insistence
2
絢羽と日高が付き合い始めて二週間を過ぎた頃だった。
その日は日高が講義が遅くまであるため、絢羽は早めに自宅に帰ることになった。
待っていようと思ったのだが、日高は最終まで講義があるのでそれからだと食事もできないと判断して、今日はデートはなしになったのだ。
そんな絢羽は大学の門から出ようとしていた時だ。一人で駅に向かおうとした時に一人の男が話しかけてきたのだ。
「あんたが武下絢羽?」
急にフルネームで呼ばれて、絢羽は誰だろうとその男の顔を見た。
その男は絢羽とは関わり合いがない人だった。
派手なブランド品に身を包んでいて、何処かの坊ちゃんというのが一番の印象。しかし一重の目つきが悪いつり上がった瞳が、上から下まで絢羽を舐め回すように見ているのには気付いた。
「そう、ですけど?」
絢羽はとりあえずここで話を聞けばいいかと思い返事をすると、男は名乗った。
「俺は伊能僚一というんだけど、あんた、とってもセクシーだよな」
そうぶしつけに言われてしまい、絢羽は唖然とする。
「話がそれだけでしたら……」
碌でもない人間だと判断して逃げようと一歩足を引いたとたん、伊能は絢羽に近付いてきて絢羽に向かって持っているスマホを見せつけてきた。
その画面にはいやらしい淫らなセックスをしている男が映っていた。
「……な、なにして」
なんてモノを見せるんだと絢羽が言い返そうとしたが伊能は言った。
「清楚な感じに見えてここまでエロいなんて、絢羽ちゃんはほんと、淫乱だよなあ」
そう言われてしまい、絢羽はハッとする。
動画に映っているのは絢羽だった。
なぜ、こんな動画があるのかと絢羽が焦ると、伊能が言った。
「いやね、落とし物のスマホにロック掛かってなくてさ、それで中身見ちゃったんだよね。そしたら見覚えのあるやらしー子がこんなことしてんじゃん。ハメ撮りとかしそうにないのにねえ。ああ、おもちゃでもイキまくりでアンアン喘いでたっけ?」
耳元で他には聞こえないように言われたけれど、スマホからは自分のいやらしい喘ぎ声が漏れて聞こえていた。
幸い、周りには人が通っておらず、誰にも聞こえていなかったけれど、絢羽は慌ててそれを止めようとした。
けれど伊能はスッとスマホを引いてから言った。
「彼氏くん、日高くんだっけ? これ知られたらマズイよね? もちろん俺はばら撒いてもなんの支障もないけれど、彼氏くんの将来は終わるよね。だってこれ、レイプ動画じゃん? 今は付き合っているのかもしれないけど、この動画の全部ほぼレイプで、お前嫌がってるもんな。そうしたら警察に誰かがチクるかもな。そうしたら日高くんの将来終わるよね。そういえば、日高くん、いいところの坊ちゃんで、跡取りじゃなかったっけ?」
伊能が言う通り、その動画はあの時のレイプ動画だ。
あの時は日高とは付き合っていなかったので、プレイですとは言えない。
伊能の言い分も間違ってなくて、日高はいいところの坊ちゃんだ。将来を期待されているけれど、カミングアウトしてまで道を逸れようとしたが、それでも親が受け入れてくれたらしく、その親に感謝して会社をもり立てると話していた。
だから真面目に恋人が欲しかったし、その相手には絢羽が相応しいと思ったと日高が言ってくれた。
なのに、こんな動画が巷に溢れたら、本当に日高の人生は終わってしまう。
そして絢羽の人生も終わってしまうのだ。
「それでね、この動画、削除する代わりにさ、絢羽ちゃんにはお願いがあるんだよね? 俺も気持ち良くなりたいんだよ、分かるよね?」
そう伊能が言い、絢羽の肩に手を掛けてきた。
絢羽はそれを振り払うことができずに、伊能に連れられて大学内に戻っていった。
どうするのかと思っていると、伊能はもうすぐ取り壊されると噂の旧大学講堂に入っていった。
鍵を何処かで手に入れたのか、裏口から入ることが出来た。
絢羽は伊能に逃げられないように肩を押さえ込まれていたから誰にも助けを求められなかった。ちょうど講義が始まったばかりの時間で講義がない学生も屋内に引っ込んでいるようで、誰一人して人に会わなかったのだ。
だから絢羽は逃げることも出来ずにいたが、旧講堂に入るのを嫌がってみせるとそこで伊能はスマホの動画の音声を上げたのだ。
『ああっ、やだ、や、あ、あ、いく、いくっ、いっちゃ……あぁっあああぁぁ――……っ』
その大きな声は周りに響いてしまい、絢羽は慌てて伊能に飛びついてしまった。
