001-2人形
道中誰かにつけられている様子もなかった。
桐原は途中で僕に元気をつけるためと言って、ドラッグストアで栄養ドリンクなどを買ってくれた。 家にたどり着くと、桐原はへえーと周りを見回していた。
「いいところに住んでるなあ。独身用マンションかあ。お前の家って金持ちなのか」
桐原がそういうので僕はよく分からないと答えた。
独身用とはいえ、このマンションは大学生も住んでいるし、防音もしっかりしているらしく、音大生などもいる。独身用というよりは、騒音がしなくて静かなマンションなのだ。玄関もオートロックであるし安全面はしっかりしている。
だから部屋にいれば、絶対あいつらだってやってこられない。
「志水悪いけど、トイレ貸してくれる? 家に帰るまで持ちそうにないんだ」
桐原がそう言うので僕は笑っていいよと桐原を家の上げた。
「サンキュなー。でも、お前ほんと馬鹿だよな」
「……え?」
桐原の声が明るい声から急に低い声に変わっていた。
僕を馬鹿だよなって言った?
「お前が、今日休んで何していたのか、俺知ってるんだよ」
「……桐原? 何を言って……」
僕は何が起こったのか分からなくて、目の前にいる桐原がなんでそんなこと知っているのかとか、なんで僕のことを馬鹿なんていうのか訳が分からなかった。
桐原はいきなり僕に掴みかかると、床に僕を押しつけてブレザーやワイシャツのボタンが切れて飛ぶくらいに引き裂いたんだ。
「き、桐原っ! やめろ!」
僕はそこでやっと桐原が何を見ていたのかを知った。
桐原は僕を押さえつけたまま器用にズボンや下着まで脱がせて、濡らした指を僕のお尻の孔に突き入れたんだ。
「うぁあああぁっ!!」
桐原の指が二本入っていたけれど、僕の孔はあの執拗な強姦によってまだ緩んだままだった。
「ここにちん○ぶち込まれて、あんあん喘いでたじゃねえかよ。ここが気持ちよかったんだろ!」
桐原が指を出し入れして、僕の孔の中を犯す。
「いやぁあっ! 桐原やめてくれっ!」
「何言ってるんだ、ここ指じゃ足りたいくらいに緩んでるじゃねーかよ」
「んぁあぁあっ! いやあぁっやめてっだめっあっあっあっ」
ああ、本当にやめてくれ。まだそこは疼いていて、だめなんだ。桐原の指が僕のいいところを何度も触ってきて僕は自分の意志に反して腰を振ってしまっていた。
たった数時間で忘れるはずもない。どうやったら気持ちいいのか僕は知っていたから。
「中にヌルヌルしたものがいっぱい残ってるじゃないか」
「あぁんっあっいやっいやだっ」
僕が気がつかないうちに、中に何か入れられていたみたいだ。それがドロドロと桐原の指が出入りするのに合わせて僕の孔を十分に濡らしていく。
ぐしゅぐしゅとした音が部屋中に響いて、僕はどうにも出来なかった。
「ほら、これがほしいんだろう」
桐原は指を抜いていきなり彼の性器を僕の孔に突き入れた。
「あぁぁ――――――!!」
僕は桐原に入れられて僕は悲鳴を上げた。
「お前、淫乱だな。だが悪くないぞ」
桐原の大きな性器は僕の孔の中で暴れている。
「いや……だ……きり、はら……いやだっ」
僕は友達だった桐原とこんな関係にはなりたくなくて必死に訴えたけれど桐原はニヤリとして言い放ったのだ。
「お前の中にこうやって、ちん○を突っ込むのが夢だったんだよ。ああ、お前の中暖かくて気持ちいいな」
「あぁあっいやだっいやだっ」
桐原……信じてたのに。
でも俺も桐原のことを裏切っているのだと思う。
桐原のやり方はすごく下手だった。だから感じるんだけれど、僕からいいところを探さないと僕が達けない。
電車の中の人たちの方がもっと上手かった。
サラリーマンの人は別格だった。
「ほら、出すぞ!」
「んぁあっあぁ……あつい……あつい」
桐原は早々に達ってしまい、僕は置いてきぼりだ。勃起だって半分くらいしかしてなかったし、ただ孔の中に熱いのが届くだけ。それだけだった。
桐原の一人勝手なセックスに僕は不満を覚えてしまったんだ。
ああ、そうか。
僕はふとサラリーマンの人が最後に笑っていた意味をここで知った。
あの人は分かっていたんだ。桐原が僕を犯すことになることを。僕がそれに気づいてないことも。
そして、結果こうなることも知っていたんだ。
「……知ってて助けてくれなかったんだ……お前、最低だな……親切ぶって……生徒会副会長? 笑わせる。助けるどころか、家に押し入って無理矢理やるのが親切なのか?」
僕は桐原に向かってそう言っていた。
動くのもしんどかったから、その場に倒れたままだったけど、僕の声は低かったと思う。
桐原は床にぐったりとしている僕を眺めて、わなわなとしている。
「お、俺……なんてことを……」
今更、それを言うのか?
