも元木に押さえられている月島は、その液体を飲み込むしか息をする方法がなかった。
そんな月島を余所に、元木は月島の乳首を吸っていた。ちゅちゅうっと音が大きくなって、月島の胸が大きく突き出されるようになる。
月島は感じているのだ。
「あぅっ、んっ、んぁっ、ちくびぃ、だめぇっ」
真っ赤な顔をして高揚している声がした。とてもじゃないが駄目という本気の抗議には聞こえない。甘く快感を得ている時の柔い否定の声だ。こういうときはもっとしてやるのがセックスの時の礼儀だ。
舌で転がし舐め、片方の手は腰に回って尻を撫でている。高橋は月島のキスが気に入ったのか、媚薬を与えた後もキスをしては耳を舐めている。
「雪村、ローション出せ」
元木が真剣にそう言う。それに雪村は逆らえずに、ローションを手渡した。もうこの行為を止めることは出来そうにない。媚薬でどうにかなっている月島も嫌がってなく、さらには高橋は楽しんでいて、元木は真剣だ。
この中で唯一の冷静な雪村であるが、それでもさっき飲んだ謎の媚薬の追加のせいか、すでに勃起している。パンパンになったズボンがきつくて、それを脱ぐと、月島と目が合った。
「……すごい……大きい」
月島が興奮したように溜め息を漏らしながらそう言った。
「ぺろぺろしたい?」
高橋がそう聞くと、月島は頷く。
「……うん」
「可愛いね月島」
高橋がそう言って月島を撫でた。そして雪村にそこに座るように言う。
月島の顔の前にペニスを突き出す形になると、月島は躊躇なくそれを手にして亀頭を舐め始めた。
「んふっ……んん」
その間も、元木がローションを使って月島のアナルを開発している。指を一本入れて掻き回し、二本にして広げたり、両方の指を入れて左右に広げて拡張をしている。それくらいしないと元木や雪村のサイズのペニスは入らない。
その指の出入りが気に入っているのか、月島は腰を揺らしている。
「ふぅっ、んぅんっ、んっ」
すっぽりと雪村のペニスを咥え、美味しい飴でもなめているかのように先走りまでも舐め取る月島は、本当に可愛い顔をしていた。媚薬のせいで淫乱になり、歯止めがきかなくなっているのだ。しかも高橋が追加をしたせいなのか、行動が段々と大胆になってきていた。
「月島ちゃん、ほらこっちもあるよ」
高橋もペニスを出して月島に見せると、月島はそれにも吸い付いて舐め始める。最後には両方のペニスを交互に舐め、手で扱いている。AVで見る3P ものと変わらないような卑猥さに、さっき飲まされた媚薬が効いているのか、雪村も興奮してきていた。
「あ゛っ……ひ、あ、あ゛あぁっ」
急に月島が体を反らして嬌声を上げた。何事かと思えば、元木が十分に広げた月島のアナルにペニスを挿入しているところだった。
長くそこまで太くはないが、それでも高橋よりは大きいペニスがズルズルとアナルに飲み込まれていく。さすがに快楽に酔っているとはいえ、初めてであろう行為には苦痛が出てくる。
その月島に思わず雪村はキスをしていた。
「んんっ……! んんっんっんっ!」
完全に口を塞ぎ、開いた口の中に舌を侵入させ、その舌を絡めるキスだ。月島は鼻で息をしながらキスをもっとと強請り、それに答えるように雪村はキスを続けた。
「んっんっんぅっ……!」
挿入をゆっくりとし始める元木、乳首を舐めていじり始める高橋、キスを繰り返す雪村の三人に犯される雪村は、内心ではどうしてと思いながら快楽に身をゆだねるしかなかった。
2
「そこぉ、んっあっイイっあっあんっ……」
太くて硬いものが出し入れされる。高くていやらしい声が響く。勃起した赤黒い肉棒が月島を犯していく。
パンパンと大きな音がなり、それに合わせるように月島の嬌声が漏れる。
真っ赤な顔をしている月島にキスをして、ペニスを見せると笑顔になってペニスに吸い付いてくる。
月島も差し出されたペニスを美味しいと感じて、先走りも飲み込んでいく。
大きな雪村のペニス、それを見たことがあったが舐めることになるとは思いもしなかった。あの媚薬の話題も、実は何かあれば、雪村に責任を取らせようとしただけのことだった。本物の媚薬であった場合、こういう行為になることも想像してだ。
