insistence

5

 絢羽が大学を何とか卒業できる見込みができたのは、冬と呼ばれる時期に入ったときだった。
 卒業論文も提出し、ギリギリで単位も足りた。
 もうやることはないと気付いた時には、伊能に弄ばれ始めて二年が過ぎていることに気付いた。
 伊能は絢羽を手放すことなく、絢羽を男達に与え続けた。
 絢羽の日常生活を壊すことなく、伊能は裏で絢羽は丁寧に扱い、決して表沙汰にならないように管理し続けた。
 そのお陰で絢羽は未だに日高と付き合っていたし、親にもバレていなかった。
 しかし就職となった時に絢羽はもう何になりたいのか自分でも分からなかった。
 就活ももちろん上手くいかず、かといってこのまま伊能の言いなりになっているのもどうかと思うようになり、東京での就職は諦めて田舎に帰ることにしたのだ。
 就職活動は冬休みに地元の企業の説明会に参加することにしていたのだが、それが何処からか伊能に漏れてしまった。
「田舎に帰って平穏に生きる気か。させねえぞ」
 伊能は絢羽を呼び付けたラブホテルでそう言い放つと、体に覚え込ませるように絢羽を一日中犯した。
「ふあっあっ、あっらめええっ、激しくおちんぽでおま○こぐりぐりされたらっああんっきもちいいっああんっああんっああっ!」
「お前は、こうやって男に犯されるのが一番いいんだ」
 伊能はそう言い、絢羽に自分の会社に所属するように言ってきた。
「ああっんっいいっ……おま○こっ……ああんっらめっおかしくなる……ああんっああいいっきもちよすぎるっああん!」
「お前は絶対に手放さない、お前の周りを壊しても、お前は俺のものだ。お前を自由にできるのは俺で、お前に自由はない。お前を飼ってやる」
「あぁあっああんっ……もっ許してぇっ……おかしくなっちゃうっ……、おま〇こっあああっ……おちんぽっああっ……あっ、あああぁっ……らめっおちんぽハメるのはっ……おちんぽ……ああんっいいっいいっああああっ!」
「そうだ、この俺のペニスで良がり狂っているのがお前には一番似合うんだよ、淫乱ま○こをこのまま捨てる気はないぞ」
「いいっああっ……ああんっ……んっあっあああっああっああっんっああっんあっあっあっああっ!」
伊能は絢羽を手放す気は一切なかった。
 なので、伊能が立ち上げた会社の社員にすると言った。
 どんな会社なのかと思ったら接待などに使うコンパニオンを派遣する会社で、パーティーや色んな用途にさくらとして人材を派遣する人材派遣会社らしい。
 そこでも絢羽は秘密のパーティーの主役として招かれる予定で、今まで通りに目隠しで男達に犯されるのが役目だという。
 何も変わらない役割であるが、今度は無償ではなく仕事になる。
 その違いは分からないが、これまでに絢羽が伊能によって脅されてやらされていた接待のようなことも、絢羽にはお金が発生していたという。
 そのために伊能は絢羽の口座を独自に作っていて、それに今までのお金を振り込んでいたという。
 セックスの途中でそれを見せられた。
「これを持ってお前が消えるのは自由だ。だが、俺は何処までもお前を追うし、お前を連れ戻す。逃げても何処まで地の果てまで追いかける。それにお前はもう俺のペニスどころか男達のペニスがないと生きていけない体になってる。実質一週間もセックスがないと禁断症状みたいになっているだろう?」
伊能にそう言われて結腸までペニスを突き挿れられてしまった。
 結腸までペニスが挿入るのは伊能か、絢羽の父親のペニスくらいで他の人は反りが足らずに挿入らない。
 絢羽はそれを知ってから男のペニスがないと生きていけないと気付いていた。
伊能の言う通り、一週間セックスをしないだけで性欲を持て余し、自ら男を求めてしまうのが怖くて伊能に縋ったことだってあった。
 伊能はそれが分かっている、わざわざ男達から金を取ってまでして男達を集めて絢羽を犯させたのだ。
 伊能が儲けるためにしたのではなく、絢羽の性欲が人よりも何倍も強いせいで男を毎回多くても十人くらい相手しないと発散できないからだ。
「あ゛あっ……んっあっ、あ゛っ、あっあっあっあああっ! んあっん……あっあああっ……あんっあっああっああっんあっあっはあっんっあっ、ああっあぁんっ」
「可哀想にな、お前も日高なんかに犯されなければ、こんな道に足を踏み入れることもなかったのに。俺なんかに目を付けられなきゃまだ戻れたのにな……。でも俺は絶対にお前を手放す気はない。お前の面倒は俺が全部見てやる、だからお前は俺のペニスでずっと喘いでいろ」
伊能はそう言うと、何度も絢羽の中に精液を吐き出した。
 それで絢羽は満足してしまう自分がいることにも気付いた。
「いいっああんっおま○こっいいっきもちいいっああんっああ……ああんっ……ああんああいいっ」