僕を助けず、僕が犯されているのを知って、だったら淫乱だと言い放って犯したくせに?
ああ、なるほど。今更怖くなったんだ。
僕が強姦されたことは桐原しか知らない。僕が桐原だけにやられたんだって訴えたら、その証拠が沢山残っているから。
大体、電車で集団に強姦されていたなんて誰が信じる? 僕だって信じない。それを見ていて助けなかった桐原には、なぜ助けなかったという問題が残る。
周りはみんな、僕の言い分を信じるだろう。
エリートコースを歩んでいる桐原は、そこから自分が外れたことの方が怖かったのかもしれないけれど。
僕は無言で桐原を睨み付けて、脱がされた服を拾うと覚束ない足取りでバスルームに向かった。
僕が桐原に関心を向けなかったからなのか、桐原はドタバタと慌てた様子で僕の家から逃げ出していた。バタンと大きな鉄のドアが閉まる音が聞こえたから、慌てて逃げたのだろう。
僕はそんなことを気にせずに体中を洗った。
そりゃ桐原にされたことは腹が立つけれど、集団で強姦を受けた後だから、感覚がおかしいのかもしれない。桐原だってあの見ず知らずのやつらと同じなのだ。
男たちが舐めたりしたから一応綺麗に拭いてはくれたんだろうが、どうにも気持ちが悪い。
綺麗に全身を洗っても、僕の中の何かが足りない。 孔の中がなんだか熱いし、むずむずしてきた。
「……なんだこれ……」
風呂を出ても体が熱いのは止まらなくて、僕は玄関に桐原が居ないのを確認して、そこに置き去りになっていた鞄を持って居間に入った。
「……ん……ふ」
駄目だ、体がドンドン熱くなってくる。
ソファに僕は倒れた。その拍子に鞄が倒れて妙な音をさせた。ゴンと堅い音。
「……何?」
僕はゆっくりと起き上がって鞄の中を見た。
「……なっ……」
鞄に入っていたものを見て僕は驚愕した。
僕はそんなものを持ってないし、入れた覚えもない。だから入れたのはサラリーマンだろう。
あったのは大きな電動バイブと透明の液体が入ったペットボトルくらいのボトル。そして何に使うのか分からない先端が少し尖った、楕円形と言えばいいのか、置物のようなそんな形をしたモノが入っていた。
ボトルの方は分かる。バイブも分かる。
これで何をしろと言っているのかも分かる。
僕は吸い寄せられるようにボトルと開けて中のドロドロした液体を出し、バイブに塗りつけて準備した後、バスタオルを外してそれを床に敷き、その上で足を広げて、自分で自分の孔を指で押し広げた。
「……んんんんぅぅ」
滑った指は簡単に僕の孔に入っていく。何度かローションを足して孔の中を十分に濡らすと、僕はバイブを孔に押し当てて中へ入れた。
さっき桐原が無理矢理押し込んだから、孔は広がっていた。大きなバイブ、それはサラリーマンの人と同じくらいの大きさだったけれど、何度も息を吐いて孔の奥に押し入れた。
「んぁああ……んん」
ああ、これだと僕は思った。
足りなかったのはこれだと。
バイブを掴んで出したり入れたりを繰り返して、僕は最後に遠隔操作の電源を入れていた。
「ひぁあああぁぁぁ――――――!!」
急激に動き出したバイブが中で振動して僕は勃起していた。片方で自分の性器を握って扱き、片方でバイブを掴んで孔から出したり入れたりを繰り返した。
ガンガンと奥に押し入れると勃起した性器から精子がドンドン溢れてくる。僕の部屋には僕の喘ぎ声と孔から漏れるぐしゃぐしゃという卑猥な音しかしていない。
「おく……おく……もっとおく……んぁぁああっ」
僕はだらしなく口から涎を垂らしながら腰を振って自分でバイブを握って激しく突き入れ、自分の性器を握って何度も射精して、満足するまでそれをやり続けた。
一人でやるのはしんどい。
こんなことなら桐原を帰すんじゃなかった。