だが心よりも先に媚薬は頭の中の考えを消していく。
雪村だけのはずだった。
なのに、最初に月島を犯したのは元木だ。
ラグビー部のエースで、彼女が欲しいと言っては合コンに来るのだが、どういうわけか月島にばかり絡む酔っ払いというのが、月島の元木への印象だ。
まさか酔っているとはいえ、媚薬に頼らないまま自分を犯し始めるとは思いもしなかった。月島が雪村を狙っているように、元木も月島を狙っていたなら、この絶好の機会を逃すはずはなかった。
このへんは誤算だ。
「はぁっはぁっあっいくっいっちゃうっ!」
初めてアナルを犯されているのに、それが気持ちいいのも媚薬のせいだ。そして嬉しいのは雪村のペニスを舐められていること。高橋が乳首をいじっていることも気持ちがいいからもうどうでもよかった。
パンパンといっそう挿入が激しくなり、元木が月島の中で達した。
「あんっあんっ! あ゛ああっ!」
アナルの中で射精されて、体が悦んで元木のペニスを内壁で締め付けて、それで月島も射精をした。
べったりと精液を吐き出した元木は、そのまま横に倒れた。
「あいつ、やっぱ酔ってたんだ」
高橋が面白そうに言う。どうやら元木は酔っ払っていて、さっきの射精で気絶したらしい。たぶん酔っていなかったら、こういう行為はしなかったということなのだろう。
だがそれに月島は不快感はなかった。
もはや誰でもよかった。この快楽に付き合ってくれるなら雪村でなくてもだ。
「んっはぁっ、あっ……もっと、してぇ……っ」
胸を吸っている高橋にもっと舐めてと胸を突き出すと、高橋はねっとりとしつこく乳首を愛撫し始めた。
「ふぁっ、ああっ……、高橋、ちくびぃっあぁっあんっ」
アナルからゴボゴボと元木が出した精液が漏れてくる。両足を広げて雪村を誘いながら腰を蠢かして、月島は言った。
「雪村……ちょうだい……おちんちん……んぅん」
ちゅちゅっとペニスにキスをして、催促すると、雪村はゴクリと喉を鳴らし月島の両足を広げて、アナルにペニスを突き入れた。
「あぁっいいっいいっ……んっあ゛うっんっあっああっ!」
やっと念願の雪村のペニスは、元木よりも短いが大きさはあった。ミチミチと内壁を押し広げて貫かれたら、月島は射精をしていた。
「あああぁーっ! せいえきがあぁっ止まらないっ、あんっ、ああぁっ!」
雪村が突くたびに精液がピュピュとペニスから溢れた。これだけでこうなると絶頂を迎えた時にはどうなっているのか。それが怖いと同時に月島は待ち遠しかった。
「あぁんっ、あんっ、んっ、いいっ、いいのぉっ、おちんぽぉっ、あああっ!」
「月島ちゃん、嬉しそうだね。うれションみたいに精液出して……ほらこっち向いて」
高橋は笑いながら月島の前にペニスを出す。月島はそれを扱きながら咥えた。
「んんーっ! んっ、ふぁっんっんっ、んっ」
雪村のペニスが何度も前立腺を擦りあげ、ペニスから精液が飛び散り、もう何が起こっているのかさえ分からない環境で、三人はただ精を貪った。
高橋は挿入は遠慮したいと思っているらしく、口では月島に咥えさせるが、アナルには興味はなさそうだった。なので始終入れっぱなしだったのは雪村だ。
元木は完全に寝ていて起きそうにもないが、隣では月島を上から下からと犯し、淫乱な夜が続く。
「んっ! ふぁんっ、んっ、んぅーっ!」
高橋はペニスを吸わせながら、乳首を両手でいじり、雪村の挿入に合わせてねっとりと摘まみ上げる。
「あんっあんっ! あ゛ああッ! あ゛ーっ…!」
月島はとうとう潮吹きをした。
ビシャーッと吹き出た透明な液体、それに驚いたのは月島だ。
「なに……これ……んぁああぁ……!」
突き入れている雪村がその光景を目を見開いてみている。
「あぁんっ……あぁっ、見ないでぇっ」
潮吹きが止まらない。ピューピューッと断続的に出て、それがぞくりとするほど気持ちがいい。まして雪村の視線がペニスにあると思うと余計にそうなるのだ。