「ああ、どんだけ使っても変わらず締め付けてくるな……ほんとお前は名器だよ」
「あ゛あっいいっ、らめっあ゛あっ、おま○こゴリゴリしてるっ……ひっあっ、あんあんあん……ああっ……らめっゴリゴリしちゃっ……ああんっおちんぽっおおきいいっああんっ……ああんっ」
絢羽は伊能の言う通りなら逃げられないのだろうと思った。
 自分の中で壊れたのは常識だろう。
普通ならここで大金を渡されたら逃げる算段をするはずだ。けれど絢羽は逃げても意味がないことに気付いてしまった。
 今まで伊能に言われて脅されて男達と関係を持っていたが、逃げることはいつでもできた。
 けれど父親と交わってしまった時に、絢羽の逃げ場所はもう何処にもないことが分かってしまった。
 あの後、絢羽の父親は絢と絢羽が同一人物であることにはさすがに気付いてしまった。
 今年の春休みに帰省をした時に、父親が絢羽を車で連れ出し、絢羽とペンションに泊まってそこで問答無用で絢羽を犯したのだ。
「おちんぽっいいっ……きもちいいっおちんぽ……ああっ……いいっ気持ちいいっ……ああんっああっあああんっ」
 いつもの癖でアナルにストッパーを入れっぱなしにしていたから、父親も察しただろう。あの時の絢は絢羽だったのだと。
 そして父親は絢羽を犯すことに目覚め、休み中は絢羽を連れ回した。
 それによって絢羽はもう帰れる場所をなくした。
父親に抱かれ、ペニスを受け入れて、絢羽は嫌だと言うよりも喜んでしまったのだ。
「あ゛ああっ……あっ、あ゛っ、らめっらめええっ、あ゛あああぁっあ゛っい゛っ、あっんっ、、いくっあ゛あ゛っあっらめっあ゛っんっ、あっ、あぁっ、いくっ、いっちゃうっ……あぁあああん!」
最高の気分で絶頂をして、父親の精液を受け止めて満足する。
 そんなのはおかしいことは分かっている。
 それでも絢羽は休み中、父親のペニスがないと性欲を発散できなかったのだ。
 そのせいで両親は離婚をした。
 母親は絢羽の変わりようには仕方ないと思っていたらしいけれど、父親の吹っ切れた変わりようはさすがに容認できなかったらしい。
 けれど二人が関係を持っていることはバレずに離婚に至ったという。
 父親が親権を取り、母親が家を出て行った。
 それによって父親は出張で東京に来るときは絢羽のところにやってきて伊能に金を払ってでも絢羽を独占して抱いたのだ。
 もちろん目隠しはした方が興奮するというのでしていたが、こんな変態な父親に親権を持たれてしまったけれど、田舎に戻って父親の慰み者になっているのが一番被害がすくなくていいかもしれないと諦めが付いたからこそ、田舎に戻るつもりだったのだ。
 しかし伊能は大学中くらいの執着かと思っていたが、想像以上に絢羽に執着しているようだった。
 その執着がなんなのか絢羽には分からない。
 絢羽にはもう何の感情も湧かない。
 日高ともまだ付き合っているが、体の関係に戻ったけれどそれでも絢羽はそれではもう満足ができなくなっていた。
 だから日高とは別れた。
「貴方じゃ満足できない」
 絢羽はそう正直に伝えると、日高は絢羽があの時から変わってしまったという自覚があったようで、あっさりと別れてくれた。
 どうやら最近伊能と一緒にいるところを何度も見ていたらしく、伊能が絢羽に執着して連れ回していることを噂で聞いていて、出来ていることも察したらしい。
 体を合わせてしまえば、絢羽が日高程度で満足できてないことは分かってしまったようなのだ。
 日高は最初は伊能と付き合っているならそう言ってくれたらよかったのにと言ったけれど、絢羽は日高が絢羽をレイプした動画を脅しに使われてそれからの関係だと告げたら、さすがの日高も絢羽を責めることはできなかったようだ。
「自業自得か……すまない」
 最後に日高はそう言って謝ってくれたけれど、何もかも過去のことで絢羽は許すも許さないももう何も感じなかった。
「もう、そんなことどうでもいい。僕はきっと……もう戻れないところまで来てしまったんだと思う」
 絢羽はそう言って日高を責めることもなく、ただ単にそうなっただけだと告げたら日高には何も言えない。
 警察に行こうとも言えなかった。
 発端が日高が絢羽をレイプしたことにあるのだ。
 ただ絢羽は日高にその証拠になっている動画を全部削除するように頼んだ。
「持っていたらきっとよくないことに巻き込まれるかも知れない」
 それが効いたようで、その場で日高は動画を削除してくれた。恐らくコピーなども取っていたとしても、絢羽が伊能という良からぬ人と関わっている以上、真面に生きたい日高にとってそれを置いておくリスクの方が大きいだろうから、消すだろうと絢羽は思った。
 思った以上に伊能は裏では力があるようで、絢羽は伊能と付き合っているかのように一緒にいることが増えても誰も絢羽のことを口にはしなかった。