そんなことをふと思ったくらいに、僕は周りが完全に暗くなるまで一人でオナニーを続けていた。
「たりない……たりないよ、だれか……」
思い浮かんだのはサラリーマンだ。
あの人のなら満足出来るはずだ。
そんなことを思っていると、鞄の中の携帯電話が鳴った。びくりとして僕は我に返った。
電話はずっと鳴っていた。
僕は滑った手をバスタオルと拭いて、携帯電話を取り出した。
表示された名前は、五条と書いてある。
しかし僕はそんな名前の人を登録した覚えはない。 恐る恐る僕は電話に出た。
僕が喋るより先に向こうが喋り出した。その開口一番の言葉に僕は震え上がった。
『零、それじゃ足りないだろう?』
この声はあのサラリーマンだ。
「……なぜ……」
僕の枯れた声にサラリーマン、たぶん五条というのだろう彼がクスッと笑って言った。
『いいことを教えてあげよう。零にあんなことをするように頼んだのは、さっき君の家で君を犯した桐原という子だよ』
五条は信じられない一言を言った。
「……うそ……なんで……」
僕は呆然とした。
桐原がそれを頼んだ? だから僕は集団に強姦されたの?
『君とセックスがしたい、それが彼の望みだった。だけど慣れていないからね、調教してくれと我々に頼んできた。お金も30万ほど払ってだ』
僕はそれで納得できた。
桐原が僕が今日強姦されることは知っていたわけだ。自分で頼んだんだもんな。見て無くても知ってるはずだ。
そうして僕を桐原に渡す役割が、五条だったんだろう。桐原は偶然僕を電車で見かけたんじゃない。指定された場所にきただけなのだ。
僕は最初から桐原に裏切られていたんだ。
『で、その彼は自分でセックスがしたいと言いながら、一回こっきりで怖くなって逃げたのか。君がそのバイブを使っているところを見ると、どうやら桐原は相当下手だったみたいだな。君は桐原にされても一回も達けなかったようだし』
まるでここの様子を見ていたかのような言い方だった。僕はまさかと思って周りを見回した。
『ふ……だめだよ零。探してもそんなに簡単に見つけられないよ、カメラはね』
五条が笑っている。カメラを探し回っている僕の姿が可笑しかったのだろう。
「……いつの間に……」
『鍵は電車で零が気持ちよくなっている間に貸してもらったよ』
「どうしてっ!」
僕は叫んでいた。家にカメラがしかけられているなんて一体何をするつもりなんだと。
『桐原がどこで君を犯すのか予想つかなかったから』
それを聞いて僕はまさかと思った。
五条は僕を脅すためにカメラを仕掛けたのではなく、桐原を脅すためにカメラを仕掛けたのだ。
『もう気がついたか零。私たちは零を脅そうなんて微塵も思ってないよ。零は可愛く私たちの相手をしてくれた貴重な存在なんだ。脅したら可哀想じゃないか。私たちは受けの子を愛でるのが基本なんだ』
「……桐原を脅すんですか……?」
『たまに勘違いする輩がいるんだよ。私たちに憎い相手を金を使って犯してやってくれだとかね。残念だが、あの車両は別の人間が調教した人間しか乗せないんだ。つまり合意や契約がない限り乗せない車両』
「だったらなんで、僕が……っ」
なんで桐原の言う通りに僕をあの車両に連れ込んで強姦したんだ。
説明になってないじゃないか。
『それは、零、君は痴漢されている時、声を上げなかったし誰かに助けも求めなかった。あの場で拒否していれば、私が助ける予定だったんだよ』
まるで僕が痴漢されているのに同意したと言わんばかりの言いぐさだ。
「声を上げられないようにして、僕を何人もで拘束して、周りはみんなあんたの仲間だったじゃないかっ! 誰が助けてなんてくれるんだよ!」
僕はありったけの声で叫んでそう言った。
誰も助けてくれる人なんていなかったじゃないか。誰も誰も誰も――――――!