「すげー男でも潮は吹くっていうけど、本当だったんだ」
高橋は面白そうにそう言うと、さらに雪村に突くように言う。
「ほら悦んでるだけからだから、もっと突いてやれよ」
「あん、あんっぁあああぁんっ!」
雪村は催促されたように強い力で月島の体を開いて犯し続ける。夢中になったように腰を振り、精液を出しては媚薬のせいなのか、勃起は止まらず、さらに快楽も止まらず、月島の体に溺れているようだった。
高橋は月島にまたがり、ペニスを口の中に入れ無理矢理に喉まで犯した。上の孔も下の孔も犯され、媚薬のせいとはいえ、月島は満足していた。
快楽に身をゆだねるのは楽しかったし気持ちよかった。いわゆる3Pも気にならず、最初の4Pも別に気にならないから、複数でも平気なのだろうかと自分の気持ちがよく分からない。
でも雪村にしてもらうことは嬉しかったし、高橋にこうされて卑猥なことを言われるのも嬉しかった。ただ誤算は元木だけだ。彼が起きた時に覚えてないといいのだがと思えた。
散々ドロドロになるまでやった後、元木が起きてきた。
風呂に入って綺麗になっていた月島に元木は酔っていて覚えてないとまず謝った。
「本当に酔っていて覚えてない」
そう言うので、月島は許してやった。
部屋のにおいがエアコンではき出されていたから、セックス三昧だったことには気付いてないようだった。ただ月島とセックスをしたことだけは覚えているような態度だったが、酔った上で侵した失態という風に見えて可哀想になった。それと同時に、元木はもう月島には近付いてこないだろうと思えたのだ。
きっと何があったのか知っていて、知らないと言って逃げるのを追うようなまねはしたくなかった。
元木が帰っていくと、雪村が月島を呼んだ。
「こっち」
風呂の中からで、そこへ行くとバスルームに引きずり込まれた。
壁に押しつけられ、尻を捕まれて一気にペニスでアナルを犯される。
「はあっはぁっ……ぁ、あぁ……せっかく……洗ったのに……」
雪村は貫いた瞬間に精液を内壁に叩きつけたからだ。
「お前も出てるし」
ビューッと精液が出ているペニスを捕まれた。
腰の動きに合わせてペニスを扱かれて、腰が砕けそうになりながらも月島は快楽に身をゆだねた。
もう媚薬の効果は切れているのだが、そのお陰でセックスが気持ちいいと知ってしまった若者が、セックスにはまるのはよくあることだ。
唯一、月島とセックスをしなかった高橋は。
「面白かったね、また呼んでよ。入れないから」
と言って上機嫌で帰って行った。
どうやら月島が雪村狙いで、媚薬を飲んだことは分かっていたらしい。おまけに雪村をその気にさせるために媚薬も飲ませた。やり方はどうかと思うがある意味キューピットだった。
起きた元木にも何か言ったらしく、元木がそれで夢の出来事だとして忘れようとしていたのかもしれない。
残った家主の雪村と月島は、それからずっと二人でセックスに狂った。
その日は完全にセックスだけに溺れ、食べ物は冷凍物をチンして食べながらもセックスに興じたほどだ。
その後も朝も晩もやり、学校に行っている間は我慢し、帰ると即行で服を脱ぎ抱き合った。
セックスに狂ったようになって、媚薬なしでもセックス出来るとなればと結局二人は付き合うことにした。
雪村には青天の霹靂だっただろうが、月島としてはラッキーに尽きる出来事だった。
二人の周りはカミングアウトの最初こそ驚いていたが、本題はそこではなかった。
「まあ、ホモくらいで驚かないけど、あの媚薬本当だったんだろうな」
「マジかよ、もらって好きなやつに飲ませてたら俺も知子ちゃんと!」
「だよな! 雪村のやつ、駅前の公園のフリーマーケットって言ってたっけ?」
「そうそう、月一の日曜にやってるやつ」
媚薬はいつの間にか、両思いになれるクスリとして噂が広まり、たまに本当に媚薬を手に入れた人間が両思いになるものだから、さらに探し求めるものが増えたらしい。
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