 だからこそ、絢羽はある意味伊能に守って貰えていたことになる。
その伊能が絢羽に執着して守ると言うなら、本当にそうしてくれるのだろう。
「いい……ああんっおちんぽっいい……ああんっああっ……きもちいいっああんっ……ああんっおま○こっああんっいいっ」
「お前はこれがないと、生きていけないだろうっ!!」
 そう言い、伊能は絢羽の奥にペニスを突き挿れて腰を振ってくる。
「あ゛あぁっ……おちんぽいいっああっ、あっ、やああっあっあんっあっあ゛ああぁっ……すきっおちんぽすきぃっ……おま○こ、イキまくちゃうっ……あ゛ああっ……ああいい……おま〇こきもちぃっあぁあんっあんっ」
絢羽はここで認めてしまえばきっと楽になるのだろうと思った。
 心にはもう何もない。ただ男のペニスを受け入れて腰を振る、そして嬌声を上げればそれで気持ちが良くて満足する体になったのだ。
「いいっきもちいいっおちんぽっああんっらめっらめっきもちいいところばっかっ……こすっちゃっああんっああっ、すきっ好きっ、おちんぽしゅきぃっ……あ゛っあ゛っ、あっ、きもちいとこっ、ゴリゴリされてっんっあっあああんっ」
「そうだ、それでいい、お前は雌ま○こでペニスが大好きなんだ」
「ああ……すきっおちんぽっ……すきっああ……きもちいいっああんっおま○こゴリゴリされて……ああんっいいっああっ……ああんっいいっ……あっあっああっあっあっああっんっあっ」
絢羽はそう声を上げた。
 ただ気持ちがいいそれだけでもいいのだ。
 これ以上悩まなくてもいい、ここで気持ちがいいのだと認めればそれで全部が終わる。
 煩わしいことも考えなくていいのだ。
「おちんぽっきもちいいっああ……いいっおちんぽっ……おちんぽっああんっきもちいいっああんっあっあ゛っ激しぃっ……ん゛ああんっあ゛っあっあひっ……あ゛っあっあんあんあんっ」
絢羽が強く伊能のペニスを欲しがって腰を振り始めるとそれに伊能は満足したように笑った。
「それでいい、それでこそだ」
「ああっすごいっおちんぽっすごい……ああんっきもちいいっあ゛あああっ……あぁっあっいいっ、きもちぃっ、、おちんぽ、大きくて、おま〇この奥まで届いてるっあああっあぁっあっあっ」
「さあ、イケ! 俺の精液を受け止めろっ!」
「ああ……おおきいっおちんぽっきもちいいああんったあんっあああんっ……きもちいいっああんっふあああっ……おちんぽせいえききたっあああ……あああ、きもちいいっんんんんっ!!」
 絢羽はその日、自分の全てを認めた。
 男のペニスで気持ち良くなるのはそういう体をしているからだ。
 そう認めてしまえば、苦しんだ二年が何だったのかと思うくらいにあっさりとした過去に変わった。
 絢羽は一皮むけたかのようにすっきりと絶頂した後、心が切り替わっていた。
 自ら伊能のペニスに跨がり、腰を下ろして動き始める。
「あっ、おま○こに、はぁっ、おちんぽハメて、いっぱいおま○こをいやらしく突いてっあ゛っ、あ゛あっあ゛っひっ、いいっ、い゛あぁっおま○こにいれてぇっ奥までいっぱい突いてっ、あんっあああああっ!!」
その絢羽の言葉に満足した伊能は絢羽の腰を腰を掴んで突き上げていた。
「あぁんっ、好きっ、好きぃっ……、おち〇ぽ大好きっ、あ゛っ、ひっ、おち〇ぽハメハメされるの好きっ、あ゛っ、おち〇ぽっ激しすぎっ……あっ、あっ、あっ、あんっおま○こ壊れるっひあっあ゛っイってるっ……イってぅのに、あああっ、あんっ、あ゛っ、あっ、あんっ、あんっ」
絢羽はその日からすっかりと変わっていった。


 伊能に言われるがままだった絢羽は、自分から男を求めて沢山の男を虜にした。
 積極的に性を求めることで、前よりも評判がよくなり絢羽を犯したがる男が増えた。
 そのお陰で伊能は社会的地位を築いていき、絢羽はそれを手伝うことになっていった。
 日本だけには止まらず、海外の取引でも絢羽は活躍して男達を落とした。
 その妖艶なことから絢羽はどんどん美しくなり、顔を晒して男達と交わった。
 絢羽にとっての幸せは、愛とかでなく、ただ心を満たすように性欲を満たしてくれるモノの存在でしかない。
 ずっとゲイだと思って生きてきて、それが適う環境にいる。
 これ以上自分を活かせるところはあり得ないのだ。
 そして絢羽は長い時間、伊能と共にその世界に君臨することになった。
 絢羽はまるで男の性を食って若返っているかのように、いつまでも年を取ることを忘れた存在として生きていくことになった。
 本当に絢羽が安らげるようになるには、五十年近く先の話になる。
 それまで絢羽は性欲に振り回されて、本当の安らぎを得ることはできなかったのだった。

 

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