僕は叫んだ後、初めて強姦されたという事実で泣いていた。呆然として何が起こったのか分からなくてずっと夢の出来事だとばかり思っていたことが現実になってきて、すごく辛かったのだ。
『一つ違うことがある。零、君は私が一目で気に入った可愛い子。私はずっと零を犯すチャンスを狙っていたんだ。あの車両は、車両に乗る権利のある人間なら、外から自由に自分の気に入った子を連れ込んで調教していい、調教電車でもあるんだ』
――――――どっちにしても零は逃げられなかったんだよ。
五条はそう静かに僕に言った。
桐原がお金をかけてまでしなくても、五条は機会があれば僕を狙っていたということなのだ。
たまたま僕があの車両の隣に乗った。たまたま桐原が僕を調教するように頼んだ。たまたま五条があの車両に乗っていた。全部偶然に重なったことだったというのだ。
『零、君は私のモノだ。その私のモノに勝手に手を出した桐原を許しておくとでも思うのかい?』
「……あなたのモノって……僕は違うっ」
『零、私からは逃げられないよ。私から逃げようとすれば、零があの車両で沢山の男をくわえ込んで、喜んで腰を振ってる動画を売るよ』
五条はそう言って僕の部屋のDVDデッキの中を見ろと言った。
まさか……と僕は思いながらそれを再生させた。
――――――画面の中に僕がいる。
僕がお尻の孔に男の性器を突っ込まれて、あんあん喘いで、男の性器を口に入れてしゃぶって、顔に精液を浴びて、お尻の中に精液を出されて僕も一緒に射精する映像。
――――――んぁあっあっあっんぁああっ。
――――――零くん、可愛いねえ。
――――――零くん、美味しそうにしゃぶるね。
――――――アナルもぐちょぐちょだよ気持ちいいんだろ?
僕は、それに頷いて腰を振っていた。
――――――零くん腰使い上手くなったな、気持ちいいよ。
――――――あっあっいっちゃうっ!
――――――達け。
――――――あぁぁあああっ!!
まさか、映像が撮られているなんて思いもしなかった。よく見たら、携帯電話でもみんなが撮っている。動画や写真。それは回収しようとしても無理なことだ。
『それはまだ流通する段階ではないから、私の言うことを聞けば止められる』
「……流通……」
『止めたければ、零、そこにあるもう一つの道具を孔に入れて部屋から出ておいで。下で待ってるよ』
五条はそう言うと電話を切ってしまった。
僕は呆然としたまま、暫く電話を見つめていたが、僕に選択権はないのだとすぐに悟った。
このまま拒否をして本当に僕のこの姿が流通されるか、僕が五条の言うことを聞くのか。その二択しかない。
僕は……五条の言う、流通はさせないという言葉を信じようと思った。
だって警察に駆け込んだって、僕を強姦した相手が捕まるとは思えない。映像を売ったり、車両そのものを調教用にしているような人たちだ。警察に言ったって、調教用電車なんて信じないだろうし、調べられても困らないようになっているだろう。
このDVDを持って行くのは無理だ。僕は喜んでいる姿しか映ってない。これでは合意しているのと同じだ。証拠になんてならない。
いろいろ言い訳を考えたけれど、僕はただまだ疼いている孔の中を誰かにどうにかしてもらいたかっただけだ。
僕は五条に言われた通りに、鞄に入っていた謎の道具をゆっくりと孔の中に入れた。
「うぅ……ぁ……んん」
先が入っても中間の膨らんでいる部分が少しきつかったが、そこを超えてしまえば、まるで孔に蓋でもするかのようにピタリと孔に収まった。
五条は絶対僕がこれをしているところを見ている。 どこにカメラがあるのか分からないけど。
僕は孔に入れたモノが落ちないようにギュッとお尻の孔を締めて服を着替えて外へ出た。
歩くと孔の中のモノが動いてあちこち僕のいいところを刺激してくるから、下に降りるまで苦労した。 ふらふらになりながらマンションの前に出ると、黒い車が家の前に止まっていた。
ふらつきながら近づくと、五条が車から降りてきた。それも後部座席からだ。
「零、来ると思ったよ。さあ」