反動で旧講堂の中に入ってしまうと、行動の中でその動画の音が山彦のように響いてしまっている。誰もいないのは分かっているけれど、それでも死ぬほど心臓に悪い。
「や、やめてください……」
「なら、ちゃんと付いてこい」
伊能にそう言われて絢羽は旧講堂の三階に連れて行かれた。
その講堂の中で視聴覚室が付いている講堂があり、その中は防音をされている。その部屋に入ると伊能は内側から鍵を掛けた。
何をされるのかは分かっている。
絢羽はもしかして早まってしまったのではないかと考えたが、伊能は部屋のカーテンが閉まっているのをいいことに、講堂の教壇の壁にある大きなテレビにさっきまで見ていたであろう動画を流し始めたのだ。
『あ゛っあ゛あああっ! あ゛ひっ、そこっ、らめっ、あ゛ああっ、だめっしんじゃうっ、そこばっかゴリゴリしないれぇっ……! あ゛ーっ、あ゛ーっ、んっあああぁっ……!』
画面の中で快楽にのたうち回り喘ぐ淫らな自分が映ってしまうと、絢羽は絶望を味わった。
こんなものまで日高は録画をしていたのだ。
そして消さずに残しておいて、スマホを落とすという最悪なことをしでかした。さらにはこの動画を撮られていることにほとんど絢羽が気付いていないのは、ウイスキーで酔わされたせいだろう。
完全に酔っ払っている口調で喘いでいるのが証拠だ。
『――はっ、はぁっ……! ぃや、だ……っはぅ……っ、く、くぅううん……っ! んんっ……は、ぁん! あぁあ……っ!』
その動画を散々見せたあと、音はやっと切ってくれた。
「これと同じことをしたいわけだ。分かるよな、絢羽ちゃん?」
伊能がそう言うので絢羽は頷いてしまった。
この男は本当にこの動画を外へ流すだろう。それに躊躇はしていない。
だってこれには伊能が何かやったという記録が何も残っていないのだ。ただ絢羽が日高に襲われて犯され、レイプされたという記録でしかない。
バレたくないという気持ちと、日高の立場も守りたいと僅かな好きという気持ちが湧いてきてしまったからこそ、この動画を流出させるわけにはいかなかった。
「じゃあ、早速」
頷いた絢羽に気を良くした伊能だったが、絢羽を完全に信用したわけではなかった。
隙があれば逃げるだろうと思っていたのか、まずは絢羽に服を全部脱いで全裸になるように言った。
その通りに服を脱いだらその服を伊能が袋に入れて教壇の机に置いた。
これで逃げるにはあの服を取って中から服や靴を取り出さないと旧講堂から出ることはできなくなってしまった。
意外に頭が回る伊能に、絢羽は言われるがままになるしかなかった。
「それじゃこれを付けて貰おうか」
そう言いさらに伊能は道具を持って近付いてきた。
伊能の手には首輪があり、それを絢羽に付けると教室の前の席の机の支柱に結んである鎖に繋いだのだ。
「さあ、これで逃げることはできないわけだ」
ニヤリと伊能は言うと、絢羽の後ろ髪を引っ張って上げを上げさせると、絢羽の唇にキスをしてきたのだ。
噛みつくようなキスであるがそれに抵抗はできなかった。
乱暴にされるのが怖かったし、逃げられない以上、うっかりで殺されることだってあるかもしれないという現状を思ったら入ってくる舌を噛み切るなんてできるわけもなかった。
そしてここからが伊能の本領発揮だった。
持ち込んだであろうマットレスに絢羽を四つん這いにさせると、絢羽のアナルにジェルを大量に流し込んできたのだ。
「あっひあぁ……っ、ああ……ひぃっ」
一本目のジェルが入ってしまうと、伊能は絢羽のアナルにディルドを突き挿れてきた。
「ああ、あああ! やあぁあっ……! や、だっ……あ、んんぅう!」
「やっぱ、これくらいか……まだまだ拡張しなきゃな……」
伊能は絢羽のアナルにディルドを挿れ、それを出し挿れしながらアナルの様子をうかがっている。
カーテンが閉まっているので部屋の中はテレビから漏れる明かりのみである。視線を何処へ向けていいのか分からないので絢羽は暗闇を凝視するしかなかった。
伊能はディルドを上手く動かして絢羽の前立腺を見つけては時々擦りあげてくる。
「あぁあっ、はぅん……っ、あ、あ、あっひぁあああっ! ぁう……っ、ぁ、う……っ」
散々日高にされたことが蘇り、こんな状況なのに快楽を追う癖が付いてしまっているのに絢羽は気付いた。
「あぁっ……、あ、ぁんっ、あっ……あつ、い……っん……っ、んは……っ」
アナルをディルドで犯されながら、更に伊能は道具を大きくしていく。それは日高のペニスでは届かない場所を開くくらいに長く、そして太かった。