五条はニコリと笑って僕を車の中に乗せた。
道路側の方に乗せたのはきっと逃亡しないようにしたのだろう。けれど僕にはもう逃げる気なんてなかった。
車が動き出すと僕はその振動で孔に入れているものにまで振動が伝わって僕は五条にすがってしまった。
「んぁ……あ」
口から声が漏れてしまったが、五条は知っているからクスッと笑った。
「ああ、振動が伝わったのか。では、これならどうだ?」
五条はそう言うと僕を五条の膝の上に乗せ、すぐに下着まで脱がせた。下半身を裸にされて僕は焦った。だって運転席には運転手がいる。
喘ぎ声が漏れそうになって僕は口を押さえて耐えたが、五条は気にすることなく孔を埋めている道具を押さえて言った。
「気にすることはない。無駄な抵抗はしないことだ零」
そう五条が言うと、孔の中に入ってたモノが突然ブルブルと震えだしたんだ。
「んぁぁああ――――――!!」
中で入れていたモノが暴れている。
五条は笑って僕の性器を弄りだした。
「もうヌルヌルになってるな」
亀頭をグリグリと指で弄られて、僕は身を捩って悶えた。
「だめえぇぇ――――――んぁああぁあっん」
「気持ちよさそうだな零」
性器を弄りながら僕の頬に五条がキスをする。指を口の中に入れて僕の舌まで犯してくる。
「んふっんん……んふん」
五条は首筋まで舐めてきて、僕はただただ喘いで悶えた。
車がいつの間にか止まっているのなんて気がつかなかった。
「零、これを入れて欲しかったんだろう?」
僕の手を持っていって五条の股間にあてた。それは大きくなっていて、僕はゴクリと喉を鳴らしてしまった。
「零の好きにするといい」
そう言われて僕は五条の膝から下ろされた。僕はすぐに五条の股間に手を当てて、ジッパーを下ろすと中の性器を取り出してそれに吸い付いた。
馬鹿なことしているのは分かってる。
自分でも馬鹿だって思ってる。
だけど……僕はたぶん、おかしくなったんだ。
考えるより先に、それを欲しいと思ってしまうんだ。きっと頭の中の常識という回路が壊れたんだと思う。
「零、もういいよ」
ドロドロになるまで舐めたら、五条は満足したように笑った。
「おいで」
そう言われて僕は五条の膝に跨った。五条は僕の孔に入っている道具を抜いてくれた。
「うぅん……はぁあ」
「よく広がっている。零、普段からこれをつけて生活しなさい。そうすれば、こうして」
五条はそう言うと僕の中に一気に性器を突き立てた。
「あぁぁああ――――――!!」
「こうやって、簡単に私のサイズでも受け入れられるようになる。零返事は?」
「んぁあ……はい……」
僕はあの道具をつけて生活をすることを受け入れた。
その後は車の中で五条に散々達かされて、精子が入ったままなのに道具を入れられた。
「ここに零に必要な道具と説明書が入っている。これを持ち帰りなさい」
五条は言って僕の目の前に大きな鞄を置いた。中身は聞かなくても分かる。僕はそれを受け取った。
マンションの前まで車は戻って、僕を下ろすと五条はすぐに去っていった。
五条は僕の家に上がり込むことはしないようだった。だけと監視カメラはつけたままだから、五条には僕が家で何をしているかなんて分かってしまうだろう。
カメラを退けてくれと言い忘れていた自分を思い出して僕は溜息を吐いてしまった。
どっちにしろ、カメラがあるかないかなんて、五条が言ったとしても本当にそうなのかは僕には分からないことだ。
とても疲れた。
僕の日常は今日一日で180度変わった。
偶然が沢山重なって、僕は五条に弄ばれる存在に墜ちてしまった。
これからどうなるかなんて分からない。
五条が飽きるまで僕は五条の言うことに従うことになるだろう。飽きるっていつまで、なんてそんなことを考えると途方もなく先に思えるから、僕はそれを考えるのをやめた。
「お風呂に入って寝たい……」
僕は呟いてマンションに戻った。
明日からどうなるかなんて考える思考すら残ってなかった。
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