「んは……っ、ぁ、……は、はぁ……っ、や……はぁ……っ」
「ちょうど、これが俺のサイズだ。俺のペニスを元につくったバイブ、しっかり味わってな。このためにわざわざ新調したんだぜ?」
「ひんっあゃ、ん……、やめ、あああ……やあ……っあ、ゃ、やだ……っ」
そういうバイブを突き挿れられて、中で先が左右にうねって中をかき混ぜてくるのに、絢羽は喘ぎ声を上げていた。
「や、あああぁん……っあふ、……あああぁ、あああっあああっ、やだ……あああっ」
未知の世界と言っていいくらいに深いところで蠢くバイブの動きと、伊能のペニスを象ったという形は瘤があちこちにあり、日高のものともディルドとも違った。
「あっ……、ああっああは、ああはっ、ああぁ、ああ……っやぁ……っ、ぁん、あぁっ、ああ……っ」
堪らなく感じてしまい、絢羽はこんな状況でも自分は犯され慣れてしまっているのだと思い知った。
日高に三日もかけて仕込まれた淫乱な体がそれ以上の快楽を追い求めてしまっている。
この変化に絢羽は戸惑ったし、驚いたけれど、そこで伊能が言うのだ。
「お前、乱暴にされないと感じないんだろう?」
「え……あああっんんっやら……違うっあああっ!」
ゴンッと奥に届くようにバイブを押し入れられてしまったら、それで軽く絢羽は絶頂をしていた。
「ほら、イッた。こういうのが好きなように、あの彼氏に仕込まれたんだな。そりゃ可哀想に。こうやって俺みたいなやつに好かれるような体に仕上がってしまって。こうやって俺が摘まんでやんねえと、甘い恋人同士のセックスなんてやってらんなくなるぞ」
「やぁあっあぁっ、あぁん……ああっんはっ、あぁっ、あああっ! やぁ、らめぇ……っおま○こ、あああ、ああんっやぁ……っ!」
ガンガンとバイブを押しつけられて奥まで完全に開いてしまうと、伊能は待ってましたとばかりに一気にバイブを押しつけたあと引き抜いた。
「やぁあっ! あつ……っぅあ、あ……っやぁあっ! あ、あっ――!!」
それだけで絢羽は完全に絶頂をしていた。
脳天を突き抜ける快楽を味わっている間に、伊能は自分の勃起したペニスを一気に絢羽の中に突き挿れてきたのだった。
「ひぁあ……っ!! あっ、あっ……あぁっ! ふぁ……ぁ、ん……んぅうう!」
その突き入れられた衝動で、絢羽は精液を吐き出して絶頂をしていた。
「ああ、トコロテンしたか~。ほんと、エロい体してると思ってたけど、やべえわお前、これは男に犯されることでしか開花しないやつ。マジで淫乱ドMじゃねえか」
「あああぅあぁあ! あああぁひ……っ、ひぃい……っ、あっ、やっ、ああ……っ! いやだこれっ、あぅっ!」
伊能のペニスはさっきまでのバイブとは違い、ゴツゴツとし反り上がっている。恐らく、普通に興奮した時はあのバイブの形なのだろうが、今、絢羽の体に興奮している伊能のペニスはそれ以上に勃起しているということなのだ。
「んは……っはぁ、はぁ、も、ぅあっ、も、ムリ……っ! ひぁああああっ!!」
「すげえしまるわ~、絢羽ちゃん、マジ淫乱ま○こじゃねえか……トロトロ雌ま○ことか最高なんだけど~」
「あっあっあっあっ……! んひゃぁぅ……っ!」
伊能はセックスが上手かった。
しっかりと絢羽を感じさせて自分も気持ちがいいと言い、奥を責めたかと思えば狩りで引っ掻くように入り口を責めたりと、とにかくセックスになれているようだった。
日高よりも手練れで、セックスというものを知り尽くしているような腰使いだ。
「やっ! あぁっ! ああ、やぁ……っ、あああ……っ! あっ、あぁあっ!」
「一回出しておこうか……雌ま○こに中出しだっ」
「あっ、あぁっ、ゃ、やだぁあ……っ! あっあっ、ダメ、ダメ、そ、そこだめ……っやめ、あぁっ!」
絢羽がやめてと言っても伊能がやめるわけもなかった。
伊能は絢羽のアナルの奥で精液をしっかりと中出しをした。
「あぁんっ! ぁあっ、らめっああっ、やっあああぁっん、らめっ……ひああぁっ」
熱い精液が中で暴れ回り、治まることなくそれが奥の奥へと流れていく。
「あーマジ最高、一回じゃ終われないな、一日付き合って貰うぞ」
伊能はやる気になり、絢羽を陵辱することに夢中になった。
誰も助けが来ない旧講堂で絢羽は伊能によって九時間にも及ぶ乱暴を受けることになってしまったのだった。
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